先月(2026年9月)17~19日にかけてスペインのブルゴスで開かれたヒト進化研究ヨーロッパ協会第16回総会で、ベルギーのスクラディナ洞窟(Scladina Cave)で発見されたネアンデルタール人2個体の新たなミトコンドリアゲノムデータに関する研究(Abrams et al., 2026)が報告されました。[]は本論文の参考文献の番…
先月(2026年9月)17~19日にかけてスペインのブルゴスで開かれたヒト進化研究ヨーロッパ協会第16回総会で、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)のDNA(deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)に関する研究(Peyrégne et al., 2026)が報告されました。この研究の要約はPD…
先月(2026年9月)17~19日にかけてスペインのブルゴスで開かれたヒト進化研究ヨーロッパ協会第16回総会で、スペインのカタルーニャ州のジローナ(Girona)県のバニョラス(Banyoles)で発見された人類化石の遺伝学的研究(Szymanski et al., 2026)が報告されました。この研究の要約はPDFファイルで読めます…
古代ゲノムデータに基づく過去12000年間のアジア東部南西の人口史に関する研究(Bai et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。また、本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくはもっと狭くダイチン・グルン(大清帝…
黄河中流域の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくはもっと狭くダイチン・グルン(大清帝国、清王朝)の18省かもしれません…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、アジア東部の最初期ホモ属化石の年代を報告した研究(Tu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中華人民共和国湖南省の遺跡で発見されたホモ属化石が177万±8万年前までさかのぼることを示しました。これに…
先コロンブス期アマゾン南西部の土塁を報告した研究(Pärssinen et al., 2026)が公表されました。アマゾン川流域南西部では幾何学的形状を持つ土構造物が多数発見されており、これらは、植民地化以前に公共建造物を築く文化が存在していたことを示す証拠です。この知見は、アマゾン川流域の深遠な歴史と植民地化以前の都市性、そして、そ…
唐代の支配層のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、モンゴル南東部の農牧移行帯に位置する遺跡で発見された支配層の墓に葬られた38個体のゲノムデータを報告し、碑文も活用して家系図を再構築しています。当…
アジア東部北方の新石器時代人類集団の遺伝的構成と食性に関する研究(Zhang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。なお、以下の年代は基本的に較正されています。また、本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくは…
イングランド南西部の新石器時代~青銅器時代の人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Vuković et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、イングランド南西部の12ヶ所の遺跡で発見された紀元前3800~紀元前1400年頃の30個体のゲノムデ…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、ポーランドで発見されたネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)遺骸のミトコンドリアゲノムを報告した研究(Picin et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文の概要は、2年前(2024…
「縄文人」42個体のゲノムデータを報告した研究(Watanabe et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。「縄文時代」との時代区分や「縄文人」との表記には問題があるでしょうが、煩雑になるので、以下では「縄文時代」と「縄文人」を「」では括りません。本…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、鉄器時代イベリア半島北東部人類集団のゲノムデータを報告した研究(Cuesta-Aguirre et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、イベリア半島北東部の3ヶ所の遺跡で発見された22個体のゲノムデータを…
ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)の足の形態と歩行運動について、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Tsegai et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます…
縄文時代と弥生時代の人類の高品質なゲノムデータを報告した研究(Ishiya et al., 2026)が公表されました。日本語の解説記事もあります。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。なお、「縄文時代」との時代区分や「縄文人」との表記には問題があるでしょうし、それは「弥生時代」や「弥生人…
インドのヒマラヤ地域の古代人のゲノムデータを報告した研究(Patterson et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、インドのヒマラヤ地域の洞窟で発見された1500年前頃の人類遺骸10個体のゲノムデータを報告し、その遺伝的祖先系統(祖先系…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、現生人類(Homo sapiens)の分布におけるマラリアの影響についての研究(Colucci et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、カの分布と古気候データと疫学的データを組み合わせて、サハラ砂漠以南…
中華人民共和国寧夏回族自治区(以下、寧夏と省略)で発見された人類遺骸のゲノムデータを報告した研究(Chang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文の「年前」との年代表記は1950年が基準になっており、これは放射性炭素年代測定の基準年代が一…
ゴットランド島で発見された新石器時代個体のゲノムデータを報告した研究(Fraser et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。なお、以下の年代は基本的に較正されています。ゴットランド島では、紀元前3300~紀元前2800年頃に農耕民と狩猟採集民が共存…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、西ローマ帝国崩壊後のヨーロッパ中央部の人口動態に関する研究(Blöcher et al., 2026)が公表されました。本論文は、ローマ帝国の辺境だった現在のドイツ南部を中心に、ローマ帝国末期から古代末期となる4~7世紀の人口動態を古代ゲノムデータによって検証しています。ドイツ南部の古代人258個体…
ホモ・ナレディのプロテオーム(タンパク質の総体)解析結果を報告した研究(Madupe et al., 2026)が報道されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、南アフリカ共和国で発見された、中期更新世後半の小柄な人類であるホモ・ナレディの少なくとも20個体のプロテオーム解…
スキタイ人のゲノムデータを報告した研究(Ghalichi et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、スキタイ人の新規のゲノムデータと既知のゲノムデータを統合し、その社会構造を検証しています。スキタイ人の遺伝的祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖…
スマトラ島で発見された古代人のゲノムデータを報告した研究(Xu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、スマトラ島北部で発見された3300年前頃と1700年前頃の人類遺骸のゲノムデータを報告し、既知のアジア南東部島嶼部の古代人19個体のゲ…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、パラオの古代人のゲノムデータを報告した研究(Liu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、パラオの2900~500年前頃の4ヶ所の遺跡から発見された21個体のゲノムデータを報告し、この21個体全員が、…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、おもに中国で発見された更新世の人類化石についての研究(Yang et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、おもに中国を対象に、アジア東部の更新世の人類進化史を、形態学(化石)と考古学の観点から検証し、分子…
中国で発見された中期更新世ホモ属のタンパク質を報告した研究(Fu et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、中国で発見されてホモ・エレクトスに分類されている中期更新世の化石6点から、エナメル質タンパク質の解析に成功しました。その結果、これら…
ヒト科の腰椎発生について、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Wang et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P200)。この研究は、さまざまなヒト科の異なる発達段階の腰椎を、…
中期更新世ヨーロッパの人類における埋葬の可能性について、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Harvati et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P75)。ギリシア南部のマニ半…
インド北部の洞窟で発見された6世紀の人類遺骸のミトコンドリアゲノムを報告した研究(Kumar et al., 2026)が公表されました。[]は本論文の参考文献の番号で、当ブログで過去に取り上げた研究のみを掲載しています。本論文は、インド北部の6世紀の人類遺骸の母系が多様で、アジアの東部や中央部や南部と関連しており、文化的融合を示唆し…
霊長類における食性の変化に伴う歯の適応に関する研究(Gilbert et al., 2026)が公表されました。エナメル質は歯を覆う組織で、脊椎動物の体で最も硬い組織であるとともに、ナノメートルからミリメートルに及ぶ複雑なマルチスケール構造を有しています。その構造は、幅50~70 ナノメートル、長さ数マイクロメートルの細長いヒドロキシ…
新石器時代の食人行為を報告した研究(Saladié et al., 2025)が公表されました。イベリア半島には、集団埋葬や死後の遺体の再分配を含む多様な埋葬慣習の記録が残っています。イベリア半島における人肉食の事例は100万年前頃までさかのぼるかもしれませんが、当時の文化慣習の曖昧さや埋葬条件の不確実性から、人体処理の直接的な証拠は…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、オーストラリアにおける12000年前頃の儀式の痕跡を報告した研究(David et al., 2024)が公表されました。文字のない社会において、民族誌的に知られている儀式が数百年以上にわたって考古学的にさかのぼることは稀で、古代の儀式の歴史的記録は、世代を超えて伝えられていく間に変化してい…
取り上げるのがたいへん遅れてしまいましたが、上部旧石器時代ヨーロッパにおけるクジラの骨の利用を報告した研究(McGrath et al., 2025)が公表されました。沿岸地域に住んでいた古代の人類は、クジラを資源として利用していた可能性が高い、と考えられています。しかし、先史時代の沿岸遺跡は脆弱で海面上昇の影響を受けやすく、先史時代…
昨年(2025年)9月に「縄文時代」についての備忘録を掲載しましたが、その後、Twitterで投稿した断片的な情報や私見を短くまとめておきます。なお、以下では、千年前の略称としてK(kilo years ago、千年前)を用います。Twitterで検索すると、「縄文文化」は「南方系」と断定する投稿も見かけますが、かなり問題がある認識と…
アリューシャン列島の古代人のゲノムデータが、今年(2026年)3月18日~21日にかけてアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催された第95回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Hay et al., 2026)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P78)。この研究は、ヨーロッパ人との接触前の個体…
取り上げるのが遅れてしまいましたが、初期人類の環境に関する研究(Bromage et al., 2026)が公表されました。代謝プロファイリングの科学では、代謝物と呼ばれる代謝の副産物として生じる化合物を利用して、内的な生物学的機能や生理学的な健康と疾患を説明し、生物の生息環境に特有の外的影響の証拠が示されま。本論文は、古生物とその環…