脊椎動物の歯の起源と感覚外骨格の進化
脊椎動物の歯の起源と感覚外骨格の進化に関する研究(Haridy et al., 2025)が公表されました。歯の祖先構造や象牙質組織(初期脊椎動物の新規性)についての最古の記録は、アナトレピス・ヘインツィ(Anatolepis heintzi)として記載報告されたカンブリア紀の断片的な化石ですが、その解釈については議論があります。アナトレピス属の外骨格には特徴的な象牙細管があり、これは歯状体(odontode)として知られる、歯の最初の前駆構造であると解釈されていました。アナトレピス属が正真正銘の脊椎動物であるかどうかをめぐる議論は、画像化法の限界や比較対象となる外骨格組織がなかったために生じました。
この研究では、こうした論争を解決し、歯組織の起源を解明するために、絶滅および現生のさまざまな脊椎動物および無脊椎動物の外骨格が、シンクロトロン放射光を用いて精密検査されました。その結果、アナトレピス属の議論となってきた細管は、象牙細管と誤って特定されており、実際には節足動物である光楯類の感覚子という感覚構造であることが分かりました。シンクロトロン放射光を用いた精密検査により、歯状体と感覚構造の微細構造の深い類似性が、明確な脊椎動物の組織にも拡張されることが明らかになりました。
オルドビス紀の脊椎動物エリプティチウス(Eriptychius)の外部歯状体は大きな象牙細管を特徴とし、これらの構造と無脊椎動物の感覚子の間には形態学的な収斂が見られます。免疫蛍光解析からは、現生の軟骨魚類および真骨類の外部歯状体は、歯に類似した感覚機能を示唆する広範な神経支配を保持している、と示されました。これらの収斂および神経支配のパターンは、象牙質が初期の脊椎動物の外骨格における感覚組織として進化し、この機能が現代の脊椎動物の歯に保持されていることを明らかにしています。これによって、脊椎動物の歯組織についての既知最古の証拠は、中期オルドビス紀の化石となりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:脊椎動物の歯の起源と感覚外骨格の進化
古生物学:脊椎動物の歯組織の最古の化石記録を巡る議論に新証拠
今回、数十年にわたり議論が続いていた、カンブリア紀の化石魚とされるアナトレピス(Anatolepis)の硬組織の再評価が行われ、これが節足動物のものであったことが明らかになった。これにより、化石記録に脊椎動物の硬組織の確実な記録が現れたのは、オルドビス紀になってからということになる。
参考文献:
Haridy Y. et al.(2025): The origin of vertebrate teeth and evolution of sensory exoskeletons. Nature, 642, 8066, 119–124.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-08944-w
この研究では、こうした論争を解決し、歯組織の起源を解明するために、絶滅および現生のさまざまな脊椎動物および無脊椎動物の外骨格が、シンクロトロン放射光を用いて精密検査されました。その結果、アナトレピス属の議論となってきた細管は、象牙細管と誤って特定されており、実際には節足動物である光楯類の感覚子という感覚構造であることが分かりました。シンクロトロン放射光を用いた精密検査により、歯状体と感覚構造の微細構造の深い類似性が、明確な脊椎動物の組織にも拡張されることが明らかになりました。
オルドビス紀の脊椎動物エリプティチウス(Eriptychius)の外部歯状体は大きな象牙細管を特徴とし、これらの構造と無脊椎動物の感覚子の間には形態学的な収斂が見られます。免疫蛍光解析からは、現生の軟骨魚類および真骨類の外部歯状体は、歯に類似した感覚機能を示唆する広範な神経支配を保持している、と示されました。これらの収斂および神経支配のパターンは、象牙質が初期の脊椎動物の外骨格における感覚組織として進化し、この機能が現代の脊椎動物の歯に保持されていることを明らかにしています。これによって、脊椎動物の歯組織についての既知最古の証拠は、中期オルドビス紀の化石となりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
古生物学:脊椎動物の歯の起源と感覚外骨格の進化
古生物学:脊椎動物の歯組織の最古の化石記録を巡る議論に新証拠
今回、数十年にわたり議論が続いていた、カンブリア紀の化石魚とされるアナトレピス(Anatolepis)の硬組織の再評価が行われ、これが節足動物のものであったことが明らかになった。これにより、化石記録に脊椎動物の硬組織の確実な記録が現れたのは、オルドビス紀になってからということになる。
参考文献:
Haridy Y. et al.(2025): The origin of vertebrate teeth and evolution of sensory exoskeletons. Nature, 642, 8066, 119–124.
https://doi.org/10.1038/s41586-025-08944-w
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