年末の挨拶

 いよいよ2025年も終わりが近づいてきました。1年間この過疎ブログをお読みくださった方、さらには有益な情報を寄せてくださった方には感謝申し上げます。今年もロシアによるウクライナへの直接的な軍事侵略は続き、一昨年秋以降は中東情勢が悪化したうえに、今年1月に始動したアメリカ合衆国の第二次トランプ政権では、始動前から懸念されていたように、同盟国軽視と朝令暮改(トランプ大統領本人もその熱烈な支持者も、巧みな「取引」の手段と主張しそうですが)が酷く、国際情勢はますます不穏になっていった感があります。

 国内情勢もひじょうに暗く、株高となりましたが、一部の銘柄に牽引されているだけのように見えますし、世界における日本の相対的な衰退傾向は残念ながら今年も変わらなかったようです。私も日本国民の一人ですから、過疎ブログで嘆くだけではなく、何とか日本社会に貢献したい、との思いもありますが、能力だけではなく加齢もあってなかなか気力が理想に追いついていけません。国内政治では初の女性首相が誕生しましたが、正直なところ、この衰退傾向では誰が首相でも厳しいとは思います。まあそれでも、多少なりとも多くの日本国民にとってましな政治家を選んでいくしかありませんが。

 なお、政策や世界観や歴史認識などの点で高市首相は安倍元首相に近く、石破前首相とは違いが大きい、と一般的に考えられているようですが、性格というか個性とそれに基づく政治姿勢の類型としては、高市首相は安倍元首相より石破前首相の方にずっと近いように思います。さらに言えば、高市首相とは対照的と一般的には考えられているだろう辻元清美参院議員の方が、政治的手法や政治姿勢に基づく政治家の分類では、高市首相よりも安倍元首相に近いように思います。もちろん、政治家としては政策や世界観が重要になるわけで、安倍元首相支持の有権者が高市政権を支持することは不思議ではありませんが。正直なところ、首相としての手腕というか器量という点で、高市首相は安倍元首相には遠く及ばず、高市内閣の発足以降、地位が人を作ることもある点に期待するしかないかな、と考えてきましたが、高市内閣発足から2ヶ月経った現時点では、残念ながらこの点で大きな成長は期待できないように思います。

 個人生活では、スマホの買い替えなどでかなりの出費となったので、来年は節約を心がけるつもりです。個人的には、近年ではもう覚悟していたとはいえ、今年9月に露口茂さんが今年4月28日に93歳で亡くなった、と報道されたのには、最も好きな俳優だけにやはり落ち込みました。山口崇さんも今年4月18日に亡くなり、好きな俳優が亡くなるのはやはり寂しいものです。嬉しかったことでは、フォーエバーヤングのブリーダーズカップクラシック勝ちがあり、まさか日本馬が凱旋門賞より先にブリーダーズカップクラシックを勝つとは、10年前にはまったく予想していませんでした。

 国内情勢も国際情勢も暗い1年で、来年好転していくようには思えず、個人的にも色々と厳しい1年間となり、私生活も好転の見通しが立ちませんが、それでも今年1年間、色々と楽しめたこともあったのは確かで、来年も地道にしぶとく生き続けて、自分のやりたいことを続けられるよう、日々努めていくつもりです。まあ、大きく健康状態を損なわずに生きていけており、本格的な内戦や外国からの侵略がなく、自分のやりたいこともそれなりにやれているだけ、まだましと感謝すべきでしょうか。今年当ブログで取り上げた中でとくに面白かった本(再読を除きます)は、以下の通りです。

長谷川岳男『スパルタ 古代ギリシアの神話と実像』
https://sicambre.seesaa.net/article/202502article_8.html

本村凌二『地中海世界の歴史5 勝利を愛する人々 共和政ローマ』
https://sicambre.seesaa.net/article/202502article_15.html

白石典之『遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年』
https://sicambre.seesaa.net/article/202504article_12.html

岡本隆司『倭寇とは何か 中華を揺さぶる「海賊」の正体』
https://sicambre.seesaa.net/article/202504article_26.html

Ludovic Slimak『裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす』
https://sicambre.seesaa.net/article/202505article_10.html

本村凌二『地中海世界の歴史6 「われらが海」の覇権 地中海世界帝国の成立』
https://sicambre.seesaa.net/article/202505article_31.html

Peter Bellwood『500万年のオデッセイ 人類の大拡散物語』
https://sicambre.seesaa.net/article/202507article_26.html

筒井清忠『昭和期の陸軍』
https://sicambre.seesaa.net/article/202508article_16.html

髙杉洋平『帝国陸軍 デモクラシーとの相剋』
https://sicambre.seesaa.net/article/202508article_23.html

本村凌二『地中海世界の歴史7 平和と繁栄の宿命 パクス・ロマーナ』
https://sicambre.seesaa.net/article/202509article_6.html

Frans de Waal『サルとジェンダー 動物から考える人間の〈性差〉』は、現代社会において大きな意味を持つようになってきた「ジェンダー」について、広く霊長類の進化史の観点から考察しています。
https://sicambre.seesaa.net/article/202509article_13.html

国武貞克、佐藤宏之『南回り、北回りの遭遇、列島のホモ・サピエンス 新・日本旧石器文化の成立』
https://sicambre.seesaa.net/article/202510article_25.html

楊海英『中国共産党 歴史を書き換える技術』
https://sicambre.seesaa.net/article/202511article_1.html

池田嘉郎『悪党たちのソ連帝国』
https://sicambre.seesaa.net/article/202512article_20.html

本村凌二『地中海世界の歴史8 人類と文明の変容 「古代末期」という時代』
https://sicambre.seesaa.net/article/202512article_27.html

 これらのなかでもとくにお勧めなのは、Ludovic Slimak『裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす』です。なお、過去の面白かった本のまとめは以下の通りです。

(1)2010年4月以前
https://sicambre.seesaa.net/article/201004article_25.html

(2)2010年5月~2013年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/201401article_3.html

(3)2014年1月~2018年4月
https://sicambre.seesaa.net/article/201805article_24.html

(4)2018年5月~2019年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/201912article_51.html

(5)2020年1月~2020年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/202012article_41.html

(6)2021年1月~2021年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/202112article_33.html

(7)2022年1月~2022年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/202212article_31.html

(8)2023年1月~2023年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/202312article_31.html

(9)2024年1月~2024年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/202412article_31.html

この記事へのコメント

むめむめ
2025年12月31日 11:14
毎年面白かった本の紹介ありがとうございます。
図書館に行くときにいつも参考にしているので、本当に助かっています。
図書館にない本も多いですが、『裸のネアンデルタール人』は蔵書にもあったので年明けにさっそく借りて読んでみたいと思います。
管理人
2025年12月31日 14:56
『裸のネアンデルタール人』は本当に面白く、参考になりましたが、分野は異なるものの、著者には亡くなった東洋史研究者の杉山正明氏のような癖の強さもあるように思います。
まどか
2026年01月01日 01:24
興味ある古人類学の最新論文を自分でチェックする間もないので、こちらのブログを定期的にチェックさせていただいています。そうしてフェイクや根拠ない情報を撒き散らさないよう気をつけており、こちらで紹介された論文を引用してトンデモ論に反駁することもでき、とても役に立っていると思います。
感謝をお伝えしたくて書き込みました!
管理人
2026年01月01日 07:03
過疎ブログをお読みいただき、ありがとうございます。今年はできるだけ多くの古人類学関連の論文を取り上げていきたいものです。