既知で最古の鱗竜類と鱗竜類の摂餌適応の起源
取り上げるのが遅れてしまいましたが、既知で最古の鱗竜類と鱗竜類の摂餌適応の起源に関する研究(Marke et al., 2025)が公表されました。鱗竜類は、陸上に生息する脊椎動物の中で最も種数の多い生物群である。この生物群には、約1万2000種のトカゲ類とヘビ類(有鱗類)、およびニュージーランドに生息する1種のムカシトカゲ類(Sphenodon punctatus)が含まれます。有鱗類の繁栄は、一般に体サイズが小さいことに加えて、頭骨が高度に可動性で大型の被食者を巧みに処理できることに起因していました。しかし、トカゲ類とヘビ類の頭骨に見られるこれらの重要な特徴はムカシトカゲには認められず、両者の共通祖先の本質を理解することが重要となっています。鱗竜類の起源は三畳紀(約2億5200万~2億100万年前)にさかのぼりますが、化石が不完全で、その多くが有鱗類でもムカシトカゲ類でもない、より広範な鱗竜形類のものであるため、混乱が生じています。
本論文は、イギリスのデボン州の中期三畳紀(アニシアン期)のヘルスビー砂岩層(Helsby Sandstone Formation)から出土した、確実なムカシトカゲ類のかなり完全な状態の頭骨および骨格を報告します。これは、以前に知られていた最古の鱗竜類よりも約300万~700万年古い化石です。この新種は、予想通り頭骨は非可動性ですが、下側頭弓は開いていて、大きな口蓋歯を持たず、昆虫に特化した食性だった、と考えられます。この標本は、現代型の陸上生態系が出現した「三畳紀革命(Triassic Revolution)」の一環としての、鱗竜類の初期の多様化を理解する一助となります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。
古生物学:トカゲのような生物の起源をさらに遡る
英国デヴォン州で発見された約2億4,400万~2億4,150万年前の極めて小型なトカゲのような化石が、現存最古の鱗竜類(lepidosaurs)の仲間である可能性が浮上した。今週のNature にオープンアクセスで掲載されるこの発見は、爬虫類進化をめぐる議論に新たな決着をもたらし、この多様で巨大な動物グループの起源に光を当てる成果となる。
トカゲは、陸上脊椎動物で最も種が豊富なグループ、鱗竜類(Lepidosauria)に属する。このグループには約1万2,000種のトカゲとヘビ(有鱗目;Squamata)に加え、絶滅したムカシトカゲ目(Rhynchocephalia)の唯一の現生種であるニュージーランドのトゥアタラ(ムカシトカゲ;tuatara)が含まれる。有鱗目は、可動性の頭蓋骨を持ち、下側頭骨条が開放されている。これは顎筋の付着点を提供する骨構造である。しかし、トゥアタラはより硬直した頭蓋骨と閉鎖した下側頭骨条を有する。こうした相違点により、両者の共通祖先がどのような形態であったかを解明することが困難であった。
Michael Bentonら(ブリストル大学〔英国〕)は、デヴォン州の中期三畳紀ヘルズビー砂岩層(Middle Triassic Helsby Sandstone Formation of Devon)から発見された、現存する最古の鱗竜類より300~700万年古い、比較的完全なムカシトカゲ目の頭蓋骨と骨格を報告した。新種の頭蓋骨は、可動性のない頭蓋骨と開放性の下側頭弓、大きな円錐形の刺突歯、および比較的大きな眼窩など、複数の特徴を併せ持つ。これらの特徴から、この小型爬虫類は主に大型で素早い昆虫(ゴキブリやバッタなど)を捕食するために特化した昆虫食性動物だったと推察される。広い顎の開口域を備えていたことで、この爬虫類は獲物を素早く強い力で噛みつき、しっかりと押さえつけ、噛み切った後は舌で巧みに操って飲み込むことができたと考えられる。
古生物学:既知最古の鱗竜類と鱗竜類の摂餌適応の起源
古生物学:鱗竜類の起源を示す三畳紀のムカシトカゲ
今回、英国デボン州で中期三畳紀のトカゲに似た生物の小さな化石が発見され、陸生脊椎動物最大の生物群である鱗竜類(トカゲ類とヘビ類、ムカシトカゲ類)の起源の解明に役立つ手掛かりが得られた。
参考文献:
Marke D. et al.(2025): The oldest known lepidosaur and origins of lepidosaur feeding adaptations. Nature, 647, 8090, 663–672.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09496-9
本論文は、イギリスのデボン州の中期三畳紀(アニシアン期)のヘルスビー砂岩層(Helsby Sandstone Formation)から出土した、確実なムカシトカゲ類のかなり完全な状態の頭骨および骨格を報告します。これは、以前に知られていた最古の鱗竜類よりも約300万~700万年古い化石です。この新種は、予想通り頭骨は非可動性ですが、下側頭弓は開いていて、大きな口蓋歯を持たず、昆虫に特化した食性だった、と考えられます。この標本は、現代型の陸上生態系が出現した「三畳紀革命(Triassic Revolution)」の一環としての、鱗竜類の初期の多様化を理解する一助となります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。
古生物学:トカゲのような生物の起源をさらに遡る
英国デヴォン州で発見された約2億4,400万~2億4,150万年前の極めて小型なトカゲのような化石が、現存最古の鱗竜類(lepidosaurs)の仲間である可能性が浮上した。今週のNature にオープンアクセスで掲載されるこの発見は、爬虫類進化をめぐる議論に新たな決着をもたらし、この多様で巨大な動物グループの起源に光を当てる成果となる。
トカゲは、陸上脊椎動物で最も種が豊富なグループ、鱗竜類(Lepidosauria)に属する。このグループには約1万2,000種のトカゲとヘビ(有鱗目;Squamata)に加え、絶滅したムカシトカゲ目(Rhynchocephalia)の唯一の現生種であるニュージーランドのトゥアタラ(ムカシトカゲ;tuatara)が含まれる。有鱗目は、可動性の頭蓋骨を持ち、下側頭骨条が開放されている。これは顎筋の付着点を提供する骨構造である。しかし、トゥアタラはより硬直した頭蓋骨と閉鎖した下側頭骨条を有する。こうした相違点により、両者の共通祖先がどのような形態であったかを解明することが困難であった。
Michael Bentonら(ブリストル大学〔英国〕)は、デヴォン州の中期三畳紀ヘルズビー砂岩層(Middle Triassic Helsby Sandstone Formation of Devon)から発見された、現存する最古の鱗竜類より300~700万年古い、比較的完全なムカシトカゲ目の頭蓋骨と骨格を報告した。新種の頭蓋骨は、可動性のない頭蓋骨と開放性の下側頭弓、大きな円錐形の刺突歯、および比較的大きな眼窩など、複数の特徴を併せ持つ。これらの特徴から、この小型爬虫類は主に大型で素早い昆虫(ゴキブリやバッタなど)を捕食するために特化した昆虫食性動物だったと推察される。広い顎の開口域を備えていたことで、この爬虫類は獲物を素早く強い力で噛みつき、しっかりと押さえつけ、噛み切った後は舌で巧みに操って飲み込むことができたと考えられる。
古生物学:既知最古の鱗竜類と鱗竜類の摂餌適応の起源
古生物学:鱗竜類の起源を示す三畳紀のムカシトカゲ
今回、英国デボン州で中期三畳紀のトカゲに似た生物の小さな化石が発見され、陸生脊椎動物最大の生物群である鱗竜類(トカゲ類とヘビ類、ムカシトカゲ類)の起源の解明に役立つ手掛かりが得られた。
参考文献:
Marke D. et al.(2025): The oldest known lepidosaur and origins of lepidosaur feeding adaptations. Nature, 647, 8090, 663–672.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09496-9
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