大河ドラマ『豊臣兄弟!』第15回「姉川大合戦」

 今回は、有名な姉川合戦が描かれました。おそらく姉川合戦は、織田信長と木下(羽柴)秀吉(藤吉郎)にとって生涯でも有数の規模の野戦だったでしょうが、徳川家康も参陣していたため、いわゆる戦国の三傑全員が揃って直接的に関わった大規模な野戦ということで、これまでの大河ドラマでもたびたび描かれてきました。姉川合戦は、本能寺の変ほど視聴者から注目されているわけではないでしょうが、それでも戦国時代の野戦としては知名度が高そうなだけに、どう描くのか、大河ドラマも含めて各創作で腕の見せ所とも言えそうで、本作ではどう描かれるのか、注目していました。

 姉川合戦は通俗的に、織田軍が兵数の少ない浅井軍、徳川軍が兵数の多い朝倉軍と対峙し、織田軍が苦戦していたところを、徳川軍の奮戦で何とか勝った、と考えられているように思います。こうした姉川合戦に関する認識も、尾張兵は弱く、三河兵は強い、との通俗的印象を形成したのかもしれず、それはゲームなどによって強化された側面もありそうです。たとえば、『天下統一』では、初代で尾張というか織田の初期編成係数が低く、2では尾張の兵質は最低の50に設定されていました(三河の兵質は80、兵質の最高値は薩摩と伊賀の100)。

 基本的には通俗的印象に準拠しつつ、捻りを加えてくる傾向がある本作では、姉川合戦がどう描かれるのか、注目していましたが、小一郎が主人公で、「豊臣兄弟」が市から信頼されている設定だけに、小一郎が藤吉郎とともに織田と浅井の戦いを回避すべく動き、それでも市の覚悟は変わらず、合戦となりました。本作では、「豊臣兄弟」と信長および市の兄妹の対比が柱の一つになっており、市の存在感が大きくなっています。合戦の経緯は、織田軍が苦戦する中で、徳川家康が信長の指示によって奇襲し、形勢が逆転した、というもので、通俗的な姉川合戦観を踏まえたものになっていましたが、遠藤直経が浅井長政の偽りの首を献上し、信長を殺害しようとした意図を見抜いたのが藤吉郎で、小一郎たちが遠藤直経を討ち取ったところなど、捻ってくるというか、主人公を活躍させる工夫が見られました。創作として、このくらいはご愛嬌でしょうか。藤堂高虎は今回が初登場で、後半には重要な役割を担いそうなので、再登場がいつになるのか、注目しています。

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