氣賀澤保規『則天武后』 講談社学術文庫の一冊として、2016年11月に講談社より刊行されました。本書の親本『則天武后』は1995年に白帝社より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、則天武后(武則天、武照)を唐代前半の歴史に位置づけた伝記です。則天武后の没年は705年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)11月26日ですが、生年につい… コメント:0 2024年09月14日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
楊海英『モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち』 講談社現代新書の一冊として、講談社より2024年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、女性に焦点を当てたモンゴル帝国の歴史で、逸話を多く引用し、物語的にも読めるようになっており、一般層にも面白く読み進められる構成になっていると思います。モンゴル帝国以降、ユーラシア草原地帯においてチンギス・ハーンの父系子孫が尊重され、大き… コメント:0 2024年09月07日 読書 アフロユーラシア史前近代 古人類学 続きを読むread more
辻田真佐憲『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はまず、肯定にせよ否定にせよ、実際とはかけ離れた都合のよい「戦前」像が提示されている、と指摘します。とはいえ、「戦前」も含めて常に多面的性格のある特定の期間を的確に把握することが難しいことも確かで、本書の視点は神話と国威発揚との関係です。そ… コメント:0 2024年08月31日 読書 日本史近現代 政治 続きを読むread more
山田重郎『アッシリア 人類最古の帝国』 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2024年6月に刊行されました。電子書籍での購入です。アッシリアは「帝国」としての期間こそ、後続のペルシア帝国やローマ帝国よりずっと短かったものの、紀元前三千年紀に都市国家として出現した時代から紀元前7世紀後半の滅亡まで、国家としての存続期間は長かったように思います。本書は国家としての長い歴史を有す… コメント:0 2024年08月24日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
Reza Aslan『人類はなぜ<神>を生み出したのか?』 レザー・アスラン(Reza Aslan)著、白須英子訳で、文藝春秋社より2020年2月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、人類史における「神」というか「宗教」の起源を検証し、その対象範囲は先史時代から歴史時代まで、現生人類(Homo sapiens)に留まらず、ネアンデルタール人(Homo ne… コメント:0 2024年08月17日 読書 歴史総合 古人類学 続きを読むread more
楊海英『人類学と骨 日本人ルーツ探しの学説史』 岩波書店より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。以下、敬称は省略します。本書は近現代の日本における人類学の研究史で、近現代日本において盛り上がった日本人起源論において、学者がどのように研究し、その主張が一般層にどう受容されていったのか、その倫理的問題とともに検証します。日本に限りませんが、現代の視点からは、近代の人… コメント:0 2024年08月10日 読書 歴史総合 古人類学 続きを読むread more
村山吉廣『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』 講談社学術文庫の一冊として、2019年5月に講談社より刊行されました。本書の親本『楊貴妃 大唐帝国の栄華と暗転』は中公新書の一冊として中央公論新社より1997年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は楊貴妃の伝記ですが、「時代とともに楊貴妃を描く」ことが主題で、楊貴妃が時代にどう位置づけられるのか、という観点から注目して読み… コメント:0 2024年08月03日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
綾辻行人『Another』シリーズ 『Another』と『Another エピソードS』と『Another 2001』はいずれも角川書店からそれぞれ、2009年10月と2013年7月と2020年9月に刊行されました。近年、小説を読むことが本当に少なくなり、小説に限らず映像作品も以前より楽しむ回数が激減し、ゲームは『ウイニングポスト』の体験版を数時間程度やったくらいですか… コメント:0 2024年07月27日 読書 続きを読むread more
本村凌二『地中海世界の歴史3 白熱する人間たちの都市 エーゲ海とギリシアの文明』 講談社選書メチエの一冊として、2024年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書が対象とする主要な地域はギリシアというかエーゲ海地域ですが、扱う年代は紀元前三千年紀~マケドニアの台頭の頃までとなり、第2巻ではアッシリア帝国とペルシア帝国まで扱われましたが、本書では年代がさかのぼることになります。紀元前三千年紀から紀元前1200… コメント:0 2024年07月20日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
本村凌二『地中海世界の歴史2 沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア』 講談社選書メチエの一冊として、2024年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は紀元前二千年紀末~紀元前4世紀頃までを扱っており、アルファベットと一神教の誕生をとくに重視しています。アルファベットの起源は紀元前二千年紀の原シナイ(カナン)文字で、ヒエログリフに倣ってカナン人が作りました。カナン人は海洋文化の影響を受けてフェニ… コメント:0 2024年07月13日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
本村凌二『地中海世界の歴史1 神々のささやく世界 オリエントの文明』 講談社選書メチエの一冊として、2024年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、メソポタミアも含めて地中海世界を広い範囲で把握し、シュメール文化の頃からローマ帝国の東西分裂の頃まで約4000年間の地中海の歴史を、著者1人で執筆する『地中海世界の歴史』全8巻の第1巻となります。時空間的に広範囲の歴史を1人で執筆すると、それぞ… コメント:0 2024年07月06日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
岩明均『ヒストリエ』第12巻発売(講談社) 待望の第12巻が刊行されました。実に4年11ヶ月振りの新刊となります。もうかなり前に本作の完結は諦めましたが、正直なところ、第12巻の刊行も厳しいかな、と思っていただけに、嬉しいものです。第11巻は、オリュンピアスが夫のフィリッポス2世から故郷のモロッシアで休むよう勧告され、その道中でフィリッポス2世が派遣した暗殺部隊に襲撃され、オリ… コメント:0 2024年06月29日 読書 続きを読むread more
齋藤慈子・平石界・久世濃子編集『正解は一つじゃない 子育てする動物たち』 東京大学出版会より2019年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はヒトやその近縁のチンパンジーおよびゴリラからトゲウオまで、さまざまな動物の子育てを進化的観点から取り上げています。ヒトも動物の一種である以上、その子育ては進化的過程を経ているので、進化的観点での考察が重要になってくるとは思います。ただ、本書冒頭で指摘されて… コメント:0 2024年06月22日 読書 自然科学 古人類学 続きを読むread more
楊海英『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』 2020年12月に徳間書店より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国の独特なナショナリズムを「中国流官制ナショナリズム」と呼び、それが中国に支配されている地域や日本も含めてその近隣諸国にとって問題のある概念であるとともに、脅威となっていることを指摘します。本書が対象としている主要な(というかほぼ全ての)読者は日本人でしょうか… コメント:0 2024年06月15日 読書 アフロユーラシア史近現代 日本史近現代 続きを読むread more
原田信男『日本の食はどう変わってきたか 神の食事から魚肉ソーセージまで』 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2013年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は食文化の変遷から見た日本史で、食文化の変遷を歴史的背景に位置づけています。本書がまず指摘するのは、アジア東部および南東部の稲作文化圏とは異なり、日本では古代において国家が肉食を禁じたことで、ブタの飼育が沖縄など一部を除いて行なわれなくなっ… コメント:0 2024年06月08日 読書 歴史総合 続きを読むread more
長谷川政美『進化生物学者、身近な生きものの起源をたどる』 ベレ出版より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、イヌやネコから昆虫や植物まで、身近な生物の起源を解説しており、以下、とくに興味深い見解を備忘録として取り上げます。身近な生物の代表格とも言えるイヌについては、近年の研究(関連記事)を踏まえて、アジア東部起源と推測されています。イヌはアジア東部にいたハイイロオオ… コメント:0 2024年06月01日 読書 自然科学 古人類学 続きを読むread more
寺西貞弘『道鏡 悪僧と呼ばれた男の真実』 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2024年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書冒頭で述べられているように、道鏡は戦前には平将門および足利尊氏(高氏)とともに「天下の三大悪人」と称されていました。戦後、平将門と足利尊氏は、大河ドラマの主人公となったように、通俗的な印象は戦前よりかなりよくなっているでしょうが、道鏡の通俗的… コメント:0 2024年05月25日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more
宮嵜麻子『ローマ帝国の誕生』 講談社現代新書の一冊として、講談社より2024年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書はローマが帝国となっていく過程を検証し、おもにローマが大国化していく紀元前3世紀末からアウグストゥスの頃までを対象としていますが、それ以前の地中海地域の一都市国家だった時代も取り上げられています。確かに、ローマ帝国の成立において、規模や勢力… コメント:0 2024年05月18日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
篠川賢『国造 大和政権と地方豪族』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2021年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。国造の設置は、記紀によると成務「天皇」の時に始まりました。ただ、成務天皇の実在性には疑問が呈されており、本書も成務天皇の国風諡号が7世紀風(タラシヒコ)であることから、その実在性には否定的で、あくまでも記紀の歴史認識だと指摘しています。本書は… コメント:0 2024年05月11日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more
金子拓『長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、長篠合戦の「実像」だけではなく、通俗的な長篠合戦像の形成過程も検証しており、新書であることを意識してか、一般向けに分かりやすい構成になっているように思います。近代以降の長篠合戦像の基礎となったのは参謀本部編纂の『日本戦史』で、その認識… コメント:0 2024年05月04日 読書 日本史中世 日本史近世 続きを読むread more
荒川紘『龍の起源』 角川ソフィア文庫の一冊として、KADOKAWAから2021年1月に刊行されました。本書は、1996年に紀伊國屋書店から刊行された『龍の起源』の文庫版です。電子書籍での購入です。西方世界のドラゴン(英語)やドラコーン(ギリシア語)などと東方世界の漢字文化圏の龍などは、関連しているならば共通の起源地があるのか、あるいは、蛇などの動物から各… コメント:0 2024年04月27日 読書 歴史総合 続きを読むread more
後藤健 『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』 筑摩選書の一冊として、筑摩書房より2015年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、紀元前三千年紀~紀元前二千年紀のアラビア湾、とくにアラビア半島東部沿岸地方やイラン高原などメソポタミアの隣接地域の「文明(「当ブログでは原則として文明という用語を使いませんが、この記事では本書に従って文明と表記します)」の興亡を検証します… コメント:0 2024年04月20日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
玉木俊明『16世紀「世界史」のはじまり』 文春新書の一冊として、文藝春秋社より2021年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、ヨーロッパの優位がいかに確立したのか、世界史的観点から検証します。本書は、ヨーロッパの近代の幕開けを象徴するのは「ルネサンス」と「宗教改革」とされているものの、それは近代ヨーロッパ人の理想的な自画像であり、両者ともに中世的要素が多分に含ま… コメント:0 2024年04月13日 読書 歴史総合 続きを読むread more
森恒二『創世のタイガ』第12巻(講談社) 2024年3月に刊行されました。第11巻は、現生人類(Homo sapiens)側の王であるナクムが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)側(とはいっても、その指導者は第二次世界大戦のドイツとフランスの国境付近の戦場から来たドイツ人将校ですが)との戦いで負傷し、タイガを王とするよう、遺言を残して没したところ… コメント:0 2024年04月06日 読書 古人類学 続きを読むread more
山本博文『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』 小学館101新書の一冊として、小学館より2012年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。赤穂事件は日本社会において、題材とした創作の忠臣蔵が長く大人気だったため、たいへん有名だと思います。赤穂事件というか江戸時代の『仮名手本忠臣蔵』に基づく創作は、小説や映画やテレビドラマなどで多くあり、赤穂事件は日本人にとって馴染み深い歴史的事… コメント:0 2024年03月30日 読書 日本史近世 続きを読むread more
小林道彦『山県有朋 明治国家と権力』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。山県有朋の評伝は、当ブログでは伊藤之雄『山県有朋 愚直な権力者の生涯』(関連記事)と井上寿一『山県有朋と明治国家』(関連記事)を取り上げました。山県有朋は1838年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)閏4月22日、長州藩の… コメント:0 2024年03月23日 読書 日本史近現代 続きを読むread more
江田憲治、中村勝己、森田成也『世界史から見たロシア革命 世界を揺るがした一〇〇年間』 柘植書房新社より2018年7月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は2017年に開催されたロシア革命100周年記念シンポジウムの書籍化です。本書は、ロシア革命から100年となる2017年11月4日に開催されたシンポジウムの書籍化です。このシンポジウムでは、リーマンショックなど21世紀になって「社会主義に勝利した」はずの資本主義… コメント:0 2024年03月16日 読書 アフロユーラシア史近現代 続きを読むread more
岡本隆司『物語 江南の歴史』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は江南の範囲を、中国語の「南方」という意味合いで把握します。江南では、完新世になって黄河とともに農耕が始まり、紀元前三千年紀前半の屈家嶺文化の時点で本格的な囲壁集落が、紀元前三千年紀後半の石家河文化の段階で、多数の集落の従属関係が見られる… コメント:0 2024年03月09日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
藤尾慎一郎『弥生人はどこから来たのか 最新科学が解明する先史日本』 歴史文化ライブラリーの一冊として、吉川弘文館より2024年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、おもに考古学の観点から弥生時代を検証し、近年飛躍的に発展しつつある古代ゲノム研究にもかなりの分量を割いていることが特徴です。まず、弥生時代の前提として、日本列島において穀物栽培がまず始まったのは現在の島根県や福岡県であり、その… コメント:2 2024年03月02日 読書 日本史原始~古代 古人類学 続きを読むread more
桜井万里子『歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス』 講談社学術文庫の一冊として、2023年4月に講談社より刊行されました。本書の親本『ヘロドトスとトゥキュディデス 歴史学の始まり』は2016年に山川出版社より刊行されました。電子書籍での購入です。まず、現代日本社会でも知名度が高そうな、おもにペルシア戦争を題材とした『歴史』の著者ヘロドトスと、ペロポネソス戦争を題材とした『戦史』の著者ト… コメント:0 2024年02月24日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
榎村寛之『謎の平安前期 桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年12月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、日本の「古典的国制」の確立期で、多くの古代集落の消滅など大規模な社会変化があったと推測され、重要ではあるものの、日本史でも一般的な人気が低く、よく理解されていないだろう平安時代前期を扱っています。具体的には、本書では一条天皇の頃までが… コメント:0 2024年02月17日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more
岡本隆司『中国史とつなげて学ぶ 日本全史』 2021年10月に東洋経済新報社より刊行されました。電子書籍での購入です。本書は中国史の視点からの日本通史です。著者の著書をそれなりの数読んできたこともあり、本書の内容について大きな驚きはありませんでしたし、織田信長の評価などとくに前近代の日本史の解釈について疑問に思うところも少なからずありましたが、改めて興味深い見解と思った見解も多… コメント:0 2024年02月10日 読書 歴史総合 続きを読むread more
大石泰史『今川氏滅亡』 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2018年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は今川氏の滅亡過程だけではなく広く戦国時代の今川氏を対象とし、戦国大名としての今川氏の滅亡を広い観点から考察しています。今川氏は足利氏一門で、鎌倉時代前期の足利義氏の庶長子である吉良長氏の次男である国氏が今川を称し、南北朝時代に駿河守護とな… コメント:0 2024年02月03日 読書 日本史中世 日本史近世 続きを読むread more
Dan Carlin『危機の世界史』 ダン・カーリン(Dan Carlin)著、渡会圭子訳で、文藝春秋社より2021年2月に刊行されました。原書の刊行は2019年です。電子書籍での購入です。本書は、人類史における危機と崩壊を取り上げています。具体的には、紀元前1200年頃の青銅器時代の終焉、紀元前612年の新アッシリア帝国の崩壊、5世紀の西ローマ帝国の崩壊、第一次世界大戦… コメント:0 2024年01月27日 読書 歴史総合 古人類学 続きを読むread more
小田部雄次『昭和天皇と弟宮』 角川選書の一冊として、角川学芸出版より2011年5月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、昭和天皇(裕仁親王)とその弟宮、つまり秩父宮(雍仁親王)と高松宮(宣仁親王)と三笠宮(崇仁親王)との関係を検証しますが、昭和天皇とやや年齢が離れている三笠宮(昭和天皇は1901年、秩父宮は1902年、高松宮は1905年、三笠宮は1915… コメント:0 2024年01月20日 読書 日本史近現代 続きを読むread more
小川原正道 『福沢諭吉 変貌する肖像 文明の先導者から文化人の象徴へ』 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、1万円札の肖像にも起用され、有名ではあるものの、現代日本社会において私も含めて大衆にはその思想と言動が詳しく知られておらず、またその評価をめぐって現在も議論となっている福沢の評価の変遷を、その生前にまでさかのぼって検証します。福沢をめぐっ… コメント:0 2024年01月13日 読書 日本史近現代 続きを読むread more
千葉聡『ダーウィンの呪い 人類が魅入られた進化論の「迷宮」』 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、進化学の学説史というか、ダーウィンの提唱した進化論がどのような背景で提示され、批判や反発も含めてどのように人々に解釈されて、近現代社会に影響を及ぼしたのか、検証しています。現在一般的に「進化」と訳されている「evolution」を、ダ… コメント:0 2024年01月06日 読書 自然科学 古人類学 続きを読むread more
大濱徹也『乃木希典』 講談社学術文庫の一冊として、2010年12月に講談社より刊行されました。本書の親本は、1967年に雄山閣出版、1988年に河出書房新社より刊行されました。電子書籍での購入です。親本の刊行はかなり古いものの、私は乃木希典の生涯について詳しいわけではなく、自殺も含めて乃木希典の同時代の評価と、自殺後の乃木の評価も解説されているので、興味深… コメント:0 2023年12月23日 読書 日本史近現代 続きを読むread more
Valerie Hansen『西暦一〇〇〇年 グローバリゼーションの誕生』 ヴァレリー・ハンセン(Valerie Hansen)著、赤根洋子訳で、文藝春秋社より2021年5月に刊行されました。原書の刊行は2020年です。電子書籍での購入です。本書は、紀元後1000年頃(以下、年代について明記しない場合は紀元後です)には、16世紀や現代とはもちろん異なるものの、すでに「グローバリゼーション」が生まれていた、と主… コメント:0 2023年12月16日 読書 アフロユーラシア史前近代 古人類学 続きを読むread more
津本英利『ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像』 PHP新書の一冊として、PHP研究所より2023年11月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書冒頭で指摘されているように、日本語のヒッタイト専門の一般向け書籍はないかもしれず、私も思い浮かびません。日本語の一般向け書籍でヒッタイトが取り上げられているとなると、古代オリエント史の一部であることがほとんどでしょう。その意味で本書はた… コメント:0 2023年12月09日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
平田陽一郎『隋 「流星王朝」の光芒』 中公新書の一冊として、中央公論新社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。日本語の一般向け書籍では、王朝として短命に終わった隋は、唐やその前の南北朝時代、さらには広く魏晋南北朝時代とともに扱われることが多いように思いますが、本書は隋一代を扱っている点で珍しいと言えそうです。ただ、本書も隋王朝だけを扱っているのではなく… コメント:0 2023年12月02日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
伊谷原一、三砂ちづる『ヒトはどこからきたのか サバンナと森の類人猿から』 亜紀書房より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は著者2人の対談形式になっており、おもに三砂ちづる氏が伊谷原一氏に質問し、対談が進行しています。まず指摘されているのが、人類は森林から開けたサバンナに進出して誕生した、との見解には確たる証拠がないことです。ヒト上科の化石は、人類でも非人類でも、まだ熱帯多雨林から発見… コメント:0 2023年11月25日 読書 古人類学 続きを読むread more
川幡穂高『気候変動と「日本人」20万年史』 岩波書店より2022年4月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は気候変動の視点からの人類進化史で、近年飛躍的に発展した古代DNA研究の成果も多く取り入れられています。本書はまず、現在の有力説にしたがって、現代人の究極の起源地がアフリカにあることを指摘します。本書では、現生人類の起源は化石および分子生物の証拠から20万年前頃とさ… コメント:0 2023年11月18日 読書 古人類学 歴史総合 続きを読むread more
森本公誠『イブン=ハルドゥーン』 講談社学術文庫の一冊として、2011年6月に講談社より刊行されました。本書の親本『人類の知的遺産22 イブン=ハルドゥーン』は1980年に講談社より刊行されました。電子書籍での購入です。イブン=ハルドゥーンとその著書の『歴史序説』はよく知られているでしょうが、その生涯や『歴史序説』の具体的な内容は現代日本社会ではさほど知られていないで… コメント:0 2023年11月11日 読書 アフロユーラシア史前近代 続きを読むread more
長谷川眞理子『進化的人間考』 東京大学出版会より2023年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は、人文および社会科学と自然科学のヒト理解の統合を試みます。気宇壮大ですが、研究の細分化が進んだ現代において、こうした学際的な試みに一人で取り組むことが困難なのは当然で、ほとんどの場合は上手くいかないものだと思います。しかし、本書の著者は碩学なので、得るものが… コメント:0 2023年11月04日 読書 古人類学 続きを読むread more
倉本一宏『紫式部と藤原道長』 講談社現代新書の一冊として、講談社より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。来年(2024年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』なので、改めて時代背景を把握するために読みました。紫式部は両親とも藤原北家出身ではあるものの傍流で、父方では、曽祖父は中納言でしたが、祖父も父も位階は五位までしか昇進しませんでした… コメント:2 2023年10月28日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more
斎藤成也、山田康弘、太田博樹、内藤健、神澤秀明、菅裕『ゲノムでたどる 古代の日本列島』 東京書籍より2023年10月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は全体的に、一般向け書籍を意識してか、著者の個人的な履歴も多く、親しみやすい内容になっていると思います。参考文献と索引もありますし、古代ゲノム研究を中心に日本列島の先史時代の学際的研究の現状を理解するための入門書として適していると思います。 0章●斎藤成… コメント:0 2023年10月21日 読書 日本史原始~古代 古人類学 続きを読むread more
瀧浪貞子『桓武天皇 決断する君主』 岩波新書(赤版)の一冊として、岩波書店より2023年8月に刊行されました。電子書籍での購入です。著者の見解には独特なところがあり、困惑させられることも少なくはなく(関連記事)、専門家からの批判もありますが(関連記事)、その独特さに中毒性があり、つい読みたくなってしまいます。これは、遠山美都男氏の一連の一般向け著作とも通ずるところがある… コメント:0 2023年10月14日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more
水谷驍『ジプシー史再考』 柘植書房新社より2018年2月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は日本でも名称自体はよく知られている「ジプシー」の概説です。著者の執筆動機は、日本社会における「ジプシー」理解が、1970年頃以降の研究の進展を踏まえていない、「インド起源の放浪民族」という古い研究段階に留まっていることです。「ジプシー」の名称は差別的だとして、… コメント:0 2023年10月07日 読書 アフロユーラシア史前近代 アフロユーラシア史近現代 続きを読むread more
佐藤信編『古代史講義【海外交流篇】』 ちくま新書の一冊として、筑摩書房より2023年9月に刊行されました。電子書籍での購入です。古代日本史でも南朝や隋や唐や朝鮮半島との関係にはもう四半世紀以上関心を抱いてきましたが、近年では優先順位が20年前ほどには高くなく、勉強が停滞しているので、最新の知見を得るために読みました。この問題については、現在最も優先順位が高い古代ゲノム研究… コメント:0 2023年09月30日 読書 日本史原始~古代 続きを読むread more