"古人類学"の記事一覧

遺伝学とアフリカの過去

 遺伝学とアフリカの過去に関する総説(Prendergast et al., 2022)が公表されました。アフリカには地球上で最大のヒトの遺伝的多様性があり、これはアフリカ大陸全体で見つかった人口構造と、遺伝的差異の観察されたパターンを形成した人口統計学的過程の広範な調査を促してきた事実です。1980年代以降、現代人のDNA研究が繰り返…
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乳児との会話の普遍性

 乳児との会話の普遍性エピに関する研究(Hilton et al., 2022)が公表されました。多くの動物種から得られた証拠によると、発話には、他者や近くにいる捕食者に注意を促す警戒音声など、明確な機能がある、と分かっています。ヒトを対象とした従来の研究では、子守唄にも親による子どもへの話しかけ方にも、乳児を落ち着かせる効果がある、と…
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ヨーロッパ人集団の自然選択

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヨーロッパ人集団の自然選択に関する研究(Song et al., 2021)が公表されました。自然選択は進化の1経路で、世代から世次代へと小さな変化をもたらします。複雑な形質の自然選択の特徴の解明は、人類の進化や生物学的および病理学的な仕組みを理解するうえで重要です。先行研究から、自然選択が…
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環境DNAから明らかになる200万年前頃のグリーンランドの生態系

 環境DNA200から万年前頃のグリーンランドの生態系を明らかにした研究(Kjær et al., 2022)が報道されました。後期鮮新世および前期更新世(360万~80万年前頃)の気候は、将来の温暖化で予測されている気候に近いものでした。古気候の記録からは、強い極域増幅と、現代よりも11~19度ほど高い年平均気温が明らかになっています…
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イベリア半島北部の上部旧石器時代のイヌ遺骸

 イベリア半島北部の上部旧石器時代のイヌ遺骸に関する研究(Hervella et al., 2022)が公表されました。イヌ(Canis lupus familiaris)はヒトにより家畜化された最初の種と知られていますが、この家畜化過程の地理的および時間的起源は、さまざまな知識の分野でまだ議論されています。この研究では、スペインのバス…
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ホモ・フロレシエンシスの中足骨

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)の中足骨に関する研究(Tsegai et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P171)。謎めいたホモ・フロレシエンシスは、頭蓋と頭蓋後方(首から下)の独特な組み合わせを示しており、ホモ属の…
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初期デニソワ人についての研究

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)についての研究(Douka et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P43)。シベリア南部のアルタイ山脈のデニソワ洞窟(Denisova Cave)は、上部旧石器層における現生人類(Homo …
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ドイツの中世ユダヤ人のゲノムデータ

 ドイツの中世ユダヤ人のゲノムデータを報告した研究(Waldman et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。本論文は、14世紀のドイツのエアフルト(Erfurt)の中世ユダヤ人墓地における回復発掘調査で得られた、アシュケナージ系ユダヤ人(AJ)のゲノム規模データを報告します。エアフルト個…
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ハンガリー王国のフニャディ家のDNA解析

 ハンガリー王国のフニャディ(Hunyadi)家のDNA解析結果を報告した研究(Neparáczki et al., 2022)が公表されました。フニャディ家は、14~16世紀のヨーロッパ中央部の歴史において、最も影響力のあった家系の一つです。フニャディ家の威信は、ハンガリー王国の摂政の地位にまで上り詰めた、トルコを撃退したヨハネス・フ…
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ブラジルの新たな古代人のゲノムデータ

 ブラジルの新たな古代人のゲノムデータを報告した研究(Santos et al., 2022)が公表されました。考古学およびゲノムの証拠の増加は、ヒトによるアメリカ大陸の複雑な移民過程を示唆してきました。これはとくに南アメリカ大陸について当てはまり、予期せぬ祖先の兆候が、南アメリカ大陸のさまざまな地域への初期移住について困惑させるような…
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初期上部旧石器より「上部旧石器」的なシャテルペロニアン

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、シャテルペロニアン(Châtelperronian、シャテルペロン文化)と初期上部旧石器(Initial Upper Paleolithic、以下IUP)を比較した研究(Djakovic et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P183)。IUP技…
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フランス南部の新石器時代における農耕民と狩猟採集民との相互作用

 フランス南部の新石器時代における農耕民と狩猟採集民との相互作用に関する研究(Arzelier et al., 2022)が公表されました。考古学的研究では、新石器時代の拡大はヨーロッパ西部に到達するとより複雑な転換が起き、在来の狩猟採集民(HG)と侵入してきた農耕民との間の相互作用の対照的な全体像を描く、と示されています。これらの過程…
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古代DNAデータから推測される両親の親族関係

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、古代DNAデータから両親の親族関係を推測した研究(Ringbauer et al., 2022)が公表されました。現代人の両親の親族関係は世界各地でかなり異なりますが、その過去についてはほとんど知られていません。本論文は、両親の親族関係が同型接合連続領域の形態でゲノムに痕跡を残すことを活用し…
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黒死病と関連する免疫遺伝子の進化

 黒死病と関連する免疫遺伝子の進化に関する研究(Klunk et al., 2022)が公表されました。感染症は、ヒトの進化を駆動する最も強い選択圧の一つです。これには、有史時代における唯一最大の大量死事象で、一般に「黒死病」と呼ばれる、ペストの第二次パンデミック(世界的大流行)の最初のアウトブレイク(集団発生)が含まれる。黒死病はペス…
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現生人類の拡散におけるペルシア湾の役割

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、現生人類(Homo sapiens)の拡散におけるペルシア湾(本論文はアラブ側の主張にも配慮してか、アラブ・ペルシア湾と表記していますが、以下ではより一般的なペルシア湾で統一します)の役割に関する研究(Ferreira et al., 2021)が公表されました。アラビア半島は、アフリカから…
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新石器時代移行期の上メソポタミアの人口史

 新石器時代移行期の上メソポタミア(メソポタミア北部)の人口史に関する研究(Altinişık et al., 2022)が公表されました。アジア南西部における新石器時代移行期において、上メソポタミアは象徴主義と技術と食性での顕著な革新を通じて、重要な役割を果たしました。本論文は、ティグリス川流域の先土器新石器時代チャヨニュ(Çayön…
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ヒトの身長に関連する遺伝的多様体

 ヒトの身長に関連する遺伝的多様体についての研究(Yengo et al., 2022)が公表されました。成人の身長は遺伝性の形質で、容易に測定できます。以前の研究で、おもにヨーロッパ系の集団において、身長に関連する高頻度の遺伝的多様体(骨格障害に関連する遺伝子を含みます)が数多く同定されました。身長は、観察可能なヒトの形質(表現型)の…
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ヒトの核DNAにおけるミトコンドリアDNA由来の配列

 ヒトの核DNAにおけるミトコンドリアDNA(mtDNA)由来の配列に関する研究(Wei et al., 2022)が公表されました。細胞質内の細胞小器官から細胞核へのDNA移行は内部共生事象の遺産であり、核内mtDNA断片(NUMT)の大半は、ヒトの種分化より前に生じた、太古のものと考えられています。NUMTをmtDNAの多様体と解釈…
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氷期ヨーロッパ西部におけるオーリナシアンとマグダレニアンとの間の遺伝的関連(追記有)

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、氷期ヨーロッパ西部におけるオーリナシアン(Aurignacian)とマグダレニアン(Magdalenian)との間の遺伝的関連についての研究(Villalba-Mouco et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P183)。以下、年代は較正年代です…
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ベルギーのネアンデルタール人のDNA解析

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、ベルギーのネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)のDNA解析結果を報告した研究(Bossoms et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイル で読めます(P16)。ゴイエ(Goyet)の第三洞窟(Troisième caverne)は、ベ…
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化石および遺伝的記録から推測されるネアンデルタール人と現生人類の相互作用

 化石および遺伝的記録から推測されるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)の相互作用に関する概説(Stringer, and Crété., 2022)が公表されました。証拠から示唆されるのは、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Ho…
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三国時代の朝鮮半島の甕棺に埋葬された複数個体のゲノムデータ

 三国時代の朝鮮半島の甕棺に埋葬された複数個体のゲノムデータを報告した研究(Lee et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。家族関係は過去の社会の構造の理解に重要ですが、その考古学的復元はほぼ、状況証拠に基づいています。考古遺伝学的情報、とくにゲノム規模データは、古代人の家族関係を正確に…
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ブリテン島の上部旧石器時代後期の2個体の異なる遺伝的構成

 ブリテン島の上部旧石器時代後期の2個体の異なる遺伝的構成を報告した研究(Charlton et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。この研究はすでに、人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で概要が報告されていました(関連記事)。上部旧石器時代ヨーロッパの遺伝学的調査は、ヒト集団の移動と複…
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ブリテン島における後期氷期旧石器時代人類の遺伝的構成(追記有)

 人間進化研究ヨーロッパ協会第12回総会で、ブリテン島における後期氷期旧石器時代人類の遺伝的構成に関する研究(Charlton et al., 2022)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P24)。以下、年代は暦年代です。近年、多数の研究でユーラシア西部における最初期ヒト集団の一部の遺伝的歴史が調べられ、農耕出…
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フランスとスペイン北部におけるネアンデルタール人と現生人類の共存期間

 フランスとスペイン北部におけるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)と現生人類(Homo sapiens)の共存期間に関する研究(Djakovic et al., 2022)が公表されました。最近の化石発見により、ネアンデルタール人と現生人類はヨーロッパで5000~6000年間ほど共存していたかもしれない、と…
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遺伝学的知見から推測されるネアンデルタール人の社会構成

 遺伝学的知見からネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の社会構成を推測した研究(Skov et al., 2022)が公表されました。この研究は昨年すでに、その概要が報道されていました(関連記事)。ネアンデルタール人のこれまでのゲノム解析からは、その人口史や現生人類(Homo sapiens)との関係について…
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60歳まで減速しないメンタルスピード

 メンタルスピード(心的処理の速度)が60歳まで減速しないことを報告した研究(Krause et al., 2022)が公表されました。加齢につれて、環境中の変化(刺激)に反応する時間は長くなるのが一般的です。こうした反応時間は20歳頃から遅くなっていき、加齢につれて徐々に長くなっていく。この研究は、認知課題に対する反応時間を測定するオ…
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ヒト脳モデルの改良

 ヒト脳モデルの改良に関する研究(Revah et al., 2022)が公表されました。自己組織化する神経オルガノイドは、ヒトの発生や疾患のモデルとなり得る有望な生体外(in vitro)構築基盤(プラットフォーム)です。しかし、オルガノイドは生体外に存在するような神経結合を欠くため、成熟に限界があり、行動を制御する他の回路との統合は…
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アングロ・サクソン時代におけるヨーロッパ大陸部からブリテン島への大規模な移住

 アングロ・サクソン時代におけるヨーロッパ大陸部からブリテン島への大規模な移住に関する研究(Gretzinger et al., 2022)が公表されました。ブリテン諸島の歴史は、ローマ帝国支配の終焉後の重大な変化をはじめとする、文化を大きく変転させた複数の時代によって特徴づけられ、これが、言語や定住パターンや物質文化の移り変わりを促進…
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社会的に学習されているかもしれない野生チンパンジーの道具使用

 野生チンパンジーの道具使用の社会的学習の可能性を報告した研究(Koops et al., 2022)が公表されました。ヒトは道具使用などの技能を、相互観察により学習します。ヒトの文化は、こうした社会的学習を通して次第に複雑化してきました。しかし、こうした累積的な文化がヒトに特有のものかどうかについては、議論が続いていますい。飼育下の非…
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旱魃によるマヤパンの崩壊

 旱魃によるマヤパンの崩壊に関する研究(Kennett et al., 2022)が公表されました。先コロンブス期のメソアメリカでは、降水量が食料生産に及ぼす影響は、人間の移住や人口減少や戦争や政権交代と密接に関連していた可能性がありますが、そのために気候の圧力に直面したさいの回復力や変化や持続可能性がもたらされた可能性もあります。12…
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ウズベキスタン東部の天山山脈西部の旧石器

 ウズベキスタン東部の天山山脈西部の旧石器を報告した研究(Pavlenok et al., 2022)が公表されました。本論文は、天山山麓西部のチャトカル(Chatkal)における山岳調査の予備的結果を提示します。2021年にいくつかの新たな旧石器時代遺跡が発見され、その中には、燧石露頭の近くに位置する、単一で複数の層位の開地遺跡である…
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45種の言語に対する神経応答パターンの類似性

 45種の言語に対する神経応答パターンの類似性に関する研究(Malik-Moraleda et al., 2022)が公表されました。現在、全世界で7000近くの言語が使われていますが、それよりもはるかに少ない数の言語に関する研究に基づいて、脳内で言語がどのように学習され、処理されるのか、理解されつつあります。この研究は、言語研究におけ…
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シチリア島の古典期ギリシア軍の多様な遺伝的起源

 シチリア島の古典期ギリシア軍の多様な遺伝的起源を報告した研究(Reitsema et al., 2022)が公表されました。紀元前千年紀に、交易と植民により地中海のヒトの移動が前例のないほど増加しました。戦争は分断する力とみなされることが多いものの、じっさいには文化的接触のもう一つの触媒です。本論文は、ギリシアのシチリア島の植民地ヒメ…
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ネアンデルタール人の聴覚

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の聴覚に関する研究(Conde-Valverde et al., 2021)が公表されました。絶滅人類の文字記録や音声記録が残っていないため、その言語能力はほとんど明らかにされていません。そこで、頭蓋化石から聴覚の研究が行われ、…
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今年のノーベル生理学・医学賞はスヴァンテ・ペーボ氏

 今年(2022年)のノーベル生理学・医学賞はスヴァンテ・ペーボ(Svante Pääbo)氏に授与される、と発表されました。ペーボ氏は、現在すでに大きな成果を挙げている古代DNA研究を、その技術面も含めて確立した功績者なので、この受賞を歓迎する人は多そうですし、古代DNA研究に強い関心を抱いている私にとっても、たいへん嬉しい受賞です。…
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現代人の表現型へのネアンデルタール人の遺伝的影響

 現代人の表現型へのネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の遺伝的影響に関する概説(Reilly et al., 2022)が公表されました。現代人の最も近縁な絶滅近縁種であるネアンデルタール人は、ユーラシア西部に40万年前頃から絶滅した4万年前頃まで暮らしていました。古代の標本から回収されたDNAにより、ネア…
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ヒトの腸由来の古代の微生物ゲノム

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒトの腸由来の古代の微生物ゲノムに関する研究(Wibowo et al., 2021)が報道(Olm, and Sonnenburg., 2021)されました。工業社会集団における腸内微生物の多様性の喪失はヒトの代謝や免疫系の生物学的挙動に大きな影響を与え、慢性疾患と関連づけられており、現代…
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ネアンデルタール人の彫刻

 取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)の彫刻に関する研究(Leder et al., 2021)が報道されました。アフリカやユーラシア大陸の初期現生人類(Homo sapiens)には、芸術や象徴的行動に関する多くの証拠がありますが、現生人類と近縁のネアンデルタール…
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最古となるタバコの使用の証拠

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、最古となるタバコの使用の証拠を報告した研究(Duke et al., 2022)が公表されました。タバコ(Nicotiana)はアメリカ大陸原産の酩酊性の植物で、北アメリカ大陸の多くの先住民集団の伝統に重要な役割を果たしてきました。現在タバコは世界的に使用されており、人間社会に広範な影響を及ぼしてい…
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遠オセアニア西部現代人の遺伝的構造

 遠オセアニア(リモートオセアニア)西部現代人の遺伝的構造に関する研究(Arauna et al., 2022)が公表されました。この研究はオンライン版での先行公開となります。バヌアツ諸島は、3000年前頃となる無人地への最も広範なヒトの移住の一つにおける、遠オセアニア(リモートオセアニア)への入口として機能しました。古代DNA研究は、…
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ボルネオ島の後期更新世人類遺骸の外科的切断の痕跡

 ボルネオ島のインドネシア領となる東カリマンタン州のリャン・テボ(Liang Tebo)洞窟(図1)で発見された後期更新世現生人類(Homo sapiens)遺骸の外科的切断の痕跡を報告した研究(Maloney et al., 2022)が公表されました。医学の発展に関しては、1万年前頃となる定住農耕社会の出現(いわゆる新石器革命)によ…
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サヘラントロプス・チャデンシスの二足歩行の証拠

 サヘラントロプス・チャデンシス(Sahelanthropus tchadensis)の二足歩行の証拠を報告した研究(Daver et al., 2022)が公表されました。二足歩行は人類クレード(単系統群)を規定する重要な適応の一つです。二足歩行の証拠は、600万年前頃となるアフリカ東部の後期中新世人類とされるオロリン・トゥゲネンシス…
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アジア中央部現代人におけるタリム盆地のミイラからの遺伝的影響

 アジア中央部現代人におけるタリム盆地のミイラに代表される集団からの遺伝的影響に関する研究(Dai et al., 2022)が公表されました。アジア中央部人の多様性は、複数の移住と文化拡散により形成されてきました。古代DNA研究は青銅器時時代以来のアジア中央部人の人口統計学的変化を明らかにしてきましたが、アジア中央部現代人への古代の人…
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中国の人類進化観と民族主義

 中国の人類進化観と民族主義に関する研究(Cheng., 2017)が公表されました。本論文の刊行は5年前ですが、最近になって知り、中国の人類進化観と民族主義は以前より関心のある問題だったものの(関連記事1および関連記事2)、断片的な情報しか得ておらず、よく理解できていなかったので、この問題について具体的な情報が多く体系的に解説している…
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渡辺知保(2021)「人新世:ヒトが地球を変える時代」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収のコラムです。地質学的な時代区分では、現在は完新世とされます。しかし、すでに2000年の時点で、完新世はすでに終わって新たな時代区分に入っており、それを人新世と呼ぶのが妥当ではないか、との見解が提示されていました。本論文の執筆時点(2020年12月)では、人新…
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竹沢泰子「人種と人種差別 文化人類学と自然人類学の対話から」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。人種は一般的に、皮膚の色をはじめとして、頭髪や身長や頭の形や血液型など形質的な特徴による区分単位とされ、現代日本社会では、コーカソイド(白色人種)とモンゴロイド(黄色人種)とネグロイド(黒色人種)の3人種に区分されます。こうした概念は社会に広く深く…
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漢代の新疆住民の学際的研究

 中華人民共和国新疆ウイグル自治区(以下、新疆)の漢代住民の学際的分析結果を報告した研究(Allen et al., 2022)が公表されました。古代中華帝国の国境地帯では、漢人と非漢人の相互作用が深く根付いていました。しかし、これら国境の人々の遺伝的起源もしくは生活様式についてはほとんど知られていません。この研究は、古代DNAと安定同…
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ヨーロッパ南部とアジア南西部の大規模な古代ゲノム研究

 ヨーロッパ南部とアジア南西部に関する3つの大規模な古代ゲノム研究が公表されました。それは、ヨーロッパ南部とアジア南西部の古代から中世の人類遺骸の古代ゲノムデータを報告した研究(Lazaridis et al., 2022A)と、メソポタミア古代人のゲノムデータを報告した研究(Lazaridis et al., 2022B)と、総説的な…
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米田穣「考古学と自然人類学 縄文時代・弥生時代の生業を考える」

 井原泰雄、梅﨑昌裕、米田穣編『人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦』所収の論文です。植物(作物)栽培化(domestication)は、食料獲得から食料生産への移行という人類史において大きな画期となります。なお、動物の家畜化も英語では同じ単語(domestication)が用いられます。ただ、動物の家畜化と植物の栽培化(農耕)とを…
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