"古人類学"の記事一覧

ヒトの腸由来の古代の微生物ゲノム

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒトの腸由来の古代の微生物ゲノムに関する研究(Wibowo et al., 2021)が報道(Olm, and Sonnenburg., 2021)されました。工業社会集団における腸内微生物の多様性の喪失はヒトの代謝や免疫系の生物学的挙動に大きな影響を与え、慢性疾患と関連づけられており、現代…
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ネアンデルタール人の彫刻

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の彫刻に関する研究(Leder et al., 2021)が報道されました。アフリカやユーラシア大陸の初期現生人類(Homo sapiens)には、芸術や象徴的行動に関する多くの証拠がありますが、現生人類と近縁のネアンデルタール…
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最古となるタバコの使用の証拠

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、最古となるタバコの使用の証拠を報告した研究(Duke et al., 2022)が公表されました。タバコ(Nicotiana)はアメリカ大陸原産の酩酊性の植物で、北アメリカ大陸の多くの先住民集団の伝統に重要な役割を果たしてきました。現在タバコは世界的に使用されており、人間社会に広範な影響を及ぼしてい…
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遠オセアニア西部現代人の遺伝的構造

 遠オセアニア(リモートオセアニア)西部現代人の遺伝的構造に関する研究(Arauna et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。バヌアツ諸島は、3000年前頃となる無人地への最も広範なヒトの移住の一つにおける、遠オセアニア(リモートオセアニア)への入口として機能しました。古代DNA研究は、…
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ボルネオ島の後期更新世人類遺骸の外科的切断の痕跡

 ボルネオ島のインドネシア領となる東カリマンタン州のリャン・テボ(Liang Tebo)洞窟(図1)で発見された後期更新世現生人類(Homo sapiens)遺骸の外科的切断の痕跡を報告した研究(Maloney et al., 2022)が公表されました。医学の発展に関しては、1万年前頃となる定住農耕社会の出現(いわゆる新石器革命)によ…
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サヘラントロプス・チャデンシスの二足歩行の証拠

 サヘラントロプス・チャデンシス(Sahelanthropus tchadensis)の二足歩行の証拠を報告した研究(Daver et al., 2022)が公表されました。二足歩行は人類クレード(単系統群)を規定する重要な適応の一つです。二足歩行の証拠は、600万年前頃となるアフリカ東部の後期中新世人類とされるオロリン・トゥゲネンシス…
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アジア中央部現代人におけるタリム盆地のミイラからの遺伝的影響

 アジア中央部現代人におけるタリム盆地のミイラに代表される集団からの遺伝的影響に関する研究(Dai et al., 2022)が公表されました。アジア中央部人の多様性は、複数の移住と文化拡散により形成されてきました。古代DNA研究は青銅器時時代以来のアジア中央部人の人口統計学的変化を明らかにしてきましたが、アジア中央部現代人への古代の人…
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中国の人類進化観と民族主義

 中国の人類進化観と民族主義に関する研究(Cheng., 2017)が公表されました。本論文の刊行は5年前ですが、最近になって知り、中国の人類進化観と民族主義は以前より関心のある問題だったものの(関連記事1および関連記事2)、断片的な情報しか得ておらず、よく理解できていなかったので、この問題について具体的な情報が多く体系的に解説している…
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渡辺知保(2021)「人新世:ヒトが地球を変える時代」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収のコラムです。地質学的な時代区分では、現在は完新世とされます。しかし、すでに2000年の時点で、完新世はすでに終わって新たな時代区分に入っており、それを人新世と呼ぶのが妥当ではないか、との見解が提示されていました。本論文の執筆時点(2020年12月)では、人新…
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竹沢泰子「人種と人種差別 文化人類学と自然人類学の対話から」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。人種は一般的に、皮膚の色をはじめとして、頭髪や身長や頭の形や血液型など形質的な特徴による区分単位とされ、現代日本社会では、コーカソイド(白色人種)とモンゴロイド(黄色人種)とネグロイド(黒色人種)の3人種に区分されます。こうした概念は社会に広く深く…
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漢代の新疆住民の学際的研究

 中華人民共和国新疆ウイグル自治区(以下、新疆)の漢代住民の学際的分析結果を報告した研究(Allen et al., 2022)が公表されました。古代中華帝国の国境地帯では、漢人と非漢人の相互作用が深く根付いていました。しかし、これら国境の人々の遺伝的起源もしくは生活様式についてはほとんど知られていません。この研究は、古代DNAと安定同…
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ヨーロッパ南部とアジア南西部の大規模な古代ゲノム研究

 ヨーロッパ南部とアジア南西部に関する3つの大規模な古代ゲノム研究が公表されました。それは、ヨーロッパ南部とアジア南西部の古代から中世の人類遺骸の古代ゲノムデータを報告した研究(Lazaridis et al., 2022A)と、メソポタミア古代人のゲノムデータを報告した研究(Lazaridis et al., 2022B)と、総説的な…
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米田穣「考古学と自然人類学 縄文時代・弥生時代の生業を考える」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。植物(作物)栽培化(domestication)は、食料獲得から食料生産への移行という人類史において大きな画期となります。なお、動物の家畜化も英語では同じ単語(domestication)が用いられます。ただ、動物の家畜化と植物の栽培化(農耕)とを…
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中世のアシュケナージ系ユダヤ人のゲノムデータ

 中世のアシュケナージ系ユダヤ人のゲノムデータを報告した研究(Brace et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、イギリスのノリッジ(Norwich)遺跡の中世の井戸の底で発掘された6個体のゲノム配列データを報告します。これらの遺骸の改定放射性炭素年代分析は、歴史的に確認された…
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現生人類の起源の見直し

 現生人類(Homo sapiens)の起源を再検討した研究(Bermúdez de Castro, and Martinón-Torres., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。現生人類、および現生人類とネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)との最終共通祖先(LCA)の…
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1000年前頃のクラインフェルター症候群

 1000年前頃のクラインフェルター症候群の個体を報告した研究(Roca-Rada et al., 2022)が公表されました。ポルトガル北東部の中世のトーレ・ヴェーリャ(Torre Velha)遺跡で1000年以上前に埋葬されたヒト骨格が、分析され、調べられました(図1)。以下は本論文の図1です。  調査の結果、死亡時に25歳以…
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トルクメニスタンの青銅器時代個体のゲノムデータ

 トルクメニスタンの青銅器時代個体のゲノムデータを報告した研究(Guarino-Vignon et al., 2022)が公表されました。オクサス(Oxus)文化もしくはバクトリア・マルギアナ考古学複合(Bactrio Margian Archaeological Complex、以下BMAC)は、アジア中央部南方における青銅器時代の主…
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マレーシア先住民の起源

 マレーシア先住民の起源に関する研究(Aghakhanian et al., 2022)が公表されました。アジア南東部は、アジア本土から、アンダマン海と南シナ海とインド洋へと広がる多数の島々にまでまたがる11ヶ国から構成されます。この地域には歴史と文化と宗教と生物学の印象的な多様性があります。マレーシア先住民はかなりの表現型と言語学と人…
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井原泰雄「言語の起源と進化 その特殊性と進化の背景」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。音声や動きなどで複雑な意思伝達を行なう動物もいますが、それらとの共通点もある言語はヒト(Homo sapiens)に固有と考えられています。言語能力については、広義と狭義に区分する見解があります。意思伝達に関わる仕組み(感覚・運動系)と思考に寄与す…
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大塚柳太郎「人口からみるヒト」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収のコラムです。動物の出生・死亡パターンを繁殖戦略から見ると、変動する環境に合わせて好条件時に出生率を高めることで個体数を維持するr戦略と、環境依存性が低く、出生率も死亡率も低く抑えて個体数を安定的に維持するK戦略が両端に位置し、ヒトを含む霊長類は典型的なK戦略…
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ヨーロッパにおける乳糖耐性進化の要因

 ヨーロッパにおける乳糖耐性の歴史に関する研究(Evershed et al., 2022)が公表されました。ヨーロッパの人口集団、および多くのアフリカと中東とアジア南部の人口集団において、ラクターゼ(乳糖分解酵素)活性持続(LP)は、過去1万年間に進化した単一遺伝子形質のうち最も強力に選択されたものです。LPの選択と先史時代の乳の消費…
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朝鮮半島三国時代の古代ゲノム研究の解説

 朝鮮半島三国時代の古代ゲノム研究(関連記事)の解説(Wang R, and Wang CC., 2022)が公表されました。過去10年間、古ゲノミクスは、時空間的規模でアジア東部における過去の人口史の理解を進めてきました。完新世において、アジア北東部人の形成は、3つの遺伝的系統の広範な混合により特徴づけられました。それは、アムール川流…
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ネアンデルタール人に由来する薬物代謝関連遺伝子

 ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)に由来する薬物代謝関連遺伝子に関する研究(Haeggström et al., 2022)が公表されました。6万年前頃に起きたネアンデルタール人と現生人類(Homo sapiens)との間の混合は、現生人類の遺伝子プールに遺伝的多様体をもたらし、その多くは現代人において低…
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初期現生人類の頭蓋内進化

 初期現生人類(Homo sapiens)の頭蓋内進化に関する研究(Zollikofe et al., 2022)が公表されました。現代人の脳の大きさは最近縁の現生分類群である大型類人猿の約3倍で、ヒトの脳はとくに言語など複雑な認知作業に関わる領域で顕著な構造的違いを示します。しかし、いつどのようにヒトの脳の独特な特徴が進化したのか、議…
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梅﨑昌裕「生存にかかわる腸内細菌 ホモ・サピエンスの適応能」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。本論文は、ヒトは1種(Homo sapiens)にも関わらず多様性が高く、それは家畜と同様であるものの、その過程は過去1万年間(イヌだけはもっと古そうですが)の人為的選択により生まれた家畜とは異なり、外的力(家畜にとってのヒトの育種に相当)ではなく…
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ヒトの一生にわたる脳の成長曲線

 ヒトの一生にわたる脳の成長曲線についての研究(Bethlehem et al., 2022)が公表されました。この数十年間で、脳画像化法はヒト脳の基礎研究や臨床研究で広く利用されるツールになりました。しかし、身長や体重などの人体計測学的特徴を用いる成長曲線とは異なり、脳画像計測では継続的に個人差を定量するための参照規準はこれまでありま…
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西村貴孝「ヒトの環境適応能 生理的適応現象とその多様性」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。ヒトには環境への生理機能(環境適応能)が備わっています。ヒトは短期的にも長期的にも、柔軟に環境に適応します。ヒトが最も快適に過ごせる環境は、長期にわたって進化してきた温暖なアフリカのサバンナだろう、と本論文は指摘します。一方、現代人はアフリカのサバ…
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河村正二「なぜヒトは多様な色覚をもつのか 霊長類の色覚由来から考える」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。脊椎動物には視覚センサーとして、眼球網膜に桿体と錐体という2種類の光受容細胞(視細胞)があります。桿体は薄明視に特化しており、明視と色覚(波長構成に基づいて光を識別する感覚)は錐体が担います。視細胞中で光を感受する物質は視物質と呼ばれ、膜貫通タンパ…
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アドリア海の人口史

 アドリア海の人口史に関する研究(Raveane et al., 2022)が公表されました。イタリア半島南部は、ヨーロッパにおいて現生人類(Homo sapiens)が最初に生息した地域の一つでした。現生人類のものとされる最古の考古学的遺物はプッリャ州のカヴァッロ洞窟(Grotta del Cavallo)で発見されており(45000…
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現生人類の起源に関する議論

 現生人類(Homo sapiens)の起源に関する議論を検証した研究(Meneganzin et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。まずは本論文で重要となる用語の解説を述べて起きます。 ◎異所性種分化  遺伝的交換の機会が制約される、(外部的障壁に起因する)地理的分離の結果とし…
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荻原直道「ヒトはなぜ直立二足歩行を獲得したのか 身体構造と運動機能の進化」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。常習的な直立二足歩行は、ヒトと他の霊長類を区別する最重要の特徴です。そのため、常習的な直立二足歩行の起源について、大きな関心が寄せられてきました。本論文は、運動学と生体力学の観点から直立二足歩行の進化を検証します。直立二足歩行は、体幹を垂直に立て、…
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古人類学の手法と用語に関するまとめ

 これまで古人類学関連の記事において、さまざまな手法や用語の解説をその都度述べることがありましたが、煩雑なので、おもに集団遺伝学関連の手法と用語について、この機会に一度まとめておきます。おもにアジアへの現生人類(Homo sapiens)拡散の総説(関連記事)に依拠し、祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)については…
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石田貴文「霊長類の遺伝」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収のコラムです。1970年代に雄山閣から刊行された『人類学講座』では、「霊長類の遺伝的研究は、系統や進化と密接にかかわりあっている」とありました。「霊長類の遺伝学」を「霊長類の分子進化学」に読み替えると、アラン・ウィルソン(Allan Charles Wilso…
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中国南西部で発見された後期更新世人類のゲノムデータ(追記有)

追記(2024年1月10日)  指摘を受けて福建省の前期新石器時代遺跡(Qihe)の漢字表記を斎河から奇和洞に訂正し、要約を新たに掲載しました。  中国南西部で発見された後期更新世人類のゲノムデータを報告した研究(Zhang et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。 …
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アフリカ南部のアウストラロピテクス属化石の年代の見直し

 アフリカ南部のアウストラロピテクス属化石の年代を見直した研究(Granger et al., 2022)が公表されました。南アフリカ共和国のアウストラロピテクス属の分類と系統と年代は長い間議論となっており、その中心はスタークフォンテン(Sterkfontein)洞窟遺跡です。「人類の揺り籠」のスタークフォンテンとマカパンスガット(Ma…
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太田博樹「縄文人のゲノム解読 古代ゲノム学による人類の進化」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。本論文は古代ゲノム研究の概説で、「縄文人」のゲノム解読結果も取り上げています。古代DNAは長い年月を経て劣化し、分子数も整然と比較して激減しているので、その解析は現生個体と比較してひじょうに困難です。また、分析対象の古代の個体(標本)のDNAなのか…
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中山一大「自然選択によるヒトの進化 形質多様性と遺伝的多様性」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。形質や疾患と遺伝子との関連には、1つの多型の遺伝子型で決定される場合(単一遺伝子形質)と、多数の多型と非遺伝的要因(年齢や生活習慣など)の組み合わせで決定される場合(多因子遺伝形質)があります。単一遺伝子形質については、家系標本を用いた連鎖解析の長…
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中部旧石器時代のイベリア半島南部の洞窟壁画

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、中部旧石器時代南部のイベリア半島南部の洞窟壁画に関する研究(Martí et al., 2021)が報道されました。AFPでも報道されています。芸術の制作は、人類の文化的進化における大きな飛躍とみなされています。それは、複雑な象徴的表現を永続的方法で記録し、伝える手段を表します。しかし、何世代にもわ…
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ミクロネシアへの人類の5回の主要な移住

 ミクロネシアへの人類の移住に関する研究(Liu et al., 2022)が公表されました。日本語の解説記事もあります。現生人類(Homo sapiens)は近オセアニア(ニアオセアニア)に遅くとも47000年前頃に到来し、オーストラリアとニューギニアとビスマルク諸島とソロモン諸島へと広がりました。3500~3000年前頃以後、ヒトは…
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三国時代の伽耶の人類のゲノムデータ(追記有)

 朝鮮半島の三国時代の伽耶の人類のゲノムデータを報告した研究(Gelabert et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文では、1700年前頃となる朝鮮半島南岸の伽耶王国地域で発見された人類のゲノムが深度0.7~6倍で配列決定されました。伽耶王国地域における遺伝的多様性は、縄文関連祖…
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ウルグアイの先スペイン期個体のゲノム解析

 ウルグアイの先スペイン期個体のゲノム解析結果を報告した研究(Lindo et al., 2022)が公表されました。歴史的にウルグアイの自己認識は、16世紀から19世紀までのヨーロッパ人との接触におけるこの地域の先住民集団の絶滅により特徴づけられてきました。絶滅は一連の軍事作戦を通じて行なわれ、1831年のサルシプエデス(Salsip…
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ナビゲーション能力に影響を与える生育環境

 生育環境へのナビゲーション能力の影響に関する研究(Coutrot et al., 2022)が公表されました。環境の文化的および地理的な性質は、認知やメンタルヘルスに深く影響を及ぼす、と示されています。緑地の近くでの生活はひじょうに有益と分かっており、一部の研究では、大都市に見られる密な社会経済ネットワークが鬱を緩和することが示唆され…
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先スペイン期アマゾン川流域の集落

 先スペイン期アマゾン川流域の集落を報告した研究(Prümers et al., 2022)が公表されました。農業を基盤とする低密度都市の考古学的遺物は、アジア南東部やスリランカや中央アメリカの熱帯林の下に存在する、と報告されています。しかし、アマゾン川流域南部の相互に接続したいくつかの大規模集落を除けば、先スペイン期のアマゾン川流域に…
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中世ヨーロッパの黒死病の起源

 中世ヨーロッパの黒死病の起源に関する研究(Spyrou et al., 2022)が公表されました。中世の黒死病大流行(1346~1353年)の起源は、これが人口動態に及ぼした大きな影響と、その長期にわたる悪影響から、長年の研究課題となってきました。これまで、過去の記録と古代DNAと現代のゲノミクス技術を用いた大規模な研究にも関わらず…
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熱帯林の人類史

 熱帯林の人類史に関する総説(Scerri et al., 2022)が公表されました。 ●ヒトの深い過去の辺境としての熱帯林  開けた草原とサバンナがヒトおよびその祖先の生態学的「発祥地」だった、との認識は、野外調査の地理的文脈、および初期人類の進化と拡散と文化的発展に関する支配的な物語の両方を形成してきました。対照的…
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後期更新世のマンモスステップの環境DNA

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、後期更新世のマンモスステップ(独特な植生群落と野生動物群集の中でマンモスが生息していた環境)の環境DNAを報告した研究(Wang et al., 2021)が公表されました。最後の氷期・間氷期周期において、北極生物相は大きな気候変動を経ましたが、そうした変化に対する生物相の応答の性質や規模や…
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下部旧石器時代のレヴァントにおける人類の火の使用

 下部旧石器時代のレヴァントにおける火の使用に関する研究(Stepka et al., 2022)が公表されました。火の技術は、人類の適応と社会と技術と生物学的進化の発展において重要な要素でした。人類を火と関連づける証拠は50万年以上前となる遺跡では稀で、世界規模では一握りの事例に限られています。具体的には、南アフリカ共和国(関連記事)…
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ティワナク遺跡の先コロンブス期人類集団のゲノムデータ

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ティワナク遺跡とその周辺の先コロンブス期人類集団のゲノムデータを報告した研究(Popović et al., 2021)が公表されました。小規模な社会から定住生活(つまり村や都市)への移行を形成する動機と意図は、考古学の主要な問題の一つです。チチカカ湖の畔の近くの海抜3850mに位置するティワナクは…
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