大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第16回「さらば源内、見立ては蓬莱」

 今回は平賀源内の退場が描かれました。前回描かれた徳川家基の毒殺と松平武元の死(暗殺?)が、今回の源内の退場にもつながっており、これが源内と田沼意次の関係を悪化させ、源内の精神状態をますます不安定化させることなど、長期の一話完結ではない連続ものの時代劇としてなかなか上手い構成だと思います。源内の精神状態が不安定化していく前提として、直接的にはエレキテルの不評があり、さらには鉱山経営の失敗など、源内に実績がない、との悪評もあるわけですが、本作ではこれまで源内のそうした側面が描かれていたので、説得力がある展開になっていたように思います。

 源内は獄死した、と伝わっていますが、その経緯がどう描かれるのか、気になっていました。源内は策略によって入獄しますが、源内は意次の命で家基の毒殺を探っており、蔦屋重三郎が戯作の執筆を依頼し、源内は家基の毒殺を題材にして執筆し始めていたので、それを察した家基毒殺の黒幕による謀略で、その黒幕は一橋治済だった、と示唆するような展開になっていました。一橋治済はこれまで悪役のように描かれており、最終回まで登場するでしょうし、今後の暗躍?も注目されますが、本作のこれまでの傾向から、単なる安っぽい悪役や黒幕にはならないだろう、と期待しています。

 なお、来週は休止で、本作の特集番組の放送となるそうです。2018年以降の大河ドラマは48回程度なので、4ヶ月に1週くらいの間隔で放送休止となり、選挙がある時に休止となることもありますが、今年(2025年)は7月28日に参院選の投開票が行なわれるので、次は7月28日に放送休止となりそうです。朝ドラも2020年上半期以降は1週間に5日の放送となりましたし、「働き方改革」のためなのでしょう。序盤の重要人物だった瀬以(花の井、五代目瀬川)と源内の二人が相次いで退場したところでの放送休止は、区切りとしてよいように思います。ただ、瀬以は死んだわけではないので、どこかで再登場があるのではないか、と期待しています。

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