紅山文化集団のゲノムデータ

 紅山(Hongshan)文化集団のゲノムデータを報告した研究(Wang et al., 2025)が公表されました。本論文は、紅山文化関連遺跡の最西端かつ最南端に位置する、河北省の鄭家溝(Zhengjiagou)遺跡の19個体から得られたゲノム規模データを報告し、ミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプログループ(mtHg)とY染色体ハプログループ(YHg)も判定されました。この新たなゲノムデータは、以前に刊行された遼寧省の半拉山(Banlashan)遺跡の3個体のゲノムデータとともに分析されました。半拉山遺跡は鄭家溝遺跡から約473km離れており、紅山文化の中核地域に位置しています。

 分析の結果、紅山文化の鄭家溝遺跡集団と半拉山遺跡集団との間の強い遺伝的つながりが明らかになり、紅山文化の拡大には人口拡散が伴っていた、と示唆されます。紅山文化の鄭家溝遺跡集団と半拉山遺跡集団はともに、ANA(Ancient Northeast Asian、アジア北東部古代人)関連および中期新石器時代の仰韶(Yangshao)文化関連の遺伝的祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)を有していました。また、紅山文化集団の仰韶文化関連祖先系統は、山東半島の中期新石器時代の大汶口文化関連集団によってもたらされた可能性が高いことも示されました。大汶口文化関連集団のゲノムは、約40%の前期新石器時代山東半島の狩猟採集民(hunter gatherer、略してHG)関連祖先系統と約60%の仰韶文化関連祖先系統で構成されています。本論文の調査結果からは、中期新石器時代における西遼河と中原と山東半島の人類集団間の複雑な遺伝的関係が窺えます。

 時代区分の略称は、、N(Neolithic、新石器時代)、EN(Early Neolithic、前期新石器時代)、MN(Middle Neolithic、中期新石器時代)、LN(Late Neolithic、後期新石器時代)、BA(Bronze Age、青銅器時代)、IA(Iron Age、鉄器時代)です。地域の略称は、WLR(West Liao River、西遼河)、NYR(Neolithic Yellow River、新石器時代黄河)、AR(Amur River、アムール川)です。本論文で取り上げられる主要な文化は、紅山(Hongshan)文化、趙宝溝(Zhaobaogou)文化、七里河(Qilihe)文化、仰韶(Yangshao)文化の后岡類型(Hougang type)、龍山(Longshan)文化、後李(Houli)文化、大汶口(Dawenkou)文化、後期大汶口文化(Late Dawenkou、略してLDWK)です。

 本論文で取り上げられる主要な遺跡は、河北省では張家口(Zhangjiakou)市の鄭家溝(Zhengjiagou、略してZJG)遺跡、遼寧省では半拉山(Banlashan)遺跡と牛河梁(Niuheliang)遺跡、モンゴル南部では廟子溝(Miaozigou)遺跡、河南省では青台(Qingtai)遺跡、山東半島では博山(Boshan)遺跡と小高(Xiaogao)遺跡と扁扁(Bianbian)遺跡と小荊山(Xiaojingshan)遺跡と傅家(Fujia)遺跡と呉村(Wucun)遺跡、陝西省では石峁(Shimao)遺跡です。当ブログでは原則として「文明」という用語を使わないことにしていますが、この記事の以下の翻訳では「civilization」の訳語として使います。また、本論文の「中国」の指す範囲はよく分からず、現在の中華人民共和国の支配領域もしくはもっと狭くダイチン・グルン(大清帝国、清王朝)の18省かもしれませんが、この記事ではとりあえず「中国」と表記します。


●要約

 紅山文化は中国北部および北東部の交差点に位置し、新石器時代アジア東部における最古級の複雑な社会の一つを表していました。紅山文化の遺物は現在のモンゴル南部から遼寧省にかけてひろがる地域で見られ、その面積は20万km²以上です。しかし、紅山文化がどのようにそうした広大な地理的位置を占めるようになったのか、その後で起きたのが人口拡散(つまり、文化的拡大に伴う遺伝的相互作用)もしくは文化拡散モデル(つまり、在来集団が遺伝的影響を受けずに新たな文化を採用)だったのか、という問題は古代ゲノムの不足のため依然として未解決です。

 本論文は、これまでに発見された紅山文化関連遺跡の最西端かつ最南端に位置する、河北省の鄭家溝遺跡の紅山文化と関連する19個体から得られたゲノム規模データを報告します。本論文は、新たに生成された河北省の紅山文化個体群のゲノムを、鄭家溝遺跡から約473km離れた紅山文化の中核地域に位置する、遼寧省の半拉山遺跡の以前に刊行された紅山文化関連の3個体のゲノムとともに分析しました。

 本論文の遺伝学的結果は、河北省の紅山文化の人々と遼寧省の紅山文化の人々との間の強い遺伝的つながりを明らかにし、紅山文化の人口拡散を裏づけます。遼寧省と河北省の紅山文化の人々はともに、ANA関連(おそらくは在来のより古い趙宝溝文化と関連しています)および新石器時代仰韶文化関連雑穀農耕民祖先系統を有していました。興味深いことに、本論文の祖先のモデル化から、紅山文化の人々における仰韶文化関連祖先系統は、約40%の前期新石器時代山東の狩猟採集民系統と約60%の仰韶文化関連系統を有していた、山東の中期新石器時代の大汶口文化関連農耕民によってもたらされた可能性がより高い、と示唆されました。本論文の調査結果は、中期新石器時代における西遼河と中原と山東の間の複雑な相互につながった遺伝子プールを浮き彫りにします。


●研究史

 紀元前四千年紀に、紅山文化として知られている複雑な社会が中国北東部の遼西地区(Western Liao Province)に生じました。副葬品における翡翠製彫刻装飾や龍の模様は紅山文化の根本的要素で、紅山文化が中華文明の重要な源泉であることを確証します。中期新石器時代の紅山文化の最初の形成は、在来の前期新石器時代の趙宝溝文化(シカや鳥類やイノシシなどの動物からの要素を組み込んだ、精巧な土器を製作しました)と、燕山以南(South of Yanshan Mountain)の仰韶文化の后岡類型のの北上との間の、相互作用的融合と関連している、と考えられていました。紅山文化関連の遺跡は中国北部の現在の内モンゴル自治区【モンゴル南部】と遼寧省に広がる地域で発見されてきており、その面積は20万km²以上です。重要な遺伝学的問題は、紅山文化がどのように形成され、そうした広範な地理的位置を占めたのか、つまり、人口拡散モデル(つまり、紅山文化の人々の拡大に伴う遺伝的相互作用)だったのか、それとも文化的拡散モデル(つまり、在来集団が遺伝的影響を受けずに、紅山文化を採用しました)なのか、ということです。

 古代人のDNAを標本抽出した先行研究は、新石器時代の中国北部における複数の異なるヒトの遺伝的系統を明らかにしてきました。アムール川地域では、ANAと呼ばれる祖先系統が長期にわたる遺伝的連続性を有していました(Ning et al., 2020、Mao et al., 2021、Wang CC et al., 2021、)。ANA関連祖先系統と特定された最古の個体は、14000年前頃のAR14Kです(Mao et al., 2021)。中原では、新石器時代以降の人口集団は、中期新石器時代の仰韶文化関連祖先系統(本論文ではNYRと呼ばれます)を高水準で有していました(Li et al., 2024、Fang et al., 2025、Ma et al., 2025)。中原の後期新石器時代の龍山文化関連の人々は、約80~100%のNYR関連祖先系統を維持し、人口下部構造を示しました(Li et al., 2024、Fang et al., 2025)。山東では、「山東狩猟採集民(山東_HG)」と命名された祖先系統が、前期新石器時代の後李文化と関連する古代人6個体のゲノム(博山遺跡と小高遺跡と扁扁遺跡小荊山遺跡)で特定されました(Yang et al., 2020)。この祖先系統はNYRと関連する人々の東方への移住によって次第に置換され、それは大汶口文化期にさかのぼります(Du et al., 2024、Wang B et al., 2024、Wang F et al., 2024、Fang et al., 2025、Qu et al., 2025)。

 北方遊牧文化と中原との間の交差点において、ANA関連祖先系統とNYR関連祖先系統を有する農耕民集団との間の遺伝的相互作用は、西遼河の中期新石器時代人口集団(遼寧_WLR_MN_5000年前によって表されます)や青海(青海_黄河上流_LN_4000年前によって表されます)やモンゴル南部(廟子溝_MNによって表されます)の中期新石器時代人口集団によって例証されました(Ning et al., 2020)。最近の研究(Wang F et al., 2024)によって、遼寧_WLR_MN_5000年前についてのモデルは、NYRとANAと山東_HGの混合としてさらに改良され、紅山文化の人々への山東の遺伝的影響が浮き彫りになりました。これまでに、紅山文化と関連する人々のゲノム規模の古代DNAデータは、中国北西部の遼寧省の1ヶ所の考古学的遺跡から発見された3個体(つまり、半拉山遺跡の遼寧_WLR_MN_5000年前)に限られていました(Ning et al., 2020)。近隣社会の他の系統との紅山文化の形成や拡散や相互作用は、依然としてよく分かっていません。

 2023年に、中国の河北省張家口市で鄭家溝遺跡が発見されました(図1a)。発見された典型的な紅山文化の翡翠製の龍は、鄭家溝遺跡が紅山文化に属していることを示唆しました。さらに、鄭家溝遺跡のヒト遺骸の放射性炭素年代測定によって年代は5300~4800年前頃と推定され、これは紅山文化の期間と重なります。鄭家溝遺跡は、これまでに発見された最西端および最南端の紅山文化関連遺跡です。鄭家溝遺跡の発見は、紅山文化が現在の張家口市に達したのかどうか、という長年の論争に終止符を打ちました。鄭家溝遺跡の翡翠製資料の約80%は、紅山文化の中核地域である遼寧省に由来しました。鄭家溝遺跡で発掘された土器の装飾模様は、在来の七里河文化と典型的な紅山文化の混合です。これらの調査結果は、紅山文化が張家口市地域の西方473kmに伝わり、在来文化と相互作用があったことを裏づけました。要するに、鄭家溝遺跡は紅山文化の地理的分布範囲を拡大し、新石器時代における紅山文化の拡大の理解に重要です。以下は本論文の図1です。
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 その重要性にも関わらず、これまでに鄭家溝遺跡で発見された個体からのゲノムは配列決定されていませんでした。本論文は、鄭家溝遺跡の19個体についてゲノム規模の古代人のDNAデータを報告します(図1a)。鄭家溝遺跡の2個体について新たな放射性炭素年代も生成され(較正年代では、ZJG2が5285~4978年前頃、ZJG7が5279~4871年前頃)、その年代は後期紅山文化に収まります。鄭家溝遺跡は、遼寧省の以前に刊行された半拉山遺跡の遼寧_WLR_MN_5000年前から約473km離れています。本論文は、紅山文化の拡散モデルを調べるために、鄭家溝遺跡の人々によって表される河北_紅山_5000年前と、遼寧_WLR_MN_5000年前によって表される遼寧_紅山が、どの程度遺伝的に関連しているのか、という調査に焦点を当てました。本論文の結果は、紅山文化と関連する個体群の遺伝的起源に関する理解を深め、紅山文化の人口拡散モデルや、紅山文化と大汶口文化との間の遺伝的つながりを裏づけました。


●古代DNAデータ生成

 本論文で標本抽出されたヒト遺骸はすべて、二次葬(Secondary Burial)に由来しました。二次葬は、死者の遺骸が処置と埋葬の異なる2段階を経る埋葬慣行です。鄭家溝遺跡のヒト遺骸は、ひじょうに劣化していました。錐体骨と歯により多くの内在性ヒトとDNAが含まれる傾向にあることを考えて、錐体骨と歯の標本の収集が優先されました。各個体の骨格要素は、補足表S1aに掲載されています。

 専用の無菌室で骨格遺骸からDNAが抽出され、二本鎖DNAライブラリが構築されて、124万ヶ所のSNP(Single Nucleotide Polymorphism、一塩基多型)と重複するDNA断片が濃縮されました。高水準の汚染(5%超、全個体のmtDNAデータと生物学的男性のX染色体データを用いて推定されました)があるライブラリと、124万パネルでのSNPの数が少ない(2万ヶ所未満)の除去後に、36点のライブラリが保持されました。

 次に、遺伝的に同一の標本を特定するために、これら36点のライブラリについて、READ(Relationship Estimation from Ancient DNA、古代DNAの関係推定)ソフトウェアに実装されているように、疑似半数体データ上でSNPの不適正塩基対率が計算されました。同一の標本の配列が統合され、古代DNAの真正性検査に合格した19個体が残りました。READソフトウェアによって推定された親族関係検定では、19個体のうち6組の親族関係の個体が特定されました。遺伝的親族の各組み合わせについてより少ないSNP数の個体の除去後、集団遺伝学的分析では15個体が得られ、男性11個体と女性4個体が含まれます。疑似半数体遺伝子型は各部位における単一アレル(対立遺伝子)の無作為標本抽出によって対象のSNPで呼び出され、124万パネルで網羅されている37077~1199408ヶ所のSNPの個体が得られました。新たに生成された遺伝子型は、下流分析のため世界規模の人口集団から刊行されている古代人および現代人のゲノムと統合されました。


●父系継承は河北省の紅山文化個体群とアジア北東部人との間の強いつながりを示唆しました

 新たに生成された河北省の紅山文化の11個体は常染色体では相互に親族関係になく、生物学的に男性と同定されました。男性10個体で、YHgの割り当てに成功しました。河北省の紅山文化個体群では強い父系のつながりが観察され、それは10個体のうち8個体が同じYHg-C2b1a1a/C2b1a1a2を有していたからです。YHg-C2b1a1は中国の北部および北東部において顕著でした。YHg-C2b1a1は常染色体にANA関連祖先系統を高い割合で有していた中国北東部の古代の個体群でも観察され、それは青銅器時代の西遼河の遺伝的外れ値(outlier、略してo)の1個体(WLR_BA_o)と鉄器時代の鮮卑の3個体(AR_鮮卑_IA)です(Ning et al., 2020)。河北省の紅山文化の他の2個体のmtHgは、アジア東部北方におもに分布しているN1aです。YHg-N1aもしくはその下位ハプログループは、ANA関連の祖先構成要素と関連しているかもしれません。YHg-N1(xN1a、N1c)は、以前に刊行された遼寧省の牛河梁遺跡の龍山文化関連集団でも優勢でした。牛河梁遺跡で他のYHgを有しているのは2個体だけで、それはCとO2aです。YHgに基づく本論文の結果は、河北_紅山_5000年前とアジア東部北方関連系統との間の強い父系のつながりを裏づけました。


●河北省の紅山文化個体群の多様なmtHg

 新たに生成された鄭家溝遺跡の15個体のうち13個体は多様なmtHgの割り当てに成功し、AとGとD4とD5とB5とN9aとR11が含まれます。mtHg-A・G・D4・D5はおもにアジア東部北方に分布しており、中原の青台遺跡の仰韶文化関連個体群(Mao et al., 2021)と山東の大汶口文化関連個体群で観察されました(Liu et al., 2021)。mtHg-D5a3a1は、遼寧省の以前に刊行された紅山文化関連の半拉山遺跡の3個体のうち1個体(他の2個体のmtHgは不明でした)で観察され(Ning et al., 2020)、新たに生成された河北_紅山_5000年前の2個体が有していました。

 mtHg-B5b2は、おもに現在の漢人とホジェン人(Hezhen 、漢字表記では赫哲、一般にはNanai)と閩南(Minnan)とマカタオ人(Makatao)で見られました(Liu et al., 2021)。mtHg-B5b2は前期新石器時代の扁扁遺跡標本によって表される山東の古代人で観察され、山東沿岸部の大汶口文化関連人口集団の個体群において高頻度で見られます(Liu et al., 2021)。mtHg-B5b2は、新たに生成された河北_紅山_5000年前の3個体が有していました。mtHg-N9aは、アジア東部南方において優勢なユーラシア東部系統でした。mtHg-N9aは、山東の後李文化と関連する前期新石器時代の1個体(小高遺跡)でも見られました(Liu et al., 2021)。mtHg-R11は中国で検出されてきており、中国北東部の1個体(アムール川流域の9000年前頃以後の個体KHI001)で観察されました(Mao et al., 2021)。これらの結果から、河北_紅山_5000年前にはアジア東部の南北両方と関連するmtHgが含まれていた、と示唆されました。


●河北省と遼寧省の紅山文化人口集団間の遺伝的類似性

 本論文で新たに生成された河北_紅山_5000年前の個体群と他のアジア東部人との間の遺伝的関係を特徴づけるために、ヒト起源(Human Origins、略してHO)データセットで主成分分析(principal component analysis、略してPCA)が実行されました。現在のアジア東部人口集団を用いて計算された最初の2主成分(PC)に、古代人標本が投影されました(図1b)。河北_紅山_5000年前の個体群は新石器時代黄河中流域関連のまとまり(河南_黄河_MN_5000年前によって表されます)とANA関連勾配(東モンゴル_N_5000年前によって表されます)との間の投影された遺伝的勾配を形成しました。

 以前に刊行された遼寧_紅山の3個体(遼寧_WLR_MN_5000年前)は、河北_紅山_5000年前の遺伝的差異内に投影されました。次に、f₃形式(ヨルバ人;河北_紅山_5000年前/遼寧_WLR_MN_5000年前、X)の外群f₃統計が適用され、河北_紅山_5000年前/遼寧_WLR_MN_5000年前とユーラシアの各古代人集団(X)との間の、アフリカの外群であるヨルバ人からの分岐以降の共有された遺伝的浮動が測定されました。PCAのクラスタ化(まとまること)と一致して、河北_紅山_5000年前と遼寧_WLR_MN_5000年前は相互と最高の遺伝的類似性を示しました(図1c)。上述の結果は、河北省の紅山文化の人々と遼寧省の紅山文化の人々との間の強い遺伝的類似性を裏づけました。


●河北_紅山_5000年前の個体群内の遺伝的下部構造

 PCAでは、河北_紅山_5000年前の個体群は人口下部構造を示し、それは、ANA関連クラスタ(まとまり)とNYR関連クラスタとの間で遺伝的勾配を形成したからです。PCAと同様の傾向は教師無ADMIXTUREからも推測でき、ADMIXTUREは、各個体におけるアレル頻度が単純に、祖先系統の割合によって重み付けされる推定されたK構成要素のアレル頻度の合計である、と仮定する手法です。K=4では、河北_紅山_5000年前の個体群はシナ・チベット語族話者関連(桃色)およびANE関連(橙色)の祖先構成要素のさまざまな量でモデル化できます。

 シナ・チベット語族話者関連の遺伝的特性の形成は、NYR関連祖先系統の拡大と関連していました(Wang CC et al., 2021)。二次元f₄統計、つまりf₄形式(ヨルバ人、河北_紅山_5000年前の1個体;遼寧_WLR_MN_5000年前、東モンゴル_N_7000年前)対f₄形式(ヨルバ人、河北_紅山_5000年前の1個体;遼寧_WLR_MN_5000年前、河南_黄河_MN_5000年前)のf₄統計も実行され(図2a)、これは、河北_紅山_5000年前の個体群のANA(東モンゴル_N_7000年前によって表されます)およびNYR(河南_黄河_MN_5000年前によって表されます)関連祖先系統との相対的な類似性を測定しました。河北_紅山_5000年前の個体群はANAおよびNYRとの類似性にも基づいて区別できる、と観察されました。以下は本論文の図2です。
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 複数のf統計に基づく兆候を、本論文で新たに報告された河北_紅山_5000年前の15個体に存在する(特定の外群一式に対する相対的な)祖先系統の異なる構成要素数の検証に組み合わせた、qpAdmも使用されました。qpAdmの結果の堅牢性を検証するために、検証された人口集団一覧における最初の人口集団として河北_紅山_5000年前の各個体も循環されました。ランク=0の15個体のうち11個体のP値は0.01未満だった、と観察されました。これが示唆したのは、河北_紅山_5000年前の個体群内の遺伝的均質性です。ランク=1のqpAdmモデル化のP値は0.05より大きく、外群一式からの少なくとも2回の遺伝子流動が河北省の紅山文化の15個体を区別した、と示唆されます。


●河北_紅山_5000年前と遼寧_WLR_MN_5000年前の祖先系統特性のモデル化

 外群f₃統計では、河北_紅山_5000年前は同時代の山東の大汶口文化関連系統(山東_傅家_LDWK_5000年前によって表されます)およびANA関連系統(南モンゴル_鮮卑_IA_2000年前と東モンゴル_N_7000年前によって表されます)と高い遺伝的浮動を教諭していた、と観察されました(図1c)。ANA関連系統は新石器時代においてモンゴル高原とアムール川流域とメシア極東にまたがっており、中国北部の辺境の新石器時代の人々(南モンゴル_廟子溝_MN_5500年前、陝西_石峁_LN_4000年前、青海_黄河上流_LN_4000年前によって表されます)に約20%の祖先系統をもたらしました。

 河北_紅山_5000年前とANAとの間の遺伝的差異を調べるために、f₄形式(ヨルバ人、X;河北_紅山_5000年前、東モンゴル_N_7000年前)のf₄統計が実行されました。その結果、東モンゴル_N_7000年前と比較して、河北_紅山_5000年前は河南_黄河_MN_5000年前関連祖先系統を高い割合で有する人口集団と、追加の遺伝的類似性を共有しており、つまりはf₄統計(ヨルバ人、河南_黄河_MN_5000年前;河北_紅山_5000年前、東モンゴル_N_7000年前)が0未満(Z得点が−3.301)だった、と観察されました。これは、ANAと黄河が河北_紅山_5000年前の二つの祖先供給源だった可能性を示唆しました。

 次に、河北_紅山_5000年前の妥当な混合モデルの特定のための主要な手段として、qpAdm分析が用いられました。qpAdmモデル化では、河北_紅山_5000年前についての提案された2供給源混合モデルは失敗した(P値が0.01未満)、と示唆されました。qpAdm外群一覧の山東_ENは、提案された2供給源混合モデルと比較すると、河北_紅山_5000年前との余分な類似性を示した、つまりf₄統計(対象、適合;ムブティ人、山東_EN)が0未満(Z得点が−3.5)だった、と分かりました。この兆候は、河北_紅山_5000年前についての妥当な3供給源混合モデル化(つまり、東モンゴル_N_7000年前と河南_黄河_MN_5000年前と山東_博山_8000年前)でさらに確証され、河北_紅山_5000年前は46.3%の東モンゴル_N_7000年前と34.2%の河南_黄河_MN_5000年前と19.5%の山東_博山_8000年前でモデル化できました。

 ANA+黄河の提案された2方向モデル化は河北_紅山_5000年前のほとんどの個体によく適合した、と観察され、15個体のうち13個体は、約36.5~61.8%の東モンゴル_N_7000年前と約38.2~63.5%の河南_黄河_MN_5000年前の混合としてモデル化できました。東モンゴル_N_7000年前+河南_黄河_MN_5000年前の2方向モデル化における河北省の紅山文化の残りの2個体(ZJG2とZJG7)のf₄統計(基準、適合;ムブティ人、山東_EN)でのわずかに有意な負の値から、この2個体には第三の祖先供給源として山東_ENが必要かもしれない、と示唆されました。予測されたように、ZJG2とZJG7は約41.5~45.5%の東モンゴル_N_7000年前+約27~38.1%の河南_黄河_MN_5000年前と約20.4~27.5%の山東_博山_8000年前の混合としてモデル化できました。河北_紅山_5000年前の15個体のうち8個体については、東モンゴル_N_7000年前+河南_黄河_MN_5000年前+山東_博山_8000年前の3方向モデル化の適合性が、東モンゴル_N_7000年前+河南_黄河_MN_5000年前および東モンゴル_N_7000年前+山東_博山_8000年前よりも優れていた、と観察されました。qpAdmはアレル頻度の違いに基づいているので、個々の対象のモデル化はSNP網羅率が低い場合にはより低い解像度になることに要注意です。

 河北_紅山_5000年前における山東_博山_8000年前と河南_黄河_MN_5000年前の推定された祖先系統の割合は、山東_傅家_LDWK_5000年前および山東_呉村_LDWK_5000年前によって表される山東の大汶口文化の人々の割合と類似していました。外群f₃統計によって示されるように、これは、河北_紅山_5000年前が山東_傅家_LDWK_5000年前および山東_呉村_LDWK_5000年前と高い遺伝的浮動を共有していた理由を説明できるかもしれません。河北_紅山は、42.7~46.7%の山東_傅家_LDWK_5000年前/山東_呉村_LDWK_5000年前と53.3~57.3%の東モンゴル_N_7000年前の混合としてもモデル化できます。河北_紅山_5000年前の全個体も、山東_傅家_LDWK_5000年前/山東_呉村_LDWK_5000年前と東モンゴル_N_7000年前の混合としてモデル化できます。

 河北_紅山_5000年前について同じ外群一式と祖先供給源を用いて、qpAdmで遼寧_WLR_MN_5000年前の遺伝的特性もモデル化されました。遼寧_WLR_MN_5000年前は31.3%の東モンゴル_N_7000年前と28.5%の河南_黄河_MN_5000年前と40.5%の山東_博山_8000年前の混合としてモデル化できます。遼寧_WLR_MN_5000年前は、71.6%の山東_呉村_LDWK_5000年前と28.4%の東モンゴル_N_7000年前の混合としてもモデル化できます。


●表現型予測

 HIrisPlex体系で41ヶ所のSNPを用いて、目と皮膚と髪の色が予測されました。これら41ヶ所のSNPにおいて低い欠損率の2個体は、茶色の目と黒髪と濃い色から黒色の皮膚を有する、と予測されました。アジア東部現代人において選択下にある関連多様体の有無も調べられました。ZJG2およびZJG7はアジア東部人固有のrs3827760-G(2番染色体_pos109513601_refA_altG)多様体を有しており、これはより真っ直ぐで厚い髪やシャベル型切歯を有する確率の増加と関連していました。ZJG2およびZJG7はアジア東部人固有のrs17822931-T(16番染色体_pos48258198_refC_altT)多様体を有しており、これは乾燥した耳垢や体臭の欠如と関連しています。ZJG2およびZJG7はは多様体rs1229984-T(4番染色体_pos100239319_refT_altC)およびrs671-G(12番染色体_pos112241766_refG_altA)のアレルを有しておらず、これらのアレルはアジア東部人におけるアルコール依存症の危険性および比較的高い頻度と関連しています。


●考察

 中国の北部と北東部の交差点に位置する紅山文化は、新石器時代のアジア東部における最初期の複雑な社会の一つを表していました。紅山文化の遺物は、現在のモンゴル南部から遼寧省にかけて広がる地域で見られ、その面積は20万km²以上です。この研究では、河北省の紅山文化の親族関係にない15個体のゲノムが生成されました。本論文が把握している限りでは、地域これはこの地域からの最初の古代ゲノムデータです。それによって、紅山文化の遺伝的起源と紅山文化の拡散モデルに関するいくつかの長年の問題への回答が可能となりました。


●紅山文化の人口拡散

 本論文は、紅山文化の人口拡散に関する直接的な遺伝学的証拠を提供します。約473km離れていたものの、鄭家溝遺跡個体のゲノムによって表される河北省の紅山文化人口集団と、半拉山遺跡の遼寧_WLR_MN_5000年前によって表される紅山文化の中核地域の紅山文化人口集団は、相互と最高の遺伝的浮動を共有していた、と分かりました。さらに、河北_紅山_5000年前と同時代の廟子溝文化関連の南モンゴル_廟子溝_MN_5500年前との間のより近い距離(約126km)にも関わらず、河北_紅山_5000年前は廟子溝_MNによって表される廟子溝文化関連の人々とよりも遼寧_WLR_MN_5000年前の方とより密接な遺伝的関係を示しました。この遺伝的類似性についての最も節約的な説明は、河北省の紅山文化の人々と遼寧省の紅山文化の人々は同じ(もしくはひじょうに類似した)祖先系統供給源に由来していた、というもので、それは、祖先系統特性のそうした同様のパターンが、共通の祖先供給源を有していなければ、異なる在来祖先系統の地理的に遠い地域で観察される可能性は低いからです。したがって、本論文の結果は、人口移動が紅山文化の西方への拡大に伴っていた、との見解を裏づけます。


●紅山文化人口集団の遺伝的形成

 河北_紅山_5000年前はさまざまな割合の仰韶文化関連農耕民祖先系統によって特徴づけられる人口下部構造を示す、と分かりました。仰韶文化関連祖先系統は、古代および現在の中国の人々の最も重要な生物学的起源の一つです。以前の古代DNA研究では、山東や中国の南西部および北西部やチベット高原への仰韶文化の拡大は人口拡散によって起きた、と示唆されました(Tao et al., 2023、Du et al., 2024、Ma et al., 2025、Xiong et al., 2024、Wang B et al., 2024、Wang F et al., 2024、Fang et al., 2025、Qu et al., 2025)。考古学的観点からは、紅山文化は在来のより古い趙宝溝文化と仰韶文化の北方への拡大の混合と考えられていました。今まで、遼寧省と河北省における紅山文化期に先行するゲノムは欠けています。ANA関連系統が新石器時代においてモンゴル高原とアムール川流域とロシア極東にまたがったていたこと(Ning et al., 2020、Mao et al., 2021、Wang CC et al., 2021)を考えると、ANA関連系統が遼寧省と河北省の紅山文化期に先行する人々の系統と想定できるかもしれません。

 興味深いことに、紅山文化と関連する個体群において、考古学的仮説から推測される仮定された2供給源、つまり仰韶文化関連系統とANA関連系統に加えて、第三の供給源、つまり山東の狩猟採集民関連系統からの遺伝的寄与が観察されました。本論文は河北_紅山_5000年前と遼寧_WLR_MN_5000年前について2通りの混合モデルを提案しており、一方では、紅山文化の人々は仰韶文化関連とANA関連と山東の狩猟採集民関連の系統の混合で、もう一方では、紅山文化の人々は、ANAと、山東_傅家_LDWK_5000年前および山東_呉村_LDWK_5000年前によって表される山東の大汶口文化関連の人々の混合でした。河北_紅山_5000年前/遼寧_WLR_MN_5000年前と山東_傅家_LDWK_5000年前/山東_呉村_LDWK_5000年前は、仰韶文化農耕民および山東の狩猟採集民と関連祖先系統の同様の比率を示しました。節約モデル(つまり、より複雑なモデルに対して、より少ない供給源人口集団のモデルを選ぶこと)に基づいて、ANAによって表される在来祖先系統と大汶口文化関連の人々の北方への移動の混合によって紅山文化の人々は遺伝的に形成された可能性がより高い、と本論文は主張します。紅山文化への山東の大汶口文化の個体群の遺伝的影響は、この2文化間の文化的相互作用に起因するかもしれません。

 本論文の祖先系統モデル化では、紅山文化人口集団は主要な3供給源から遺伝的寄与を継承しており、そりはANAと仰韶文化農耕民と山東の狩猟採集民だった、と明らかになります。ANA系統は家庭された在来の趙宝溝文化の基盤と一致しますが、仰韶文化関連祖先系統は山東から北方へと移動してきた大汶口文化農耕民経由で間接的にもたらされた可能性が高そうです。これは、紅山文化の形成を趙宝溝文化集団と仰韶文化集団との間の間接的な相互作用にのみ帰した、以前の考古学的仮説に異議を唱えます。代わりに、本論文の結果は、雑穀農耕慣行と遺伝的祖先系統を中原から紅山文化周辺に伝えた、重要な媒介としての大汶口文化を浮き彫りにします。


●表現型の遺産と適応的形質

 河北_紅山_5000年前の個体群における、アジア東部人固有の形質が調べられました。河北_紅山_5000年前は、アジア東部現代人における、乾燥した耳垢および体臭の欠如と関連するアレルを有しており、アルコール依存症の危険性減少と関連するアレルを有していませんでした。現在の人口集団における形質と関連するアレルは、自然選択に起因するか混合によってもたらされたかもしれないことに要注意です。現在の形質における古代の系統の遺伝的遺産は、古代DNAを用いてユーラシア西部人において推測されてきました(Barrie et al., 2024、Irving-Pease et al., 2024)。さらに、紅山文化と関連する人々とアジア東部現代人との間には遺伝的相違が存在します。紅山文化と関連する遺伝的遺産のような、アジア東部古代人の遺伝的遺産がアジア東部現代人固有の形質に反映されているのかどうかは、将来の遺伝学的研究の大きな関心の主題となるでしょう。


●まとめ

 本論文の調査結果は、紅山文化を複数の新石器時代の相互作用圏に位置づけます。紅山文化の人々の遺伝的特性は、ANAと黄河の祖先系統が混合していた、廟子溝遺跡や石峁遺跡のような同時代の文化で観察されます。しかし、紅山文化の人々の独特な山東関連構成要素は、中原と山東とアジア北東部の間の文化および遺伝的架け橋としての独特な役割を示唆します。これは、これらの地域間の長距離翡翠交易および共有された儀式慣行に関する考古学的証拠と一致します。さらに、紅山文化の人々への大汶口文化農耕民の遺伝的影響は、中国の新石器時代研究における伝統的な南北の二分法に異議を唱えます。代わりに、初期アジア東部社会を形成した多方向の移動および文化的交流の網が強調されます。

 本論文は1ヶ所の遺跡のみに基づいているので、河北省の紅山文化関連の人々における全体的な遺伝的多様性を表していないかもしれないことに要注意です。紅山文化の拡散モデルおよび周辺文化との相互作用の調査には、紅山文化期のより広範な地域でのさらなる標本抽出が必要でしょう。前期新石器時代の河北省および西遼河の人々は、河北_紅山_5000年前および遼寧_WLR_MN_5000年前の人々の混合モデルの改良に役立つかもしれません。


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この記事へのコメント

熊笹
2025年06月25日 21:13
紅山文化人に山東系の遺伝的影響があったのは初めて知りました。黄河流域の祖先系統がいつ頃から西遼河に広まっていったのか気になりますね。
管理人
2025年06月26日 06:44
西遼河地域の人口史は日本列島の歴史とも関わってきそうですから、私も注目しています。

ユーラシア東部の15000年以上前の古代人のゲノムデータが少ないため、ANA的系統と仰韶文化集団的系統の分岐や形成や拡散や混合の過程が不明で、西遼河地域については、紅山文化より前の古代人のゲノム解析など、今後の古代ゲノム研究の進展によって意外な人口史が明らかになる可能性も想定しています。