大相撲秋場所千秋楽
今場所は、若隆景関の大関昇進とともに、2020年春場所以来となる横綱同士の対戦が実現するのか、注目していました。先場所は、豊昇龍関が5日目から途中休場、新横綱だった大の里関は終盤に優勝争いから脱落して11勝4敗だっただけに、両横綱の巻き返しに期待していました。今場所は両横綱が優勝争いを引っ張り、豊昇龍関は11日目まで全勝で、大の里関も4日目に伯桜鵬関に負けたものの、11日目まで1敗を守って豊昇龍関を追いかけ、両横綱の千秋楽結びの一番で優勝が決まるのかな、とも思いました。豊昇龍関は前半、相撲内容にやや安定感を欠いているように見えましたが、途中から相撲内容がよくなってきたように思えたので、大の里関には相性がよいだけに、今場所は豊昇龍関が優勝なのかな、と11日目までは思っていました。
しかし、豊昇龍関は12日目に安青錦関に負けると、13日目には琴櫻関にも負け、大の里関が1敗を守ったので、一気に苦しくなってしまいました。大の里関は14日目に琴櫻関との対戦が組まれましたが、琴櫻関が休場したため不戦勝となり、豊昇龍関が若隆景関に負けると、大の里関の優勝が14日目に決まってしまう展開となりました。豊昇龍関は連敗中で精神的に追い詰められたところがあったのか、若隆景関に立ち合いの変化で勝ち、優勝争いは千秋楽に持ち込まれました。精神状態は豊昇龍関より大の里関の方が安定しているように見えましたが、大の里関は豊昇龍関との実際の対戦で1回しか勝っていないだけに、豊昇龍関の逆転優勝もあるかな、と予想していました。5年振りとなる横綱同士の対戦となる千秋楽結びの一番(前回は2020年春場所の白鵬関と鶴竜関の千秋楽結びの一番)は、豊昇龍関が一方的に大の里関を突き出して勝ち、優勝決定戦となりました。大の里関は立ち合いに失敗したというか、豊昇龍関の立ち合いを警戒しすぎた感じで、あまりにも内容が悪く、負けた後の精神状態もよくないように見えたので、優勝決定戦も厳しいかな、と心配になりました。優勝決定戦では、大の里関が得意の右を差して寄り倒したものの、大の里関の手が先に着いたのではないか、と物言いがつき、協議の結果、軍配通り大の里関が勝ち、13勝2敗で、横綱として初となる、通算5回目の優勝を果たしました。
大の里関は現在最も贔屓にしている力士だけに、本割で負けた時には、内容が悪かっただけに心配しましたが、優勝したのは嬉しく、土俵際の詰めの甘さや引き癖なども、先場所までと比較して改善されているように思います。体格と力は当然ですが、この対応力の高さも大の里関の大きな武器になっているように思います。正直なところ、「相撲偏差値が低い」とも揶揄されていた大の里関の師匠である二所ノ関親方(稀勢の里関)の指導には今でも疑問を抱いているところがあり、たとえば大の里関が伊勢ヶ濱部屋だったら、もっと好成績を残しているのではないか、とも考えてしまいますが、大の里関の対応力と学習能力ならば、師匠の指導力が低くても大過ないのかもしれず、来場所以降は「一強」と呼ばれるくらいの活躍も期待しています。
若隆景関は大関昇進どころか勝敗と負け越してしまい、確かに今場所は全体的に相撲内容が悪かったとは思いますが、それにしても負け越しは意外で、やはり大関昇進の重圧が大きかったのでしょうか。若隆景関の大関昇進が完全に振り出しに戻ったので、現時点で大関に最も近いのは、今場所も11勝4敗として新入幕から4場所連続での二桁勝利となった安青錦関でしょう。安青錦関以外の三役陣は不振で、大関昇進の起点を来場所以降築かねばなりませんが、安青錦関は先場所、前頭筆頭で11勝4敗でしたから、来場所は12勝以上で横綱に勝つなど内容がよければ、一気に大関昇進もあるかもしれません。安青錦関は大の里関に2場所連続で完敗だったように、体格差のある力士に力で押されると圧倒されるところがあり、ここを克服していけば、近いうちに横綱に昇進しても不思議ではない、と思います。
来月には大相撲ロンドン公演が開催されるそうで、両横綱が優勝争いをずっと引っ張り、大の里関が優勝したのは、海外公演を前に何よりでした。日本国内の少子高齢化は深刻ですから、大相撲の今後も厳しいとは思いますが、海外も視野に入れつつ、何とか生き残ってもらいたいものです。ただ、おそらく八百長の頻度などで一昔前と比較して大相撲の環境が大きく変わっていると思われるのに、相撲協会の幹部はその点を考慮しているのか、疑問も残ります。一昔前と比較して八百長が激減しているのだとしたら、それだけ力士の負担も増えるわけで、大関や横綱への昇進、さらには昇進後の成績など、以前の基準で力士を判断するのには慎重になるべきでしょう。
しかし、豊昇龍関は12日目に安青錦関に負けると、13日目には琴櫻関にも負け、大の里関が1敗を守ったので、一気に苦しくなってしまいました。大の里関は14日目に琴櫻関との対戦が組まれましたが、琴櫻関が休場したため不戦勝となり、豊昇龍関が若隆景関に負けると、大の里関の優勝が14日目に決まってしまう展開となりました。豊昇龍関は連敗中で精神的に追い詰められたところがあったのか、若隆景関に立ち合いの変化で勝ち、優勝争いは千秋楽に持ち込まれました。精神状態は豊昇龍関より大の里関の方が安定しているように見えましたが、大の里関は豊昇龍関との実際の対戦で1回しか勝っていないだけに、豊昇龍関の逆転優勝もあるかな、と予想していました。5年振りとなる横綱同士の対戦となる千秋楽結びの一番(前回は2020年春場所の白鵬関と鶴竜関の千秋楽結びの一番)は、豊昇龍関が一方的に大の里関を突き出して勝ち、優勝決定戦となりました。大の里関は立ち合いに失敗したというか、豊昇龍関の立ち合いを警戒しすぎた感じで、あまりにも内容が悪く、負けた後の精神状態もよくないように見えたので、優勝決定戦も厳しいかな、と心配になりました。優勝決定戦では、大の里関が得意の右を差して寄り倒したものの、大の里関の手が先に着いたのではないか、と物言いがつき、協議の結果、軍配通り大の里関が勝ち、13勝2敗で、横綱として初となる、通算5回目の優勝を果たしました。
大の里関は現在最も贔屓にしている力士だけに、本割で負けた時には、内容が悪かっただけに心配しましたが、優勝したのは嬉しく、土俵際の詰めの甘さや引き癖なども、先場所までと比較して改善されているように思います。体格と力は当然ですが、この対応力の高さも大の里関の大きな武器になっているように思います。正直なところ、「相撲偏差値が低い」とも揶揄されていた大の里関の師匠である二所ノ関親方(稀勢の里関)の指導には今でも疑問を抱いているところがあり、たとえば大の里関が伊勢ヶ濱部屋だったら、もっと好成績を残しているのではないか、とも考えてしまいますが、大の里関の対応力と学習能力ならば、師匠の指導力が低くても大過ないのかもしれず、来場所以降は「一強」と呼ばれるくらいの活躍も期待しています。
若隆景関は大関昇進どころか勝敗と負け越してしまい、確かに今場所は全体的に相撲内容が悪かったとは思いますが、それにしても負け越しは意外で、やはり大関昇進の重圧が大きかったのでしょうか。若隆景関の大関昇進が完全に振り出しに戻ったので、現時点で大関に最も近いのは、今場所も11勝4敗として新入幕から4場所連続での二桁勝利となった安青錦関でしょう。安青錦関以外の三役陣は不振で、大関昇進の起点を来場所以降築かねばなりませんが、安青錦関は先場所、前頭筆頭で11勝4敗でしたから、来場所は12勝以上で横綱に勝つなど内容がよければ、一気に大関昇進もあるかもしれません。安青錦関は大の里関に2場所連続で完敗だったように、体格差のある力士に力で押されると圧倒されるところがあり、ここを克服していけば、近いうちに横綱に昇進しても不思議ではない、と思います。
来月には大相撲ロンドン公演が開催されるそうで、両横綱が優勝争いをずっと引っ張り、大の里関が優勝したのは、海外公演を前に何よりでした。日本国内の少子高齢化は深刻ですから、大相撲の今後も厳しいとは思いますが、海外も視野に入れつつ、何とか生き残ってもらいたいものです。ただ、おそらく八百長の頻度などで一昔前と比較して大相撲の環境が大きく変わっていると思われるのに、相撲協会の幹部はその点を考慮しているのか、疑問も残ります。一昔前と比較して八百長が激減しているのだとしたら、それだけ力士の負担も増えるわけで、大関や横綱への昇進、さらには昇進後の成績など、以前の基準で力士を判断するのには慎重になるべきでしょう。
この記事へのコメント