"読書"の記事一覧

宮嵜麻子『ローマ帝国の誕生』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2024年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はローマが帝国となっていく過程を検証し、おもにローマが大国化していく紀元前3世紀末からアウグストゥスの頃までを対象としていますが、それ以前の地中海地域の一都市国家だった時代も取り上げられています。確かに、ローマ帝国の成立において、規模や勢力…
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篠川賢『国造 大和政権と地方豪族』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。国造の設置は、記紀によると成務「天皇」の時に始まりました。ただ、成務天皇の実在性には疑問が呈されており、本書も成務天皇の国風諡号が7世紀風(タラシヒコ)であることから、その実在性には否定的で、あくまでも記紀の歴史認識だと指摘しています。本書は…
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金子拓『長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、長篠合戦の「実像」だけではなく、通俗的な長篠合戦像の形成過程も検証しており、新書であることを意識してか、一般向けに分かりやすい構成になっているように思います。近代以降の長篠合戦像の基礎となったのは参謀本部編纂の『日本戦史』で、その認識…
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荒川紘『龍の起源』

 角川ソフィア文庫の一冊として、KADOKAWAから2021年1月に刊行されました。本書は、1996年に紀伊國屋書店から刊行された『龍の起源』の文庫版です。電子書籍での購入です。西方世界のドラゴン(英語)やドラコーン(ギリシア語)などと東方世界の漢字文化圏の龍などは、関連しているならば共通の起源地があるのか、あるいは、蛇などの動物から各…
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後藤健 『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』

 筑摩選書の一冊として、筑摩書房より2015年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、紀元前三千年紀~紀元前二千年紀のアラビア湾、とくにアラビア半島東部沿岸地方やイラン高原などメソポタミアの隣接地域の「文明(「当ブログでは原則として文明という用語を使いませんが、この記事では本書に従って文明と表記します)」の興亡を検証します…
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玉木俊明『16世紀「世界史」のはじまり』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2021年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、ヨーロッパの優位がいかに確立したのか、世界史的観点から検証します。本書は、ヨーロッパの近代の幕開けを象徴するのは「ルネサンス」と「宗教改革」とされているものの、それは近代ヨーロッパ人の理想的な自画像であり、両者ともに中世的要素が多分に含ま…
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森恒二『創世のタイガ』第12巻(講談社)

 2024年3月に刊行されました。第11巻は、現生人類(Homo sapiens)側の王であるナクムが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)側(とはいっても、その指導者は第二次世界大戦のドイツとフランスの国境付近の戦場から来たドイツ人将校ですが)との戦いで負傷し、タイガを王とするよう、遺言を残して没したところ…
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山本博文『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』

 小学館101新書の一冊として、小学館より2012年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。赤穂事件は日本社会において、題材とした創作の忠臣蔵が長く大人気だったため、たいへん有名だと思います。赤穂事件というか江戸時代の『仮名手本忠臣蔵』に基づく創作は、小説や映画やテレビドラマなどで多くあり、赤穂事件は日本人にとって馴染み深い歴史的事…
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小林道彦『山県有朋 明治国家と権力』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。山県有朋の評伝は、当ブログでは伊藤之雄『山県有朋 愚直な権力者の生涯』(関連記事)と井上寿一『山県有朋と明治国家』(関連記事)を取り上げました。山県有朋は1838年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)閏4月22日、長州藩の…
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江田憲治、中村勝己、森田成也『世界史から見たロシア革命 世界を揺るがした一〇〇年間』

 柘植書房新社より2018年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は2017年に開催されたロシア革命100周年記念シンポジウムの書籍化です。本書は、ロシア革命から100年となる2017年11月4日に開催されたシンポジウムの書籍化です。このシンポジウムでは、リーマンショックなど21世紀になって「社会主義に勝利した」はずの資本主義…
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岡本隆司『物語 江南の歴史』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は江南の範囲を、中国語の「南方」という意味合いで把握します。江南では、完新世になって黄河とともに農耕が始まり、紀元前三千年紀前半の屈家嶺文化の時点で本格的な囲壁集落が、紀元前三千年紀後半の石家河文化の段階で、多数の集落の従属関係が見られる…
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藤尾慎一郎『弥生人はどこから来たのか 最新科学が解明する先史日本』

 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2024年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、おもに考古学の観点から弥生時代を検証し、近年飛躍的に発展しつつある古代ゲノム研究にもかなりの分量を割いていることが特徴です。まず、弥生時代の前提として、日本列島において穀物栽培がまず始まったのは現在の島根県や福岡県であり、その…
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桜井万里子『歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス』

 講談社学術文庫の一冊として、2023年4月に講談社より刊行されました。本書の親本『ヘロドトスとトゥキュディデス 歴史学の始まり』は2016年に山川出版社より刊行されました。電子書籍での購入です。まず、現代日本社会でも知名度が高そうな、おもにペルシア戦争を題材とした『歴史』の著者ヘロドトスと、ペロポネソス戦争を題材とした『戦史』の著者ト…
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榎村寛之『謎の平安前期 桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日本の「古典的国制」の確立期で、多くの古代集落の消滅など大規模な社会変化があったと推測され、重要ではあるものの、日本史でも一般的な人気が低く、よく理解されていないだろう平安時代前期を扱っています。具体的には、本書では一条天皇の頃までが…
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岡本隆司『中国史とつなげて学ぶ 日本全史』

 2021年10月に東洋経済新報社より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国史の視点からの日本通史です。著者の著書をそれなりの数読んできたこともあり、本書の内容について大きな驚きはありませんでしたし、織田信長の評価などとくに前近代の日本史の解釈について疑問に思うところも少なからずありましたが、改めて興味深い見解と思った見解も多…
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大石泰史『今川氏滅亡』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は今川氏の滅亡過程だけではなく広く戦国時代の今川氏を対象とし、戦国大名としての今川氏の滅亡を広い観点から考察しています。今川氏は足利氏一門で、鎌倉時代前期の足利義氏の庶長子である吉良長氏の次男である国氏が今川を称し、南北朝時代に駿河守護とな…
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Dan Carlin『危機の世界史』

 ダン・カーリン(Dan Carlin)著、渡会圭子訳で、文藝春秋社より2021年2月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、人類史における危機と崩壊を取り上げています。具体的には、紀元前1200年頃の青銅器時代の終焉、紀元前612年の新アッシリア帝国の崩壊、5世紀の西ローマ帝国の崩壊、第一次世界大戦…
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小田部雄次『昭和天皇と弟宮』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2011年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、昭和天皇(裕仁親王)とその弟宮、つまり秩父宮(雍仁親王)と高松宮(宣仁親王)と三笠宮(崇仁親王)との関係を検証しますが、昭和天皇とやや年齢が離れている三笠宮(昭和天皇は1901年、秩父宮は1902年、高松宮は1905年、三笠宮は1915…
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小川原正道 『福沢諭吉 変貌する肖像 文明の先導者から文化人の象徴へ』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1万円札の肖像にも起用され、有名ではあるものの、現代日本社会において私も含めて大衆にはその思想と言動が詳しく知られておらず、またその評価をめぐって現在も議論となっている福沢の評価の変遷を、その生前にまでさかのぼって検証します。福沢をめぐっ…
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千葉聡『ダーウィンの呪い 人類が魅入られた進化論の「迷宮」』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、進化学の学説史というか、ダーウィンの提唱した進化論がどのような背景で提示され、批判や反発も含めてどのように人々に解釈されて、近現代社会に影響を及ぼしたのか、検証しています。現在一般的に「進化」と訳されている「evolution」を、ダ…
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大濱徹也『乃木希典』

 講談社学術文庫の一冊として、2010年12月に講談社より刊行されました。本書の親本は、1967年に雄山閣出版、1988年に河出書房新社より刊行されました。電子書籍での購入です。親本の刊行はかなり古いものの、私は乃木希典の生涯について詳しいわけではなく、自殺も含めて乃木希典の同時代の評価と、自殺後の乃木の評価も解説されているので、興味深…
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Valerie Hansen『西暦一〇〇〇年 グローバリゼーションの誕生』

 ヴァレリー・ハンセン(Valerie Hansen)著、赤根洋子訳で、文藝春秋社より2021年5月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。電子書籍での購入です。本書は、紀元後1000年頃(以下、年代について明記しない場合は紀元後です)には、16世紀や現代とはもちろん異なるものの、すでに「グローバリゼーション」が生まれていた、と主…
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津本英利『ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像』

 PHP新書の一冊として、PHP研究所より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書冒頭で指摘されているように、日本語のヒッタイト専門の一般向け書籍はないかもしれず、私も思い浮かびません。日本語の一般向け書籍でヒッタイトが取り上げられているとなると、古代オリエント史の一部であることがほとんどでしょう。その意味で本書はた…
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平田陽一郎『隋 「流星王朝」の光芒』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。日本語の一般向け書籍では、王朝として短命に終わった隋は、唐やその前の南北朝時代、さらには広く魏晋南北朝時代とともに扱われることが多いように思いますが、本書は隋一代を扱っている点で珍しいと言えそうです。ただ、本書も隋王朝だけを扱っているのではなく…
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伊谷原一、三砂ちづる『ヒトはどこからきたのか サバンナと森の類人猿から』

 亜紀書房より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は著者2人の対談形式になっており、おもに三砂ちづる氏が伊谷原一氏に質問し、対談が進行しています。まず指摘されているのが、人類は森林から開けたサバンナに進出して誕生した、との見解には確たる証拠がないことです。ヒト上科の化石は、人類でも非人類でも、まだ熱帯多雨林から発見…
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川幡穂高『気候変動と「日本人」20万年史』

 岩波書店より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は気候変動の視点からの人類進化史で、近年飛躍的に発展した古代DNA研究の成果も多く取り入れられています。本書はまず、現在の有力説にしたがって、現代人の究極の起源地がアフリカにあることを指摘します。本書では、現生人類の起源は化石および分子生物の証拠から20万年前頃とさ…
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森本公誠『イブン=ハルドゥーン』

 講談社学術文庫の一冊として、2011年6月に講談社より刊行されました。本書の親本『人類の知的遺産22 イブン=ハルドゥーン』は1980年に講談社より刊行されました。電子書籍での購入です。イブン=ハルドゥーンとその著書の『歴史序説』はよく知られているでしょうが、その生涯や『歴史序説』の具体的な内容は現代日本社会ではさほど知られていないで…
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長谷川眞理子『進化的人間考』

 東京大学出版会より2023年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、人文および社会科学と自然科学のヒト理解の統合を試みます。気宇壮大ですが、研究の細分化が進んだ現代において、こうした学際的な試みに一人で取り組むことが困難なのは当然で、ほとんどの場合は上手くいかないものだと思います。しかし、本書の著者は碩学なので、得るものが…
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倉本一宏『紫式部と藤原道長』

 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』なので、改めて時代背景を把握するために読みました。紫式部は両親とも藤原北家出身ではあるものの傍流で、父方では、曽祖父は中納言でしたが、祖父も父も位階は五位までしか昇進しませんでした…
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斎藤成也、山田康弘、太田博樹、内藤健、神澤秀明、菅裕『ゲノムでたどる 古代の日本列島』

 東京書籍より2023年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は全体的に、一般向け書籍を意識してか、著者の個人的な履歴も多く、親しみやすい内容になっていると思います。参考文献と索引もありますし、古代ゲノム研究を中心に日本列島の先史時代の学際的研究の現状を理解するための入門書として適していると思います。 0章●斎藤成…
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瀧浪貞子『桓武天皇 決断する君主』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の見解には独特なところがあり、困惑させられることも少なくはなく(関連記事)、専門家からの批判もありますが(関連記事)、その独特さに中毒性があり、つい読みたくなってしまいます。これは、遠山美都男氏の一連の一般向け著作とも通ずるところがある…
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水谷驍『ジプシー史再考』

 柘植書房新社より2018年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は日本でも名称自体はよく知られている「ジプシー」の概説です。著者の執筆動機は、日本社会における「ジプシー」理解が、1970年頃以降の研究の進展を踏まえていない、「インド起源の放浪民族」という古い研究段階に留まっていることです。「ジプシー」の名称は差別的だとして、…
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佐藤信編『古代史講義【海外交流篇】』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。古代日本史でも南朝や隋や唐や朝鮮半島との関係にはもう四半世紀以上関心を抱いてきましたが、近年では優先順位が20年前ほどには高くなく、勉強が停滞しているので、最新の知見を得るために読みました。この問題については、現在最も優先順位が高い古代ゲノム研究…
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川田稔『武藤章 昭和陸軍最後の戦略家』

 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2023年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、東京裁判において死刑判決を受けたA級戦犯としては最年少だった武藤章の評伝です。ここ十数年ほど、以前よりも日本近現代史の本をずっと多く読むようになり、武藤への関心が高くなったので、一度武藤の評伝を読もうと考えました。武藤は日中戦争勃発時には…
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坂本太郎『日本の修史と史学 歴史書の歴史』

 講談社学術文庫の一冊として、2020年8月に講談社より刊行されました。本書は、1958年に至文堂より刊行された『日本の修史と史学』の増補版(1966年、至文堂)を底本とします。電子書籍での購入です。今となってはかなり古いわけですが、碩学による日本の史書の解説なので得るところは多そうですし、碩学の五味文彦氏の解説もあるので読み、じっさい…
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及川琢英『関東軍 満洲支配への独走と崩壊』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。関東軍は、関東州と南満州鉄道(満鉄)の保護を目的として1919年に成立した、日本陸軍の出先軍です。この場合の「関東」とは、いわゆる万里の長城の東端である山海関以東の地、つまり満洲を意味します。関東軍の成立は、日本にとって「生命線」とされた「満蒙…
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井上文則『軍と兵士のローマ帝国』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は軍と兵士の視点からのローマ帝国史で、284年のディオクレティアヌス帝の即位以降の後期ローマ帝国軍も重視していることが特徴です。本書は、漢やパルティアやサーサーン朝など同時代の大国と比較して、職業軍人から構成される常備軍だったことがロー…
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松下憲一『中華を生んだ遊牧民 鮮卑拓跋の歴史』

 講談社選書メチエの一冊として、2023年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、中華の形成における北方遊牧民(もしくは狩猟民)の役割を重視し、その具体的事例として鮮卑の拓跋部を取り上げています。これら北方遊牧民の中華支配について通俗的には、野蛮な夷狄による中華の破壊か、未開な遊牧民の中華への同化として語られるのが一般的でし…
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落合淳思『古代中国 説話と真相』

 筑摩選書の一冊として、筑摩書房より2023年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書では「説話」が、「歴史上事実として伝えられたが、実際らには事実ではないもの」という意味で用いられています。本書は、説話を事実として信じてしまえば、説話をどれだけ詳しく研究しても科学的な社会研究にはならず、作り話からは社会の実態を明らかにすること…
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上田信『戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む』

 講談社選書メチエの一冊として、2023年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は鄭舜功が著した『日本一鑑』を取り上げ、「外から」見た戦国時代の日本の様相を叙述しています。こうした「外国(人)」史料が貴重なのは、自身の文化に由来する日本の(習俗なども含めて広い意味での)文化への無理解や偏見があるとしても、当時の日本社会では常識…
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小野寺拓也、田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』

 岩波ブックレットの一冊として、岩波書店より2023年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、インターネットの日本語環境(詳しく調べていませんが、本書冒頭で取り上げられている事例から推測すると、多分多くの他の言語環境でも)では珍しくない、ナチスは「良いこと」もした、というさまざまな主張を具体的に検証します。この問題について詳…
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川村裕子編『誰も書かなかった 清少納言と平安貴族の謎』

 中経の文庫の一冊として、2013年11月にKADOKAWAより刊行されました。電子書籍での購入です。本書は問いと回答の形式で構成されており、著書の『枕草子』は有名であるものの、履歴や人物像についてはさほど知られていない清少納言について、一般向けに基礎知識から分かりやすく伝えよう、との工夫が窺えます。来年(2024年)の大河ドラマの主人…
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繁田信一『天皇たちの孤独 玉座から見た王朝時代』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2006年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はおもに『小右記』に基づいて、王朝時代の天皇の一般的にはあまり知られていないだろう具体的な振る舞いと心境を叙述していきます。一条天皇については、これまで概説などで読んでいても忘れていたかもしれませんが、藤原道隆・伊周父子との確執について詳…
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坂野潤治『昭和史の決定的瞬間』

 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2004年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。今となってはかなり古いと言えますが、碩学が1936~1937年を日本の分岐点と考えて詳しく検証しているとのことなので、私にとって今でも得るものは多いのではないか、と思って読みました。本書はまず、1931~1932年の危機と、1936~1937年の…
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仁藤敦史『女帝の世紀 皇位継承と政争』

 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2006年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、7~8世紀に多かった「女帝」について、「中継ぎ」などといった通説を検証し、改めて日本史に位置づけます。本書はまず、現代の皇位継承問題と絡めて、女帝の子を親王とする大宝律令の規定から、女系での皇位継承が古代には認められていた、と主張します…
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鈴木貞美『日露戦争の時代 日本文化の転換点』

 平凡社新書の一冊として、平凡社より2023年1月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日露戦争の頃を日本文化の転換点と把握し、その変容を検証します。近代日本における文化の変容は、私も含めて多くの現代日本人が漠然と考えているでしょうが、それを体系的に説明するのは専門家でないとなかなか難しいので、どのように日本における文化の変容…
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木本好信 『奈良時代 律令国家の黄金期と熾烈な権力闘争』

 中公新書の一冊として、中央公論新社より2022年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は政治史を中心とした奈良時代の概説です。本書は、672年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)の壬申の乱の後の天武朝と持統朝と文武朝の政治史にも短く言及したうえで、710年の平城京遷都から784年の長岡京遷都までの歴史を…
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師茂樹『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2021年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。当ブログ開始前に読んだので当ブログでは取り上げていませんが、末木文美士『日本宗教史』(岩波書店、2006年)にて、最澄と徳一の「三一権実諍論(一三権実論争)」が日本宗教史においてたいへん重要だった、との見解を知り、もう10年近く前となる2…
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渡辺靖『アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋』

 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2022年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。アメリカ合衆国(以下、米国)について日本社会では普段から報道が多く、私も何となくある程度知った気になっているものの、米国についての体系的な本を読むことはほとんどないので、米国理解の助けになるのではないかと思い、読みました。アメリカ合衆国が「…
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水ノ江和同『縄文人は海を越えたか 言葉と文化圏』

 朝日選書の一冊として、朝日新聞出版より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、縄文文化の範囲が現在の日本国の領土とほぼ重なる、と指摘します。つまり、北方は宗谷海峡と択捉海峡まで、伊豆諸島では八丈島ので、九州では対馬島と沖縄県の久米島までとなります。縄文時代にこの範囲を越えて、周辺地域由来と考えられる遺物(考古…
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