"読書"の記事一覧

富島健夫『サイン・ノート』の想い出

 私には子供の頃から懐古趣味があり、寝る時や移動中に自分の経験(ちょっと遠い一人だけの外出、家族に連れて行ってもらった旅行、相撲や野球やドラマといったテレビ視聴、読書など)をよく回想していました。次第に自分が物心のついていない時、さらには生まれていない頃の出来事や作品に興味を抱き、中学生になった頃からは朝日新聞の縮刷版を熱心に読むように…
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小田中直樹・帆刈浩之編『世界史/いま、ここから』

 山川出版社より2017年4月に刊行されました。本書は、人・モノ・情報の移動、宗教と信仰、科学技術と環境に焦点を当てた世界史です。とはいえ、世界史をどう叙述するのか、という問題があり、本書は世界史を時空間的に区分しています。地域区分は、欧米(ヨーロッパと北アメリカ)、西アジア(東地中海沿岸部、中東)、東アジア(東南アジアも含まれます)の…
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加藤聖文『世界史の中の明治維新 なぜ日本は「帝国」を目指したのか』

 SB新書の一冊として、SBクリエイティブより2026年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は世界史の視点からの明治維新で、著者の国民国家の視点からの日本近代史である『国民国家と戦争 挫折の日本近代史』(関連記事)と対になっているように思います。まず、江戸時代の日本列島の住民は、一部の知識層を除いて、「日本」を強く意識してい…
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原勝郎『日本中世史』再掲

 かつてサイトの読後雑感で感想を述べた本のうち、読み辛い記事の段落構成を訂正して当ブログに再掲することにしました。現在とは考え方が違っているところもありますし、文字遣いも当ブログとはかなり異なっているのですが、明らかな誤字と段落構成の訂正以外はそのままにしておきます。今回は、2002年9月15日にサイトに掲載した「中世の国家と天皇」を訂…
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髙橋昌明『武士の成立 武士像の創出』再掲

 かつてサイトの読後雑感で感想を述べた本のうち、読み辛い記事の段落構成を訂正して当ブログに再掲することにしました。現在とは考え方が違っているところもありますし、文字遣いも当ブログとはかなり異なっているのですが、明らかな誤字と段落構成の訂正以外はそのままにしておきます。今回は、2001年12月27日にサイトに掲載した『武士の成立 武士像の…
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澤田典子『古代マケドニア全史 フィリッポスとアレクサンドロスの王国』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はマケドニアの通史ですが、おもに取り上げられているのは建国伝説から紀元前336年のフィリッポス2世の死亡までとなります。これは、バルカンに基盤を置くマケドニア王国の統治者としての「真の意味でのマケドニア王」はフィリッポス2世が最後だった、との認識に…
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宮崎市定『中国史の名君と宰相』

 礪波護編纂で、中公文庫の一冊として中央公論新社から2011年11月に刊行されました。本書には、『世界伝記大事典 日本・朝鮮・中国編』の宮崎氏執筆の項目(孔子・始皇帝・李斯・漢の武帝・煬帝・雍正帝)が収録されていますが、これらは『宮崎市定全集』(岩波書店)に収録されていません。礪波氏によると、辞典・事典に執筆された文章は全集には収録しな…
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黒田俊雄「中世の国家と天皇」再掲

 かつてサイトの読後雑感で感想を述べた本のうち、読み辛い記事の段落構成を訂正して当ブログに再掲することにしました。現在とは考え方が違っているところもありますし、文字遣いも当ブログとはかなり異なっているのですが、明らかな誤字と段落構成の訂正以外はそのままにしておきます。今回は、2002年12月29日にサイトに掲載した「中世の国家と天皇」を…
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染田秀藤『インカ帝国の虚像と実像』再掲

 かつてサイトの読後雑感で感想を述べた本のうち、読み辛い記事の段落構成を訂正して当ブログに再掲することにしました。現在とは考え方が違っているところもありますし、文字遣いも当ブログとはかなり異なっているのですが、明らかな誤字と段落構成の訂正以外はそのままにしておきます。今回は、2002年6月2日にサイトに掲載した『インカ帝国の虚像と実像』…
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尾登雄平『あなたの教養レベルを劇的に上げる 驚きの世界史』

 KADOKAWAより2019年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。冒頭で本書は入門書ではない、といった趣旨が述べられており、世界史の体系的な復習には向いていないかな、とも思いましたが、私が知らなかった興味深い知識を得られそうですし、私の知見や洞察力の不足のためこれまで見落としていたような歴史のつながりに新たに気づく契機になる…
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楊海英『未完の中国文化大革命 毛沢東と日本の連動』

 PHP新書の一冊として、PHP研究所より2026年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。以下、敬称は省略します。本書は文化大革命を、1966~1976年までの10年間ほどの中国における毛沢東個人が主導した権力闘争による政治現象としてだけではなく、その前提となる歴史にさかのぼり、単なる過去の出来事として語るのではなく、現代への影響…
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Debra Soh『ジェンダーの終焉 性とアイデンティティに関する神話を暴く』

 デブラ・ソー(Debra Soh)著、森田成也訳で、2025年11月に北新宿出版より刊行されました。原書の刊行は2020年です。電子書籍での購入です。当ブログでは「gender」を「性別」と訳すことが多いものの、この記事では、本書の翻訳に倣って「ジェンダー」と表記します。著者は性科学を専攻していたものの、ジェンダー学や女性学などに基づ…
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柴田穂『謎の北朝鮮 地上の楽園か、この世の苦界か』16刷

 カッパ・ビジネスの一冊として、光文社より1989年5月に刊行されました。初版1刷の刊行は1986年7月です。初版1刷の刊行時、著者は産経新聞論説委員長でした。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書を読んだのは高校生の頃に起きた…
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上田信『東ユーラシア全史 陸海の交易でたどる5000年』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は交易を中心に据えてのユーラシア東部の通史で、陸地のみならず海洋も考慮し、日本列島もたびたび取り上げており、おもに農耕開始以降を対象としていますが、現生人類(Homo sapiens)の拡散も短く言及されています。本書におけるユーラシアの…
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黒田賢治『イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はおもにイスラム革命以降を対象としており、その前史としてのパフラヴィー朝期にも1章割かれています。当ブログでは開始以降に行なわれたイラン大統領選(直近は2024年)をすべて取り上げており、イランは世界の中でも比較的関心を強く抱いてきた地域…
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本村凌二『地中海世界の歴史8 人類と文明の変容 「古代末期」という時代』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の対象範囲は軍人皇帝の時代から西ローマ帝国の滅亡までとなり、心性史、より具体的には多神教世界から一神教であるキリスト教世界への移行が中心的に取り上げられています。本書は、当時の世界にあって一神教は異例の宗教であり、それが広大なローマ帝国において浸透し…
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池田嘉郎『悪党たちのソ連帝国』

 新潮選書の一冊として、新潮社から2022年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、「悪党」というか歴代の「最高指導者」に焦点を当てたソ連史です。ただ、本書冒頭で「強力な意志によって国家を統治した六名の人物」とあるように、一般的に認識されているソ連の「最高指導者」のうち、レーニンとスターリンとフルシチョフとブレジネフとアンド…
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河合信和『ネアンデルタール人と現代人』第2刷

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より1999年9月に刊行されました。第1刷の刊行は1999年8月です。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書は現生人類(Homo sapiens)の起源および現生人類とネアンデルタール人(Hom…
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山野浩一『伝説の名馬』1~4巻

 中央競馬ピーアール・センターより、第1巻は1993年10月、第2巻は1994年9月、第1巻は1996年3月、第4巻は1997年9月に刊行されました。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書は100頭の世界の日本以外の名馬100頭…
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原田俊治『新世界の名馬』第2刷

 サラブレッド血統センターより1993年7月に刊行されました。第1刷の刊行は1993年5月です。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書は、1970年に初版が刊行された原田俊治『世界の名馬 セントサイモンからケルソまで』(関連記事…
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原田俊治『世界の名馬 セントサイモンからケルソまで』第5版

 サラブレッド血統センターより1995年1月に刊行されました。初版の刊行は1970年8月です。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書の初版が刊行されたのは私が生まれる前で、ハイセイコーによる競馬人気の過熱の前のことです。その時代…
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山野浩一『サラブレッドの誕生』第3刷

 朝日選書の一冊として、朝日新聞社より1991年7月に刊行されました。第1刷の刊行は1990年7月です。当ブログを始める前に読んでおり、まだ当ブログで取り上げておらず、最近再読した本も今後当ブログに掲載していくことにしましたが、本書もその一環です。本書によって著者の山野浩一先生には1990年度のJRA馬事文化賞が授けられました。当ブログ…
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平井吉夫編『スターリン・ジョーク』再版

 河出文庫の一冊として、河出書房新社から1990年4月に刊行されました。初版の刊行は1990年3月です。本書の親本は河出書房新社から1983年8月に刊行されました。本書を購入したのは、再販から間もない1990年の夏を迎える前だった、と記憶しています。その前年に「東欧革命」が起きて、十代後半の多感な時期だったこともあり、私も社会主義や「左…
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楊海英『中国共産党 歴史を書き換える技術』

 ワニブックスPLUS新書の一冊として、ワニブックスより2025年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の主題は「中国による歴史修正の実態」で、中華人民共和国の経済・軍事・政治力が今後も増大し、中国が覇権国家としての地位をさらに確たるものにした場合、日本でも伝統的な「中華至上主義史観」が新たな装いで声高に主張されるようになり…
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国武貞克、佐藤宏之『南回り、北回りの遭遇、列島のホモ・サピエンス 新・日本旧石器文化の成立』

 朝日選書の一冊として、朝日新聞出版より2025年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の構成は以下の通りです。 ●序章:急速に解明されつつある日本列島の旧石器文化の成り立ち(国武貞克) ●第1章:日本列島における最古の石刃遺跡の発見(国武貞克) ●第2章:劣等の石刃石器群の起源地を求めて(国武貞克) ●第3章:中央…
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黒田基樹『秀吉を天下人にした男 羽柴秀長 大大名との外交と領国統治』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2025年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2026年)の大河ドラマは、羽柴秀長を主人公とする『豊臣兄弟!』なので、秀長の事績について把握するために読みました。秀長は1540年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)生まれで、兄の秀吉が織田信長の家臣になったことで、…
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大清水裕『ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はアフリカ視点のローマ帝国史で、紀元前2世紀半ばのカルタゴの滅亡から紀元後7世紀のイスラム教勢力の支配までを扱っています。アフリカ北部はローマ帝国にとって重要な地域で、経済・政治・文化的に繁栄ましたが、第二次ポエニ戦争での苦戦から、ローマ社…
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井波律子『酒池肉林 中国の贅沢三昧』

 講談社学術文庫の一冊として、2003年1月に講談社より刊行されました。本書の親本『酒池肉林 中国の贅沢三昧』は、講談社現代新書の一冊として1993年3月に講談社より刊行されました。本書を古書店で購入したのは、もう思い出せないくらい前ですが、そのまま読まずにおり、本棚を整理した時に目についたので、移動中に読むことにしました。本書へは歴史…
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遠藤みどり『日本の後宮 天皇と女性たちの古代史』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日本における「後宮」の形成と変容を、おもに5世紀から10世紀まで検証しています。後継者確保を目的として、男性君主のために集められたのが「後宮」で、それは日本も同様ですが、もちろん日本でも固有の形成および変容過程があるわけです。本書では、…
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関根達人『つながるアイヌ考古学』

 新泉社より2023年12月に刊行されました。アイヌ集団は「縄文文化」とはつながっておらず、鎌倉時代にアジア北東部から北海道に侵入し、先住の「縄文人」の子孫を殺戮した侵略者集団だった、というような言説が最近ではTwitterなどで目立ちますが、アイヌ文化について当ブログでは、アイヌ集団や本州・四国・九州とそのごく近隣の島々を中心とする日…
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Frans de Waal『サルとジェンダー 動物から考える人間の〈性差〉』

 フランス・ドゥ・ヴァール(Frans de Waal)著、柴田裕之訳で、2025年3月に紀伊國屋書店より刊行されました。原書の刊行は2022年です。電子書籍での購入です。著者は私でも以前から知っているくらい著名な研究者で、本書以外にも日本語に翻訳されている著書も多数ありますが、不勉強な私は読んだことがなく、『日経サイエンス』2014年…
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本村凌二『地中海世界の歴史7 平和と繁栄の宿命 パクス・ロマーナ』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の対象は、ネロ帝の死後から軍人皇帝時代の直前までです。この期間の過半を占めるのが、「人類史の至福の時」とも言われる五賢帝時代です。ネロ帝の死後、複数の皇帝が擁立されては殺害される混乱を収集したのは、穀倉のエジプトを抑えており、それまでの元首の家系だ…
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深野祐也『世界は進化に満ちている』

 岩波科学ライブラリー(334)の一冊として、岩波書店より2025年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、進化とは世代を超えての集団の遺伝的な性質の変化と定義します。進化の仕組みとしては、変異を前提とし、一般にもよく知られているだろう自然選択(適応進化)とともに、遺伝的浮動や創始者効果なども挙げられています。本書はこの…
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髙杉洋平『帝国陸軍 デモクラシーとの相剋』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は日本陸軍の変容を「デモクラシー」の観点から検証しており、とくに「大正デモクラシー」の影響に焦点を当てています。「デモクラシー」の適切な日本語訳は私程度の知見では的確に判断できませんが、本書の内容からすると、民主政治や民主制よりは、一般的な…
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筒井清忠『昭和期の陸軍』

 筑摩選書の一冊として、筑摩書房より2025年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は昭和期の陸軍について、俗説が浸透している問題を取り上げて検証しており、その前提として大正期の陸軍も対象としています。本書は二・二六事件について、その一般像の形成に大きな影響を与えたと考えられる、映画『叛乱』も取り上げています。『叛乱』は私が生…
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Gwynne Dyer『戦争と人類』

 グウィン・ダイヤー(Gwynne Dyer)著、月沢李歌子訳で、ハヤカワ新書の一冊として、早川書房より2023年10月に刊行されました。原書の刊行は2021年です。電子書籍での購入です。本書は戦争の視点からの人類史です。全体的にヨーロッパを中心にユーラシア西部とアメリカ合衆国に偏っている感は否めませんが、漢字文化圏も含めて多様な地域や…
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小野響『五胡十六国時代 王朝の乱立と権力闘争』

 ハヤカワ新書の一冊として、早川書房より2025年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は五胡十六国時代の概説ですが、網羅的に各地域の勢力を均等に取り上げるのではなく、中原を中心に特定の勢力というか個人に焦点が当てられています。五胡十六国時代は各勢力の消長と離合集散が激しいので、こうした構成は一般層にも理解しやすくなっており、…
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Peter Bellwood『500万年のオデッセイ 人類の大拡散物語』

 ピーター・ベルウッド(Peter Bellwood)著、河合信和訳で、2024年3月に青土社より刊行されました。原書の刊行は2022年です。電子書籍での購入です。本書は500万年にわたる人類史の概説で、著者の専門分野からは完新世の農耕を伴う現生人類(Homo sapiens)の拡散が中心と予想しており、じっさいそうでしたが、現生人類以…
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岡本隆司『二十四史 『史記』に始まる中国の正史』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2025年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は「二十四」部とされる中華世界の「正史」の概説です。本書は、漢字文化圏である中華世界の文脈において、「正史」を検証します。この「二十四史」の「正史」中には、現代日本社会ではかなり馴染み深いだろう『史記』と『三国志』や、日本では専門家以外に読…
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松下憲一『中華とは何か 遊牧民からみた古代中国史』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2025年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は遊牧世界から見た中華「文明」の形成および変容史で、中華「文明」の成立から魏晋南北朝時代を経て隋および唐まで取り上げられています。当ブログでは原則として「文明」という用語を使いませんが、この記事では本書からの引用は「文明」と表記します。本書の…
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福井憲彦『教養としての「フランス史」の読み方』

 PHP文庫の一冊として、PHP研究所より2025年4月に刊行されました。本書の親本は2019年にPHP研究所より刊行されました。電子書籍での購入です。疎いフランス史の復習になると思い、読みました。本書が強調しているのは、国境や「民族」など現在の枠組みを過去に当てはめないことです。現在の枠組みを大前提として過去、とくに前近代を見ていけば…
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黒田基樹『羽柴秀吉とその一族 秀吉の出自から秀長の家族まで』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2025年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2025年)の大河ドラマが羽柴秀長を主人公とする『豊臣兄弟!』なので、羽柴秀吉とその一族に関する最新の研究状況を把握するために読みました。著者は来年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の時代考証を担当しているので、本書の羽柴一族に関する知見が『豊臣…
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James Poskett『科学文明の起源 近代世界を生んだグローバルな科学の歴史』

 ジェイムズ・ポスケット(James Poskett)著、水谷淳訳で、東洋経済新報社より2023年12月に刊行されました。原書の刊行は2022年です。電子書籍での購入です。本書は、近代科学の発展には世界中の人々が貢献したのであって、ヨーロッパのみの功績ではない、と強調し、前近代にまでさかのぼって、ヨーロッパ以外の地域の科学や技術を広範に…
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Brian Hare 、Vanessa Woods『ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物に…

 ブライアン・ヘア(Brian Hare)、ヴァネッサ・ウッズ(Vanessa Woods)著、藤原多伽夫訳で、白揚社より2022年6月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。本書は自己家畜化の観点からの人類進化史で、第一次トランプ政権下のアメリカ合衆国までを対象としています。「協力的コミュニケーション」によって現生人類(Homo…
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原田昌博『ナチズム前夜 ワイマル共和国と政治的暴力』

 集英社新書の一冊として、集英社より2024年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はワイマル(ヴァイマル)期のドイツ政治を暴力の観点から検証し、ナチ党台頭と政権獲得に至る前提について考察しています。ワイマル期は三区分されることが多く、暴力的な内戦状況が続いた「戦後混乱期」である前期(1918~1923年)、経済の安定に伴って…
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本村凌二『地中海世界の歴史6 「われらが海」の覇権 地中海世界帝国の成立』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書の対象は、第三次ポエニ戦争の終結後から五賢帝の直前までで、著者が専門とする時代となります。まあ、だから執筆しやすいとも限らないかもしれませんが、これまでの5巻と同様に本書も興味深く読み進められました。日本でもおそらく他国でも、ローマ史で最も人気が高…
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川田稔『陸軍作戦部長 田中新一 なぜ参謀は対米開戦を叫んだのか?』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2025年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。同じ著者の『武藤章 昭和陸軍最後の戦略家』をすでに読んでおり(関連記事)、本書によって陸軍の動向と対米開戦の経緯および田中新一のような「強硬派」の論理をより深く理解できるのではないかと思い、読むことにしました。田中新一と武藤章が対米開戦をめぐって…
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井上文則『異教のローマ ミトラス教とその時代』

 講談社選書メチエの一冊として、2025年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、ローマ帝国においてキリスト教にとって宗教での競合相手として「最大の敵」だった、とも言われるミトラス教(ミトラ教、ミスラス教)に焦点を当てたローマの宗教史です。ローマの宗教史は、キリスト教の「勝利」という結果が大前提としてあるので、専門家でも歪ん…
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Ludovic Slimak『裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす』

 リュドヴィック・スリマック(Ludovic Slimak)著、野村真依子訳で、2025年4月に柏書房より刊行されました。原書の刊行は2022年です。電子書籍での購入です。著者の論文では、石器技術の比較から更新世における現生人類(Homo sapiens)のレヴァントからヨーロッパへの3回の主要な拡散を推測した研究(Slimak., 2…
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柿沼陽平『古代中国の裏社会 伝説の任俠と路地裏の物語』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2025年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、前漢(東漢)の「游侠」として有名な郭解の一生をたどることで、「游侠」を歴史的に位置づけるとともに、「裏社会」も含めて当時の社会を広く浮き彫りにしています。『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』(関連記事)の著者らしい視点で、今…
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