再来年(2027年)の大河ドラマは小栗忠順を主人公とする『逆賊の幕臣』

 再来年(2027年)の大河ドラマは紫式部を主人公とする小栗忠順(上野介)を主人公とする『逆賊の幕臣』に決定した、と報道されました。脚本は、安達奈緒子氏、主演は松坂桃李氏です。再来年の大河ドラマは幕末(~近代)ものが最有力と予想していましたが(関連記事)、小栗忠順は念頭にありませんでした。これまで大河ドラマの予想で幕末ものでは主人公として大隈重信を挙げることが多く、それはいわゆる薩長土肥のうち「肥」視点の大河ドラマがなかったからで、今後も大河ドラマの予想で幕末ものの主人公としては大隈重信、準主人公として福沢諭吉を挙げるつもりです。

 幕府視点の幕末もの大河ドラマは2021年放送の『青天を衝け』以来で、戊辰戦争中までに死亡した幕府側の人物が主人公となるのは、2004年放送の『新選組!』以来となります。報道によると、小栗忠順は「新しい国のかたちをデザインした江戸幕府の天才」として描かれるようですが、小栗忠順は戊辰戦争中に処刑されたので、日本の近代化に旧幕臣が大きく貢献したことは、本作で描かれないのでしょう。ただ、そうしたことを強く予感させる構成になるかもしれず、期待しています。日本の近代化に旧幕臣が大きく貢献したことは、大河ドラマでは『青天を衝け』で描かれていましたが、今後もたまにそうした大河ドラマを視聴したいものです。

 脚本の安達奈緒子氏の作品では、朝ドラの『おかえりモネ』を視聴したことがありますが、正直なところ、私が視聴した朝ドラでは、『べっぴんさん』程ではないとしても地味型駄作(派手型駄作の代表は『ちむどんどん』で、続いて『半分、青い』)だったので、この点では不安もあります。また、「“時代遅れな江戸幕府が明治維新で倒れ、日本はようやく近代を迎えた”という歴史観は、もはや過去のもの。近年の研究では、日本の近代は既に幕末から始まっていたことが明らかになっています」と報道にあることから、極端な反「薩長」視点になるのではないか、との懸念もありますが、現時点ではかなり期待しています。

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