"読書"の記事一覧

木本好信 『奈良時代 律令国家の黄金期と熾烈な権力闘争』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2022年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は政治史を中心とした奈良時代の概説です。本書は、672年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)の壬申の乱の後の天武朝と持統朝と文武朝の政治史にも短く言及したうえで、710年の平城京遷都から784年の長岡京遷都までの歴史を…
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師茂樹『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2021年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。当ブログ開始前に読んだので当ブログでは取り上げていませんが、末木文美士『日本宗教史』(岩波書店、2006年)にて、最澄と徳一の「三一権実諍論(一三権実論争)」が日本宗教史においてたいへん重要だった、との見解を知り、もう10年近く前となる2…
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渡辺靖『アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。アメリカ合衆国(以下、米国)について日本社会では普段から報道が多く、私も何となくある程度知った気になっているものの、米国についての体系的な本を読むことはほとんどないので、米国理解の助けになるのではないかと思い、読みました。アメリカ合衆国が「…
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水ノ江和同『縄文人は海を越えたか 言葉と文化圏』

 朝日選書の一冊として、朝日新聞出版より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、縄文文化の範囲が現在の日本国の領土とほぼ重なる、と指摘します。つまり、北方は宗谷海峡と択捉海峡まで、伊豆諸島では八丈島ので、九州では対馬島と沖縄県の久米島までとなります。縄文時代にこの範囲を越えて、周辺地域由来と考えられる遺物(考古…
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小野寺史郎『戦後日本の中国観 アジアと近代をめぐる葛藤』

 中公選書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日本における中国予測がよく外れる要因として、中華人民共和国の不透明性ばかりではなく、日本社会の中国観も大きいのではないか、との認識から、近現代日本の中国観を検証します。日本の中国観は、その時の日中関係に大きく影響を受け、中国を実態以上…
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寺西貞弘『天武天皇』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、天武天皇(大海人皇子)の生涯、および皇親政治と律令制導入の実態を主題とします。天武天皇の生涯については、その前半生に不明な点が多く、年齢も定かではないこと(ただ、『日本書紀』において「天皇」の年齢が不明なのは珍しくなく、とくに『日本書紀』…
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石濱裕美子『物語チベットの歴史 天空の仏教国の1400年』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、チベット高原の地理を説明していますが、その平均標高は4100mで、改めてチベット高原の険しさを思い知らされます。ただ、本書が指摘するように、チベット高原は東方に行くほど低くなるので、東部では農耕も行なわれており、チベットの人口の大半…
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Caroline Fourest『「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード』

 カロリーヌ・フレスト(Caroline Fourest)著、堀茂樹訳で、中央公論新社より2023年3月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。電子書籍での購入です。本書は、左派の立場からの近年の「道徳主義的でアイデンティティ至上主義的な特定の左派」への批判です。かつては階級が問題となったのに、今では「人種」などの出自や帰属意識が…
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南川高志『マルクス・アウレリウス 『自省録』のローマ帝国』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者には本書の四半世紀近く前に刊行された著書『ローマ五賢帝 「輝ける世紀」の虚像と実像』があり(関連記事)、面白かったので、五賢帝の最後となるマルクス・アウレリウスについて四半世紀近く経て新たな知見も盛り込まれ、より詳しく知ることができる…
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森部豊『唐 東ユーラシアの大帝国』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は唐を、漢字文化圏の一王朝として把握するだけではなく、その多様な側面を取り上げます。唐は文化もその担い手の出自も複雑だった、というわけです。本書の特徴は、日本語の概説では、隋やさらには魏晋南北朝にさかのぼって、また五代にまで下ってともに語ら…
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鈴木貞美『満洲国 交錯するナショナリズム』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2021年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、満洲国を単なる日本による傀儡国家として把握するのではなく、日本人に限らず関わったさまざまな人々の主体性にも注目し、もちろん差別的側面は多かったことを認めつつ満洲国の複雑で多面的な様相を検証します。また本書は、当時の日本政府が当初は満洲国の建…
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黒田基樹『徳川家康の最新研究 伝説化された「天下人」の虚構をはぎ取る』

 朝日新書の一冊として、朝日新聞社より2023年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、近年の徳川家康研究の進展を踏まえた一般向けの解説です。最近十数年で家康研究は大きく前進したようで、とくに少年期から羽柴秀吉に従属するまでの政治動向と、秀吉死後から征夷大将軍就任までの政治動向について、研究が著しく進展したそうです。今年(2…
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森恒二『創世のタイガ』第11巻(講談社)

 2023年3月に刊行されました。第11巻は第10巻に続いて、主人公たち現生人類(Homo sapiens)側とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)側(とはいっても、その指導者は第二次世界大戦のドイツとフランスの国境付近の戦場から来たドイツ人ですが)との戦いを中心に描かれました。第11巻は、ネアンデルタール人…
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黒田基樹『お市の方の生涯 「天下一の美人」と娘たちの知られざる政治権力の実像』

 朝日新書の一冊として、朝日新聞社より2023年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。徳川家康を主人公とする今年(2023年)の大河ドラマ『どうする家康』でも恐らくは重要人物として登場しているだろうお市の方について、正直なところさほど関心が高かったわけではありませんが、私にとって著者は、西洋史の本村凌二氏および東洋史の岡本隆司氏と…
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須田努『幕末社会』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、幕末社会の前提として、江戸時代の社会を通時的に概観します。本書は江戸時代の政治理念として、仁政(百姓に重い税を課す代償として、百姓の生命と家の相続の保障)と武威(武士は強大な武力を独占するも、民に直接的に行使せず、畏怖させて支配…
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山本健『ヨーロッパ冷戦史』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2021年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、より広範な地域を対象とした冷戦史研究が進展した結果、冷戦史研究において冷戦の「主戦場」でもあったヨーロッパの相対的地位が低下し、蓄積されたヨーロッパに関する冷戦史研究の成果の多くが充分には活かされていない、との認識から、冷戦下のヨーロッパ…
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高橋のぼる『劉邦』第15集(小学館)

 電子書籍での購入です。第15集は、従う兵士が残り百人ほどとなり、圧倒的に優勢な漢軍相手に討ち死にしようと考えた項羽が、愛馬の騅とともに烏江へとわずか26人で出撃した、との報告を劉邦が女性と戯れながら受けている場面から始まります。項羽は投降するよう促す韓信を投げ捨て、必死に戦いつつ逃げますが、愛馬の騅が矢で射られて長くないのを見て、墓穴…
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橋場弦『古代ギリシアの民主政』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は古代ギリシアの民主政を、後世に美化されたり誹謗されたりした図式ではなく、当時の文脈で読み解こうとします。対象となるのはおもにアテナイですが、広く古代ギリシア世界全体が取り上げられています。アテナイ以外にも民主政のポリスはあった、という…
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中井謙太『新しいゲノムの教科書 DNAから探る最新・生命科学入門』

 講談社ブルーバックスの一冊として、講談社から2023年1月に刊行されました。進展著しいこの分野の最新の成果に少しでも追いつき、当ブログでよく取り上げている古代ゲノム研究をさらに理解し、理解の曖昧なところを解消するために読みました。新たな知見を得るとともに復習もしよう、というわけです。本書は細胞から説明を始め、復習という観点でも親切な構…
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小峰和夫『満洲 マンチュリアの起源・植民・覇権』

 講談社学術文庫の一冊として、2011年2月に講談社より刊行されました。本書の親本『満洲 起源・植民・覇権』は1991年に御茶の水書房より刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、満洲の定義が困難であることを指摘します。満洲はダイチン・グルン(大清帝国)において発祥地と考えられており、つまりは後にマンジュ(満洲)と呼ばれるジュシ…
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森正人『「親米」日本の誕生』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、第二次世界大戦で敗れた後の日本における対米観とその意味を、おもに生活史と文化史の観点から検証します。戦後日本は、米国への憧憬と現実のアメリカ合衆国の言動への嫌悪および反発を同居させながら、「アメリカ的価値観」を内面化し、アメリカに追いつ…
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太田博樹『古代ゲノムから見たサピエンス史』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2023年1月に刊行されました。本当は電子書籍で購入したかったのですが、歴史文化ライブラリーは紙版と比較して電子書籍化が遅いようなので、我慢できずに紙版を購入しました。本書は近年著しい古代ゲノム研究の進展について、研究史を整理し、方法論について簡潔に解説しつつ、概観しています。近年刊行さ…
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更科功『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』

 NHK出版新書の一冊として、NHK出版から2022年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。まず本書は、通俗的というか陥りやすい誤った進化観の見直しを提起します。たとえば、現代人と最近縁の現生分類群はチンパンジー属ですが、現代人とチンパンジー属の最終共通祖先は現生人類チンパンジー属のような形態と行動だった、というような認識で、進…
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『歴史読本』編集部『ここまで分かった! 「古代」謎の4世紀』

 本書は2014年7月に刊行された新人物文庫の電子書籍化で、『歴史読本』2013年12月号の特集「ここまで分かった! 謎の4世紀」の加筆・修正による再編集です。今となってはやや古いと言えるかもしれませんが、古墳も含めて4世紀の日本列島について広範に取り上げられていますし、「謎の4世紀」という表現は10代の頃には馴染み深く懐かしさがあり、…
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吉川忠夫『侯景の乱始末記 南朝貴族社会の命運』

 志学社選書の一冊として、志学社から2019年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の親本『侯景の乱始末記 南朝貴族社会の命運』は、中公新書の一冊として中央公論社より1974年4月に刊行されました。本書は、この親本に「史家范曄の謀反」が補篇として加えられています。本書は、侯景の乱の経緯と、その背景となる南朝貴族社会を叙述する…
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前川一郎、倉橋耕平、呉座勇一、辻田真佐憲『教養としての歴史問題』

 東洋経済新報社より2020年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、歴史修正主義が現代日本社会で少なくとも一定以上浸透しており、歴史修正主義の「主戦場」は商業化された大衆文化・メディアの世界なのに、歴史学からの反応はともすれば専門誌・専門書という「内弁慶的な」ものに留まっていた、との認識に基づき、歴史学者としてどう向き合…
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蔀勇造 『物語 アラビアの歴史 知られざる3000年の興亡』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2018年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は都市成立以降のアラビア半島史で、いわゆる無明時代(ジャーヒリーヤ、狭義にはイスラム教の前の約150年間)、つまりイスラム教よりも前のアラビア半島史をとくに知りたくて読んだわけですが、8章のうち4章もジャーヒリーヤに割いているのは意外でした…
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坂野潤治『西郷隆盛と明治維新』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2013年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。ネットでは著者は西郷隆盛贔屓だと言われており、かなり癖がある内容なのかな、とも思いましたが、私の西郷隆盛への印象はかなり悪いので、西郷贔屓かもしれないとはいえ、著者が碩学であることは間違いないので、本書で西郷への印象を相対化できるかな、と考えて…
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Emmanuel Todd『我々はどこから来て、今どこにいるのか』上・下

 エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)著、堀茂樹訳で、早川書房から2022年10月に刊行されました。上巻の副題は「アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか」、下巻の副題は「民主主義の野蛮な起源」です。原書の刊行は2017年です。電子書籍での購入です。著者の見解については断片的な情報を得ていましたが、本格的に読んだことはないので…
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Jeremy DeSilva『直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足』

 ジェレミー・デシルヴァ(Jeremy DeSilva)著、赤根洋子訳で、文藝春秋社より2022年8月に刊行されました。原書の刊行は2021年です。電子書籍での購入です。本書はまず、人類系統で二足歩行が選択された理由を検証します。二足歩行は現生分類群では鳥類でも見られるので(本書は爬虫類と爬虫類に含まれる鳥類の二足歩行も取り上げ、人類の…
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岡本隆司『曾国藩 「英雄」と中国史』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は曾国藩を矛盾した人物と把握します。同時代において名声を集めた一方で、悪評も高く、実績と実像に比して声威と評判のみ高い、というわけです。曾国藩は湖南省で1811年に生まれました。それ以前の18世紀は、ユーラシア西方が戦争と革命の時代だっ…
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松木武彦『はじめての考古学』

 ちくまプリマー新書の一冊として、筑摩書房より2020年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書のヒトの定義は、チンパンジー属系統と分岐して、常習的な直立二足歩行をするようになってからで、700万年前頃とされます。本書では、考古学の対象は「ヒト」の時代の物質資料(物的証拠)で、日本ではおもに第二次世界大戦前後までとされています…
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黒田基樹『家康の正妻 築山殿』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2022年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2023年)の大河ドラマでは徳川家康(松平元康)が主人公で、家康の妻の築山殿(演じるのは有村架純氏)についてはほぼ小説や大河ドラマで得た知識しかなかったので、基本的な情報から得る目的で読みました。築山殿に関する同時代史料は1点だけとのことで、…
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坂野徹『縄文人と弥生人 「日本人の起源」論争』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2022年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は「縄文人」と「弥生人」に関する、進展著しい古代DNA研究も含めて人類学と考古学最新の研究の解説ではなく、おもに1990年代までの「日本人起源論」が、同時代の思潮からどのように影響を受けて提示されたのか、検証した学説史です。本書は、これまで…
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Rebecca Wragg Sykes『ネアンデルタール』

 レベッカ・ウラグ・サイクス(Rebecca Wragg Sykes)著、野中香方子訳で、筑摩書房より2022年10月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。本書は原書刊行時に話題になり、原書は日本語版より安いと予想されたので(原書のKindle版は2022年10月時点で1834円、本書は3960円)原書で読むことも考えましたが、…
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岡本隆司『悪党たちの中華帝国』

 新潮選書の一冊として、新潮社から2022年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、「悪党」に焦点を当てた中国史です。本書の「悪党」は、悪名高い人物という一般的な意味合いですが、悪評が定着しているような人物でも実は「悪党」ではないとか、悪評がなくとも本当「悪党」だったとか、客観的実像を検証しつつ、悪評の背景も探られています。…
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横山宏章『孫文と陳独秀 現代中国への二つの道』

 平凡社新書の一冊として平凡社より2017年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、中国近代史における対照的な二人の人物として、孫文と陳独秀を取り上げ、近代中国の歴史的背景と課題を浮き彫りにします。民族主義と民権主義を主張しながら、愚かな大衆は賢者に導かれるべき存在と考え、国家体制の革命を強調し、現在の用語では「開発独裁」的…
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森恒二『創世のタイガ』第10巻(講談社)

 本書は2022年9月に刊行されました。第10巻は、主人公たち現生人類(Homo sapiens)側とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)側(とはいっても、その指導者は第二次世界大戦の戦場(ドイツとフランスの国境付近)から来たドイツ人ですが)との戦いを中心に描かれました。これまで、現生人類側は盾を持っておりネ…
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井上文則『シルクロードとローマ帝国の興亡』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2021年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、ローマ帝国の興亡はユーラシア大陸規模の出来事と関連しており、それはユーラシアの東西を結んだシルクロード交易盛衰だった、との壮大な想定に基づいており、広範な地域を対象とするだけに各地域および事象について専門家の異議はあるでしょうが、歴史学が…
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井上文則『評伝 宮崎市定 天を相手にする』

 2018年7月に国書刊行会より刊行されました。著者は以前の著書『軍人皇帝のローマ 変貌する元老院と帝国の衰亡』にて、ローマ帝国の変容・衰退を時代の近い漢王朝やもっと広く中華地域の変容と比較し、ローマ帝国の変容・衰退の性格を論じており(関連記事)、宮崎市定氏への傾倒が窺えましたが、東洋史専攻ではないのに宮崎氏の評伝を執筆したのには驚きま…
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高橋のぼる『劉邦』第14集(小学館)

 電子書籍での購入です。第14集は、広武山で劉邦率いる漢軍と項羽率いる楚軍が対峙するなか、項羽が劉邦を弩で射抜いた場面から始まります。劉邦は瀕死状態に陥りますが、何とか回復します。しかし、漢軍兵士の動揺は激しく、案じた蕭何は、兵士の前で無事であると振舞うよう進言し、劉邦は盧綰の助けを借りて何事もなかったかのように兵士の前で振舞います。兵…
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坂野潤治『近代日本の構造 同盟と格差』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2018年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は近代日本の基本的な対立を、「日英同盟」と「日中親善」、「民力休養(地租軽減)」と「格差是正」の二つの観点から検討します。本書のこの問題設定は、2010年代の日本の政治経済と外交を強く意識しています。つまり、2012年12月に成立した第二次…
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手嶋泰伸『日本海軍と政治』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2015年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。大日本帝国、とくに戦前戦中昭和期の軍部については、頑迷固陋な陸軍と開明的な海軍との通俗的印象はまだ根強いかもしれず、それは陸軍を悪玉、海軍を善玉とするような認識につながりやすい、と言えるでしょう。大日本帝国では、海軍は陸軍よりも政治に関わろうと…
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本郷和人『歴史学者という病』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2022年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の提示する歴史像にはどうも納得できないことが多いものの、読みやすく教えられるところが多いので、これまでにも何冊か読んできました。本書は、日本中世史の研究者である著者が歴史学の現状を憂いて執筆した内容と予想されたので、歴史学を専攻したわけでは…
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前田啓介『昭和の参謀』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2022年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書でおもに取り上げられている参謀は、石原莞爾と服部卓四郎と辻政信と瀬島龍三と池田純久と堀栄三と八原博通です。本書は昭和期の陸軍参謀について、戦前と戦中だけではなく戦後の生き様も取り上げているのが特徴で、それにより大日本帝国陸軍参謀の性格を浮き…
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黒田基樹『国衆 戦国時代のもう一つの主役』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。国衆を扱った一般向け書籍では、平山優『戦国大名と国衆』をすでに読みましたが(関連記事)、同書は甲信の戦国大名武田家を対象としているのに対して、本書は北条家と上杉家に西日本の大名も対象としているので、読むことにしました。本書は国衆を、戦国時代になって…
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『昭和の戦争、令和の視点』

 中央公論新社より2021年8月に刊行されました。本書は『中央公論』2021年9月号の特集の電子書籍化です。構成は、戸部良一氏と小山俊樹氏との対談(歴史研究から戦争を問い続ける意味)、加藤聖文「満洲事変 国民と軍部を結びつけた起点」、岩谷將「盧溝橋事件 相互不信から生み出された泥沼への道」、庄司潤一郎「第二次上海事変 全面戦争への転換点…
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望月雅士『枢密院 近代日本の「奥の院」』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2022年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。まず本書は、大日本帝国憲法と日本国憲法には共通点が少なくないものの、決定的な違いとして、後者では戦争放棄が加えられ、枢密顧問が削除されたことだ、と指摘します。枢密院は、内閣とともに天皇を補佐する最高機関と位置づけられ、「重要の国務」を審議する、…
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岩井秀一郎『服部卓四郎と昭和陸軍 大東亜戦争を敗北に至らしめたものは何か』

 PHP新書の一冊として、PHP研究所より2022年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。服部卓四郎は太平洋戦争の大半の期間で参謀本部第一部第二課長を務めました。第一部第二課は作戦を担当する「花形」部署で、服部が太平洋戦争中に一度第二課長の任を解かれながら再度就任したことや、それ以前にノモンハン事件で関東軍首脳部が予備役に編入され…
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桐野作人『織田信長 戦国最強の軍事カリスマ』

 新人物文庫の一冊として、KADOKAWAから2014年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は織田信長を「軍事カリスマ」として把握します。信長が尾張を拠点としていた頃に、若い馬廻や小姓集団からの自発的な支持を基盤に、彼らからの人格的帰依と信長からの人格的支配が相互形成されて成立した濃密な主従関係に、信長の「軍事カリスマ」の…
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