鳥類の飛行の起源に先行する獣脚類の手根の再編成
取り上げるのが遅れてしまいましたが、獣脚類の手根に関する研究(Napoli et al., 2025)が公表されました。鳥類の手根(手首)には複雑な進化史があり、それには手根骨の縮小を伴っていたことが以前から知られていて、最近では、1個の手根骨(尺側手根骨)の別の手根骨(豆状骨)によるトポロジカルな置き換わりが含まれることも示されています。この豆状骨は、飛行中の遠位翼端の安定化に極めて重要な役割を担っており、翼の動きを「自動化」する運動学的な統合を手助けします。最初期の獣脚類恐竜を除いて、すべての獣脚類恐竜では豆状骨が見かけ上存在しないことから、豆状骨は獣脚類の進化の初期に失われ、その後鳥類でのみ飛行の起源の重要な段階として再び獲得された。と提唱されています。
本論文は、モンゴルのゴビ砂漠で発見された、新たな2点の獣脚類恐竜標本の前肢の骨格について報告します。どちらの試料にも豆状骨が保存されており、鳥類に加えてオヴィラプトロサウルス類とトロオドン類でも豆状骨の存在が明らかになりました。これらの試料に照らして、既報の試料を再解釈したところ、ミクロラプトルやアンボプテリクスやアンキオルニスといった獣脚類の幅広い種で豆状骨が見つかりました。
本論文の結果は、羽盗類(Pennaraptora)単系統群の起源より前に尺側手根骨が豆状骨に置き換わったことを示しており、これは系統学的に、鳥類とそれに最も近縁な種の飛行に関する仮説上の起源の時期とも一致します。まとめると、本論文の結果は、尺側手根骨から豆状骨への置換は恐竜類の飛行器官の組み立ての最終段階で、これは鳥類に限定的な新規軸ではなく、獣脚類恐竜の飛行の起源に近い時期に起こったことを示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:獣脚類の手根の再編成は鳥類の飛行の起源に先立っていた
古生物学:鳥類以前から手根の再編が起きていた
鳥類の手根(手首)にある豆状骨と呼ばれる小さな骨は、飛行中の翼の安定化を補助し、脱臼を防ぐ留め具のような役割をしている。今回、複数の非鳥類型獣脚類恐竜で骨化した豆状骨の存在を示す新たな証拠が見つかったことで、その興味深い歴史が浮き彫りになった。
参考文献:
Napoli JG. et al.(2025): Reorganization of the theropod wrist preceded the origin of avian flight. Nature, 644, 8077, 699–705.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09232-3
本論文は、モンゴルのゴビ砂漠で発見された、新たな2点の獣脚類恐竜標本の前肢の骨格について報告します。どちらの試料にも豆状骨が保存されており、鳥類に加えてオヴィラプトロサウルス類とトロオドン類でも豆状骨の存在が明らかになりました。これらの試料に照らして、既報の試料を再解釈したところ、ミクロラプトルやアンボプテリクスやアンキオルニスといった獣脚類の幅広い種で豆状骨が見つかりました。
本論文の結果は、羽盗類(Pennaraptora)単系統群の起源より前に尺側手根骨が豆状骨に置き換わったことを示しており、これは系統学的に、鳥類とそれに最も近縁な種の飛行に関する仮説上の起源の時期とも一致します。まとめると、本論文の結果は、尺側手根骨から豆状骨への置換は恐竜類の飛行器官の組み立ての最終段階で、これは鳥類に限定的な新規軸ではなく、獣脚類恐竜の飛行の起源に近い時期に起こったことを示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:獣脚類の手根の再編成は鳥類の飛行の起源に先立っていた
古生物学:鳥類以前から手根の再編が起きていた
鳥類の手根(手首)にある豆状骨と呼ばれる小さな骨は、飛行中の翼の安定化を補助し、脱臼を防ぐ留め具のような役割をしている。今回、複数の非鳥類型獣脚類恐竜で骨化した豆状骨の存在を示す新たな証拠が見つかったことで、その興味深い歴史が浮き彫りになった。
参考文献:
Napoli JG. et al.(2025): Reorganization of the theropod wrist preceded the origin of avian flight. Nature, 644, 8077, 699–705.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09232-3
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