"読書"の記事一覧

関幸彦『戦争の日本史5 東北の騒乱と奥州合戦』

 吉川弘文館より2006年11月に刊行されました。本書は、前九年合戦・後三年合戦・奥州合戦(源頼朝が奥州藤原氏を攻め滅ぼした戦い)を扱っています。一般書ながら、研究史の把握・整理が多いのが特徴となっています。本書は、東北地方と河内源氏という共通点を有するこれら三合戦から、中世的世界の成立の経緯・背景・その意味、頼朝の御家人たちの間で共有…
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千葉聡『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』

 講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2020年2月に刊行されました。本書は一般向けを意識してか、進化の実態や仕組みといった学術的な解説だけではなく、進化学に関わった研究者たちの人間模様話も取り上げており、単に進化学の解説書というだけではなく、読み物としても優れていると思います。たとえば、ガラパゴス諸島が進化論発祥の聖地というよ…
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益尾知佐子『中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係』

 中公新書の一冊として、中央公論新社から2019年11月に刊行されました。本書は、中国の対外行動(国際関係)が、国内の政治潮流、さらに根本的には中国の社会構造に規定される、と論じます。その社会構造とは外婚制共同体家族で、家父長が家族に対して強い権威を有します。息子たちは家父長に服従し、家父長の地位を継承すべく兄弟たちと激しく競争します。…
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岡田晋吉『太陽にほえろ!伝説』

 ちくま文庫の一冊として、筑摩書房より2020年2月に刊行されました。本書の親本『太陽にほえろ!伝説 疾走15年私が愛した七曲署』は、2003年に増補決定版として日本テレビ放送網より刊行されました。この増補決定版の親本は1996年に日本テレビ放送網より刊行されました。本書の親本は、以前図書館で読んだと記憶していますが、もうその記憶は薄れ…
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山本博文『歴史をつかむ技法』第4刷

 新潮新書の一冊として、新潮社から2013年11月に刊行されました。第1刷の刊行は2013年10月です。本書は、歴史をどう理解するのか、専門家がその「技法」を一般向けに解説しています。専門家にとっては当然の常識でも、一般層はほとんど知らないというか理解していないことは、歴史学に限らずほとんどの分野で見られます。本書は、専門家がその大きな…
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本村凌二『愛欲のローマ史』(追記有)

 講談社学術文庫の一冊として、2014年5月に講談社より刊行されました。本書の親本『ローマ人の愛と性』は、講談社現代新書の一冊として1999年に講談社より刊行されました。ローマ帝国は平和と繁栄のなかで飽食・性的放縦など堕落・退廃していき、それが滅亡の要因となった、との通俗的見解は今でも一般には根強いように思います。本書で重要な史料として…
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