真核生物の起源
取り上げるのが遅れてしまいましたが、真核生物の起源に関する研究(Zhang et al., 2025)が公表されました。アスガルドアーキアの形態と生理とゲノミクスの研究によって、真核生物の進化史に関する貴重な手がかりが得られています。以前の研究で、真核生物は古細菌のヘイムダルアーキア綱(Heimdallarchaeia)内に含まれる、と示唆されましたが、アスガルドアーキア内での正確な系統学的位置についてはまだ議論が続いており、その結果、真核生物の初期の祖先の代謝の特徴や時間規模の理解が困難になっています。
この研究は、これまで報告されていなかった、新たなアスガルドアーキアの223例のほぼ完全なメタゲノムアセンブルゲノムを作成しました。その結果、属水準以上で16の新しい系統が特定され、これによって、アスガルドアーキアの既知の系統学的多様性が大幅に拡大されました。いくつかのマーカーセットを含む、この拡大されたゲノムデータセットのひじょうに高度な系統ゲノム学的解析により、真核生物は、ヘイムダルアーキア綱内でホドアーキア目(Hodarchaeales)と姉妹系統の関係にあるのではなく、試料が得られた全てのヘイムダルアーキア綱の多様化より前に進化した、と推定されました。
こうした真核生物の位置づけの違いは、おそらくこれまで正しく評価されていなかったニョルズアーキア目(Njordarchaeales)のゲノムのキメラ性に起因しており、本論文は、これがアスガルドアーキアとTACK上門の古細菌(アスガルドアーキアの姉妹門)の両方の塩基配列からなることを明らかにしました。祖先の系統の再構築と分子年代測定を用いることで、アスガルドアーキアと真核生物の最終共通祖先(LAECA)は、大酸化事象の前に生じた、おそらく嫌気性の水素(H₂)依存性酢酸生成生物だった、と推定されました。本論文の知見は、真核生物がH₂を消費するアーキア宿主とH₂を生成するプロトミトコンドリアの融合から生じた、とする真核生物誕生過程(eukaryogenesis)の水素仮説を裏づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
系統発生学:アスガルドアーキオータ門内のヘイムダルアーキア綱外に位置付けられた真核生物の深い起源
系統発生学:アーキアゲノムから真核生物誕生の過程を探る
今回、アスガルドアーキアのメタゲノム試料採取が拡大され、系統ゲノム学的解析から、真核生物がヘイムダルアーキア綱(Heimdallarchaeia)の多様化以前に進化したことが示唆された。この研究では、真核生物とアスガルドアーキアの分岐は大酸化イベント前に位置付けられている。
参考文献:
Zhang J. et al.(2025): Deep origin of eukaryotes outside Heimdallarchaeia within Asgardarchaeota. Nature, 642, 8069, 990–998.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-08955-7
この研究は、これまで報告されていなかった、新たなアスガルドアーキアの223例のほぼ完全なメタゲノムアセンブルゲノムを作成しました。その結果、属水準以上で16の新しい系統が特定され、これによって、アスガルドアーキアの既知の系統学的多様性が大幅に拡大されました。いくつかのマーカーセットを含む、この拡大されたゲノムデータセットのひじょうに高度な系統ゲノム学的解析により、真核生物は、ヘイムダルアーキア綱内でホドアーキア目(Hodarchaeales)と姉妹系統の関係にあるのではなく、試料が得られた全てのヘイムダルアーキア綱の多様化より前に進化した、と推定されました。
こうした真核生物の位置づけの違いは、おそらくこれまで正しく評価されていなかったニョルズアーキア目(Njordarchaeales)のゲノムのキメラ性に起因しており、本論文は、これがアスガルドアーキアとTACK上門の古細菌(アスガルドアーキアの姉妹門)の両方の塩基配列からなることを明らかにしました。祖先の系統の再構築と分子年代測定を用いることで、アスガルドアーキアと真核生物の最終共通祖先(LAECA)は、大酸化事象の前に生じた、おそらく嫌気性の水素(H₂)依存性酢酸生成生物だった、と推定されました。本論文の知見は、真核生物がH₂を消費するアーキア宿主とH₂を生成するプロトミトコンドリアの融合から生じた、とする真核生物誕生過程(eukaryogenesis)の水素仮説を裏づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
系統発生学:アスガルドアーキオータ門内のヘイムダルアーキア綱外に位置付けられた真核生物の深い起源
系統発生学:アーキアゲノムから真核生物誕生の過程を探る
今回、アスガルドアーキアのメタゲノム試料採取が拡大され、系統ゲノム学的解析から、真核生物がヘイムダルアーキア綱(Heimdallarchaeia)の多様化以前に進化したことが示唆された。この研究では、真核生物とアスガルドアーキアの分岐は大酸化イベント前に位置付けられている。
参考文献:
Zhang J. et al.(2025): Deep origin of eukaryotes outside Heimdallarchaeia within Asgardarchaeota. Nature, 642, 8069, 990–998.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-08955-7
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