露口茂さんの訃報

 昨日(2025年9月1日)、露口茂さんが今年4月28日に93歳で亡くなった、と報道されました。お悔やみ申し上げます。露口さんは私が最も好きな俳優で、近年では年齢からもある程度覚悟していましたが、公式に訃報が伝えられると、やはり相当に落ち込んでしまいます。露口さんの出演作で最も有名なのは『太陽にほえろ!』でしょうし、私も同作での山さん役で露口さんを知り、露口さんが好きな俳優になりました。当初は青春ドラマとしての性格も強かった同作が、大人にも受け入れられて高視聴率作品となったことに、露口さんの功績はひじょうに大きかったように思います。

 露口さんの出演作で『太陽にほえろ!』とともに私がとくに好きな作品は1976年放送の大河ドラマ『風と雲と虹と』で、露口さんは田原藤太(藤原秀郷)役でした。同作は、露口さんの他にも、西村晃さんや長門勇さんや蟹江敬三さんや清水紘治さんなど私の好きな俳優が多く出演しており、話自体の面白さもありますが、私にとっては文句なしの配役でもあることから、今でも大河ドラマでは最も高評価している作品です。今年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、東洲斎写楽の描き方次第では、『風と雲と虹と』を超えるとまではいかずとも、同等に近い評価になるかもしれない、と期待していますが、その写楽を描いたNHKで1968年に放送された『写楽はどこへ行った』に、露口さんは十返舎一九役で出演し、狂言回し的役割を担っています。大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で写楽が描かれるのは今年11月頃になりそうですが、NHKにはその頃に『写楽はどこへ行った』を再放送してもらいたいものです。露口さんは大河ドラマでは1973年放送の『国盗り物語』にも出演し、葛籠重蔵役でしたが、『国盗り物語』は総集編しか残っていません。葛籠重蔵は本放送では出番が多かった、と掲示板で見かけたこともあるので、全話残っていればよかったのに、と本当に残念でなりません。

 当ブログでは大河ドラマ『風と雲と虹と』を中心に、『太陽にほえろ!』以外の露口さんの出演作も何度か取り上げましたし、視聴したものの当ブログで取り上げていない露口さんの出演作もありますが、私にとっての露口さんは何と言っても『太陽にほえろ!』の山さん役です。当ブログではPART2も含めて『太陽にほえろ!』全作品の短い感想を述べ、全話を10点満点で評価しており、PART2以外で、1972~1980年までの放送分(関連記事)と1981~1986年の放送分(関連記事)について、10点評価の作品をまとめました。10点評価の63話中、山さん主演作は24話で断然多く(2位の殿下は8話)、これは山さん役の露口さんが最も好きな俳優で、確かな演技力があることとともに、山さん主演作は大人向けの話が多いので、年齢を重ねるごとに面白く感じるということもあるのでしょう。もう記憶が定かではありませんが、おそらく、子供の頃の本放送時の評価は今とは大きく違っていたように思います。

 『太陽にほえろ!』の山さん主演作でどれが最高なのかとなると、大いに悩むところですが、苦い結末ながら最後に希望も見せた話の面白さとなると、1984年10月19日放送の620話「素晴らしき人生」がお気に入りです(関連記事)。この頃には『太陽にほえろ!』の視聴率は全盛期よりかなり低かったので、あまり話題にならないかもしれませんが。その他にも面白い話は多くあり、悩みますが、山さん主演作で総合的に最も面白いとなると、展開もさることながら、演出と演技が魅力的な、1975年8月29日放送の163話「逆転」です(関連記事)。163話は山さん主演作の対決もので、山さんと権藤警視の取調室でのやり取りは、本当に見ごたえがあります。これは、権藤警視役が西村晃さんだったことも大きく、名優同士の演技で、作品の質が大きく高まっているように思います。今後、時間を作って、『太陽にほえろ!』の山さん主演作を中心に、露口さんの出演作を再視聴して、露口さんを偲ぶつもりです。素晴らしい演技を見せてくれた露口さんには、本当に感謝しています。

41話「ある日、女が燃えた」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_2.html

49話「そのとき、時計は止まった」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_3.html

90話「非情の一発」
https://sicambre.seesaa.net/article/201411article_10.html

93話「真実の詩」
https://sicambre.seesaa.net/article/201106article_25.html

109話「俺の血をとれ!」
https://sicambre.seesaa.net/article/201108article_3.html

133話「沈黙」
https://sicambre.seesaa.net/article/201111article_24.html

144話「タレ込み屋」
https://sicambre.seesaa.net/article/201201article_19.html

152話「勇気」
https://sicambre.seesaa.net/article/201203article_13.html

163話「逆転」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_15.html

179話「親と子の条件」
https://sicambre.seesaa.net/article/201206article_19.html

183話「金庫破り」
https://sicambre.seesaa.net/article/201207article_3.html

188話「切札」
https://sicambre.seesaa.net/article/201207article_17.html

195話「ある殺人」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_27.html

206話「刑事の妻が死んだ日」
https://sicambre.seesaa.net/article/201210article_17.html

219話「誘拐」
https://sicambre.seesaa.net/article/201212article_11.html

296話「ミスプリント」
https://sicambre.seesaa.net/article/201210article_28.html

301話「銀河鉄道」
https://sicambre.seesaa.net/article/201211article_5.html

321話「朝顔」
https://sicambre.seesaa.net/article/201212article_20.html

405話「時効」
https://sicambre.seesaa.net/article/201410article_24.html

529話「山さんの危険な賭け」
https://sicambre.seesaa.net/article/201604article_12.html

552話「或る誤解」
https://sicambre.seesaa.net/article/201607article_13.html

610話「38時間」
https://sicambre.seesaa.net/article/201702article_22.html

620話「素晴らしき人生」
https://sicambre.seesaa.net/article/201703article_22.html

691話「さらば!山村刑事」
https://sicambre.seesaa.net/article/201712article_26.html

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