大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第26回「三人の女」

 今回は、米価高騰をめぐる日本橋と幕閣の対策から話が展開しました。本作はこれまで、吉原を中心とした江戸市中を中心に、幕閣との二元構成で話が展開していましたが、蔦屋重三郎が前回ついに日本橋進出を果たしたことで、今後の江戸市中の描写は吉原から日本橋に中心が移りそうです。江戸市中と幕閣との接点を設定するのはなかなか難しいと思いますが、本作では…
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貴州省の宋代と明代の人類のゲノムデータ

 貴州省の宋代と明代の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Wan et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、貴州省の松山遺跡の宋代および明代の古代人8個体のゲノムデータを新たに報告し、松山遺跡の個体のほとんどは黄河流域農耕民と遺伝的に密接に…
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福井憲彦『教養としての「フランス史」の読み方』

 PHP文庫の一冊として、PHP研究所より2025年4月に刊行されました。本書の親本は2019年にPHP研究所より刊行されました。電子書籍での購入です。疎いフランス史の復習になると思い、読みました。本書が強調しているのは、国境や「民族」など現在の枠組みを過去に当てはめないことです。現在の枠組みを大前提として過去、とくに前近代を見ていけば…
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河南省の中期新石器時代遺跡の古代人のゲノムデータ

 河南省の中期新石器時代遺跡で発見された古代人のゲノムデータを報告した研究(Sun et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、仰韶文化の地域的異形となる秦王寨文化に分類されている、河南省鄭州市の站馬屯遺跡で発見された古代人12個体のゲノムデー…
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エーゲ海地域における新石器文化の拡大

 古代ゲノムデータと物質文化のデータに基づいてアナトリア半島西部からエーゲ海地域への新石器時文化の拡大を検証した研究(Koptekin et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、アナトリア半島の新たな古代人のゲノムと、エーゲ海地域の新石器時代…
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革新的な形質の不安定さによる多様化の促進

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、革新的な形質の不安定さによる多様化の促進に関する研究(Peoples et al., 2025)が公表されました。系統が多様化する速度は生命の系統樹全体で大きく異なりますが、それは多くの場合、進化的新機軸によるものです。新たな形質を生み出す能力はクレード(単系統群)間で異なり、生態学的移行を引き起こ…
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ローマ期ブリテン島の農村住民のゲノムデータ

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ローマ期ブリテン島の農村住民のゲノムデータを報告した研究(Scheib et al., 2024)が公表されました。本論文は、イングランドのケンブリッジシャー(Cambridgeshire)の8ヶ所の遺跡で発見された古代人52個体のゲノムデータとともに、Y染色体ハプログループ(YHg)およびミトコン…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第25回「灰の雨降る日本橋」

 今回も、蔦屋重三郎の日本橋への進出を中心に話が展開しました。日本橋では鶴屋の向かいの版元である丸屋が店を畳んで譲ることになりますが、婿を迎えていた先代の娘である「てい」は、吉原の耕書堂には絶対に売りたくない、と考えており、重三郎は日本橋に進出できずにいました。そこへ、浅間山の大噴火によって江戸に灰が降り積もり、重三郎は丸屋の権利を買い…
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ヨーロッパ最古級の人類の痕跡

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヨーロッパ最古級の人類の痕跡を報告した研究(Curran et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、ルーマニアのグラウンセアヌ(Grăunceanu)遺跡で発見された動物の骨に人為的な切創痕(cut ma…
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黒田基樹『羽柴秀吉とその一族 秀吉の出自から秀長の家族まで』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2025年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2025年)の大河ドラマが羽柴秀長を主人公とする『豊臣兄弟!』なので、羽柴秀吉とその一族に関する最新の研究状況を把握するために読みました。著者は来年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の時代考証を担当しているので、本書の羽柴一族に関する知見が『豊臣…
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中期更新世ホモ属頭蓋のミトコンドリアDNAデータ

 中期更新世ホモ属頭蓋のミトコンドリアDNA(mtDNA)データを報告した研究(Fu et al., 2025A)が報道されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中華人民共和国黒竜江省ハルビン市で1993年に松花江(Songhu…
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ネアンデルタール人の人口構造

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の人口構造について、先々月(2025年3月)20日~23日にかけてアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア市で開催された第94回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Rogers., 2025)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P13…
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紅山文化集団のゲノムデータ

 紅山(Hongshan)文化集団のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。本論文は、紅山文化関連遺跡の最西端かつ最南端に位置する、河北省の鄭家溝(Zhengjiagou)遺跡の19個体から得られたゲノム規模データを報告し、ミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプログループ(mtHg)とY染色体ハ…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第24回「げにつれなきは日本橋」

 今回は、蔦屋重三郎の日本橋進出をめぐる話が描かれました。日本橋への進出を決意した重三郎にとって好都合なことに、日本橋では鶴屋の向かいの版元である丸屋が店を畳んで譲ることになりますが、婿を迎えていた先代の娘である「てい」は、吉原の耕書堂には絶対に売りたくない、と鶴屋喜右衛門に伝えています。「てい」は後に重三郎の妻となることがすでに公表さ…
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東京都議選結果

 選挙権を得て以降、国政選挙でも東京都議選を含めて地方選挙でもずっと投票してきたこともあり、当ブログを始めてから東京都議選の結果を毎回取り上げてきたので、詳しい情報や分析を提供できるわけではありませんが、昨日(2025年6月22日)投開票となった東京都議選の結果を、今回も備忘録として短く述べておきます。今月(2025年6月)22日に投票…
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『卑弥呼』第151話「永遠の夢」

 『ビッグコミックオリジナル』2025年7月5日号掲載分の感想です。前回は、魏と公孫淵との戦いを最初から終わりまで操るつもりなのか、と問う伊都(イト)国のイトデ王に、これが鬼道だ、とヤノハが答えるところで終了しました。今回は、魏の遼隧(リョウスイ)県の幽州庁で、ヤノハとは旧知の何(カ)が配下のトヒコおよびノヅナとともに、幽州刺史の毌丘倹…
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James Poskett『科学文明の起源 近代世界を生んだグローバルな科学の歴史』

 ジェイムズ・ポスケット(James Poskett)著、水谷淳訳で、東洋経済新報社より2023年12月に刊行されました。原書の刊行は2022年です。電子書籍での購入です。本書は、近代科学の発展には世界中の人々が貢献したのであって、ヨーロッパのみの功績ではない、と強調し、前近代にまでさかのぼって、ヨーロッパ以外の地域の科学や技術を広範に…
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ソグド人のゲノムデータ

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ソグド人のゲノムデータを報告した研究(Zhang et al., 2025)が公表されました。本論文は、中華人民共和国寧夏回族自治区固原(Guyuan)市の唐王朝期の墓地(固原墓地、本論文ではSUTEと呼ばれます)の共同埋葬(M1401)からで発見された、シルクロード(絹の道)での交易活動で有名なソ…
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ヒトの脳の進化の遺伝的基盤

 ヒトの脳の進化の遺伝的基盤に関する研究(Cui et al., 2025)が公表されました。HAR(Human accelerated region、ヒト加速領域)は、チンパンジー系統からの分岐後に急速なヌクレオチド置換を経た、保存されたゲノム座位です。HARは、神経発生遺伝子に近接する候補調節領域に多く見られ、これは遺伝子調節におい…
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マドゥラ海峡の人類遺骸

 マドゥラ海峡で発見された人類遺骸についての解説(Bello, and Stringer., 2025)が公表されました。マドゥラ海峡で発見された中期更新世後期と推定される人類の頭蓋片は、ジャワ島の後期ホモ・エレクトス(Homo erectus)との類似性が示され、スンダランドの現在は水没した地域に存在した後期ホモ・エレクトスと考えられ…
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チベット高原におけるデニソワ人の適応

 チベット高原における種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の適応に関する概説(Zhang S, and Zhang Y., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、デニソワ人がチベット高原に適応し、通年にわたって長期間居住していたのかど…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第23回「我こそは江戸一利者なり」

 今回は、蔦屋重三郎の日本橋進出へと至る過程が描かれました。耕書堂の経営は順調で、重三郎は田沼意次に重用され蓄財に励んでいる土山宗次郎から、資金援助するので日本橋に出店するよう勧誘されます。しかし、養子の重三郎を吉原から離れさせたくない駿河屋市右衛門は不機嫌なようで、重三郎も自分を縛りつけてくる養父に対して不満が高まっているようです。本…
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パプアニューギニア沿岸部古代人のゲノムデータ

 パプアニューギニア沿岸部古代人のゲノムデータを報告した研究(Nägele et al., 2025)が公表されました。本論文は、ビスマルク諸島のワトム(Watom)島とパプアニューギニア(Papua New Guinea、略してPNG)の南部および北部沿岸の古代人のゲノムデータおよびストロンチウム(Sr)や炭素(C)や窒素(N)の同位…
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Brian Hare 、Vanessa Woods『ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物に…

 ブライアン・ヘア(Brian Hare)、ヴァネッサ・ウッズ(Vanessa Woods)著、藤原多伽夫訳で、白揚社より2022年6月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。本書は自己家畜化の観点からの人類進化史で、第一次トランプ政権下のアメリカ合衆国までを対象としています。「協力的コミュニケーション」によって現生人類(Homo…
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ラクダの進化史

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ラクダの進化史に関する研究(Yuan et al., 2024)が公表されました。本論文は、絶滅した乾燥地帯ラクダ(Camelus knoblochi)のゲノムデータおよび安定同位体データを報告し、現存する野生フタコブラクダ(Camelus ferus)や家畜フタコブラクダ(Camelus …
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イランとインドのゾロアスター教徒のゲノムデータ

 イランとインドのゾロアスター教徒のゲノムデータについて、今年(2025年)3月20日~23日にかけてアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア市で開催された第94回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Ahlawat et al., 2025)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P3)。この研究は、イ…
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モンゴル帝国の拡大による遺伝的影響の検証

 モンゴル帝国の拡大によるアジア中央部の都市への遺伝的影響について、今年(2025年)3月20日~23日にかけてアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア市で開催された第94回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Seidualy et al., 2025)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P149)…
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アメリカ合衆国の先住民の人口史

 古代人と現代人のゲノムデータからアメリカ合衆国の先住民の人口史を推測した研究(Pinotti et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、アメリカ合衆国ニューメキシコ州のNRG(Northern Rio Grande、北リオ・グランデ)に位置…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第22回「小生、酒上不埒にて」

 今回は、前回拗ねてしまった恋川春町(倉橋格)を中心に話が展開しました。蔦屋重三郎は春町に執筆を促しますが、説得に失敗します。春町の真意は、朋誠堂喜三二(平沢常富)と喜多川歌麿(唐丸、捨吉、雄助)が春町を訪ねたさいに明かされ、春町は北尾政演(山東京伝)の才能に遠く及ばない、と自覚し、戯作の世界にいること嫌気がさしたわけです。しかし、大田…
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山西省と陝西省の後期新石器時代人類のゲノムデータ

 中華人民共和国の山西省と陝西省の後期新石器時代の遺跡で発見された人類がのゲノムデータを報告した研究(Huang et al., 2025)が公表されました。本論文は、山西省と陝西省(山西陝西地域)の後期新石器時代の3ヶ所の遺跡で発見された後期新石器時代人類の新たなゲノムデータを報告しています。これら山西陝西地域の後期新石器時代集団のゲ…
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原田昌博『ナチズム前夜 ワイマル共和国と政治的暴力』

 集英社新書の一冊として、集英社より2024年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はワイマル(ヴァイマル)期のドイツ政治を暴力の観点から検証し、ナチ党台頭と政権獲得に至る前提について考察しています。ワイマル期は三区分されることが多く、暴力的な内戦状況が続いた「戦後混乱期」である前期(1918~1923年)、経済の安定に伴って…
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『卑弥呼』第150話「状況 其ノ二」

 『ビッグコミックオリジナル』2025年6月20日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハが筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)諸国の山社(ヤマト)連合の諸王に、暈(クマ)国の実質的な最高権力者である鞠智彦(ククチヒコ)の取り子(養子)が、天照様の声を聞けて、本気で倭国の太平を考えているならば、日見子(ヒミコ)の地位を一日も早く譲り…
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コロンビアの古代人のゲノムデータ

 コロンビアの古代人の新たなゲノムデータを報告した研究(Krettek et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、北アメリカ大陸と中央アメリカ大陸から南アメリカ大陸への移動経路で重要な位置を占めるコロンビアの、ボゴタ・アルティプラーノ(Bog…
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古典期マヤの人類のゲノムデータ

 古典期マヤの人類の古代ゲノムデータを報告した研究(Murray et al., 2025)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、マヤ文化のコパン(Copán)遺跡の古典期の人類7個体から得られたゲノムデータを新たに報告します。この古典期コパン遺跡集団は、ベリーズのアルカイック後期集団やメキシコのチチ…
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雲南省の古代人のゲノムデータ(追記有)

 雲南省で発見された古代人の新たなゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中華人民共和国雲南省で発見された、7100~1500年前頃の人類の新たなゲノムデータを報告しています。本論文はひじょうに注目すべ…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第21回「蝦夷桜上野屁音」

 今回は、文化場面と政治場面とのつながりが本格的になることを予感させる内容でした。本作は、吉原と蔦屋重三郎を中心とした江戸市中の描写と、幕閣の政治描写の二元構成となっていますが、両者のつながりは弱いところがありました。序盤は、おもに平賀源内が田沼意次と市中の両方に関わり、江戸市中と幕閣政治をつないでいたわけですが、すでに退場したので、江…
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東周期の中原の人類のゲノムデータ

 東周期の中原の人類のゲノムデータを報告した研究(Wu et al., 2025)が公表されました。本論文は、中華人民共和国河南省義馬(Yima)市に位置する、上石河(Shangshihe)墓地で発見された人類遺骸のゲノムデータを報告します。上石河墓地は、西周王朝の創業時に王族が封建されて成立したと伝わっている西虢国(Western G…
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本村凌二『地中海世界の歴史6 「われらが海」の覇権 地中海世界帝国の成立』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の対象は、第三次ポエニ戦争の終結後から五賢帝の直前までで、著者が専門とする時代となります。まあ、だから執筆しやすいとも限らないかもしれませんが、これまでの5巻と同様に本書も興味深く読み進められました。日本でもおそらく他国でも、ローマ史で最も人気が高…
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野生霊長類の異種間の「誘拐」

 野生霊長類の異種間の「誘拐」を報告した研究(Goldsborough et al., 2025)が報道されました。本論文は、パナマのコイバ国立公園(Coiba National Park)ヒカロン(Jicarón)島で、野生のノドジロオマキザル(Cebus capucinus imitator)の未成体の雄が、野生のマントホエザル(A…
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デニソワ洞窟の詳細な研究

 シベリア南部のアルタイ山脈のデニソワ洞窟(Denisova Cave)の年代測定結果や人類も含めた動物遺骸のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析結果を報告した研究(Jacobs et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。デニソワ洞窟では、現生人類(…
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近年のデニソワ人研究

 近年のデニソワ人研究の解説(Marshall., 2025)が公表されました。本論文は、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)に関する近年の研究の進展を整理しており、たいへん有益だと思います。当ブログでは2年近く前(2023年9月5日)にデニソワ人に関する研究をまとめましたが(関連記事)、それ以降にも重要な研究が公表…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第20回「寝惚けて候」

 今回は、蔦屋重三郎が大田南畝(四方赤良)との出会い、狂歌に深く関わっていく契機が描かれました。大田南畝は、おそらくこれから最終回まで出演するでしょうし、その意味でも本作では重要人物になりそうです。南畝も重三郎も江戸っ子の一類型といった感じの粋な人物で、いかにも相性がよさそうです。重三郎は南畝の狂歌に感心し、狂歌に強い関心を抱いたようで…
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大相撲夏場所千秋楽

 今場所最大の注目は大の里関の横綱昇進で、最近になって大の里関を応援することに決めたので、私もいつもより強い期待と不安を抱きながら、今場所を迎えました。大の里関はこれまで優勝の翌場所がいずれも9勝だったうえに、場所前には不調が伝えられていたので、今年(2025年)初場所で横綱昇進に挑みながら負け越した琴櫻関のように、来場所は初の角番を迎…
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アフリカ北西部の後期更新世~初期完新世人類のゲノム

 アフリカ北西部の後期更新世~初期完新世人類のゲノムデータを報告した研究(Lipson et al., 2025)が公表されました。これまで、マグレブ(マグリブ、アフリカ西部)の狩猟採集期から農耕移行期の人類のゲノムデータは、マグレブ西部のモロッコのみから得られていました。本論文は、マグレブ東部となるアルジェリアとチュニジアの後期石器時…
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川田稔『陸軍作戦部長 田中新一 なぜ参謀は対米開戦を叫んだのか?』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2025年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。同じ著者の『武藤章 昭和陸軍最後の戦略家』をすでに読んでおり(関連記事)、本書によって陸軍の動向と対米開戦の経緯および田中新一のような「強硬派」の論理をより深く理解できるのではないかと思い、読むことにしました。田中新一と武藤章が対米開戦をめぐって…
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現生人類と非現生人類ホモ属との混合およびその影響

 現生人類(Homo sapiens)と非現生人類ホモ属との混合およびその影響に関する概説(Tagore, and Akey., 2025)が公表されました。本論文は、現生人類(解剖学的現代人)とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)や種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)などの非現生人類ホモ…
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古代の親族関係と人口史

 古代ゲノムデータに基づく古代の親族関係と人口史に関する近年の研究を整理した概説(Wang et al., 2025)が公表されました。本論文はこの分野の近年の重要な研究を整理し、懸念される点も指摘しており、たいへん有益だと思います。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。時代区分の略称は、N…
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『卑弥呼』第149話「状況 其ノ一」

 『ビッグコミックオリジナル』2025年6月5日号掲載分の感想です。前号は休載だったので、久々の感があります。前回は、ヤノハがミマアキに、魏と公孫淵の戦が終わる前に中土に使者を派遣するが、以前言ったように、ミマアキには使節の中心になってもらう、と伝えたところで終了しました。今回は、遼東郡の襄平からヤノハとは旧知の何(カ)がゴリとともに出…
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チンパンジーによる発酵した果実の共有

 チンパンジーによる発酵した果実の共有を報告した研究(Bowland et al., 2025)が公表されました。本論文では、ギニアビサウ共和国のカンタニェス国立公園(Cantanhez National Park)ニシチンパンジー(Pan troglodytes verus)による、エタノール(アルコール)を含む自然に発酵したアフリカ…
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大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第19回「鱗の置き土産」

 今回は、序盤の重要人物だった鱗形屋孫兵衛と蔦屋重三郎の和解が描かれました。部外者から見ると、鱗形屋孫兵衛は重三郎にとって愛憎相半ばするというか、むしろ罠にはめられて以降はほぼ憎悪の対象になるのではないか、とも思えますが、本作の重三郎は器の大きいところがあり、孫兵衛を深く恨んでいる様子がありません。孫兵衛は鱗形屋を畳むことにして、版権や…
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