ヘビ類の起源に近いジュラ紀の新たな化石有鱗類

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヘビ類の起源に近いジュラ紀の新たな化石有鱗類を報告した研究(Benson et al., 2025)が公表されました。有鱗類(トカゲ類とヘビ類)は約12000の現生種から構成されており、その生態はひじょうに多様で、クラウン群の起源は約1億9000万年前にさかのぼります。形態的特徴と分子系統学的特徴の間に見られる不一致は、有鱗類の初期進化における解剖学的構造の変容の複雑なパターンの存在を示していますが、初期の化石分類群が乏しいため、まだほとんど解明されていません。

 本論文は、スコットランドで発見された中期ジュラ紀(約1億6700万年前)の新たな骨格に基づいて、新属新種ブレウグナサイル・エルゴレンシス(Breugnathair elgolensis)を報告します。この骨格化石は、比較的完全な化石有鱗類標本の中では最も古いものの一つです。ブレウグナサイル・エルゴレンシスは、ヘビ類の起源に重要である可能性のある謎めいた新たな科である、パルビラプトル科(Parviraptoridae)に位置づけられました。この分類群は、これまではひじょうに不完全な化石標本からしか知られていませんでした。

 ブレウグナサイル・エルゴレンシスは、現生の分類群には存在しないようなモザイク状の解剖学的形質を示し、頭骨や骨格の比率はオオトカゲ類のものに類似しますが、歯と顎の特徴はヘビ類に似ており、ヤモリ類のような初期に分岐した分類群と共通する原始的形質も併せ持つ。複数のデータセットの系統解析からは、パルビラプトル類が、初期の有毒有鱗類(そして可能性としてはステム群ヘビ類)あるいは摂餌に関連してヘビ様の歯と下顎の形質を収斂的に進化させたステム群有鱗類のどちらかである、という矛盾する結果が得られました。これらの知見は、有鱗類の初期放散において高度な成因的相同と実験があったことを示しており、深い進化的分岐の間に起きた収斂的な形態的変容の潜在的な重要性を浮き彫りにしています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


古生物学:初期の化石有鱗類におけるモザイク状の解剖学的構造

古生物学:ヘビ類の起源に近いジュラ紀の新たな化石有鱗類

 今回、スコットランドで発見された中期ジュラ期の新たな化石は、トカゲに似た絶滅動物群パルビラプトル類(parviraptorid)に分類された。この化石標本は、ヘビ類の起源という複雑な問題を解明するのに役立つ可能性があるが、さらなる混乱を招くことも考えられる。



参考文献:
Benson RBJ. et al.(2025): Mosaic anatomy in an early fossil squamate. Nature, 647, 8090, 673–679.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09566-y

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