大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第30回「人まね歌麿」

 今回は、蔦屋重三郎と喜多川歌麿(唐丸、捨吉、雄助)の関係を中心に話が展開しました。本作の文化人では、朋誠堂喜三二(平沢常富)や恋川春町(倉橋格)や大田南畝(四方赤良)などが重要人物でしょうが、その中でも喜多川歌麿(唐丸、捨吉、雄助)は別格のようで、本作の後半は重三郎と歌麿の関係を中心に動き、東洲斎写楽についても、歌麿が関わってくるのではないか、と予想しています。今回は、歌麿が人真似を得意とする、と評判になったところで、重三郎がいよいよ歌麿を売り出す機会と考え、枕絵(春画)での勝負を模索します。

 ただ、歌麿はかつて実母を見殺しにし、その情夫を死に追いやっており、その後で男女を問わず体を売っていたことの精神的外傷があるのか、男女の性交をどう描けばよいのか悩み、枕絵を描けません。悩んでいる歌麿は「きよ」という女性と遭遇し、母親と間違って錯乱し、そこに重三郎が通りかかります。歌麿が枕絵を描けないと悩んでいるところへ、かつて歌麿に短期間教えたこともある鳥山石燕が耕書堂を訪ねてきます。歌麿は鳥山石燕から助言を受け、かつて母親に阻まれた鳥山石燕への弟子入りを改めて申し入れ、鳥山石燕の側で学ぶことにします。これが歌麿飛躍の契機となりそうで、鳥山石燕の登場回数は少ないかもしれませんが、本作では重要人物と言えそうです。

 幕閣政治では、松平定信(田安賢丸)が初めて本格的に描かれました。定信は一橋治済から幕閣政治に加わるよう勧誘され、野心家の定信は受諾しますが、治済は定信の田沼意次への恨みを煽ります。定信は意次を恨み続けていましたが、治済に煽られて意次と対峙する決意をより高めたようにも思います。放送開始前には、本作で最大の適役は定信と予想していましたが、ここまでは治済の暗躍が強く印象に残ります。治済と重三郎が直接的に対峙することはなさそうですが、史実に制約されるところが多い大河ドラマとはいえ、基本的には創作ですから、重三郎と治済がどこかで直接的に関わることもあるのでしょうか。この点も注目されます。

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