沖縄島と宮古諸島の人類集団の形成史

 沖縄島と宮古諸島の人類集団の形成史に関する研究(Koganebuchi et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。本論文は、現代人と古代人のゲノムデータに基づいて、宮古諸島と沖縄島の現代人集団の形成過程を検証しています。本論文は、琉球諸島の現代人集団が、共通の琉球「縄文人」集団を祖先として、グスク時代にお…
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ネアンデルタール人によるホラアナライオンの狩猟

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)によるホラアナライオン(Panthera spelaea)の狩猟を報告した研究(Russo et al., 2023)が公表されました。大型哺乳類、頂点捕食者、アフリカ起源、世界規模での拡大、深刻なボトルネック(瓶首効果)経験(関連記事)、複雑な交雑史などといった点で、ラ…
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三畳紀の爬虫類化石

 ブラジルで発見された三畳紀の爬虫類化石を報告した研究(Müller et al., 2023)が公表されました。恐竜類と翼竜類は、中生代の大半を通じて驚くべき多様性と差異を有していました。これらの爬虫類は、出現から間もなく多様化して、長く存続することになる複数の系統を生み出し、前例のない生態(たとえば、飛行や植食性の大型形態)を進化さ…
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クリミアの上部旧石器時代の現生人類のゲノムデータ

 クリミアで発見された上部旧石器時代の現生人類(Homo sapiens)のゲノムデータを報告した研究(Bennett et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、クリミア半島南部に位置するブラン・カヤ3(Buran-Kaya III)遺跡で発見された現生人類2個体のゲノムデータを…
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大河ドラマ『どうする家康』第41回「逆襲の三成」

 今回は失脚した石田三成の決起までが描かれました。すでに天下人ともみなされるようになった徳川家康の権勢を、茶々は苦々しく見ています。茶々は自分の母親を殺害に追い込み、後に夫となった羽柴秀吉よりも、賤ヶ岳合戦で援軍を派遣しなかった家康の方を恨んでいるので、家康の権勢を苦々しく思うのは当然ですが、家康に大軍を率いて上杉討伐に赴くよう促したの…
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閉経後も長く生存する野生チンパンジー(追記有)

 閉経後も長く生存する野生チンパンジーを報告した研究(Wood et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。選択が閉経もしくはもはや繁殖できなくなった個体の生存継続を促す理由は、明らかではありません。哺乳類では、野生の自然条件下でかなりの数が生存する繁殖後の雌は、ヒトと少数のクジラ種(関連記事)でのみ観察され…
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倉本一宏『紫式部と藤原道長』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』なので、改めて時代背景を把握するために読みました。紫式部は両親とも藤原北家出身ではあるものの傍流で、父方では、曽祖父は中納言でしたが、祖父も父も位階は五位までしか昇進しませんでした…
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サハラ砂漠以南のアフリカ現代人のゲノムから推測される現生人類とネアンデルタール人との間の遺伝子移入

 サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムから現生人類(Homo sapiens)とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)との間の遺伝子移入を推測した研究(Harris et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、サハラ砂漠以南のアフリカの現代人のゲノムか…
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三葉虫の食性

 三葉虫の食性に関する研究(Kraft et al., 2023)が公表されました。三葉虫類は最も象徴的な化石の一群で、カンブリア紀の初期からペルム紀の末期(約5億4100万~2億5200万年前)までの約2億7000万年間にわたる歴史の大半において、海洋生態系を構成する代表的な生物でした。三葉虫類はこれまでに2万種以上が記載されており、…
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中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータ(追記有)

 中国南西部の後期新石器時代遺跡の人類のゲノムデータを報告した研究(Tao et al., 2023)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、雑穀と稲作の混合農耕が行なわれていた中国南西部の後期新石器時代の高山(Gaoshan)および海門口(Haimenkou)という遺跡2ヶ所の人類遺骸のゲノムの祖先系…
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現生人類の拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異

 現生人類のアフリカからの拡大に伴うネアンデルタール人からの遺伝的影響の時空間的差異を推定した研究(Quilodrán et al., 2023)が公表されました。ネアンデルタール人と現生人類との遺伝的混合は今では広く認められており、ネアンデルタール人からの遺伝的影響度について、非アフリカ系現代人集団では大きくはないものの有意な地域差が…
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大河ドラマ『どうする家康』第40回「天下人家康」

 今回は豊臣秀吉没後の政争が描かれました。前回まで、徳川家康と石田三成は少なくとも表面上では協調していましたが、今回はついに両者の決裂が描かれました。家康は朝鮮半島からの撤兵を三成に任せますが、三成では朝鮮半島に出兵していた大名の不満を抑えきることはできない、と最初から考えていたようで、そこに天下取りの好機が見えてくる、との構想だったの…
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『卑弥呼』第118話「一生の夢」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年11月5日号掲載分の感想です。前回は、日下(ヒノモト)の配下に襲撃されたヤノハが、筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)に裏切り者がいるのではないか、とミルカシ女王に疑問を呈したところ、伝書鳩を使えば筑紫島から日下まで一日半ほどで届く、という話を聞かされ、むやみに人を疑うものではない、と自…
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斎藤成也、山田康弘、太田博樹、内藤健、神澤秀明、菅裕『ゲノムでたどる 古代の日本列島』

 東京書籍より2023年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は全体的に、一般向け書籍を意識してか、著者の個人的な履歴も多く、親しみやすい内容になっていると思います。参考文献と索引もありますし、古代ゲノム研究を中心に日本列島の先史時代の学際的研究の現状を理解するための入門書として適していると思います。 0章●斎藤成…
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シクリッドの過去17000年間にわたる進化史

 アフリカ東部のビクトリア湖におけるカワスズメ科のシクリッドの過去17000年間にわたる進化史に関する研究(Ngoepe et al., 2023)が公表されました。適応放散は、生命のきわめて大きな多様性を生み出すのに寄与してきました。適応放散には生態学的な機会が前提条件になると考えられていますが、どの系統が放散するかを決定するうえでの…
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スリランカの人口史

 スリランカの人口史に関する研究(Singh et al., 2023)が公表されました。スリランカというかセイロン島における(まず間違いなく)現生人類(Homo sapiens)の痕跡は48000年前頃までさかのぼり(関連記事)、となる子供と若い成人女性の現生人類遺骸2個体が発見されています(関連記事)。本論文はおもに、スリランカの現…
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アマゾン森林地帯の1万以上の土構造物

 アマゾン森林地帯の土構造物を報告した研究(Peripato et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。先住民社会はアマゾン川流域に12000年間以上居住しており、昔から土構造物を造るとともに景観に手を加えてきましたが、アマゾンの森林に対するその影響の規模は不明なままです。それは、そうした土構造物が人里離れ…
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大河ドラマ『どうする家康』第39回「太閤、くたばる」

 今回は豊臣秀吉の死が描かれました。徳川家康にとって大きな壁として立ちはだかった本作の秀吉は、若い頃の貧窮生活に起因する豊かさと出世への強い欲望が示唆され、天下人となってからはその欲望を制御できなくなり迷走した、という人物造形だったように思います。正直なところ、本作の秀吉は下層から成りあがって天下人になるような人間的魅力があまり描かれず…
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アフリカ東部における前期~中期更新世移行期の人類進化史

 アフリカ東部における前期~中期更新世移行期の人類の痕跡と環境に関する研究(Mounier et al., 2023)が公表されました。アフリカの前期~中期更新世移行期は、ホモ・エルガスター(Homo ergaster)といった初期ホモ属と類似した形態から、分類に議論があるものの(関連記事)、ホモ・ハイデルベルゲンシス(Homo hei…
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北アメリカ大陸の2万年以上前の人類の足跡

 北アメリカ大陸の2万年以上前の人類の足跡を報告した研究(Pigati et al., 2023)が公表されました。日本語の解説記事もあります。研究者の間では伝統的に、ヒトが北アメリカ大陸に16000~13000年前頃に到達した、と考えられてきました。しかし最近では、ずっと早い年代を裏づける証拠が蓄積されてきました。2021年には、アメ…
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瀧浪貞子『桓武天皇 決断する君主』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の見解には独特なところがあり、困惑させられることも少なくはなく(関連記事)、専門家からの批判もありますが(関連記事)、その独特さに中毒性があり、つい読みたくなってしまいます。これは、遠山美都男氏の一連の一般向け著作とも通ずるところがある…
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最古の木造建築

 人類による最古の木造建築かもしれない遺物を報告した研究(Barham et al., 2023)が公表されました。木製遺物は保存にきわめて恵まれた条件を必要とするので、前期石器時代のものは稀にしか残っていません。したがって、人類は木を石と同様に古くから使用してきた可能性が高そうではあるものの、200万年以上前の石器も発見されている石と…
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初期現生人類のレヴァント経由でのアフリカからの拡散

 初期現生人類(Homo sapiens)の拡散経路に関する研究(Abbas et al., 2023)が公表されました。現生人類のアフリカからの拡散は、現代人の分布と直結しているだけに、多くの関心が寄せられてきました。本論文は、レヴァント南部の最終間氷期の遺跡の年代測定結果を報告し、この期間に水を利用可能だったレヴァント南部が、現生人…
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哺乳類における同性間性行動の進化

 哺乳類における同性間性行動の進化に関する研究(Gómez et al., 2023)が公表されました。同性間性行動は、無脊椎動物(昆虫、クモ、棘皮動物、線形動物など)から脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など)までの主要な分類群全てを含む1500種以上の動物種で報告されており、とくにヒト以外の霊長類で多く見られ、少なくとも5…
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半野生のアカゲザル個体群における同性間性行動

 半野生のアカゲザル(Macaca mulatta)個体群における同性間性行動を報告した研究(Clive et al., 2023)が公表されました。多くの報告が、動物種全体にわたる同性間の社会的な性行動(same-sex sociosexual behaviour、略してSSB)を記載してきました。しかし、その観察は場当たり的な傾向が…
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大河ドラマ『どうする家康』第38回「唐入り」(追記有)

 今回は唐入り(文禄の役)が描かれました。戦勝が伝えられる中で、豊臣秀吉を諫めたのが浅野長政だったのは意外でしたが、典拠となる史料は何なのでしょうか。以前読んだ本でこの逸話が取り上げられていながら、私が忘れているだけかもしれませんが。本作では徳川家康と石田三成が割と親しい関係にあるので、秀吉には戦勝と伝えられていたものの(緒戦は確かにそ…
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5世紀のパンノニアの墓地の被葬者のゲノムデータ

 5世紀のパンノニアの墓地の被葬者のゲノムデータを報告した研究(Vyask et al., 2023)が公表されました。近年の古代ゲノム研究の進展は目覚ましく、とくにヨーロッパの古代ゲノムデータは他地域よりもずっと多く蓄積されています(関連記事)。ヨーロッパの古代ゲノム研究では中世のデータも蓄積されつつあり、歴史学や考古学だけでは推測の…
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水谷驍『ジプシー史再考』

 柘植書房新社より2018年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は日本でも名称自体はよく知られている「ジプシー」の概説です。著者の執筆動機は、日本社会における「ジプシー」理解が、1970年頃以降の研究の進展を踏まえていない、「インド起源の放浪民族」という古い研究段階に留まっていることです。「ジプシー」の名称は差別的だとして、…
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『卑弥呼』第117話「三国鼎立」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年10月20日号掲載分の感想です。前回は、伊都(イト)国と末盧(マツラ)国の境で襲撃を受けたヤノハが、伊都のイトデ王の援軍で窮地を脱し、日下(ヒノモト)国の吉備津彦(キビツヒコ)が、筑紫島(ツクシノシマ、九州を指すと思われます)の日見子(ヒミコ)であるヤノハを警戒しているところで終了しました。今回は…
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古代エジプトのミイラ製作に用いられた香油の成分

 古代エジプトのミイラ製作に用いられた香油の成分を報告した研究(Huber et al., 2023)が公表されました。古代エジプトのミイラ化は、考古学的記録で報告された最も複雑な葬儀慣行のいくつの重要な特徴として、4000年近くにわたって行なわれました。死後のため死者の身体と臓器を保存する死体防腐処理は、エジプトのミイラ化過程の中心的…
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オルドビス紀の脊椎動物の頭部軟骨化石

 オルドビス紀の脊椎動物の頭部軟骨化石を報告した研究(Dearde et al., 2023)が公表されました。神経頭蓋は脊椎動物の頭部の不可欠な要素で、それ自体が重要な進化的新機軸です。しかし、その初期の進化はまだほとんど解明されておらず、顎口類(有顎脊椎動物)と円口類(ヌタウナギ類およびヤツメウナギ類)という2つの現生脊椎動物群の間…
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ユーラシア西部における後期更新世人類の進化の再検討

 ユーラシア西部における後期更新世人類の進化に関する証拠を再検討した研究(Finlayson et al., 2023)が公表されました。本論文は、後期更新世のユーラシア西部における人類進化史の最新の研究状況の把握にたいへん有益です。ユーラシア西部、とくにヨーロッパは、人類進化研究が最も進んでいる地域と言えそうで、更新世の人類化石の発見…
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大河ドラマ『どうする家康』第37回「さらば三河家臣団」

 今回は北条家の滅亡と徳川家の関東移封が描かれました。徳川家の関東移封は、徳川家康が北条家を豊臣秀吉に従属させられなかった責任を取ってのことでもあった、と描かれており、そうした見解をどこかで読んだ記憶があります。本作ではその見解が取り入れられたようです。織田信雄は徳川家の関東(旧北条領)移封に伴って秀吉から徳川旧領への移封を命じられて断…
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ドイツの初期現生人類の生活

 ヒト進化研究ヨーロッパ協会第13回総会で、ドイツにおいて発見された初期現生人類(Homo sapiens)の生活に関する研究(Smith et al., 2023)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P118)。ヨーロッパへの現生人類の時期と拡大およびネアンデルタール人(Homo neanderthalensi…
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佐藤信編『古代史講義【海外交流篇】』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。古代日本史でも南朝や隋や唐や朝鮮半島との関係にはもう四半世紀以上関心を抱いてきましたが、近年では優先順位が20年前ほどには高くなく、勉強が停滞しているので、最新の知見を得るために読みました。この問題については、現在最も優先順位が高い古代ゲノム研究…
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アフリカの過去の気候データから示唆されるさらなる乾燥化

 アフリカの過去の気候データからさらなる乾燥化を示唆した研究(Baxter et al., 2023)が公表されました。人為起源の気候変動は、全球の水循環、とくにモンスーンの降雨に依存する農業が経済の基盤となっている熱帯地域に、深刻な影響を及ぼすと予測されています。アフリカ大陸の最東端に位置する「アフリカの角」では、温度の上昇とともに降…
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最古となるコムギのゲノムデータ

 最古となるコムギのゲノムデータを報告した研究(Ahmed et al., 2023)が公表されました。ヒトツブコムギ(Triticum monococcum)は、最初に農耕が行なわれるようになったとされる近東の肥沃な三日月地帯で初めて栽培化されたコムギ種で、新石器時代革命の中心的な栽培種でした。野生ヒトツブコムギは、レヴァントにおいて…
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アフリカ南西部の現代人から推測されるアフリカ大陸の現代人の深い遺伝的構造

 アフリカ南西部の現代人のゲノム解析からアフリカ大陸の現代人の深い遺伝的構造を明らかにした研究(Oliveira et al., 2023)が公表されました。アフリカは現代人の遺伝的多様性が最も高い地域ですが、ヨーロッパなどと比較して現代人のゲノム研究が遅れているため、現代人の遺伝的多様性の把握が妨げられています。本論文は遺伝学的にこれ…
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大河ドラマ『どうする家康』第36回「於愛日記」

 今回は於愛の退場が描かれました。於愛はこれまで何度か見せ場があったものの、全体的にはさほど目立っていませんでしたが、今回は於愛の心情が掘り下げられました。それと関連して本作の特徴である過去の突然な描写が今回もあり、於愛が夫を失い、ひどく落ち込んでいるのに無理に明るく鷹揚に振舞っていて、瀬名(築山殿)から家康に仕えるよう指示されても、当…
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大相撲秋場所千秋楽

 今場所は、新大関の豊昇龍関とともに、角番の貴景勝関と霧島関が大関の地位を保てるのか、注目されました。霧島関の角番脱出はさほど心配していませんでしたが、貴景勝関については、大関の地位を維持できるのか、さらには、大関から陥落し、幕内上位どころか幕内下位や十両も維持できないくらい状態が悪いのではないか、とかなり不安がありました。正直なところ…
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エル・カスティーヨ洞窟の中部旧石器時代の堆積物のDNA

 ヒト進化研究ヨーロッパ協会第13回総会で、スペイン北部の中部旧石器時代の堆積物のDNA解析結果を報告した研究(Mesa et al., 2023)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P17)。中部旧石器時代から上部旧石器時代の意向は、考古学的記録における道具と装飾品の複雑さと洗練の大きな変化と関連しています。し…
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川田稔『武藤章 昭和陸軍最後の戦略家』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2023年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、東京裁判において死刑判決を受けたA級戦犯としては最年少だった武藤章の評伝です。ここ十数年ほど、以前よりも日本近現代史の本をずっと多く読むようになり、武藤への関心が高くなったので、一度武藤の評伝を読もうと考えました。武藤は日中戦争勃発時には…
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ヨーロッパ最古級の現生人類のゲノムデータ(追記有)

 ヒト進化研究ヨーロッパ協会第13回総会で、ヨーロッパ最古級の現生人類(Homo sapiens)のゲノムデータに関する研究(Sümer et al., 2023)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P122)。これまで、ユーラシアにおける中部旧石器時代から上部旧石器時代への移行にまたがる現生人類を特徴づける利用…
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『卑弥呼』第116話「強さと弱さ」

 『ビッグコミックオリジナル』2023年10月5日号掲載分の感想です。前回は、ヤノハの一行が襲撃されたのは、伊都(イト)国のイトデ王の裏切り以外に考えられない、とオオヒコがヤノハに強く訴えているところで終了しました。今回は、その数時間前に、日下(ヒノモト)国の庵戸宮(イオトノミヤ)で、吉備津彦(キビツヒコ)と妹で日下の日見子(ヒミコ)で…
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LRJの担い手

 ヒト進化研究ヨーロッパ協会第13回総会で、LRJ(Lincombian-Ranisian-Jerzmanowician)の担い手に関する研究(Hublin et al., 2023)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P59)。LRJは中部旧石器時代と上部旧石器時代との間の移行期の技術複合で、イギリスからポーラ…
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大河ドラマ『どうする家康』第35回「欲望の怪物」

 今回は徳川家康と羽柴秀吉の駆け引きが描かれ、家康が秀吉にどのように臣従するのか、注目していました。話を捻ってくる傾向にある本作ですが、秀吉への家康の臣従過程は、これまで大河ドラマなど創作で描かれてきた話と大きく異なるものではなかったように思います。ただ、今回、秀吉の人となりがさらに掘り下げられたことは、後から重要な情報や設定を明かす本…
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ジュラ紀の新種の鳥群獣脚類

 ジュラ紀の新種の鳥群獣脚類に関する研究(Xu et al., 2023)が公表されました。鳥類は後期ジュラ紀の非鳥群獣脚類恐竜を祖先としますが、この進化過程の最初期に関しては化石記録が極めて少なく、時空間的に限定されているため、解明が進んでいません。鳥群系統で初期に分岐した種に関する情報は、鳥類の特徴的なボディープランの進化を理解し、…
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ヒトY染色体の詳細な塩基配列解読

 ヒトY染色体の詳細な塩基配列解読を報告した二つの研究が公表されました。一方の研究(Rhie et al., 2023)はヒトY染色体の完全な塩基配列を報告しています。ヒトのY染色体は、長いパリンドローム配列、縦列反復配列、分節重複といった複雑な反復構造のために、塩基配列の解読とアセンブリがひじょうに難しい、と知られています。そのため、…
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坂本太郎『日本の修史と史学 歴史書の歴史』

 講談社学術文庫の一冊として、2020年8月に講談社より刊行されました。本書は、1958年に至文堂より刊行された『日本の修史と史学』の増補版(1966年、至文堂)を底本とします。電子書籍での購入です。今となってはかなり古いわけですが、碩学による日本の史書の解説なので得るところは多そうですし、碩学の五味文彦氏の解説もあるので読み、じっさい…
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アイスマンの高品質なゲノムデータ

 1991年にアルプス山脈で発見されたアイスマン(Iceman)と呼ばれるミイラの高品質なゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2023)が公表されました。アイスマンはエッツィ(Ötzi)とも呼ばれており、その良好な保存状態からひじょうに有名な紀元前四千年紀後半のミイラです。アイスマンのゲノムデータは以前にも報告されてい…
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