第27回参院選結果

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、今月(2025年7月)20日に投開票となった第27回参院選の結果が確定したので、取り上げます。各党の確定議席数は以下の通りで、()は公示前の改選議席数です。

自民党:39(52)
立憲民主党:22(22)
国民民主党:17(4)
参政党:14(1)
公明党:8(14)
日本維新の会:7(5)
共産党:3(7)
れいわ新選組:3(2)
日本保守党:2(0)
社会民主党:1(1)
チームみらい:(1)
NHK党:0(1)
無所属・その他:8(7)

 この結果、各党の参議院での議席数は以下の通りとなりました。()は公示前の議席数です。

自民党:101(114)
立憲民主党:38(38)
国民民主党:22(9)
参政党:15(2)
公明党:21(27)
日本維新の会:19(18)
共産党:7(11)
れいわ新選組:6(5)
日本保守党:2(0)
社会民主党:2(2)
チームみらい:1(0)
NHK党:1(2)
無所属・その他:13(12)

 比例区での得票率は以下の通りで、()は前回(2022年)の得票率です。

自民党:21.6%(34.4%)
立憲民主党:12.5%(12.8%)
国民民主党:12.9%(6.0%)
公明党:8.8%(11.7%)
日本維新の会:7.4%(14.8%)
参政党:12.5%(3.3%)
共産党:4.8%(6.8%)
れいわ新選組:6.6%(4.4%)
日本保守党:5.0%(-)
社会民主党:2.1%(2.4%)
チームみらい2.6:%(-)
となりました。

 おおむね大手大衆媒体の直近の予想通りとなり、自民党が大きく議席を減らしました。選挙前に石破首相は、改選議席数ではなく参院全体での与党の過半数維持を目標として掲げ、随分と甘い目標とは思いましたが、最近の自民党の不評からは現実的な目標とも言え、じっさい、大手大衆媒体の選挙戦序盤の予想では、与党が過半数を維持できるのか否か、微妙とされていました。しかし、選挙戦が進むにつれて、予想は自民党に厳しくなっていき、終盤には、与党での過半数維持は苦しいのではないか、との見解が主流になっていったように思います。ただ、終盤の情勢調査より自民党は健闘したようにも思います。それでも、和歌山選挙区など無所属で当選した議員を追加公認しても、与党での過半数維持は厳しそうですが。

 衆院でも参院でも少数与党政権となったわけですが、石破首相は「国難」と言って、政治的停滞が生じないよう主張し、続投を訴えました。しかし率直に言って、もはや石破政権の継続自体が「国難」の一因になっている感さえあります。さらに、読売新聞の報道によると、自民党には、一旦下野し、次の(連立)政権の失政を待つのがよい、との思惑もあるそうで、長年にわたる比較第一党の与党としての矜持がないのかと、本当に情けない限りです。読売新聞のその後の報道によると、佐藤勉氏や古川禎久氏や萩生田光一氏や斎藤健氏といった閣僚経験者と御法川信英氏が下野を主張し、そのうち一人が「政権運営がどれだけ大変か、野党に1回やらせてみればいい」と述べたそうです。もし自民党の一定以上の割合の国会議員が本気でそう考えているのだとしたら、まさに「売国」で、自民党の寿命も尽きた、と言うべきでしょう。

 私は首相就任のずっと前から石破茂氏を嫌い、評価は低いままですが、首相就任以降、通貨発行権の大きな違いを考慮しない日本とギリシアとの財政状況の安易な比較や、「なめられてたまるか」発言など、首相としてはあまりにも軽率な発言もあり、ますます嫌いになりました。石破首相は安倍政権下で政権中枢から離れていた間に、責任のない(軽い)立場から「正論」で人気を得ることに安住してしまった感があり、首相としての責任感に著しく欠けているところがあるように私には見えるので、すぐにでも退陣してもらいたいところです。とはいえ、次の政権が石破内閣よりましである保証もないわけで、困ったものです。私の石破首相への評価はかなり偏っているとは思いますが、正直なところ、首相はもちろん政治家にも向いておらず、SNSやブログで政治と軍事と鉄道とアイドルについて放言するのがお似合いな人と考えています。自民党では、麻生元首相など一部の国会議員が石破首相に退陣を迫っている、と報道されていますが、大きな流れにはなっていないようです。やはり、衆参両院で少数与党であることから、火中の栗を拾いたくはない、との心理があるのでしょうか。そうだとしたら、自民党から活力が大きく失われているのではないか、と懸念してしまいます。

 自民党が大きく減らし、公明党も同様ですが、自民党は近年の不評で予想通りといったところで、公明党は、国政でともに与党の自民党が不評である影響も大きかったとは思うものの、創価学会員の高齢化と一昨年(2023年)11月に池田大作創価学会名誉会長が亡くなったことの影響も強いように思います。公明党と同じく老舗政党で、このところの国政選挙で同様に得票率が下がり続けている共産党は、比例区での得票率が5%未満となり、昨年の衆院選(関連記事)と同様にれいわ新選組を大きく下回ったばかりか、日本保守党の得票率さえ下回りました。共産党の退潮は公明党以上に深刻で、公明党と同様に党員や強固な支持層の高齢化が大きいのでしょうが、近年相次いでそれなりに話題になった、党員への処分が悪印象だったこともあるかもしれません。共産党は、民主党に議員や支持基盤を奪われた社民党よりも勢力縮小の速度は遅いかもしれませんが、公明党よりも先行きはずっと暗そうです。

 昨年秋から今年春頃まで好調だったように見えた国民民主党は、その頃の予想議席数より少なかったとはいえ、大きく議席を増やしました。比例区での得票率も自民党に次ぐ2位でしたが、昨年の衆院選直後から今年春頃までの勢いを考えると、軽率な党首の行動や候補者選択によって失速した感は否めません。国民民主党の伸び悩みは、急速な支持拡大に人材が伴わないことも大きいのでしょうが、これ以上の勢力拡大、さらには議席数で立憲民主党を上回れるのかは、とても楽観できないように思います。日本維新の会の比例区での得票率は前回より大きく減り、前々回(2019年)よりも減りましたが、競合する点が多そうな国民民主党に票を奪われたところもあるのかもしれません。日本維新の会はずっと敵視してきたので、やや安堵していますが、国民民主党と参政党が自滅すれば再浮上もありそうなので、警戒しています。

 立憲民主党は、野党では最も人材が豊富で、ある程度野党間の選挙協力があったことから、改選議席数でも合計議席数でも第2党の地位を維持しましたが、比例区での得票率は前回とさほど変わらないとはいえ、昨年の衆院選(21.20%)や前々回(2019年)の参院選(15.81%)を下回り、国民民主党だけではなく参政党にも負けており、明らかに敗北だと思います。これまで野党第一党ということで、反自民党票を獲得してきた感のある立憲民主党ですが、国民民主党や参政党に反自民党票を奪われているのでしょう。立憲民主党の今後は暗そうで、あるいは国民民主党に鞍替えする立憲民主党の議員も出てくるかもしれません。

 れいわ新選組は比例区での得票率で昨年の衆院選(6.98%)を大きく下回り、以前から指摘する人が多かったでしょうが、「左右の両極」と認識している人も多そうなれいわ新選組(左)と参政党(右)には共通点が多く、支持層も重なっているところがあり、参政党に票が流出したのではないか、と思います。とはいえ、れいわ新選組は昨年の衆院選に続いて今回も比例区で共産党を大きく上回っており、ある程度の基盤を築いた、とも言えるでしょう。れいわ新選組は党首への依存度が高そうなので、党首が政治への気力を失えば、一気に泡沫政党になりそうな気がします。比例区で共産党を上回る得票率だった日本保守党も、党首を中心に一部の有力者頼みなところがありそうで、れいわ新選組以上に組織としては脆弱なように見えるので、今後の躍進は難しいように思います。

 その日本保守党と支持層がかなり重複しているようにも見える参政党は、今回の参院選で最大の勝者と言えるでしょう。参政党が参院選に初めて進出したのは前回(2022年)ですが、いきなり比例区で3.3%の得票率を得て、私も警戒していました。今回は、近年ずっと野党第一党だった立憲民主党をも比例区で上回るまさに大躍進で、食での的外れな「自然志向」などもあるため、本当に困ったものです。参政党は東京以外の地域で支持を拡大しつつある、との指摘をインターネット上で見かけたこともありますが、東京でも、23区ではさほど乗降客数の多くなさそうな駅で、何日も続けて演説していたのを見かけたこともあり、潜在的な組織力は日本保守党やれいわ新選組や国民民主党よりもずっと高いかもしれません。その意味で、参政党は本当に警戒すべき政治勢力になったように思います。もうすでに、参政党は大手報道機関など主要な大衆媒体に警戒・敵視されている感がありますが、それさえも支持拡大につながるような勢いを感じています。ただ参政党は、参議院で予算や法案の通過に大きな影響力を発揮できるかもしれない地位を築いたとはいえ、自民党と安易に妥協するようだと、一気に支持を失う可能性もあるとは思います。

 投票率は58.51%で、前回(52.05%)を上回り、昨年10月27日に行なわれた衆院選(53.85%)も上回りました。今回の投票率は参院選では第21回(2010年)以降において最高で、衆院選でも今回を上回ったとなると第46回(2012年)までさかのぼらねばなりません。素人の思いつきにすぎませんが、今回の参院選の投票率が過去十数年の国政選挙で最高となったことに、参政党は貢献しているかもしれません。これまでさほど政治に関心がなかった有権者を、参政党が多数惹きつけたのではないか、というわけですが、この問題については専門家による詳しい検証が期待されます。なお、当ブログにおける過去の参院選関連記事は以下の通りです。

2007年(第21回)
https://sicambre.seesaa.net/article/200707article_31.html

2010年(第22回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201007article_12.html

2013年(第23回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201307article_23.html

2016年(第24回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201607article_12.html

2019年(第25回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201907article_46.html

2022年(第26回)
https://sicambre.seesaa.net/article/202207article_14.html

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