イングランド南西部で発見された7世紀頃の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Foody et al., 2025)が公表されました。本論文は、イングランド南西部で発見された7世紀頃の人類遺骸のゲノムデータから、片親性遺伝標識(母系のミトコンドリアと父系のY染色体)も使用してその親族関係を特定するとともに、若い女性1個体には近い過去に…
ブリテン島南部の7世紀の人類のゲノムデータを報告した研究(Sayer et al., 2025)が公表されました。本論文は、ブリテン島南部の7世紀の人類2個体の新たなゲノムデータを報告し、2個体にサハラ砂漠以南のアフリカ人集団的な祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)もあることを明らかにし、これが533~534年に…
カザフスタン東部の前期新石器時代および中期~後期青銅器時代の人類の新たなゲノムデータを報告した研究(Gill et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、カザフスタン東部の前期新石器時代および中期~後期青銅器時代の人類の新たなゲノムデータを解…
種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)に関する最近の研究の解説(Gross., 2025)が公表されました。今年(2025年)はデニソワ人に関する研究の進展が目覚ましく、当ブログでもデニソワ人研究の進展に関する解説を取り上げました(Marshall., 2025、Villalba-Mouco, and Sümer.,…
ヒト進化研究ヨーロッパ協会第15回総会で、バルカン半島の上部旧石器時代人類のゲノムデータに関する研究(Sümer et al., 2025)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P214)。[]は本論文の参考文献の番号です。以下の略称は、DNA(deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)、mt…
古代ゲノムデータに基づくスラブ人の遺伝的歴史に関する研究(Gretzinger et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、考古学や文献などからスラブ人と考えられるヨーロッパ東部の千年紀の多数の人類遺骸のゲノムデータを報告し、とくにドイツ東部…
黄河および長江流域の新石器時代人類のゲノムデータを報告した研究(Xiongu et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、黄河および長江流域の中期新石器時代の多数の人類遺骸のゲノムデータを新たに報告しています。黄河流域の新石器時代人類集団のゲ…
スラウェシ島で前期更新世となる100万年以上前の石器を報告した研究(Hakim et al., 2025)が報道されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、スラウェシ島で新たに発見された石器の下限年代が104万年前頃で、148万年前頃までさかのぼる可能性を示しています。スラ…
江蘇省徐州市で発見された西周期の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、南北の重要な境界地帯に位置する、江蘇省徐州市で発見された西周期の人類遺骸のゲノムデータから、この3個体が、文化的多様性…
長江中流域の中期新石器時代~後期青銅器時代人類のゲノムデータを報告した研究(Yang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、長江の最大の支流である漢江(漢水)水系の一部となる湍河(Tuan River)沿いに位置する、河南省鄧州(Den…
モンゴル中央部後期青銅器時代人類のゲノムデータを報告した研究(Lee et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、モンゴル中央部の後期青銅器時代人類のゲノムデータを報告し、異なる2種類の埋葬様式に対応する異なる遺伝的2クラスタ(まとまり)を明…
中華人民共和国湖北省で発見された100万年前頃の頭蓋を報告した研究(Feng et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は湖北省の100万年前頃の頭蓋を既知の他のホモ属頭蓋と比較し、この頭蓋が種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisova…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、梅毒の進化史に関する研究(Barquera et al., 2025)が公表されました。ヒトのトレポネーマ感染は、ひじょうに近縁な梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)ファミリーによって引き起こされ、フランベジア、ベジェル、ピンタ、最も有名な梅毒といった疾患を発症させます。これらの…
ヒト進化研究ヨーロッパ協会第15回総会で、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の新しい高品質なゲノムデータに関する研究(Peyrégne et al., 2025)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P175)。デニソワ人についての研究は今年(2025年)になって飛躍的に進展し(関連記事)、…
フィンランドで発見された中世以降の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Nordfors et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、フィンランドの3ヶ所の墓地で発見された中世以降の人類遺骸のゲノムデータを報告し、その遺伝的祖先系統(祖先系譜…
古代ゲノムデータに基づく青銅器時代から中世前期までの南コーカサスの人口史に関する研究(Skourtanioti et al., 2025)が公表されました。本論文は、青銅器時代から「大移動期」にまたがるジョージア(グルジア)とアルメニアの古代人230個体の新たなゲノムデータを提示し、既知の古代人および現代人のゲノムデータと比較していま…
古代ゲノムデータに基づくポルトガルの過去5000年間の人口史に関する研究(Roca-Rada et al., 2025)が公表されました。本論文は、ポルトガルで発見された新石器時代から19世紀までの人類遺骸67個体のゲノムデータを報告し、ポルトガルの過去5000年間の人口史を検証しています。ポルトガルでは、新石器時代に在来狩猟採集民の…
パプアニューギニアの人口史に関する研究(Mondal et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。パプアニューギニアもしくはニューギニア島やオーストラリア大陸やタスマニア島などを含めて更新世に形成されていた広大なサフル大陸は、現生人類(Homo sap…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒトゲノムの多様体を用いたゲノム変異制約図に関する研究(Chen et al., 2024)が公表されました。純化自然選択によって引き起こされる、破壊的な多様体の減少(制約)は、ヒト疾患の根底にあるタンパク質コード遺伝子の研究に広く用いられてきましたが、タンパク質非コード領域に関して制約を評…
モラビアの古代人のゲノムデータを報告した研究(Schulz et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、チェコ共和国東部のモラビア地域で発見された、千年紀の人類遺骸のゲノムデータを報告しています。これらのゲノムデータから、モラビアでは千年紀半…
長江下流域近世人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(He et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくはもっと狭くダイチン・グルン(大清帝国、清王朝)の18省かもしれませんが…
イベリア半島北東部の末期青銅器時代~前期鉄器時代の人類遺骸の新たなゲノムデータを報告した研究(Ezcurra et al., 2025)が公表されました。本論文は、土葬と火葬がともに見られるイベリア半島北東部の末期青銅器時代の人類24個体と、前期鉄器時代1個体の新たなゲノムデータを報告し、既知の古代人および現代人のゲノムデータと比較し…
大規模なゲノムデータに基づいてインドの人口史を検証した研究(Kerdoncuff et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、インドの現代人の高品質なゲノムデータと古代人のゲノムデータを用いて、ネアンデルタール人(Homo neanderth…
初期人類の脳容量とその進化的意義について、今年(2025年)3月20日~23日にかけてアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア市で開催された第94回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Schoenemann et al., 2025)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P147)。
進化的…
漢代黄河下流域の人類集団のゲノムデータを報告した研究(Ji et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、山東省の聞韶北遺跡の前漢(西漢)期の人類遺骸の新たなゲノムデータを報告しています。聞韶北遺跡の前漢期人類集団は、山東省で発見された前期新石…
イタリア中央部で発見されたローマ共和政期の男性1個体の新たなゲノムデータを報告した研究(Ravasini et al., 2025)が公表されました。本論文の参考文献については、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、ローマに比較的近い、ヴィテルボ(Viterbo)市のタルクイーニア(Tarquinia)に位置す…
エジプトの初期王朝~古王国時代の男性1個体の新たなゲノムデータを報告した研究(Jacobs et al., 2025)が報道されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、カイロの南方265kmに位置するベニハッサン(Beni Hasan)村近くのヌワイラート(Nuwayrat…
初期人類の食性変化と形態に関する研究(Fannin et al., 2025)が公表されました。日本語の解説記事もあります。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。行動駆動説では、動物の行動の大きな変化によって新たな選択圧が生じた結果として、新たな身体的特徴の進化が起きる、と想定されています…
中期更新世ホモ属頭蓋のプロテオーム(タンパク質の総体)解析結果を報告した研究(Fu et al., 2025A)が報道されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中華人民共和国黒竜江省ハルビン市で1993年に松花江(Songhua River)における東江橋(Dongjia…
インド北東部のアシューリアン(Acheulian、アシュール文化)石器を報告した研究(Vaishnav et al., 2025)が公表されました。本論文は、インドのソン川上流(Upper Son Valley)のチャッティースガル(Chhattisgarh)州のペンドラ(Pendra)のアマルカンタク丘陵(Amarkantak Hi…
ハンガリーとカルパチア盆地の1~5世紀の156個体のゲノムデータを報告した研究(Schütz et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。サルマティア人は紀元前3世紀からポントス草原地帯を、紀元後50年から大ハンガリー平原を支配し、それはフンの4世紀の…
出アフリカ前のアフリカにおける現生人類(Homo sapiens)の拡大に関する研究(Hallett et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。非アフリカ系現代人の遺伝的祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)のほとんどは、7万~5…
ユーラシア北部の古代人の新たなゲノムデータを報告した研究(Zeng et al., 2025)が公表されました。本論文は、現在のウラル語族およびエニセイ語族話者の居住地域を中心に、ユーラシア北部の古代人のゲノムデータを新たに報告し、既知の古代人および現代人のゲノムデータと比較することで、この地域の人口史を検証しています。この地域の前期…
タリム盆地の青銅器時代と鉄器時代の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Zhang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は青銅器時代および鉄器時代のタリム盆地西部の24個体のゲノム規模データを報告し、青銅器時代集団の遺伝的祖先系統(祖先系…
ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)の脊椎について、今年(2025年)3月20日~23日にかけてアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア市で開催された第94回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Nalley et al., 2025)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P1…
スキタイ人の古代ゲノムデータを報告した研究(Andreeva et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、黒海北部沿岸からドン川中流域に広がる、古代ギリシアにおいて「大スキタイ」と呼ばれていた地域およびその近隣地域の、青銅器時代と鉄器時代の古…
山東半島新石器時代の社会構造に関する研究(Wang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中華人民共和国山東省に位置する、大汶口(Dawenkou)文化後期の傅家(Fujia)遺跡で発見された2ヶ所の墓地の被葬者の遺伝学および同位体の情…
今年(2025年)になっての種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)の研究の進展に関する解説(Villalba-Mouco, and Sümer., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。デニソワ人の研究はミトコンドリアDNA(mtDNA)やプロ…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、パラントロプス属のタンパク質解析結果を報告した研究(Madup et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。近年の古代DNA研究の発展は目覚ましいものの、分析可能な対象範囲は時空間的にプロテオーム(タンパク質の総体)…
サフルランドへの現生人類(Homo sapiens)の拡散を検証した研究(Allen, and O'Connell., 2025)が公表されました。更新世の寒冷期には、オーストラリア大陸とニューギニア島とタスマニア島は陸続きとなってサフルランドを形成していました。本論文は、サフルランド(サフル大陸)やユーラシア東部圏における5万年以上…
黄河湾曲部の後期新石器時代~鉄器時代人類集団の遺伝的構成に関する研究(Zou et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、山西省と【現在は中華人民共和国の支配下にあり、行政区分では内モンゴル自治区とされている】モンゴル南部とその近隣地域にまた…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、初期ホモ属の腐肉食に関する研究(Rodríguez et al., 2023)が公表されました。動物性食料の摂取は、初期人類の食性の幅を広げ、脳と身体の成長を促進させ、行動の複雑さを増加させる重要な要因です。しかし、初期人類の動物性食料獲得が腐肉食(死肉漁り)なのか、それとも大型哺乳類の狩猟…
現生人類(Homo sapiens)の色素沈着の進化史に関する研究(Perretti et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は古代ゲノムデータに基づいて、現生人類の色素沈着関連の遺伝的多様体の頻度の変遷を検証しています。かつては「人種」区分…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、鳥類の人為的絶滅を推定した研究(Cooke et al., 2023)が公表されました。鳥類は最もよく研究されている動物群の一つですが、その先史時代の多様性は、化石化の可能性が低いためあまり知られていません。したがって、多くの人為的な鳥類の絶滅(つまり、狩猟などヒトの活動による、また陸上使用…