"読書"の記事一覧

山田徹、谷口雄太、木下竜馬、川口成人『鎌倉幕府と室町幕府 最新研究でわかった実像』

 光文社新書の一冊として、光文社より2022年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。 ●木下竜馬「第一章 部分的な存在としての鎌倉幕府」  まず、鎌倉幕府は全ての領域を支配下に置いたわけではなく、御家人ではない武士たちは天皇や貴族や大規模な寺社勢力に属しており、鎌倉時代の国家的秩序において鎌倉幕府は部分的な存在だったこ…
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上杉和彦『日本史リブレット人025 平清盛 「武家の世」を切り開いた政治家』

 山川出版社から2011年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。2012年放送の大河ドラマ『平清盛』の関連本と言えるかもしれませんが、手ごろな価格ですし、手堅い内容だと期待して読みました。本書はまず、平清盛の印象が日本社会において長期にわたって悪く、その要因は『平家物語』にある、と指摘します。清盛は『平家物語』において、「異朝」の…
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遠山美都男『新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2022年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、同じく中公新書の一冊として1993年2月に刊行された『大化改新 六四五年六月の宮廷革命』の改訂版で、この旧版は私も購入しており、本書の購入の検討にあたって久々に本棚から取り出しました。新版のはしがきに、旧版からの大きな変更点が取り上げら…
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平山優『戦国の忍び』

 角川新書の一冊として、KADOKAWAから2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。日本社会において忍者は創作で重要な地位を占めており、それは近現代に限らず江戸時代に始まります。しかし、虚構としての忍者が浸透するにつれて、実在した「忍の者」の実像は霞んでいき、戦後歴史学では長きにわたって忍の者を解明しようとする動きはほぼ皆…
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高橋のぼる『劉邦』第13集(小学館)

 電子書籍での購入です。第13集では項羽軍に捕らわれた呂雉(呂后)の動向と、項羽軍に対抗すべく羌との提携を画策する劉邦の交渉が中心に描かれました。戚は紀信の子を宿し、劉邦はその子を自分の子として育てることにします。呂雉はそれを項羽軍の見張りの兵士から聞き、激しい憎悪を抱きます。一方韓信は、紀信から戚への好意を聞いていたため、この真相に気…
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Mark W. Moffett『人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学』上・下

 マーク・W・モフェット(Mark W. Moffett)著、小野木明恵訳で、早川書房から2020年9月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、ヒトの帰属意識形成の前提として、まず社会について取り上げます。社会的であること(他個体と積極的につながること)と、一つの種が何世代にもわたって存続する社会と呼…
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平山優『武田氏滅亡』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2017年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は武田氏滅亡の過程を、おもに武田勝頼の武田氏の家督継承の頃から取り上げますが、勝頼の誕生の背景と、諏方氏を継ぐべき人物として位置づけられていたことにも序章で言及しています。ただ、諏方家臣団の反発を考慮してか、勝頼の諏方氏当主としての実質的な…
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William von Hippel『われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の…

 ウィリアム・フォン・ヒッペル(William von Hippel)著、濱野大道訳で、ハーパーコリンズ・ノンフィクションより2019年10月に刊行されました。原書の刊行は2018年です。電子書籍での購入です。一部(ではないかもしれませんが)で評判がきわめて悪そうな進化心理学について、まとまった知見を得る目的で読みました。本書はまず、ヒ…
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客野宮治『蘇我氏の研究』

 文芸社より2015年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者は日本古代史の専門家ではなく医師とのことで、その点は不安でしたが、読み放題だったので、読んでみました。本書の主題は今でも議論のある蘇我氏の出自の解明で、諱に着目しての検証は興味深いと思います。まず本書は、7世紀までの天皇(という称号は7世紀以降でしょうが、皇后などと共…
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本村凌二『剣闘士 血と汗のローマ社会史』

 中公文庫の一冊として、中央公論新社より2016年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はおもに帝政期の剣闘士競技に焦点を当てたローマ社会史です。本書の構成でまず驚かされるのが、冒頭で剣闘士ミヌキウスの手記を長く紹介していることです。架空の剣闘士(だと思います)ミヌキウスの手記を「訳す」という体裁は、根拠となる史料が後に明かさ…
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村井章介『古琉球 海洋アジアの輝ける王国』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2019年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。「古琉球」とは伊波普猷の造語で、1609年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)に薩摩藩に征服される以前の琉球を指します。古琉球の時代には、琉球は日本の国家領域外にありました。本書は琉球語を採用して、前近代の「日本」を「ヤマト…
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筒井清忠編『大正史講義』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2021年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。 ●筒井清忠「はじめに」  まず、大正時代は大衆の登場が始まった時代で、大衆が現れたのは明治末期の日比谷焼打ち事件と指摘されています。この大衆運動において、地方新聞社もしくはその記者が関わり、状況を報じて運動の気勢を高めただけでは…
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山本紀夫『高地文明 「もう一つの四大文明」の発見』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、農耕開始からその発展の時代までを対象して、四つの熱帯高地「文明」、つまりメキシコとアンデスとヒマラヤ・チベットとエチオピアを取り上げます。本書はまず、「四大文明」という概念と、「文明」が大河のほとりで生まれた、という見解に疑問を呈します…
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小林敏男『邪馬台国再考 女王国・邪馬台国・ヤマト政権』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2021年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、江戸時代にまでさかのぼって邪馬台国に関する学説史を簡潔に解説し、問題点を整理しており、この点は一般層の読者に親切な構成になっていると思います。本書のこの構成は、邪馬台国に関する重要な論点の多くはすでに第二次世界大戦前に提起されていた、…
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柿沼陽平『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はおもに秦と漢の日常史を詳しく解説しますが、門外漢には、古代の漢文史料にも当時の庶民の具体的な日常生活を復元できる記述が少なからずあることは意外でした。本書は考古学の成果も踏まえて、当時の日常生活を詳しく復元しており、もちろん現代と当時で…
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芝健介『ヒトラー 虚像の独裁者』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2021年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はヒトラーの伝記ですが、ヒトラーがどのように人々に受け止められていたのか、という問題も重視しており、ヒトラーの死後におけるヒトラー像の変遷や多様性にも1章が割かれています。少年時代のヒトラーは、多民族国家オーストリアにおける多民族共生・…
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篠田謙一『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2022年2月に刊行されました。本書は日本語で読める人類の古代DNA研究の最新の概説ですが、古代DNAの解析が事実上不可能な時代と地域については、第1章で化石証拠から簡略に解説しています。もちろん今後、著者も含めて多くの研究者により本書の内容は更新されていくでしょうが、古代DNA研究の最新の知見を…
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鷺森浩幸『藤原仲麻呂と道鏡 ゆらぐ奈良朝の政治体制』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2020年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。藤原仲麻呂と道鏡は、ともに太政大臣(仲麻呂は大師、道鏡は太政大臣禅師)となりましたが、律令制当初には、死後の贈官としての太政大臣の事例と比較して、現役の太政大臣は回避される傾向にあったようです。それは、太政大臣の地位が、天皇から統治権…
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設楽博己『縄文vs.弥生 先史時代を九つの視点で比較する』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2022年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は縄文時代と弥生時代とを、生業や社会や精神文化の観点から比較し、単に両者の違いだけではなく、縄文時代から弥生時代へと継承されたものについても言及しています。時代区分は、縄文時代については、草創期15000年前頃以降、早期が11300年前頃以降…
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会田大輔『南北朝時代 五胡十六国から隋の統一まで 』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、現代日本社会では前後の時代と比較して人気が低そうな南北朝時代を、気候変動などに伴うユーラシア全域の大きな移行期の一部として把握し、柔然やエタフルや突厥といったユーラシア内陸部勢力と北朝および南朝との関係も取り上げます。本書はまず、南北…
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萩原淳『平沼騏一郎 検事総長、首相からA級戦犯へ』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。平沼騏一郎は歴代の首相では知名度が低い方でしょうが、首相在任中の1939年8月に独ソ不可侵条約が締結されたことを受け、首相を退任したさいの「複雑怪奇」声明により現在でも(悪い意味で)一定以上の知名度があるように思います。この「複雑怪奇」声明がな…
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阿部拓児『アケメネス朝ペルシア 史上初の世界帝国』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はアケメネス(アカイメネス、ハカーマニシュ)朝ペルシアの概説です。ペルシアとは、狭義にはイラン高原南部、現在のイラン共和国ファールス州一帯を指す歴史的地名(ペルシスもしくはパールサ)で、ペルシア人とは、紀元前二千年紀中頃に北方からこの地域に…
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鈴木由美『中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。1335年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)に起きた中先代の乱は現代日本社会において比較的有名でしょうが、そもそも中先代とは何なのか、私も含めてよく知らない人は多いでしょう。本書は、北条氏を「先代」、足利氏を「当御代」…
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天野忠幸『三好一族 戦国最初の「天下人」』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。三好氏の出自は、江戸時代の軍記物や系図によると、信濃の小笠原氏の末裔となります。小笠原氏が鎌倉時代に阿波守護となり、その末裔が吉野川の源流に位置する三好郡に土着し、三好と称した、というわけです。ただ、その真偽は不明です。三好氏の一次史料は15…
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菊池秀明『太平天国 皇帝なき中国の挫折』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2020年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、中国史において分権的な政治体制が生まれる可能性はなかったのか、なかったとすればその理由は何なのか、長期的視野での考察が必要との問題関心から、19世紀半ばに起きた、人類史上で有数の人的被害規模をもたらしたと言われている、太平天国の乱…
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藤尾慎一郎『日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、移行期という視点からの日本列島の先史時代(旧石器時代から縄文時代と弥生時代を経て古墳時代まで)の通史です。本書はまず、時代の意味について検証します。日本語の時代に相当する用語として、英語ではAgeやEraやPeriodなどがあります。…
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森恒二『創世のタイガ』第9巻(講談社)

 本書は2021年12月に刊行されました。第9巻ではまず、第8巻の最後で明らかになった、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の側の「王」がどのように太古の世界に来たのか、描かれます。1940年代のドイツとの国境に近いフランスで、士官学校を出たばかりの新任将校であるクラウス・シュルツ少尉の率いるドイツ軍の小隊は…
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関幸彦『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。1019年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)に起きた刀伊の入寇(刀伊の来襲)はそれなりに有名な事件ではあるものの、現代日本社会において関心はあまり高くなく、詳しく知らない人が多いように思います。また高校までの日本史教育では…
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大西泰正『「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家』

 角川新書の一冊として、KADOKAWAから2019年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、宇喜多秀家を中心に宇喜多一族(宇喜多一類)の動向を検証します。宇喜多氏が台頭したのは秀家の父の直家の代ですが、直家の素性は明らかではなく、戦国時代の新興勢力だったようです。なお、16世紀初めに、備前には地侍ながら名声の高かった宇喜多…
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森安孝夫『シルクロード世界史』

 講談社選書メチエの一冊として、2020年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は「陸のシルクロード」と「前近代ユーラシア世界」を同一視する著書の立場からの「前近代ユーラシア世界史」です。冒頭の歴史学と歴史教育に関する提言には、教えられるところが少なくありません。本書で重点的に取り上げられる「中央ユーラシア」は、東西は旧満州西…
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伊藤俊一『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、理解が難しいと言われる荘園の通史で、私も荘園についてよく理解していなかったので、たいへん勉強になりました。本書は、荘園に焦点を当てることで日本史の大きな流れを分かりやすく解説できているように思います。本書は長く荘園史の入門書として読まれ…
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高橋のぼる『劉邦』第12集(小学館)

 電子書籍での購入です。第11集では彭城の戦いで項羽が遠征先から戻って反撃を始めたところまで描かれており、第12集はその続きとなります。まず、たいへん気になっていたのが、彭城の戦いでの劉邦の敗走です。これは劉邦にとって最大の醜態とも言えそうなので(そのためか、『史記』の「高祖本紀」には見えず、夏侯嬰の伝記である「樊酈滕灌列伝」の方で述べ…
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畑中章宏『廃仏毀釈 寺院・仏像破壊の真実』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2021年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、有名でありながらよく知られていない明治維新のさいの廃仏毀釈の実態と意義を解説しています。私も廃仏毀釈についてよく理解しているとはとても言えず、江戸時代の時点ですでに萌芽があり、地域差が大きかった、という程度の理解だったので、たいへん有益で…
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古市晃『倭国 古代国家への道』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2021年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は5~6世紀を中心に、日本列島における国家形成の過程を検討します。本書はこの問題について王宮を重視し、まず歴代遷宮論が成り立たないことを指摘します。『日本書紀』からは、7世紀に天皇ごとに異なる宮が設けられたようにも読めますが、たとえば舒明と…
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更科功『「性」の進化論講義 生物史を変えたオスとメスの謎』

 PHP新書の一冊として、PHP研究所より2021年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は性の起源について、繁殖と無関係だった可能性を指摘します。それは、有性生殖は無性生殖よりも増殖率において不利だからです。また本書は、有性生殖にも安定化淘汰が作用しており、無性生殖と比較して進化が速いとは限らない可能性を指摘します。本書はD…
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平山優『戦国大名と国衆』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、甲信の戦国大名武田氏を対象として、その領国(分国)支配と軍事編成の特徴を、国衆の視点から解説します。戦国大名の領国は、大別して直轄支配地域と国衆が原則として排他的に支配する国衆領により構成されていました。直轄支配地域は、戦国大名が軍事…
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佐藤弘夫『日本人と神』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2021年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の以前の一般向け著書『「神国」日本 記紀から中世、そしてナショナリズムへ』にたいへん感銘を受けたので(関連記事)、本書はまず、日本列島におけるあらゆる宗教現象を神と仏の二要素に還元する「神仏習合」で読み解くことはできず、それは近代的思考の偏…
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本村凌二、高山博『衝突と共存の地中海世界』

 放送大学叢書の一冊として、左右社から2020年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、地中海の形成と農耕開始に簡潔に言及しつつ、おもに都市の出現から近世の始まりの頃までの地中海世界の概説となっています。かつて、地中海世界の一体性を強調する見解が広く受け入れられましたが、近年では、地中海世界の多様性が指摘されています。地中…
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満田剛『新説 「三国志」の虚構と真実』

 パンダ・パブリッシングより2015年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。『三国志』の時代の勉強も長期間停滞しているので、新たな知見を得るために読みました。本書は、『三国志』の時代の主要人物について、『三国志演義』に基づく人物像と、「史実」に基づく人物像とを対比させる、という構成になっています。人物評価(統率力と個人武力と知力と…
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渡辺尚志『百姓たちの幕末維新』

 草思社より2017年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は百姓視点の幕末維新史です。私のような非専門家だと、幕末維新史はどうしても、将軍など幕府要人、雄藩の大名や著名家臣、志士、列強との外交関係に注目しがちでしょうから、百姓視点本書の一般向け書籍の意義は大きいと思います。本書が対象とする年代は1830年代から1880年代で…
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吉村武彦『新版 古代天皇の誕生』

 角川ソフィア文庫の一冊として、KADOKAWAから2019年6月に刊行されました。 電子書籍での購入です。本書は『漢書』に見える倭人の記事から天皇号成立の頃までの、王位継承とその称号の変遷についての概説です。本書は『漢書』や『後漢書』に見える卑弥呼以前の倭の記事を簡潔に取り上げた後、卑弥呼についてはやや詳しく言及しています。本書は、女…
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水谷千秋『女たちの壬申の乱』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2021年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。壬申の乱に関する一般向けの本は少なくありませんが、本書の特徴は女性に焦点を当てたことです。具体的には、鸕野讚良皇女(持統天皇)と倭姫と遠智娘と姪娘とカジ媛娘と額田王と元明天皇と十市皇女です。これらの女性は、壬申の乱で戦った大海人皇子(天武天皇)と…
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高橋のぼる『劉邦』第11集(小学館)

 最近、第10集までを読んだので(関連記事)、第11集も楽しみにしていました。電子書籍での購入です。第10集では鴻門の会が始まったところまで描かれており、劉邦がこの危地を脱する展開は史書と変わらないとしても、どのように脱出するのか、注目していました。第10集は、張良が劉邦を弁護し始めたところで終わりました。第11集はその続きとなり、張良…
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黒田基樹『下剋上』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2021年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、戦国時代の重要な特徴と一般的に考えられている下剋上の実像を個別の事例から検証していきます。下剋上という言葉は戦国時代の前から低頻度ながら使用されており、その意味は、家臣による主君の排除だけではなく、百姓が領主支配に抵抗したり、下位の者が…
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麻田雅文『日露近代史 戦争と平和の百年』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2018年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は幕末から1945年までの日露(日ソ)関係史です。近現代日本の対外関係において重要な国がイギリスとアメリカ合衆国であることは、現代日本社会において一致する見解でしょう。第二次世界大戦で日本はその両国と戦い惨敗したため、戦後日本政治ではその両…
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飯山陽『イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相』

 扶桑社新書の一冊として、育鵬社から2021年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、現代日本社会におけるイスラム教認識には誤解が多く、その責任は日本のイスラム教専門家やそれを鵜呑みにするマスメディアにある、と主張し、日本におけるイスラム教認識の問題点を指摘していきます。まず、イスラム教は平和の宗教との言説については、200…
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小林登志子『古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2020年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書が対象とするのはメソポタミアで、年代では都市文化が始まる紀元前3500年頃からおもに紀元前539年の新バビロニア王国の滅亡までで、その後もアラブ人勢力による支配の始まりとなる紀元後651年のサーサーン王朝の滅亡までが扱われています。メソポ…
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田中創『ローマ史再考 なぜ「首都」コンスタンティノープルが生まれたのか』

 NHK出版新書の一冊として、NHK出版から2020年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は4~7世紀のローマ東方(東ローマ帝国)史で、ローマ皇帝の役割を中心に、統治の仕組みを取り上げます。そのさい重要なのがコンスタンティノープルの役割で、統治の仕組みの変容とコンスタンティノープルの発展がどう関連しているのか、そもそも「都」…
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黒田基樹『戦国大名・伊勢宗瑞』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2019年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、一般的には北条早雲として知られている伊勢宗瑞の伝記です。宗瑞は一般的に、「一介の素浪人」から戦国大名に成り上がった下剋上の典型で、当時としては高齢になって武将としての本格的な活動を開始した、と長く語られてきました。そうした通俗的な宗瑞像…
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高橋のぼる『劉邦』第1集~第10集

 最近、『ビッグコミック』にて劉邦を主人公とした作品が掲載されており、すでに単行本で第10集まで刊行されていることを知ったので、第10集までまとめて購入して読みました。『ビッグコミック』に掲載されていた『天智と天武~新説・日本書紀~』が2016年7月に完結(関連記事)して以降、『ビッグコミック』をまったく読んでいなかったので、最近まで劉…
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