"大河ドラマ"の記事一覧

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第22回「義時の生きる道」

 今回は、源頼朝の上洛とそれに対する御家人の反応が描かれました。頼朝と後白河法皇との対面は緊張感があり、強大な武力を有する勢力への後白河法皇の警戒が現れていました。頼朝は比企一族の比奈(姫の前)に手を出そうとしますが、政子に知られて比奈を北条義時と結婚させる、と言い出します。しかし、北条義時は妻の八重を亡くして失意の日々を送っており、比…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第21回「仏の眼差し」

 今回は奥州藤原氏の滅亡が描かれました。滅亡に至る描写はほとんど描かれず、これにより日本において源頼朝に対抗できる有力な軍事勢力が消滅し、鎌倉の人間関係や政治力学がどう変わっていくのか、鎌倉と朝廷がどう関わっていくのか、という点に重きが置かれていたように思います。比企能員と北条時政とのさや当てもはっきりと描かれ、今後の第一の山場は頼朝の…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第20回「帰ってきた義経」

 今回も源義経の動向を中心に話が進みました。追われる身となった義経は平泉の藤原秀衡を頼りますが、秀衡は間もなく没します。本作の秀衡は出番がほとんどなく、人物像が詳しく描かれたわけではありませんが、大物感があり、したたかなところも見せ、強く印象に残りました。ただ、平清盛もそうだったように、演者頼みの感は否めませんが。まあ、本作の主人公はあ…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第19回「果たせぬ凱旋」

 今回は源頼朝と源義経の対立が中心に描かれました。本作の頼朝に対して冷酷な印象を抱いている視聴者は多いでしょうが、弟の義経を頼朝が大事に思っていることも確かで、単に冷酷な人物として描かれているわけではありません。頼朝と義経の対立は、周囲の人物の思惑も絡んで、行き違いの連鎖といった感じで、本作らしく創作も交えた話になっていました。ただ、義…
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再来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』

 再来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』に決定した、と報道されました。脚本は、大河ドラマでは2回目(前回は2006年放送の『功名が辻』)となる大石静氏、主演は吉高由里子氏です。来年の大河ドラマの主人公が徳川家康で、大河ドラマで頻繁に取り上げられる戦国時代(関連記事)でもとくに有名な人物(織田信長や豊臣秀吉や今…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第18回「壇ノ浦で舞った男」

 今回は一気に平家の滅亡まで話が進みました。源義経と梶原景時の関係が、単なる対立や景時の義経に対する警戒・敵視ではなく、景時が誰よりも義経の軍才を理解しているのは、これまでの源平もの大河ドラマではなかった設定なのではないか、と思います。まあ、1966年放送の『源義経』と1972年放送の『新・平家物語』は視聴していないので、断定はできませ…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第17回「助命と宿命」

 今回は木曽義高の最期が描かれました。北条義時は源頼朝から義高を討ち取るよう命じられ、重大な決断を迫られます。これも、上総広常の粛清とともに、当初は頼りなかった義時が大政治家へと成長していく過程での難関という位置づけなのでしょう。ただ、義時はけっきょく義高を殺す決断ができず、義高を助けようとします。義時の成長があまりにも急だと不自然にな…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第16回「伝説の幕開け」

 今回は源義経の「伝説の幕開け」となる、木曽義仲との戦いと一ノ谷の戦いが描かれました。義経が武士の慣習を無視して坂東武士が困惑するところや、前回、梶原景時が上総広常を斬ったことにより、和田義盛に嫌悪されていることや、義経と梶原景時との評定での対立など、単に義経の「伝説の幕開け」だけではなく、今後の布石も描かれており、この点は上手く構成さ…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第15回「足固めの儀式」

 今回は上総広常の粛清による源頼朝の鎌倉掌握が描かれました。大江広元が初対面から上総広常を危険視していることや、頼朝が内心上総広常を疎ましくも思っていたことは示唆されていたので、義時と上総広常との間の信頼関係を利用して坂東武者の中で大物の上総広常を粛清することにより、坂東武者に対する頼朝の統制を確立するのは、いかにも大政治家と策士といっ…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第14回「都の義仲」

 今回は序盤で一気に源義仲の上洛まで話が進みました。義仲の上洛により平家は都落ちとなったものの、義仲は、都の政治作法に不慣れだったり、配下の兵を制御できず都の治安が悪化したり、後白河法皇に強要されて平家討伐に赴き苦戦したりしたことなどから、都人に嘲られ、朝廷要人と対立するようになります。前回、義仲は器の大きさを見せていましたが、やはり都…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第13回「幼なじみの絆」

 今回は、鎌倉の騒動が描かれました。北条時政は源頼朝が義兄の牧宗親の髻を切らせたことに反発し、伊豆に戻ります。時政と頼朝の間に溝が生じたのを見て、比企能員は源氏一門に接近し、義経に一族の娘である里を紹介します。この里が義経の正妻となります。源平ものでは静御前の方が目立ち、義経の正妻は扱いが大きくない傾向にありますが、本作では静御前よりも…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第12回「亀の前事件」

 今回は亀の前をめぐる騒動が描かれました。本作の亀の前はかなり野心的で強気な人物として描かれており、本作と題材がほぼ重なる1979年放送の大河ドラマ『草燃える』の亀の前とはかなり異なるように思いますが、本作の人物造形もなかなか魅力的です。亀の前事件に「りく」が関わっていることは、「りく」の政子への複雑な想いを活かした上手い話になっていた…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第11回「許されざる嘘」

 今回は義時と八重との関係が中心に描かれ、頼朝の勧めにより義時が八重と結婚するのかと思ったら、八重が断り、八重が泰時の母親だと予想していましたが、あるいは違うのでしょうか。鎌倉では御所が完成し、義時は頼朝とともに論功行賞など「政権」の基盤確立に努めます。頼朝はかねての要求に応えて和田義盛を侍所別当に任じますが、一方で頼朝も義時も和田義盛…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第10回「根拠なき自信」

 前回、異母兄の源頼朝と対面した義経とともに、頼朝の異母弟の阿野全成およよび源範頼の人物像が今回はさらに詳しく描かれました。義経は身勝手な人物として描かれていますが、純粋なところもあり、それゆえに異母兄の頼朝を刺激するところもあって、それが後の兄弟の対立につながっていくのでしょうか。また、義経が頼朝に、藤原秀衡に援軍を要請したことも、頼…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第9回「決戦前夜」

 今回は富士川の戦いが描かれました。その過程で源頼朝は、伊東を討つよう、和田義盛と畠山重忠に命じます。北条義時は八重を救うべく三浦義村とともに伊東の館に急行し、八重を救うとともに、祖父の伊東祐親の助命を頼朝に願い出ます。頼朝は祐親と八重を三浦に預けるよう、命じますが、八重は頼朝の侍女として近くにいたい、と義時に要求します。八重はおそらく…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第8回「いざ、鎌倉」

 今回は、源頼朝の鎌倉入りに至る過程が描かれました。上総広常が言ったように、当時の頼朝軍はまだ寄せ集めで、頼朝はまだ坂東武者をよく統制できていません。まあ、平家を滅ぼした後も頼朝にとって御家人の統制は重要な問題であり続けるわけですが、この時期には頼朝の権威もまだ充分には確立していないだけに、大敗から巻き返して大軍を率いるようになった頼朝…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第7回「敵か、あるいは」

 今回は、安房に逃亡した源頼朝一行が、上総広常を味方につけられるかどうかが中心に描かれました。上総広常は前回が初登場でしたが、顔見世程度だったので、今回が実質的に初登場と言えるでしょう。上総広常は頼朝の挙兵成功の立役者とも言えそうですが、本作でもいかにも大物といった感じで描かれています。その功臣の上総広常も後に粛清されるわけですが、直接…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第6回「悪い知らせ」(追記有)

 今回は、源頼朝の逃亡と再起の試みが描かれました。頼朝の逃亡では、梶原景時が洞窟に潜む頼朝を見逃す有名な場面も描かれました。景時がなぜ頼朝を見逃したのか、景時の人物像がほとんど描かれていないこともあり、まだよく分かりませんが、兵士が頼朝の潜む洞窟に近づいた時に落雷に怯えたことで、頼朝に何か天命のようなものを見たか、あるいは頼朝討伐の大将…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第5回「兄との約束」

 今回は、源頼朝の挙兵の成功と、その後の大敗に、北条義時の兄の宗時の死までが描かれました。次回以降で、この後の頼朝の大逆襲と、坂東における覇権確立が描かれるわけですが、これはほぼ史実通りで、挙兵後の頼朝の生涯そのものがたいへん劇的だとよく分かります。源平ものが大河ドラマなど創作で多く取り上げられてきたのは、もちろん源義経への判官贔屓によ…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第4回「矢のゆくえ」

 今回は、源頼朝の挙兵に至る流れが描かれました。挙兵をめぐる頼朝と坂東武者の駆け引きと思惑は、喜劇調でなかなか楽しめました。とくに頼朝の政治力はよく描かれており、今後の頼朝の政治的成功に説得力を与えることになるのではないか、と思います。一方で、頼朝の焦燥もよく描かれており、今後の頼朝の政治的成功が当初から約束されていた必然ではないことも…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第3回「挙兵は慎重に」

 今回は以仁王が挙兵し、ついに動乱の始まりが描かれました。本作とほぼ同じ題材を扱う1979年放送の大河ドラマ『草燃える』と比較すると、やや展開が速いように思います。源頼朝は、以仁王方として決起する源頼政の人物像を北条時政から聞き、失敗するだろうと考え、この決起には加わらない、と早々に決めます。頼朝は、自身で清盛を討ちたい、と考えていまし…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第2回「佐殿の腹」

 今回も源頼朝をめぐっての伊豆の騒動が描かれました。頼朝の身柄をめぐって北条と伊東との間で武力衝突寸前までいきますが、大庭景親の仲裁により、頼朝の身柄を北条が預かり、頼朝が八重と手を切るところで和解となります。まだ全国的な動乱状態に陥る前ですが、自力救済社会の坂東がよく表現されているように思います。当分は伊豆を中心に坂東が主要な舞台とな…
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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第1回「大いなる小競り合い」

 いよいよ今年(2022年)の大河ドラマが始まりました。今年は北条義時が主人公で、壇ノ浦の戦い、もしくはもう少し先まで見て源義経の自害までは源平ものと言えるでしょうが、その後は鎌倉幕府の内部抗争および朝廷との駆け引きがおもに描かれることになるでしょう。本作は、1979年の大河ドラマ『草燃える』と題材がほぼ重なっており、北条義時は『草燃え…
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再来年(2024年)の大河ドラマの予想

 そろそろ再来年(2024年)の大河ドラマが発表されそうなので、予想してみます。まず大前提として、2年連続で時代が重なることはあまりなく、多少重なったとしても舞台となる地域は異なる場合がほとんどのようだ、ということが挙げられます。来年は徳川家康が主人公なので、戦国時代後期~江戸時代初期ものである可能性は除外して問題ないと思います。今年は…
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大河ドラマ『青天を衝け』全体的な感想

 前作の『麒麟がくる』が、重要人物の演者の降板により放送開始が遅れたことと、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため収録が中断され、最終回が年明けにずれ込んだことから、本作は初回が今年(2021年)2月14日と遅れ、さらにはCOVID-19のため1年延期された東京オリンピック・パ…
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大河ドラマ『青天を衝け』第41回(最終回)「青春はつづく」

 いよいよ最終回を迎え、1年近く視聴してきただけに、寂しさは否めません。今回は栄一の晩年が、おもに後継者である孫の敬三の視点から描かれました。初回から登場していた慶喜も喜作も、おもに明治編から登場した伊藤博文も井上馨もすでに退場しており、栄一は本当に長命だったのだな、と改めて思います。明治編初期の主要人物もおおむね退場し、大隈重信くらい…
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大河ドラマ『青天を衝け』第40回「栄一、海を越えて」

 第一線を退いた栄一は、妻の兼子とともに排日機運の高まるアメリカ合衆国を訪れ、日米関係の改善に努めます。しかし、その間の1909年10月、伊藤博文がハルビン駅で暗殺されます。伊藤は幕末編で1回登場しましたが、本格的な登場は明治編になってからで、喜作のように序盤から登場していたわけではありませんが、明治編では井上馨や大隈重信や五代友厚とと…
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大河ドラマ『青天を衝け』第39回「栄一と戦争」

 日清戦争に勝った日本の国際的地位の向上に、栄一や喜作や尾高惇忠は感慨に浸ります。ただ、日本は軍事力を高く評価されても経済はさほど評価されず、日露戦争の勝利も危うかったことが描かれており、ここは悪くありませんでした。栄一は喜作と惇忠を連れて慶喜に謁見し、慶喜に富岡製糸場運営などの功を労われた惇忠は感激し、その後亡くなります。この3人の幕…
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大河ドラマ『青天を衝け』第38回「栄一の嫡男」

 今回は、栄一の家庭での話の比重が高く、嫡男の篤二に焦点当てた構成になっていました。偉大な父の存在に悩む不肖の息子という話は、大河ドラマに限らず創作ものの定番で、普遍的な話です。篤二の場合は、母の千代を亡くしてすぐに父がそれまで縁のなかった女性(兼子)と再婚したことでも、父への複雑な想いがあるようにも思います。もしそうならば、篤二が母を…
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大河ドラマ『青天を衝け』第37回「栄一、あがく」

 今回は栄一が共同運輸会社を設立し、岩崎弥太郎率いる三菱に再度海運業で挑み、激しい争いとなりますが、妻の千代が亡くなり憔悴していた栄一を周囲の人々は案じます。栄一の活躍が妻の千代に支えられてのものだったことは、これまでよく描かれていたので、自然な流れになっていました。栄一は、平岡円四郎の未亡人の「やす」の勧めもあり、没落した豪商の娘の伊…
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大河ドラマ『青天を衝け』第36回「栄一と千代」

 今回で栄一の妻である千代が退場となります。千代は序盤から登場していただけに、寂しさはあります。千代は栄一との結婚で多少の紆余曲折があって見せ場となっており、結婚後は家を空けることの多い栄一を家庭でよく支え、栄一の活躍も千代の支えがあってのことだと、しっかり描かれていたように思います。千代は表舞台に出ることも夫を叱咤激励して積極的に導く…
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大河ドラマ『青天を衝け』第35回「栄一、もてなす」

 アメリカ合衆国前大統領のグラントが日本を訪れ、栄一は民間を代表してグラントをもてなすことになります。今回は、近代化の様相が外交の面から描かれました。女性たちのやり取りにも結構な時間が割かれ、昔からの声が大きい大河ドラマ愛好者の中には、こうした描写を毛嫌いし、大河ドラマに相応しくない、と考えている人も少なくないかもしれませんが、女性も公…
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大河ドラマ『青天を衝け』第34回「栄一と伝説の商人」

 今回は栄一が岩崎弥太郎と初めて会い、その経済観をめぐって論争するところが中心に描かれました。貿易での買い控えに対する外国との駆け引きなどでも描かれてきた、栄一の合本への強い想いを前提としての、栄一と岩崎弥太郎との激しいやり取りで、ここは本作らしくしっかりとした構成になっていたように思います。岩崎は強烈な個性の持ち主として造形されており…
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大河ドラマ『青天を衝け』第33回「論語と算盤」

 今回は第一国立銀行の危機を中心に、経済面での近代化初期の様相が描かれました。第一国立銀行は、無担保で多額の貸付をしていた小野組の倒産により危機に陥り、これに乗じて三井が第一国立銀行を乗っ取ろうと企みますが、大隈重信の裁定により栄一はこの苦境を何とか乗り切ります。大隈の意図を岩崎弥太郎が大隈との会話の中で語る場面は、なかなか上手く構成さ…
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大河ドラマ『青天を衝け』第32回「栄一、銀行を作る」

 大蔵省を辞めた栄一は銀行作りに奔走し、第一国立銀行の設立に関わって総監役に就任します。官界でも民間でもそれぞれ違う苦労があるもので、それぞれの立場に応じて栄一の才覚と苦労が描かれており、よいと思います。民間に転じた栄一は癖のある人物相手に苦労が多いものの、それを楽しんでもいるように見えます。今回新たに登場した岩崎弥太郎は、ひじょうに癖…
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大河ドラマ『青天を衝け』第31回「栄一、最後の変身」

 今回は栄一の銀行立ち上げを中心に、喜作(成一郎)との再会や富岡製糸場の操業や栄一の浮気発覚などが描かれ、最後に栄一は大蔵省を辞めると決断し、民間での道を歩み始めることにします。栄一と喜作の再開は、両者の想いのぶつかり合いと和解という王道的な描写になっていましたが、悪くはなかったように思います。銀行の立ち上げは、癖の強い豪商との駆け引き…
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大河ドラマ『青天を衝け』第30回「渋沢栄一の父」

 今回で栄一の父である市郎右衛門が退場となります。市郎右衛門は無鉄砲な息子を時として厳しくも暖かく見守りつつ栄一を導き、栄一のような野心の強い個性的な人物にとって理想的な父親として造形されていたように思います。市郎右衛門の実像と本作の人物造形との間にどれだけの違いがあるのか知りませんので、渋沢家に詳しい視聴者にとっては不満があるかもしれ…
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大河ドラマ『青天を衝け』第29回「栄一、改正する」

 栄一は明治政府に出仕することになり、伊藤博文と大隈重信の同意を得て、各省の垣根を超えた改正掛を設置し、前島密たちを呼んで改革に努めます。何を改革すべきか、優先順位をどうするのか、議論百出で容易にはまとまりませんが、栄一はこの状況を歓迎し、楽しんでいました。栄一は製糸業も担当することになり、これは後に尾高惇忠も深く関わることになるので、…
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大河ドラマ『青天を衝け』第28回「篤太夫と八百万の神」

 栄一(篤太夫)は明治政府に召喚されることになり、それが仕官要請だと知って断るつもりで上京します。栄一はまず伊藤博文と会い、伊藤は同じく攘夷に身を投じていた栄一をすぐに気に入ったようです。栄一は大隈重信と会い、早速仕官を断りますが、大隈は日本で誰も新たな仕組みまだ知らない中で、誰かがやらねばならない、と言って栄一を説得しようとします。栄…
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大河ドラマ『青天を衝け』第27回「篤太夫、駿府で励む」

 栄一(篤太夫)は駿府藩への仕官を断りつつも、栄一が水戸藩に仕官して殺されることのないよう配慮した慶喜の配慮に感謝し、駿府で新たに生計を立てようとします。しかし、駿府藩の財政危機を知った栄一は、駿府藩が自立できるよう、パリで学んだ知識を活かして財政改革に乗り出します。駿府藩の武士も商人もなかなか栄一に協力しませんが、栄一は江戸に行くなど…
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大河ドラマ『青天を衝け』第26回「篤太夫、再会する」

 元号はすでに明治となっていますが、幕末の最終段階で日本におらず、国内の政治体制の激変に戸惑っていた栄一(篤太夫)が家族・親族・郷里の人々や慶喜と再会し、今回で幕末編が終了となり次回から明治編になる、といった区切りをはっきりと感じさせる構成だったように思います。帰郷した栄一は、政治体制が激変するなかで、故郷が変わっていないように見えるこ…
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大河ドラマ『青天を衝け』第25回「篤太夫、帰国する」

 今回は栄一(篤太夫)の帰国と、栄一が海外にいる間の国内情勢が描かれました。栄一が横浜に到着したのは明治元年10月で、すでに慶喜は鳥羽伏見の戦いで負けて江戸に戻り、さらに水戸から駿府へと移って謹慎しており、江戸城は新政府軍に明け渡されており、戊辰戦争が継続中でした。主人公である栄一の視点では、この間の国内情勢は遅れて得た断片的な情報から…
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大河ドラマ『青天を衝け』第24回「パリの御一新」

 日本では大政奉還から王政復古まで進んでいますが、パリの栄一(篤太夫)には、1868年1月26日(慶応4年1月2日)になってやっと、大政奉還の報が伝わります。激変する国内情勢に栄一たちは困惑します。栄一はフランス側から誘われて証券取引所を訪れ、国債や社債について教えられ、感銘を受けます。翌月になって栄一たちに、慶喜が薩長との対立を避けて…
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大河ドラマ『青天を衝け』第23回「篤太夫と最後の将軍」

 今回は、ヨーロッパでの栄一(篤太夫)の活躍と、慶喜視点の国内政局が描かれましたが、国内政局は一気に大政奉還から王政復古まで進みました。ヨーロッパには慶喜の命を受けて栗本鋤雲が来るなど、ヨーロッパの栄一の動向と国内政局とが連動して描かれているのはよいと思います。原市之進の殺害は、なかなかよいキャラだっただけに、分かってはいても悲しいもの…
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大河ドラマ『青天を衝け』第22回「篤太夫、パリへ」

 栄一(篤太夫)が徳川昭武に同行して外遊に出たので、初期のように栄一の話と慶喜の話が別々に進行することになりました。栄一が外遊に出ている間に国内政局は劇的に動くわけで、栄一を主人公とする場合、幕末編で慶喜を準主人公として描くのは上手い構成だと思います。栄一は慣れない船旅に苦労しつつパリに到着し、万国博覧会の会場を視察し、西洋の技術に圧倒…
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大河ドラマ『青天を衝け』第21回「篤太夫、遠き道へ」

 パリで開催される万国博覧会に徳川昭武が派遣されることになり、栄一(篤太夫)は随行を命じられ、行くと即答します。慶喜は将軍に就任しますが、慶喜を信任していた孝明天皇が没し、これは慶喜にとって政治的には大打撃となりました。栄一は慶喜に呼ばれ、昭武のような若い世代にヨーロッパで学ばせ、今後を託そうと考えている、と慶喜から聞かされます。財政好…
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大河ドラマ『青天を衝け』第20回「篤太夫、青天の霹靂」

 今回は一橋慶喜の将軍就任決定が描かれました。14代将軍の家茂は病に倒れ、慶喜に孝明帝の望みである長州討伐を託して死亡します。家茂には子がおらず、慶喜を後継者と考えている者が多いことから、栄一(篤太夫)は慶喜が将軍となって衆人の怨みを買うのではないか、と懸念していました。家茂から後継者は田安亀之助(徳川家達)と聞かされていた天璋院は、慶…
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大河ドラマ『青天を衝け』第19回「勘定組頭渋沢篤太夫」

 栄一(篤太夫)は一橋家の財政の充実に奮闘し、一橋家の勘定組頭に抜擢されます。栄一が藍の商売で培った才覚と経験を活かしていくものの、それが順調に進むわけではなく、抵抗も描かれるところは、ドラマとして単調ではなく、なかなかよいと思います。今回は、財政の充実による富国強兵を図る人物として、幕府の小栗忠順(上野介)と薩摩の五代才助(友厚)も描…
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大河ドラマ『青天を衝け』第18回「一橋の懐」

 今回は、栄一(篤太夫)の一橋家での奉公とともに、天狗党の乱が描かれました。兵の募集ではなかなか上手くいなかった栄一ですが、交流を深めて次第に信頼関係を築き、応募する者も出てきます。栄一はそれを利用して代官を脅迫し、多くの者が志願してきます。この功績を一橋慶喜に認められた栄一は、兵を維持するために一橋家の財政の充実を慶喜に強く訴えます。…
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大河ドラマ『青天を衝け』第17回「篤太夫、涙の帰京」

 今回は平岡円四郎殺害の余波とともに、禁門の変に四国艦隊下関砲撃事件に天狗党の乱と、幕末の動乱が描かれました。平岡は栄一(篤太夫)にとって大恩人だっただけに、平岡の妻とともにその波紋が描かれました。平岡殺害事件もこれら幕末の動乱の一環で、主人公周辺の描写と歴史的大事件との描写が上手くかみ合ってきたように思います。藤田小四郎と栄一との遭遇…
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