大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第26回「三人の女」

 今回は、米価高騰をめぐる日本橋と幕閣の対策から話が展開しました。本作はこれまで、吉原を中心とした江戸市中を中心に、幕閣との二元構成で話が展開していましたが、蔦屋重三郎が前回ついに日本橋進出を果たしたことで、今後の江戸市中の描写は吉原から日本橋に中心が移りそうです。江戸市中と幕閣との接点を設定するのはなかなか難しいと思いますが、本作では、序盤に平賀源内、中盤に蝦夷地開発をめぐる陰謀で、江戸市中と幕閣が接続されており、なかなか上手い構成になっていると思います。今回は、米価高騰で江戸市中と幕閣がつながっており、それぞれの立場が描かれ、面白くなっていました。

 今回は、重三郎の実母である「つよ」が初登場となります。これまで、重三郎の幼少期にも多少言及されていましたが、実母のことは皆無に近いくらい語られていなかったので、やや唐突な感はあります。本作は大河ドラマでは珍しく、実の両親の影が薄いと思っていましたが(私が視聴した大河ドラマでは、他には2007年放送の大河ドラマ『風林火山』も、実の両親の存在感がほとんどありませんでした)、今後は「つよ」の出番が多くなりそうです。「つよ」は人の気持ちをつかむのが上手く、ふてぶてしいところがあり、この点は重三郎とよく似ています。重三郎は母親に捨てられたことをまだ恨んでおり、二人の関係がどう変わっていくのかも、今後の見どころです。重三郎が「てい」と結婚したことで、喜多川歌麿(唐丸、捨吉、雄助)が「てい」に向ける嫉妬のような感情も、重三郎と歌麿の関係を変えていくことになりそうで、注目しています。

 幕府政治では、紀州藩主の徳川治貞が初登場となり、田沼意次の政治を責め立てます。徳川治貞は貫禄のある諸藩の重鎮といった感じで、今後は一橋治済などとともに反田沼派として暗躍することになりそうです。徳川治貞は田沼意次の失脚後に死亡しているので、本作では一橋治済とともに田沼意次の失脚に深く関わりそうです。佐野政言も今回登場し、このところ登場が増えているのは、いよいよ次回で田沼意知の殺害が描かれることになりそうだからなのでしょうか。今のところ佐野政言と一橋治済はつながっているように見えません。次回で両者の摂食が描かれるのかも、注目しています。

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