ペルム紀の初期爬虫類のミイラ化した化石を報告した研究(Reisz et al., 2026)が公表されました。肋骨による吸引呼吸は、羊膜類(哺乳類と爬虫類と鳥類およびそれらの共通祖先)が陸域を征服する上で不可欠な進化的新機軸でした。現生の羊膜類は、肋間筋によって生じる吸気と呼気のために、統合された胸郭骨格を用いていますまが、これは、よ…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、真核生物の進化系統樹に関する研究(Williamson et al., 2025)が公表されました。eToL(The eukaryote Tree of Life、真核生物の系統樹)はすべての真核生物の関係を表し、その根は、現生の複雑な生物すべての起源となって、LECA(Last Eukaryoti…
アリューシャン列島の古代人のゲノムデータが、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Hay et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P78)。この研究は、ヨーロッパ人との接触前の個体…
カンブリア紀の新たな軟体節足動物を報告した研究(Lerosey-Aubril, and Ortega-Hernández., 2026)が公表されました。現生の鋏角類は12万種以上からなる著しく多様な節足動物のクレード(単系統群)で、サソリ類やクモ類やダニ類といった生態学的および経済的にきわめて重要な、よく知られた分類群を含んでいます…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、初期人類の環境に関する研究(Bromage et al., 2026)が公表されました。代謝プロファイリングの科学では、代謝物と呼ばれる代謝の副産物として生じる化合物を利用して、内的な生物学的機能や生理学的な健康と疾患を説明し、生物の生息環境に特有の外的影響の証拠が示されま。本論文は、古生物とその環…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヘビ類の起源に近いジュラ紀の新たな化石有鱗類を報告した研究(Benson et al., 2025)が公表されました。有鱗類(トカゲ類とヘビ類)は約12000の現生種から構成されており、その生態はひじょうに多様で、クラウン群の起源は約1億9000万年前にさかのぼります。形態的特徴と分子系統学的特徴の…
多細胞化の過程に関する研究(Ros-Rocher et al., 2026)が公表されました。多細胞生物は多くの細胞から構成され、多細胞性は真核生物において独立して複数回進化した、と考えられています。多細胞性には、クローン性(姉妹細胞の分離を伴わない連続的な細胞分裂)と集合(別個の細胞が集合して多細胞体を形成する)という2通りの異なる…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、最古のアンキロサウルス類(ankylosaurs)を報告した研究(Maidment et al., 2025)が公表されました。装甲を持つアンキロサウルス類(曲竜類、鎧竜類)の恐竜は、後期白亜紀の北半球の生態系のものが最もよく知られていますが、前期~中期ジュラ紀におけるその初期進化については、化石記…
統合失調症の集団間の差異に関する研究(Bigdeli et al., 2026)が公表されました。統合失調症および関連する精神病は、あらゆるヒト集団で発生し、「黒人」およびおもにアフリカ系集団で診断率が最も高くなっています。数十年にわたる研究で、統合失調症には高度に遺伝性で多遺伝子性の基盤がある、と明らかにされており、その基盤の多くは…
ヨーロッパ西部の新石器時代人類集団の新たな古代ゲノムデータを報告した研究(Olalde et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、現在のオランダとベルギーとドイツの紀元前8500~紀元前1700年頃の人類112個体の新たなゲノムデータを報告…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、大規模群衆によって生み出される振動運動に関する研究(Gu et al., 2025)が公表されました。コンサートやフェスティバルのような密集した群衆は、現代社会における最も危険な環境の一つです。危険は、制御されていない集団運動から生じ、壁への圧迫や窒息や死亡事故につながります。群衆動態に関する現状の…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、マウスにおける鉄欠乏と性別決定についての研究(Okashita et al., 2025)が公表されました。二価鉄(Fe²⁺)は、DNAやタンパク質の脱メチル化のようなさまざまな酸化還元酵素反応に関わっており、あらゆる真核細胞にとって不可欠な要素です。哺乳類における雄の性決定のさいに、発生中の生殖腺…
ニュージーランド先住民の人口史について、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Dickerson et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P43)。ポリネシア人集団の中で、プカプカ…
アジア東部の非現生人類ホモ属に関する解説(Ran et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、近年のアジア東部の非現生人類ホモ属に関する研究の進展を簡潔にまとめており、たいへん有益と思います。以下、敬称は省略します。また、本論文の「中国」の指…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、モンゴルで発見された白亜紀前期のパキケファロサウルス類を報告した研究(Chinzorig et al., 2025)が公表されました。ドーム状の頭を持つパキケファロサウルス類は、ひじょうに謎めいた恐竜の一群です。頭蓋冠が肥大していて精巧な頭蓋装飾を有するこのクレード(単系統群)の恐竜は、複雑な社会的…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、アルゼンチンで発見された恐竜化石を報告した研究(Hechenleitner et al., 2025)が公表されました。パンゲアの陸上生態系は後期三畳紀(約2億3700万~2億100万年前)に激変し、それが哺乳型類やワニ形類や恐竜類の出現と多様化につながりました。南アメリカ大陸のカーニアン(Carn…
韓国南東部の三国時代の遺跡で発見された人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Moon et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。また、本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくはもっと狭くダイチン・グルン(大清帝国…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、哺乳類の顎関節の進化に関する研究(Mao et al., 2025)が公表されました。単一の歯骨から構成される下顎と、歯骨の関節丘および鱗状骨の関節窩の間の二次的な頭蓋下顎関節の進化は、脊椎動物におけるきわめて重要な新機軸で、哺乳類を特徴づける形質と考えられてきました。本論文は、二次顎関節の新規な形…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、有顎脊椎動物の姉妹群における頭部と胴部の境界の新規構に関する研究(Miyashita et al., 2025)が公表されました。有顎脊椎動物の起源に関する標準的な仮説では、複雑な感覚系、血流量の多い心臓、開口筋と頭胸部蝶番の統合といった一連の解剖学的な新機軸によって促進された、底生性のグレーザー(…
後期白亜紀ヨーロッパの角竜類を報告した研究(Maidment et al., 2026)が公表されました。後期白亜紀のヨーロッパは群島で、多様性の低さや遺存性や島嶼性矮小化などの島効果で特徴づけられる恐竜動物相が存在しました。この地域の恐竜群集は、典型的なローラシア大陸あるいはゴンドワナ大陸の恐竜類と類縁な分類群と、独自の固有種が独特…
東天山山脈で発見された青銅器時代~歴史時代の人類遺骸の新たなゲノムデータを報告した研究(Yang et al., 2026)が公表されました。現在は中華人民共和国の支配下にあり、行政区分では新疆ウイグル自治区とされている東トルキスタンの東天山山脈と西天山山脈で発見された青銅器時代~歴史時代の12ヶ所の遺跡から発掘された人類遺骸23個体…
インド北部古代人のゲノムデータについて、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Aragon et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P6)。本研究は、インド北東部の、3300年前頃…
後期ホモ属における遺伝子移入領域を特定する新たな手法について、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Rogers et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P162)。この研究は、現…
後期更新世~初期完新世のユーラシア西部のイヌのゲノムデータを報告した研究(Marsh et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、ユーラシア西部の後期更新世~初期完新世のイヌの新たなゲノムデータを報告し、遺伝的に均一なイヌ個体群が遅くとも14…
上部旧石器時代以降代のヨーロッパのイヌの新たなゲノムデータを報告した研究(Bergström et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、旧石器時代および中石器時代のヨーロッパの216点のイヌ科遺骸を分析し、そのうち141点でオオカミ(ハイイ…