初期真核生物の生息環境
初期真核生物の生息環境に関する研究(Lechte et al., 2026)が公表されました。真核細胞の進化は、地球上の全ての複雑な生命の出現への道を開きました。その重要性にもかかわらず、初期の真核生物の進化がどのような環境で起こったのかは、ほとんど分かっていません。本論文は、地質記録を用いて、既知で最古となる約17億5000万~14億年前の一連の化石真核生物の生息環境を復元しました。古生物学と堆積学と地球化学を統合した解析の結果、これらの化石真核生物は、沿岸から沖合に至るさまざまな環境で堆積した試料に見つかるものの、そのほぼ全てが、酸素化された底層水を伴う環境に由来する試料に限定されている、と分かりました。この分布は、これらの生物が好気性生物(偏性好気性生物、通性好気性生物および/もしくは微好気性生物)であったことを示唆しており、それらの大きさと形態的な複雑さから、おそらくミトコンドリアを有していた、と考えられます。
さらに、他の化石を産出する無酸素試料においてこうした化石真核生物がほとんど見つからないことから、これらの真核生物は底生性だった、と示唆されます。浮遊性の真核生物であれば、有酸素試料と無酸素試料の両方に存在すると予想されるためです。本論文は、真核生物の大部分が、原生代の大半にわたって有酸素の底生環境に限定されており、新原生代(約10億~5億4000万年前)になって初めて浮遊環境へと拡大した、と提案します。この遅い生態的拡大によって、真核生物の体化石と分子生物指標化合物の出現時期の不一致と、新原生代における真核生物多様性の段階的な増加が説明できるかもしれません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:初期の化石真核生物は底生の好気性生物だった
古生物学:最古の真核生物の生息環境
約17億5000万年前に生きていた既知最古の真核生物は、主に酸素化した底層水に限定されており、新原生代(10億〜5億4000万年前)になって初めて、そうした底生環境から浮遊環境へと拡大したことが、今回示された。
参考文献:
Lechte MA. et al.(2026): Early fossil eukaryotes were benthic aerobes. Nature, 655, 8123, 670–675.
https://doi.org/10.1038/s41586-026-10533-4
さらに、他の化石を産出する無酸素試料においてこうした化石真核生物がほとんど見つからないことから、これらの真核生物は底生性だった、と示唆されます。浮遊性の真核生物であれば、有酸素試料と無酸素試料の両方に存在すると予想されるためです。本論文は、真核生物の大部分が、原生代の大半にわたって有酸素の底生環境に限定されており、新原生代(約10億~5億4000万年前)になって初めて浮遊環境へと拡大した、と提案します。この遅い生態的拡大によって、真核生物の体化石と分子生物指標化合物の出現時期の不一致と、新原生代における真核生物多様性の段階的な増加が説明できるかもしれません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:初期の化石真核生物は底生の好気性生物だった
古生物学:最古の真核生物の生息環境
約17億5000万年前に生きていた既知最古の真核生物は、主に酸素化した底層水に限定されており、新原生代(10億〜5億4000万年前)になって初めて、そうした底生環境から浮遊環境へと拡大したことが、今回示された。
参考文献:
Lechte MA. et al.(2026): Early fossil eukaryotes were benthic aerobes. Nature, 655, 8123, 670–675.
https://doi.org/10.1038/s41586-026-10533-4
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