大河ドラマ『どうする家康』第8回「三河一向一揆でどうする!」

 今回は、徳川(松平)家康にとって生涯でも有数の危機だったと思われる三河一向一揆の勃発が描かれました。前回、三河一向一揆へと至る過程と三河の真宗(一向一揆)寺院の内情が描かれていたので、三河一向一揆への展開にも説得力があったように思います。同じく家康を主人公とする1983年の大河ドラマ『徳川家康』では、三河一向一揆はあっさりとした描写だったように記憶していますが、本作はより詳しく描くようです。長命で事蹟や逸話がよく知られている家康の生涯を1年の大河ドラマで描くとなると、どこかを詳しく取り上げ、どこかを省略もしくは簡潔にすませる必要があるわけで、その選択が本作の評価にも関わってくるでしょう。本作は1983年の大河ドラマ『徳川家康』よりも家康の少年時代の描写が少ないというか、回想ですませており、その分、三河一向一揆により時間を割く方針のようです。

 三河一向一揆は、家康の家臣でも一揆側に加わった者がいた点で、家康の危機だったわけですが、今回最大の注目は、一揆側に策士として本多正信が加わっていたことです。正信はまず間違いなく最終回まで登場するだけに、一揆側への加担が全国でも有数の大名から天下人へと駆け上がっていく家康との関係とどう結びついてくるのか、また一揆側に加担した理由も含めて正信の人物像がさらに詳らかになるのではないか、との観点からも注目していました。これまでの描写からは、正信が信仰心から一揆側に加担するようには思えませんでしたが、今回その動機までは描かれませんでした。次回は正信の出番が多そうなので、正信の真意が明かされるのかどうか、注目されます。

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