大河ドラマ『豊臣兄弟!』第4回「桶狭間!」

 今回は桶狭間の戦いが描かれました。桶狭間の戦いも本能寺の変とともに大河ドラマの定番で、本作の主人公である小一郎(羽柴秀長)もその兄の藤吉郎(羽柴秀吉)も、桶狭間の戦いのさいにどこにいて何をしていたのか伝える、確実な史料はないでしょうから、創作の余地が大きいと言えます。それだけに、脚本家の力量が問われるとも言えるわけで、本作の評価を決める要素の一つになりそうですし、序盤で描かれるだけに、今後の視聴率にも大きく影響を及ぼすのではないか、と思われます。

 近年の桶狭間の戦いに関する研究の進展を把握していないので、今回の桶狭間の戦いの描写が最新の研究をどこまで取り入れているのか、分かりませんが、織田信長も今川義元も互いを討ち取ろうと考えていました。正直なところ、信長も義元も大将首を討ち取るところまでは考えていなかったように思いますが、実際にどうだったとしても、今回の描写は創作としてさほど問題はなかったと思います。前回、今川方への寝返りを画策していた佐久間盛重は、丸根砦を守っており、松平元康(徳川家康)に攻め立てられ、今川方に寝返ろうと、松平元康に使者を出そうとしたものの、それを見抜いていた信長が、梁田政綱に命じて盛重を殺させ、その首を今川方に献じて首実検をさせることで、義元の居場所を把握しようと考えたようです。佐久間盛重を「推している」人がどれだけいるのか知りませんが、そうした人々は今回の描写に激怒したかもしれません。

 今回の桶狭間の戦いの描写は、主人公の小一郎とその兄である藤吉郎が、自軍の城戸小左衛門を父親である弥右衛門の仇として討ち取ろうと考えていたことが、これまでの大河ドラマにおける桶狭間の戦いの描写とは大きく異なっていたところでした。藤吉郎は城戸小左衛門を殺そうとして、織田方勝利のために小一郎に制止されたものの、城戸小左衛門は敵を次々と討ち取っていきながら、小一郎と藤吉郎の前であっさりと討ち死にします。小一郎は藤吉郎に進言して、敵の首を討ち取ったのは自分たちではなく城戸小左衛門だった、と信長に証言しますが、そこに、小一郎と藤吉郎の父親から敵の首を奪った城戸小左衛門と、藤吉郎・小一郎兄弟の器の違いが浮き彫りになっている、という構図なのかもしれません。ここまでは保守的な作風のように思われますが、色々と工夫がみられ、陳腐にはなっていないように思うので、今後の展開にも期待しています。

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