ダウニア人の遺伝的起源

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ダウニア人(Daunian)の起源に関する研究(Aneli et al., 2022)が公表されました。本論文は、イタリア南部の鉄器時代のダウニア人の遺伝的起源を、古代ゲノムデータから検証しています。ダウニア人は、ローマが共和政から帝政にかけて版図を拡大し、「帝国」となっていく過程で、版図の…
コメント:0

続きを読むread more

『卑弥呼』第125話「希望」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年3月5日号掲載分の感想です。前回は、山社(ヤマト)連合を裏切っていた津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)国のアビル王が、ヤノハの策により死亡し、ヤノハが勒島でトメ将軍とオオヒコを前に、次の敵は中土(中華地域のことでしょう)への道に立ちふさがる公孫一族だ、と力強く宣言したところで終了しました。今回は、…
コメント:0

続きを読むread more

中期青銅器時代ヨーロッパ中央部東方の人類社会

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、古代ゲノムデータに基づいて中期青銅器時代ヨーロッパ中央部東方の人類社会を推測した研究(Chyleński et al., 2023)が公表されました。本論文は、おもに現在のポーランドとウクライナを対象に、文化的変容の見られる中期青銅器時代の人類集団が、比較的高い割合の狩猟採集民と関連する遺伝的構成要…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第7回「おかしきことこそ」

 985年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)、花山天皇に寵愛されていた藤原忯子が死亡し、花山天皇は悲嘆に暮れ、これが花山天皇の出家と退位という政変へとつながっていくわけですが、今回はそこまで進みませんでした。本作の花山天皇は皇太子時代から目立っていましたし、本作の準主人公とも言うべき藤原道長(三郎)にとっても、父の…
コメント:0

続きを読むread more

総合的な古代DNAデータ

 総合的な古代DNAデータの報告(Mallick et al., 2024)が公表されました。2010年以降の古代DNA研究の進展は目覚ましく、世界中から多数の古代人のゲノム規模データデータが報告されてきました。これら多数の古代人のDNAデータは公開されていますが、研究の利便性のため、データ形式の統一やデータ品質の基準や関連情報(DNA…
コメント:0

続きを読むread more

榎村寛之『謎の平安前期 桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日本の「古典的国制」の確立期で、多くの古代集落の消滅など大規模な社会変化があったと推測され、重要ではあるものの、日本史でも一般的な人気が低く、よく理解されていないだろう平安時代前期を扱っています。具体的には、本書では一条天皇の頃までが…
コメント:0

続きを読むread more

アルタイ地域のネアンデルタール人の石器群と行動

 アルタイ地域のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の石器群と行動に関する研究(Kolobova et al., 2024)が公表されました。本論文は、アルタイ地域のネアンデルタール人の所産と考えられる石器群から、ネアンデルタール人の行動を推測しています。アルタイ地域のネアンデルタール人は、恐らくヨーロッパ東…
コメント:0

続きを読むread more

アマゾン川上流域の2500年前頃にさかのぼる都市化

 アマゾン川上流域の初期の都市化に関する研究(Rostain et al., 2024)が公表されました。日本語の解説記事もあります。アマゾンの密林は、人為的影響がさほどなければ、徒歩でも走査技術でも入り込むのは困難です。しかし、過去数年間で、改良されたLIDAR(light detection and ranging、光検出及び測距)…
コメント:0

続きを読むread more

ソコトラ島の前近代の人類遺骸のゲノムデータ

 ソコトラ島の前近代の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Sirak et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、現在イエメン領となっている、インド洋北西部のソコトラ島の650~1750年頃の人類遺骸のゲノムデータを報告しています。本論文は、これらソコトラ島の前近代人類が、レヴァ…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第6回「二人の才女」

 前回、母を藤原道長(三郎)の同母兄である道兼に殺された、と紫式部(まひろ)が道長に打ち明けられたことで、本作の主人公である紫式部と準主人公とも言うべき道長との関係が、これまでのように気楽なものからどのように変わっていくのか、注目していましたが、この点では今回大きく話が動いたわけではなく、二人の関係は本作において最重要とも言えるでしょう…
コメント:0

続きを読むread more

古代と現代のゲノムデータから推測されるヒグマの進化史

 古代と現代のゲノムデータからヒグマヒグマ(Ursus arctos)の進化史を推測した研究(Segawa et al., 2024)が公表されました。2010年代以降の古代ゲノム研究の進展は目覚ましく、やはり自身の由来に直結するとともに、医療など「実用的」分野への応用も期待されることから、ヒトを対象とする古代ゲノム研究が最も盛んでしょ…
コメント:0

続きを読むread more

ドイツの初期現生人類の年代とミトコンドリアDNA

 ドイツで発見された初期現生人類(Homo sapiens)の年代とミトコンドリアDNA(mtDNA)を報告した研究(Mylopotamitak et al., 2024)が公表されました。この研究を含めて、ドイツのテューリンゲン州(Thuringia)のオーラ川(Orla River)流域に位置するラニス(Ranis)のイルゼン洞窟(…
コメント:0

続きを読むread more

岡本隆司『中国史とつなげて学ぶ 日本全史』

 2021年10月に東洋経済新報社より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国史の視点からの日本通史です。著者の著書をそれなりの数読んできたこともあり、本書の内容について大きな驚きはありませんでしたし、織田信長の評価などとくに前近代の日本史の解釈について疑問に思うところも少なからずありましたが、改めて興味深い見解と思った見解も多…
コメント:0

続きを読むread more

鉄器時代以降のヨーロッパの安定した人口構造

 ヨーロッパの歴史時代の人類遺骸から得られた新たなゲノムデータを報告した研究(Antonio et al., 2024)が公表されました。本論文は、ヨーロッパと地中海地域の歴史時代の人類遺骸から得られた新たなゲノムデータを既知のゲノムデータとともに分析し、ユーラシア西部において歴史時代には人類の高い移動性が見られるものの、ユーラシア西部…
コメント:0

続きを読むread more

ミトコンドリアゲノムから推測される日本列島の古代イヌの進化史

 日本列島の縄文時代と奈良時代のイヌのミトコンドリアゲノムを報告した研究(Xiaokaiti et al., 2024)が公表されました。本論文は、日本列島では最古級となるイヌ遺骸を含めて縄文時代のイヌ5個体と、8世紀後期の日本のイヌ7個体のミトコンドリアゲノムを報告しています。縄文時代のイヌは母系遺伝となるミトコンドリアゲノムでは、中…
コメント:0

続きを読むread more

『卑弥呼』第124話「神の重さ」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年2月20日号掲載分の感想です。ついに同じ原作者の『イリヤッド』の123話を超えたことになり、できるだけ長く連載が続いてもらいたいものです。前回は、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖合の島)で、津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)の方を見ているヤノハからやや離れたところで、トメ将…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第5回「告白」

 前回終盤で、紫式部(まひろ)が三郎は藤原兼家の息子の藤原道長だと知り、母親を道長の兄である道兼に殺された紫式部が、道長にどう接するのか、今回は注目していました。紫式部は道兼の顔を覚えていないだろう、と父の為時は考えていましたが、紫式部はしっかりと覚えていました。しかも道兼が三郎(道長)の兄だと知って、さすがに気丈な紫式部も強い精神的打…
コメント:0

続きを読むread more

種間交雑によりもたらされたスペインオオヤマネコの遺伝的多様性増加

 絶滅危惧種とされるスペインオオヤマネコ(Lynx pardinus)の遺伝的多様性は近縁種のユーラシアオオヤマネコ(Lynx lynx)との交雑により増加したことを示した研究(Lucena-Perez et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。スペインオオヤマネコ(イベリアオオヤマネコ)…
コメント:0

続きを読むread more

ドイツで発見された初期現生人類の解説

 ドイツで発見された初期現生人類(Homo sapiens)の複数の研究に関する解説(Curry., 2024)が公表されました。この解説記事は、ドイツのテューリンゲン州(Thuringia)のオーラ川(Orla River)流域に位置するラニス(Ranis)のイルゼン洞窟(Ilsenhöhle)で発見された、初期現生人類に関する複数の…
コメント:0

続きを読むread more

大石泰史『今川氏滅亡』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は今川氏の滅亡過程だけではなく広く戦国時代の今川氏を対象とし、戦国大名としての今川氏の滅亡を広い観点から考察しています。今川氏は足利氏一門で、鎌倉時代前期の足利義氏の庶長子である吉良長氏の次男である国氏が今川を称し、南北朝時代に駿河守護とな…
コメント:0

続きを読むread more

黒死病前後のイングランドの人類集団の局所的な遺伝的歴史

 黒死病前後のイングランドの人類集団の局所的な遺伝的歴史を報告した研究(Hui et al., 2024)が公表されました。ペスト菌(Yersinia pestis)を原因とする黒死病はユーラシアにおいて人類に大きな打撃を与えてきており、中でも14世紀のヨーロッパにおける大流行は当時のヨーロッパ社会にとって大打撃となり、その後の歴史に大…
コメント:0

続きを読むread more

単一細胞水準でのコロナウイルスへの応答の地域集団間の差

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、単一細胞水準での重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)への応答の地域集団間の差に関する研究(Aquino et al., 2023)が公表されました。SARS-CoV-2感染後のヒトの臨床症状は、個人間で大きな差異が見られ、その遺伝学的基盤や免疫学的基盤が解明され始めており、ネ…
コメント:0

続きを読むread more

アフリカにおけるバントゥー諸語話者の拡大

 現代人と古代人のゲノムデータからアフリカにおけるバントゥー諸語話者の拡大を推測した研究(Fortes-Lima et al., 2023)が公表されました。本論文は遺伝学的観点から、アフリカにおけるバントゥー諸語話者拡大の様相を検証しています。本論文は、これまでゲノムデータが得られていなかったバントゥー諸語話者117集団も対象としてお…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第4回「五節の舞姫」

 今回は、紫式部(まひろ)と藤原道長(三郎)との再会から話が始まります。紫式部はまず自分の出自を道長に明かしましたが、道長が紫式部に自分の出自を明かそうとしたところで、藤原宣孝が現れ、道長は紫式部に真相を打ち明けられないままでした。すれ違いは陳腐な設定とも言えるだけに、主人公の紫式部と準主人公の道長という本作の重要人物二人の関係に、この…
コメント:0

続きを読むread more

大相撲初場所千秋楽

 3場所連続休場中だった照ノ富士関が今場所は出場してくるのか、気になっていましたが、照ノ富士関は初日から出場してきました。もう照ノ富士関の状態が、最初の大関昇進の頃はもちろん、横綱昇進前後の頃に戻ることはなさそうなので、今場所で引退になるのではないか、と懸念していましたが、照ノ富士関は明らかに状態がよくない中で、7日目までに2敗したもの…
コメント:0

続きを読むread more

ギガントピテクス・ブラッキーの絶滅要因

 古環境の変化からギガントピテクス・ブラッキー(Gigantopithecus blacki)の絶滅要因を推測した研究(Zhang et al., 2024)が報道されました。ギガントピテクス・ブラッキーは史上最大の類人猿(ヒト系統を除くヒト上科)とされており、中期更新世の後半に絶滅しました。ギガントピテクス・ブラッキーはオランウータン…
コメント:0

続きを読むread more

Dan Carlin『危機の世界史』

 ダン・カーリン(Dan Carlin)著、渡会圭子訳で、文藝春秋社より2021年2月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、人類史における危機と崩壊を取り上げています。具体的には、紀元前1200年頃の青銅器時代の終焉、紀元前612年の新アッシリア帝国の崩壊、5世紀の西ローマ帝国の崩壊、第一次世界大戦…
コメント:0

続きを読むread more

アジア北東部の初期現生人類

 アジア北東部の初期現生人類(Homo sapiens)に関する解説(Bae., 2024)が公表されました。この解説はオンライン版での先行公開となります。本論文はおもに、中国北東部の峙峪(Shiyu)遺跡の初期上部旧石器(Initial Upper Paleolithic、略してIUP)が45000年前頃までさかのぼることを報告した研…
コメント:0

続きを読むread more

カエルの体色の機能

 カエルの体色の機能に関する研究(Laumeier et al., 2024)が公表されました。小規模な研究により示されてきたのは、体色の明度差は外温動物において重要な生理学的意味を有するかもしれず、色の濃い種ほど加温速度が急で、病原体や光酸化損傷に対する保護がある、ということです。両生綱無尾目(カエルやヒキガエル)は、5000種以上か…
コメント:0

続きを読むread more

中国北部で発見された45000年前頃までさかのぼるIUP石器群(追記有)

 中国北部において発見された45000年前頃までさかのぼる初期上部旧石器(Initial Upper Paleolithic、略してIUP)を報告した研究(Yang et al., 2024)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、中国北部の山西省にある峙峪(Shiyu)遺跡で発見されたIUP石器群が4…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第3回「謎の男」

 今回は、紫式部(まひろ)と藤原道長(三郎)のすれ違いと再会を軸に、宮廷政治の駆け引きが描かれるとともに、新たな重要人物も登場し、なかなか見どころがあり、今後の展開に期待を抱けるような内容でした。初登場の赤染衛門は才人といった感じで、なかなか人当りもよさそうです。後に藤原道長の妻となる源倫子も人当りがよさそうですが、それだけではなく、も…
コメント:0

続きを読むread more

デンマークの人口史

 古代ゲノムデータにより現在のデンマークに相当する地域の人口史を推測した研究(Allentoft et al., 2024)が公表されました。本論文は、デンマークの中石器時代~前期青銅器時代の7300年間にわたる古代人100個体のゲノムデータを用いて、デンマークの人口史を推測しています。デンマークでは、新石器時代への移行がヨーロッパ中央…
コメント:0

続きを読むread more

『卑弥呼』第123話「お告げ」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年2月5日号掲載分の感想です。ついに同じ原作者の『イリヤッド』の123話と並び、できるだけ長く連載が続いてもらいたいものです。前回は、ヤノハが那(ナ)国のトメ将軍に、遼東公孫氏を呪い殺すつもりだ、と意図を打ち明けたところで終了しました。今回は、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖…
コメント:0

続きを読むread more

小田部雄次『昭和天皇と弟宮』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2011年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、昭和天皇(裕仁親王)とその弟宮、つまり秩父宮(雍仁親王)と高松宮(宣仁親王)と三笠宮(崇仁親王)との関係を検証しますが、昭和天皇とやや年齢が離れている三笠宮(昭和天皇は1901年、秩父宮は1902年、高松宮は1905年、三笠宮は1915…
コメント:0

続きを読むread more

草原地帯牧畜民集団で生じた多発性硬化症の遺伝的危険性

 ヨーロッパの現代人に多い多発性硬化症(Multiple sclerosis、略してMS)の起源に関する研究(Barrie et al., 2024)が公表されました。本論文は、古代ゲノムのデータセットの一部と現代のイギリス在住のヨーロッパ系「白人(自己申告)」約41万人のゲノムを比較し、ヨーロッパ現代人におけるヨーロッパ古代人集団由来…
コメント:0

続きを読むread more

ユーラシア西部古代人における選択と現代人への遺伝的影響

 ユーラシア西部古代人における選択と現代人への遺伝的影響に関する研究(Irving-Pease et al., 2024)が公表されました。本論文は、ユーラシア西部古代人の大規模なゲノムデータを用いて、ユーラシア西部の古代人集団における選択と、現代人への遺伝的影響を検証しています。たとえば、糖尿病とアルツハイマー病の危険性に関連する遺伝…
コメント:0

続きを読むread more

道徳の低下の検証

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、道徳が低下したとの見解を検証した研究(Mastroianni, and Gilbert., 2023)が公表されました。事例証拠から、「人々は道徳が低下しつつあると考えている」、と示されています。本論文は、記録保管所データと一次データ(1249万2983点)を用いた一連の研究で、世界中の少なくとも6…
コメント:0

続きを読むread more

ABO式血液型から推測される人類のアメリカ大陸への移住

 ABO式血液型からアメリカ大陸への人類の移住を推測した研究(Hobgood., 2023)が公表されました。本論文は、ABO式血液型関連遺伝子からアメリカ大陸への人類の移住過程を推測し、それを補強する遺伝子として、シャベル型切歯と関連する遺伝子であるエクトジスプラシンA受容体(ectodysplasin A receptor、略してE…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第2回「めぐりあい」

 今回から紫式部(まひろ)も藤原道長(三郎)も成人役となり、話は984年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)から始まります。紫式部は、母親が藤原道兼に殺されたことを隠蔽した父親の藤原為時に不信感を抱いており、親子関係が良好ではありません。そんな紫式部を諭して励ますのが、後に紫式部の夫となる藤原宣孝でした。宣孝は初回に…
コメント:0

続きを読むread more

氷期後のユーラシア西部の人口史

 氷期後のユーラシア西部の人口史に関する研究(Allentoft et al., 2024)が公表されました。本論文は、最終氷期極大期(Last Glacial Maximum、略してLGM)後となる、ユーラシア西部と北部の中石器時代と新石器時代の317個体のゲノムデータを新たに報告し、既知の1300個体以上の古代人のゲノムと統合するこ…
コメント:0

続きを読むread more

小川原正道 『福沢諭吉 変貌する肖像 文明の先導者から文化人の象徴へ』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1万円札の肖像にも起用され、有名ではあるものの、現代日本社会において私も含めて大衆にはその思想と言動が詳しく知られておらず、またその評価をめぐって現在も議論となっている福沢の評価の変遷を、その生前にまでさかのぼって検証します。福沢をめぐっ…
コメント:0

続きを読むread more

アジア南東部の古環境と人類の進化

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、アジア南東部の古環境と人類の進化に関する研究(Bacon et al., 2023)が公表されました。本論文は、ラオスを中心にアジア南東部の古環境と、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)などの非現生人類(Homo sapiens)ホモ属や現生人類の進化との関連を検証しています。デ…
コメント:0

続きを読むread more

景観の動態と顕生代における生物圏の多様化

 景観の動態と顕生代における生物圏の多様化に関する研究(Salles et al., 2023)が公表されました。生物圏の長期的な多様化は、物理的な環境の変化に応答します。しかし、顕生代の初期において、大陸で生命の多様化が始まったのは海洋よりも遅い時期で、それはほぼ単調なものでした。これに対して、海洋の生命は時代とともに多数の属の増減を…
コメント:0

続きを読むread more

オーストラリア先住民の遺伝的構造

 オーストラリア先住民の遺伝的構造に関する二つの研究が公表されました。一方の研究(Silcocks et al., 2023)は、オーストラリア先住民のゲノムにおける構造の深さと新規多様体の豊富さを報告しています。オーストラリア先住民には、言語および文化的に豊かな歴史があります。こうした歴史が遺伝的多様性にどのように関係しているのかは、…
コメント:0

続きを読むread more

大河ドラマ『光る君へ』第1回「約束の月」

 いよいよ今年(2024年)の大河ドラマが始まりました。近年は大河ドラマの感想記事を惰性で執筆しているところも多分にありますが、当ブログを始めてから昨年まで17年連続で大河ドラマの初回の感想記事を掲載してきたので、今年も少なくとも初回記事は執筆します。まあこの間の大河ドラマ感想記事の執筆は、2008年放送の『篤姫』は初回だけで、2009…
コメント:0

続きを読むread more

『卑弥呼』第15集発売

 待望の第15集が発売されました。第15集には、 口伝111「示齊の意味」 https://sicambre.seesaa.net/article/202307article_6.html 口伝112「赤い土くれ」 https://sicambre.seesaa.net/article/202307article_21.…
コメント:0

続きを読むread more

イタリア東部アルプスの古代末期~中世初期の被葬者のゲノムデータ

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、イタリア東部アルプスの古代末期~中世初期の被葬者のゲノムデータを報告した研究(Coia et al., 2023)が公表されました。本論文は、イタリア東部アルプスの1ヶ所の墓地で発見された、古代末期~中世初期の20個体(4~7世紀)のゲノムデータを報告し、その遺伝的構成と親族関係を分析しています。そ…
コメント:0

続きを読むread more

千葉聡『ダーウィンの呪い 人類が魅入られた進化論の「迷宮」』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、進化学の学説史というか、ダーウィンの提唱した進化論がどのような背景で提示され、批判や反発も含めてどのように人々に解釈されて、近現代社会に影響を及ぼしたのか、検証しています。現在一般的に「進化」と訳されている「evolution」を、ダ…
コメント:0

続きを読むread more

『卑弥呼』第122話「鬼」

 『ビッグコミックオリジナル』2024年1月20日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハが那(ナ)国のトメ将軍の案内で、加羅(伽耶、朝鮮半島)の勒島(ロクド、慶尚南道泗川市の沖合の島)に近づいたところで終了しました。今回は、その1ヶ月後、津島(ツシマ、現在の対馬でしょう)国の「首都」である三根(ミネ)で、津島国の重臣2人が、兵士から日見子(…
コメント:0

続きを読むread more

イベリア半島東部の旧石器時代の洞窟壁画

 イベリア半島東部の旧石器時代の洞窟壁画を報告した研究(Ruiz-Redondo et al., 2023)が公表されました。本論文は、スペインのバレンシアにあるドネス洞窟(Cova Dones)の上部旧石器時代の洞窟壁画の予備的分析結果を報告しています。イベリア半島には旧石器時代の洞窟壁画が多く、現生人類(Homo sapiens)だ…
コメント:0

続きを読むread more