岡本隆司『中国史とつなげて学ぶ 日本全史』

 2021年10月に東洋経済新報社より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国史の視点からの日本通史です。著者の著書をそれなりの数読んできたこともあり、本書の内容について大きな驚きはありませんでしたし、織田信長の評価などとくに前近代の日本史の解釈について疑問に思うところも少なからずありましたが、改めて興味深い見解と思った見解も多…
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鉄器時代以降のヨーロッパの安定した人口構造

 ヨーロッパの歴史時代の人類遺骸から得られた新たなゲノムデータを報告した研究(Antonio et al., 2024)が公表されました。本論文は、ヨーロッパと地中海地域の歴史時代の人類遺骸から得られた新たなゲノムデータを既知のゲノムデータとともに分析し、ユーラシア西部において歴史時代には人類の高い移動性が見られるものの、ユーラシア西部…
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ミトコンドリアゲノムから推測される日本列島の古代イヌの進化史

 日本列島の縄文時代と奈良時代のイヌのミトコンドリアゲノムを報告した研究(Xiaokaiti et al., 2024)が公表されました。本論文は、日本列島では最古級となるイヌ遺骸を含めて縄文時代のイヌ5個体と、8世紀後期の日本のイヌ7個体のミトコンドリアゲノムを報告しています。縄文時代のイヌは母系遺伝となるミトコンドリアゲノムでは、中…
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『卑弥呼』第124話「神の重さ」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年2月20日号掲載分の感想です。ついに同じ原作者の『イリヤッド』の123話を超えたことになり、できるだけ長く連載が続いてもらいたいものです。前回は、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖合の島)で、津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)の方を見ているヤノハからやや離れたところで、トメ将…
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大河ドラマ『光る君へ』第5回「告白」

 前回終盤で、紫式部(まひろ)が三郎は藤原兼家の息子の藤原道長だと知り、母親を道長の兄である道兼に殺された紫式部が、道長にどう接するのか、今回は注目していました。紫式部は道兼の顔を覚えていないだろう、と父の為時は考えていましたが、紫式部はしっかりと覚えていました。しかも道兼が三郎(道長)の兄だと知って、さすがに気丈な紫式部も強い精神的打…
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種間交雑によりもたらされたスペインオオヤマネコの遺伝的多様性増加

 絶滅危惧種とされるスペインオオヤマネコ(Lynx pardinus)の遺伝的多様性は近縁種のユーラシアオオヤマネコ(Lynx lynx)との交雑により増加したことを示した研究(Lucena-Perez et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。スペインオオヤマネコ(イベリアオオヤマネコ)…
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ドイツで発見された初期現生人類の解説

 ドイツで発見された初期現生人類(Homo sapiens)の複数の研究に関する解説(Curry., 2024)が公表されました。この解説記事は、ドイツのテューリンゲン州(Thuringia)のオーラ川(Orla River)流域に位置するラニス(Ranis)のイルゼン洞窟(Ilsenhöhle)で発見された、初期現生人類に関する複数の…
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大石泰史『今川氏滅亡』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は今川氏の滅亡過程だけではなく広く戦国時代の今川氏を対象とし、戦国大名としての今川氏の滅亡を広い観点から考察しています。今川氏は足利氏一門で、鎌倉時代前期の足利義氏の庶長子である吉良長氏の次男である国氏が今川を称し、南北朝時代に駿河守護とな…
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黒死病前後のイングランドの人類集団の局所的な遺伝的歴史

 黒死病前後のイングランドの人類集団の局所的な遺伝的歴史を報告した研究(Hui et al., 2024)が公表されました。ペスト菌(Yersinia pestis)を原因とする黒死病はユーラシアにおいて人類に大きな打撃を与えてきており、中でも14世紀のヨーロッパにおける大流行は当時のヨーロッパ社会にとって大打撃となり、その後の歴史に大…
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単一細胞水準でのコロナウイルスへの応答の地域集団間の差

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、単一細胞水準での重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)への応答の地域集団間の差に関する研究(Aquino et al., 2023)が公表されました。SARS-CoV-2感染後のヒトの臨床症状は、個人間で大きな差異が見られ、その遺伝学的基盤や免疫学的基盤が解明され始めており、ネ…
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アフリカにおけるバントゥー諸語話者の拡大

 現代人と古代人のゲノムデータからアフリカにおけるバントゥー諸語話者の拡大を推測した研究(Fortes-Lima et al., 2024)が公表されました。本論文は遺伝学的観点から、アフリカにおけるバントゥー諸語話者拡大の様相を検証しています。本論文は、これまでゲノムデータが得られていなかったバントゥー諸語話者117集団も対象としてお…
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大河ドラマ『光る君へ』第4回「五節の舞姫」

 今回は、紫式部(まひろ)と藤原道長(三郎)との再会から話が始まります。紫式部はまず自分の出自を道長に明かしましたが、道長が紫式部に自分の出自を明かそうとしたところで、藤原宣孝が現れ、道長は紫式部に真相を打ち明けられないままでした。すれ違いは陳腐な設定とも言えるだけに、主人公の紫式部と準主人公の道長という本作の重要人物二人の関係に、この…
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大相撲初場所千秋楽

 3場所連続休場中だった照ノ富士関が今場所は出場してくるのか、気になっていましたが、照ノ富士関は初日から出場してきました。もう照ノ富士関の状態が、最初の大関昇進の頃はもちろん、横綱昇進前後の頃に戻ることはなさそうなので、今場所で引退になるのではないか、と懸念していましたが、照ノ富士関は明らかに状態がよくない中で、7日目までに2敗したもの…
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ギガントピテクス・ブラッキーの絶滅要因

 古環境の変化からギガントピテクス・ブラッキー(Gigantopithecus blacki)の絶滅要因を推測した研究(Zhang et al., 2024)が報道されました。ギガントピテクス・ブラッキーは史上最大の類人猿(ヒト系統を除くヒト上科)とされており、中期更新世の後半に絶滅しました。ギガントピテクス・ブラッキーはオランウータン…
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Dan Carlin『危機の世界史』

 ダン・カーリン(Dan Carlin)著、渡会圭子訳で、文藝春秋社より2021年2月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、人類史における危機と崩壊を取り上げています。具体的には、紀元前1200年頃の青銅器時代の終焉、紀元前612年の新アッシリア帝国の崩壊、5世紀の西ローマ帝国の崩壊、第一次世界大戦…
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アジア北東部の初期現生人類

 アジア北東部の初期現生人類(Homo sapiens)に関する解説(Bae., 2024)が公表されました。この解説はオンライン版での先行公開となります。本論文はおもに、中国北東部の峙峪(Shiyu)遺跡の初期上部旧石器(Initial Upper Paleolithic、略してIUP)が45000年前頃までさかのぼることを報告した研…
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カエルの体色の機能

 カエルの体色の機能に関する研究(Laumeier et al., 2024)が公表されました。小規模な研究により示されてきたのは、体色の明度差は外温動物において重要な生理学的意味を有するかもしれず、色の濃い種ほど加温速度が急で、病原体や光酸化損傷に対する保護がある、ということです。両生綱無尾目(カエルやヒキガエル)は、5000種以上か…
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中国北部で発見された45000年前頃までさかのぼるIUP石器群(追記有)

 中国北部において発見された45000年前頃までさかのぼる初期上部旧石器(Initial Upper Paleolithic、略してIUP)を報告した研究(Yang et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、中国北部の山西省にある峙峪(Shiyu)遺跡で発見されたIUP石器群が4…
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大河ドラマ『光る君へ』第3回「謎の男」

 今回は、紫式部(まひろ)と藤原道長(三郎)のすれ違いと再会を軸に、宮廷政治の駆け引きが描かれるとともに、新たな重要人物も登場し、なかなか見どころがあり、今後の展開に期待を抱けるような内容でした。初登場の赤染衛門は才人といった感じで、なかなか人当りもよさそうです。後に藤原道長の妻となる源倫子も人当りがよさそうですが、それだけではなく、も…
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デンマークの人口史

 古代ゲノムデータにより現在のデンマークに相当する地域の人口史を推測した研究(Allentoft et al., 2024)が公表されました。本論文は、デンマークの中石器時代~前期青銅器時代の7300年間にわたる古代人100個体のゲノムデータを用いて、デンマークの人口史を推測しています。デンマークでは、新石器時代への移行がヨーロッパ中央…
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『卑弥呼』第123話「お告げ」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年2月5日号掲載分の感想です。ついに同じ原作者の『イリヤッド』の123話と並び、できるだけ長く連載が続いてもらいたいものです。前回は、ヤノハが那(ナ)国のトメ将軍に、遼東公孫氏を呪い殺すつもりだ、と意図を打ち明けたところで終了しました。今回は、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖…
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小田部雄次『昭和天皇と弟宮』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2011年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、昭和天皇(裕仁親王)とその弟宮、つまり秩父宮(雍仁親王)と高松宮(宣仁親王)と三笠宮(崇仁親王)との関係を検証しますが、昭和天皇とやや年齢が離れている三笠宮(昭和天皇は1901年、秩父宮は1902年、高松宮は1905年、三笠宮は1915…
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草原地帯牧畜民集団で生じた多発性硬化症の遺伝的危険性

 ヨーロッパの現代人に多い多発性硬化症(Multiple sclerosis、略してMS)の起源に関する研究(Barrie et al., 2024)が公表されました。本論文は、古代ゲノムのデータセットの一部と現代のイギリス在住のヨーロッパ系「白人(自己申告)」約41万人のゲノムを比較し、ヨーロッパ現代人におけるヨーロッパ古代人集団由来…
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ユーラシア西部古代人における選択と現代人への遺伝的影響

 ユーラシア西部古代人における選択と現代人への遺伝的影響に関する研究(Irving-Pease et al., 2024)が公表されました。本論文は、ユーラシア西部古代人の大規模なゲノムデータを用いて、ユーラシア西部の古代人集団における選択と、現代人への遺伝的影響を検証しています。たとえば、糖尿病とアルツハイマー病の危険性に関連する遺伝…
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道徳の低下の検証

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、道徳が低下したとの見解を検証した研究(Mastroianni, and Gilbert., 2023)が公表されました。事例証拠から、「人々は道徳が低下しつつあると考えている」、と示されています。本論文は、記録保管所データと一次データ(1249万2983点)を用いた一連の研究で、世界中の少なくとも6…
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ABO式血液型から推測される人類のアメリカ大陸への移住

 ABO式血液型からアメリカ大陸への人類の移住を推測した研究(Hobgood., 2023)が公表されました。本論文は、ABO式血液型関連遺伝子からアメリカ大陸への人類の移住過程を推測し、それを補強する遺伝子として、シャベル型切歯と関連する遺伝子であるエクトジスプラシンA受容体(ectodysplasin A receptor、略してE…
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大河ドラマ『光る君へ』第2回「めぐりあい」

 今回から紫式部(まひろ)も藤原道長(三郎)も成人役となり、話は984年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)から始まります。紫式部は、母親が藤原道兼に殺されたことを隠蔽した父親の藤原為時に不信感を抱いており、親子関係が良好ではありません。そんな紫式部を諭して励ますのが、後に紫式部の夫となる藤原宣孝でした。宣孝は初回に…
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氷期後のユーラシア西部の人口史

 氷期後のユーラシア西部の人口史に関する研究(Allentoft et al., 2024)が公表されました。本論文は、最終氷期極大期(Last Glacial Maximum、略してLGM)後となる、ユーラシア西部と北部の中石器時代と新石器時代の317個体のゲノムデータを新たに報告し、既知の1300個体以上の古代人のゲノムと統合するこ…
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小川原正道 『福沢諭吉 変貌する肖像 文明の先導者から文化人の象徴へ』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1万円札の肖像にも起用され、有名ではあるものの、現代日本社会において私も含めて大衆にはその思想と言動が詳しく知られておらず、またその評価をめぐって現在も議論となっている福沢の評価の変遷を、その生前にまでさかのぼって検証します。福沢をめぐっ…
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アジア南東部の古環境と人類の進化

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アジア南東部の古環境と人類の進化に関する研究(Bacon et al., 2023)が公表されました。本論文は、ラオスを中心にアジア南東部の古環境と、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)などの非現生人類(Homo sapiens)ホモ属や現生人類の進化との関連を検証しています。デ…
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景観の動態と顕生代における生物圏の多様化

 景観の動態と顕生代における生物圏の多様化に関する研究(Salles et al., 2023)が公表されました。生物圏の長期的な多様化は、物理的な環境の変化に応答します。しかし、顕生代の初期において、大陸で生命の多様化が始まったのは海洋よりも遅い時期で、それはほぼ単調なものでした。これに対して、海洋の生命は時代とともに多数の属の増減を…
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オーストラリア先住民の遺伝的構造

 オーストラリア先住民の遺伝的構造に関する二つの研究が公表されました。一方の研究(Silcocks et al., 2023)は、オーストラリア先住民のゲノムにおける構造の深さと新規多様体の豊富さを報告しています。オーストラリア先住民には、言語および文化的に豊かな歴史があります。こうした歴史が遺伝的多様性にどのように関係しているのかは、…
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大河ドラマ『光る君へ』第1回「約束の月」

 いよいよ今年(2024年)の大河ドラマが始まりました。近年は大河ドラマの感想記事を惰性で執筆しているところも多分にありますが、当ブログを始めてから昨年まで17年連続で大河ドラマの初回の感想記事を掲載してきたので、今年も少なくとも初回記事は執筆します。まあこの間の大河ドラマ感想記事の執筆は、2008年放送の『篤姫』は初回だけで、2009…
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『卑弥呼』第15集発売

 待望の第15集が発売されました。第15集には、 口伝111「示齊の意味」 https://sicambre.seesaa.net/article/202307article_6.html 口伝112「赤い土くれ」 https://sicambre.seesaa.net/article/202307article_21.…
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イタリア東部アルプスの古代末期~中世初期の被葬者のゲノムデータ

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、イタリア東部アルプスの古代末期~中世初期の被葬者のゲノムデータを報告した研究(Coia et al., 2023)が公表されました。本論文は、イタリア東部アルプスの1ヶ所の墓地で発見された、古代末期~中世初期の20個体(4~7世紀)のゲノムデータを報告し、その遺伝的構成と親族関係を分析しています。そ…
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千葉聡『ダーウィンの呪い 人類が魅入られた進化論の「迷宮」』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、進化学の学説史というか、ダーウィンの提唱した進化論がどのような背景で提示され、批判や反発も含めてどのように人々に解釈されて、近現代社会に影響を及ぼしたのか、検証しています。現在一般的に「進化」と訳されている「evolution」を、ダ…
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『卑弥呼』第122話「鬼」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年1月20日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハが那(ナ)国のトメ将軍の案内で、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖合の島)に近づいたところで終了しました。今回は、その1ヶ月後、津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)国の「首都」である三根(ミネ)で、津島国の重臣2人が、兵士から日見子(…
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イベリア半島東部の旧石器時代の洞窟壁画

 イベリア半島東部の旧石器時代の洞窟壁画を報告した研究(Ruiz-Redondo et al., 2023)が公表されました。本論文は、スペインのバレンシアにあるドネス洞窟(Cova Dones)の上部旧石器時代の洞窟壁画の予備的分析結果を報告しています。イベリア半島には旧石器時代の洞窟壁画が多く、現生人類(Homo sapiens)だ…
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再来年(2026年)の大河ドラマの予想

 そろそろ再来年(2026年)の大河ドラマが発表されそうなので、予想してみます。まず大前提として、2年連続で時代が重なることはあまりなく、多少重なったとしても舞台となる地域は異なる場合がほとんどのようだ、ということが挙げられます。来年は江戸時代半ば(18世紀後半)が舞台なので、幕末もしくは戦国時代色がまだ強い江戸時代初期を除けば、江戸時…
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古人類学の記事のまとめ(51)2023年9月~2023年12月

 2023年9月~2023年12月のこのブログの古人類学関連の記事を以下に整理しておきます。なお、過去のまとめについては、2023年9月~2023年12月の古人類学関連の記事の後に一括して記載します。とくに重要と判断した研究については、冒頭に★をつけています。私以外の人には役立たないまとめでしょうが、当ブログは不特定多数の読者がいるとい…
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謹賀新年

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。ついに2024年を迎えました。一昨年2月にロシアがウクライナに直接的な軍事侵略を開始し、今でも停戦していないばかりか、昨年秋にはハマスがイスラエルを攻撃し、それに対してイスラエルが大々的に報復を始めて、パレスチナ情勢が急激に悪化したため、世界情勢の見通しがさらに暗くなっ…
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年末の挨拶

 いよいよ2023年も終わりが近づいてきました。1年間この過疎ブログをお読みくださった方、さらには有益な情報を寄せてくださった方には感謝申し上げます。今年もロシアによるウクライナへの侵略は続き、物価高など日本社会への悪影響があり、私も含めて長期衰退傾向にある日本社会の先行きに不安を抱く人は多かったのではないか、と思います。さらに今年10…
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第69回東京大賞典結果

 近年では競馬への情熱をかなり失ってしまい、競馬関連の記事を掲載することが少なくなりましたが、有馬記念と東京大賞典だけは当ブログを始めてから毎年必ず取り上げてきたので、今年(2023年)も記事を掲載します。昨日(2023年12月29日)行なわれた今年の東京大賞典には、古馬では、昨年の勝ち馬で今年は川崎記念とドバイワールドカップを勝ち、B…
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2023年の古人類学界

 あくまでも私の関心に基づいたものですが、年末になったので、今年(2023年)も古人類学界について振り返っていくことにします。近年ずっと繰り返していますが、今年も古代DNA研究の進展には目覚ましいものがありました。正直なところ、最新の研究動向にまったく追いついていけていないのですが、今後も少しでも多く取り上げていこう、と考えています。当…
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タイ北西部の鉄器時代集団のゲノムデータ

 タイ北西部の鉄器時代集団のゲノムデータを報告した研究(Carlhoff et al., 2023)が公表されました。本論文は、丸太棺(Log Coffin、木棺)により特徴づけられるタイ北西部の鉄器時代の33個体のゲノムデータを報告しています。これらのデータは、先行研究(関連記事)でも明らかにされていた、新石器時代にアジア東部から南下…
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現代日本人男性におけるY染色体ハプログループ

 現代日本人男性におけるY染色体ハプログループ(YHg)の最新版と頻度分布を報告した研究(Inoue, and Sato., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。YHgへの関心は現代日本社会でも比較的高いようで、YHgを特定の文化もしくは民族の分類と関連づけて、人類進化史や現生人類(Homo sap…
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縄文時代の人類集団の遺伝的構造と非縄文文化圏への遺伝的影響

 縄文時代の人類集団の遺伝的構造と非縄文文化圏への遺伝的影響に関する研究(Jeong et al., 2023)が公表されました。本論文は、新たな縄文時代の人類(縄文人)のゲノムデータを報告しているわけではありませんが、既知の「縄文人」や「縄文人」的な遺伝的構成の古代人のデータを再検証し、「縄文人」集団の遺伝的構造を明らかにするとともに…
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第68回有馬記念結果

 近年では競馬への情熱をかなり失ってしまい、競馬関連の記事を掲載することが少なくなりましたが、有馬記念と東京大賞典だけは当ブログを始めてから毎年必ず取り上げてきたので、今年(2023年)も記事を掲載することにしました。今年の有馬記念には、古馬ではジャパンカップの上位2頭だったイクイノックスとリバティアイランドが出走せず、イクイノックスは…
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ローマ期ブリテン島の個体の学際的研究

 ローマ期ブリテン島の個体の学際的な研究(Silva et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、ローマ期となる2~3世紀のブリテン島の農村部の個体に、サルマティア人からの遺伝的影響があったことを報告しています。歴史学において、マルコマンニ戦争勃発後の175年に、ローマ帝国がサルマ…
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大濱徹也『乃木希典』

 講談社学術文庫の一冊として、2010年12月に講談社より刊行されました。本書の親本は、1967年に雄山閣出版、1988年に河出書房新社より刊行されました。電子書籍での購入です。親本の刊行はかなり古いものの、私は乃木希典の生涯について詳しいわけではなく、自殺も含めて乃木希典の同時代の評価と、自殺後の乃木の評価も解説されているので、興味深…
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