大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第35回「間違凧文武二道」
今回は、蔦屋重三郎と松平定信(田安賢丸)の攻防と喜多川歌麿(唐丸、捨吉、雄助)の心境を中心に話が展開しました。耕書堂から刊行された朋誠堂喜三二(平沢常富)作で喜多川歌麿画の『文武二道万石通』は大当たりとなり、重三郎は松平定信の反田沼路線の改革(寛政の改革)への皮肉を込めたつもりでしたが、その意図はほとんどの読者には通じませんでした。『文武二道万石通』を読んだ定信も、田沼意次を批判し、自分の改革路線を支持したものだろう、と考えて上機嫌でした。定信は子供の頃から黄表紙に親しんでいますが、その機微を深く理解する境地にはまだ達していないようです。
しかし、同じく定信を揶揄した恋川春町(倉橋格)作の『悦贔屓蝦夷押領』はさほど売れず、恋川春町は鬱屈していましたが、主君の松平信義に褒められたことで、自信を取り戻し、より効果的な定信への揶揄を思いつきます。これが黄表紙『鸚鵡返文武二道』の刊行につながるわけですが、春町はそれによって処罰され、間もなく亡くなります。本作では重三郎と関係のある作家や絵師の中で春町の扱いは大きいので、この春町の最期やそれに対する重三郎の想いをどう描くのか、以前から注目していただけに、『鸚鵡返文武二道』の内容を危ぶんでいた重三郎の妻である「てい」に対する重三郎の反応も含めて、本作の山場の一つになるかもしれない、と期待しています。
今回注目されるのは歌麿の心境で、単なる絵師ではなく、重三郎の右腕としての自負もあったのに、その地位はすっかり「てい」に奪われ、単なるお抱えの絵師になった、と感じており、まだ重三郎と歌麿の関係は良好と言えますが、まだ見えないものの、溝が生じつつあるところも窺えます。これが本作終盤の歌麿と重三郎の関係、さらには東洲斎写楽の売り出しとも関連しているのではないか、と予想しています。歌麿は「きよ」と結婚し、これが歌麿の美人画ともつながってくるようで、人間関係が上手く構築されているな、と改めて思います。
しかし、同じく定信を揶揄した恋川春町(倉橋格)作の『悦贔屓蝦夷押領』はさほど売れず、恋川春町は鬱屈していましたが、主君の松平信義に褒められたことで、自信を取り戻し、より効果的な定信への揶揄を思いつきます。これが黄表紙『鸚鵡返文武二道』の刊行につながるわけですが、春町はそれによって処罰され、間もなく亡くなります。本作では重三郎と関係のある作家や絵師の中で春町の扱いは大きいので、この春町の最期やそれに対する重三郎の想いをどう描くのか、以前から注目していただけに、『鸚鵡返文武二道』の内容を危ぶんでいた重三郎の妻である「てい」に対する重三郎の反応も含めて、本作の山場の一つになるかもしれない、と期待しています。
今回注目されるのは歌麿の心境で、単なる絵師ではなく、重三郎の右腕としての自負もあったのに、その地位はすっかり「てい」に奪われ、単なるお抱えの絵師になった、と感じており、まだ重三郎と歌麿の関係は良好と言えますが、まだ見えないものの、溝が生じつつあるところも窺えます。これが本作終盤の歌麿と重三郎の関係、さらには東洲斎写楽の売り出しとも関連しているのではないか、と予想しています。歌麿は「きよ」と結婚し、これが歌麿の美人画ともつながってくるようで、人間関係が上手く構築されているな、と改めて思います。
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