九州北西部の弥生時代の人類遺骸の新たなゲノムデータを報告した研究(Kim et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。なお、「縄文時代」との時代区分や「縄文人」との表記には問題があるでしょうし、それは「弥生時代」や「弥生人」についてもかなりの程度当ては…
アフリカ南部古代人のゲノムデータを報告した研究(Jakobsson et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、南アフリカ共和国の遺跡から発見された較正年代(明示しない場合、以下の年代は、基本的に較正されています)10200~150年前頃の人…
中原の近世人類のゲノムデータを報告した研究(Zhou et al., 2026)が公表されました。本論文は、中華人民共和国河南省の墓地で発見された18世紀頃の被葬者のゲノムデータを報告しています。その結果、この中原の近世人類集団は、後期新石器時代黄河流域集団との強い遺伝的連続性を示し、中原の唐代集団の直接的子孫としてモデル化でき、河南…
モロッコの77万年前頃の人類化石を報告した研究(Hublin et al., 2026)が報道されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、モロッコで発見された77万年前頃の人類化石の形態を既知の人類化石と比較し、祖先的特徴と、その後の人類に見られる派生的特徴の混在が見られる…
ヨーロッパ北西部における40万年以上前かもしれない意図的な火熾しの証拠を報告した研究(Davis et al., 2026)が報道されました。火熾しは人類に固有の新機軸で、道具の製作や象徴文化や社会的意思疎通といった他の複雑な行動とは一線を画しています。制御された火の使用は適応の機会をもたらし、これが人類の進化に重大な影響を与えました…
アルゼンチンで発見された古代人のゲノムデータを報告した研究(Maravall-López et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、現在のアルゼンチンにおいて以前には知られていなかった遺伝的祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ances…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、古代の病原体に関する研究(Sikora et al., 2025)が公表されました。感染症は、歴史を通してヒト集団に深刻な影響を及ぼしてきてましたが、それらの起源や過去の動態については重要な疑問が残っています。とくに完新世については、農業や牧畜が主要な生業となり、生産経済の開始によって人類の…
中原の殷(商)代後期人類のゲノムデータを報告した研究(Tang et al., 2026)が公表されました。本論文は、河南省の殷代後期の遺跡で発見された人類遺骸のゲノムデータから、後期新石器時代の中原集団の直接的祖先としてモデル化できることと、社会的階層が遺伝的差異と関連していなかったことを示しています。なお、本論文の「中国」の指す範…
古代ゲノムデータに基づく新石器時代ユーラシア北東部の親族関係についての研究(Liu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、ユーラシア北東部の新たな古代人のゲノムデータと既知の証拠から、先史時代のユーラシアにおける居住や埋葬や配偶の慣行が…
オーストリアで発見された前期青銅器時代の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Furtwängler et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、オーストリアで発見された前期青銅器時代の個体群の新たなゲノムデータを提示し、おもに厳格ではない女…
燕山地域の新石器時代人類のゲノムデータを報告した研究(Zhang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、モンゴル高原と華北との間の移行地帯である燕山地域の、7700~4300年前頃となる前期新石器時代と後期新石器時代の人類遺骸のゲノムデ…
モンゴル高原南東部の新石器時代人類の新たなゲノムデータを報告した研究(Liu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、8800~5000年前頃となるモンゴル高原南東部の古代人35個体のゲノムデータを報告し、8800~7500年前頃の個体群…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、ヒトの新規変異(de novo mutation、親の生殖細胞もしくは受精卵や早期の胚で起きた変異、略してDNM)率に関する研究(Porubsky et al., 2025)が公表されました。ヒトのDNM率を理解するには、完全な塩基配列情報が必要です。この研究は、5点の補完的な短い読み取りお…
ブリテン島南東部沿岸のローマ期女性個体のゲノムデータを報告した研究(Walton et al., 2026)が公表されました。本論文は、ブリテン島南東部沿岸のローマ期の女性1個体についての学際的分析を報告しています。この女性個体は、骨学的分析ではサハラ砂漠以南のアフリカ起源である可能性が指摘されており、ブリテン島で最古級のアフリカ人で…
鮮新世のアウストラロピテクス属の新たな化石を報告した研究(Haile-Selassie et al., 2026)が公表されました。エチオピアのウォランソ・ミル(Woranso-Mille)の鮮新世の堆積層(359万年前~333万年前)から出土した化石に対するアウストラロピテクス・デイレメダ(Australopithecus deyi…
イタリア南部の中期青銅器時代人類集団のゲノムデータを報告した研究(Fontani et al., 2025)が公表されました。本論文は、イタリア半島南部の中期青銅器時代の人類遺骸のゲノムデータを報告し、同時代のイタリア半島の人類集団とよりも、前期青銅器時代シチリア島人類集団の方と遺伝的に類似していることを示します。また本論文は、1個体…
イラクの更新世の石器を報告した研究(Egberts et al., 2025)が公表されました。イラクは更新世人類の拡散において重要な位置を占めていると考えられますが、その実態はよく分かっていません。本論文は、イラク南西部のIWD(Iraqi Western Desert、イラク西部砂漠)に位置するシュビチャ(Shbicha)地域の更…
過去16万年間のアジア東部の人類史の総説(He et al., 2025)が公表されました。本論文は、おもに遺伝学的観点から過去16万年間のアアジア東部の人類史に関する近年までの研究を整理しており、近年飛躍的に発展しているアジア東部の古代ゲノム研究の把握にひじょうに有益です。本論文の主要な対象は現生人類(Homo sapiens)です…
陝西省の後期新石器時代人類集団のゲノムデータを報告した研究(Chen et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、初期の社会階層化と国家形成の進展が示唆される、陝西省の後期新石器時代遺跡で発見された人類遺骸のゲノムデータを報告しています。この…
東天山山脈の上部旧石器時代の石器群を報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。本論文は、【現在は中華人民共和国の支配下にあり、行政区分では新疆ウイグル自治区とされている】東トルキスタンの東天山山脈で発見された上部旧石器時代の石刃や細石刃と、東天山山脈に位置する蒲類洞窟(Pulei Cave)の堆積物の年代測定…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、青海省で発見された後漢時代の古代人のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。本論文は、青海チベット高原の後漢時代の古代人のゲノムを解析し、黄河流域集団と関連する遺伝的祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)が優勢であるものの、在来集団的な祖…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヨーロッパ最古級のホモ属の顔面を報告した研究(Huguet et al., 2025)が公表されました。ヨーロッパ西部における最初の人類がどの系統で、その身体的特徴はどのようなものだったのか、また、そうした人類がいつどこで暮らしていたのかは、前期更新世のユーラシアにおける人類の定着についての研究では…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、狩猟採集民の地中海における航海についての研究(Scerri et al., 2025)が公表されました。マルタ諸島は地中海で最も遠隔な小島群の一つで、シチリア島の沿岸から約100キロメートル離れた場所に位置しており、シチリア島とは13000年前頃に沈んだ陸橋によってつながっていた、と推測されていいま…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、人類の二足歩行の進化に関する研究(Senevirathne et al., 2025)が公表されました。二足歩行はヒトを特徴づける形質です。二足歩行を可能にしている、なじみ深い御椀形の骨盤では、体の側面に沿って湾曲した短い幅広の腸骨翼が歩行を安定させ、内臓器官や大きな脳と広い肩幅の胎児を支えています…
ユーラシア東部南方の崖に吊るされた棺の被葬者のゲノムデータを報告した研究(Zhou et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、おもに中国南西部とタイを対象に、ユーラシア東部南方で見られる埋葬慣行である、崖に吊るされた棺(Hanging Co…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、協力を生む複合的な機構に関する研究(Efferson et al., 2024)が公表されました。ヒトが行なう1回限りの協力に関して、繰り返し相互作用による説明と、集団の競争による説明があります。繰り返し相互作用から得られる説明は、直観には反するものの正統的です。一方、集団間の競争から得られ…
最近のアジア東部人類集団の重要な古代ゲノム研究に関する解説(Peng et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文はおもに、今年(2025年)公表された、中華人民共和国雲南省で発見された古代人のゲノムデータを報告した研究[12]と、黄河および長江…
ヒマラヤの2300年前頃以降の人類の新たなゲノムデータを報告した研究(Bandyopadhyay et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、インド北部のヒマラヤ山脈の2300~100年前頃の7個体および現代人10個体と、ネパールのヒマラヤ中…
クリミア半島のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)に関する研究(Pigott et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、クリミア半島で発見された動物の骨を、新たな動物考古学的手法でヒト科と同定し、放射性炭素年代測…
ヒト進化研究ヨーロッパ協会第15回総会で、アフリカ東部の初期ホモ属化石に関する研究(Blasi-Toccacceli et al., 2025)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます(P26)。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。ホモ属は280万~190万年前頃の間に…
初期オホーツク文化関連個体のゲノムデータを報告した研究(Sato et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、浜中2遺跡で発見された、オホーツク文化初期となる5~6世紀頃の女性1個体(NAT004)のゲノムデータを報告し、そのゲノムがカムチャ…
『日経サイエンス』2025年12月号に掲載された表題の記事を読みました。この記事は査読前論文(Watanabe et al., 2024)を取り上げており、私も昨年(2024年)5月にTwitterでこの論文について言及しました。Watanabe et al., 2024はざっと読んだだけですが、「縄文人」42個体のゲノム解析から、「…
チベット高原南部で発見された4400~3500年前頃の人類遺骸の新たなゲノムデータを報告した研究(Ran et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、チベット高原南部のマブ湖(Mabu Co)遺跡(Coはチベット語で湖の意味)で発見された44…
ユーラシア東部の現生人類(Homo sapiens)における種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)からの遺伝的影響を検証した研究(Yang et al., 2025)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、古代人と現代人を含めて、ユーラシア東部の…