後期ジュラ紀の最初期の短尾鳥類
後期ジュラ紀(約1億5020万~1億4990万年前)の最初期の短尾鳥類に関する研究(Chen et al., 2025)が公表されました。近年の大進化研究では、初期鳥類の多様化がジュラ紀に起きた、と推測されていますが、ジュラ紀の鳥類の確かな化石記録は始祖鳥(Archaeopteryx)のみで、また、始祖鳥をデイノニコサウルス類恐竜に分類する解析結果もいくつか存在します。既知のジュラ紀鳥類は、羽毛のある翼を持つものの、祖先的な爬虫類様の長い尾を持つ点で非鳥群獣脚類の方に似ていました。これは、白亜紀のクラウン群側分類群の大半が、尾端骨と呼ばれる、複数の尾椎が癒合した骨を終端とする短い尾を持つこととは際立って対照的です。
本論文は、最近になって中華人民共和国福建省の後期ジュラ紀の政和動物相からで発見された、最古の短尾鳥群となる新属新種バミノルニス・チェンゲンシス(Baminornis zhenghensis)を報告します。「Bamin」は福建省の古代名に由来します。この種は、最初期に分岐した鳥群の化石記録に存在した時空間的に大きな空白を埋めます。バミノルニス・チェンゲンシスには、派生的な鳥胸類様の肩帯および腰帯と、祖先的な非鳥群マニラプトル類の手という独特な組み合わせが認められ、これはステム群鳥群系統におけるモザイク進化を示している。
同じ産地から出土した鳥群の叉骨は、本論文の形態計測学的解析および系統発生解析に基づくと、真鳥形類に属する、と考えられます。新たに発見されたこれら一連の化石は、鳥類の高度に派生的な特徴がこれまでの推定より約2000万年早く出現していたことを明らかにしており、同じ産地のアンキオルニス類の化石とともに、鳥類の起源がこれまでの想定より古く、ジュラ紀に初期鳥類の放散があったことを示唆しています。バミノルニス・チェンゲンシスの発見は、ジュラ紀後期の鳥類の多様性を強調し、鳥類進化の重要な段階をより明らかにします。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。
古生物学:初期の尾の短い鳥
中国で発見された最古の短尾の鳥を報告する論文が、今週のNature に掲載される。新しく発見されたこの種はジュラ紀後期のもので、長い尾羽を持つ始祖鳥(Archaeopteryx)の時代とほぼ同時期のものである。この発見により、現代の鳥類の象徴である長い尾羽の喪失時期が2,000万年近くも遡ることとなった。
ジュラ紀の鳥類の化石記録はまれであり、この時代(約1億5,000万年前)の原始的な鳥類として広く受け入れられているのは始祖鳥だけである。そのため、始祖鳥は、鳥類がどのように恐竜から進化したかについての洞察を提供している。しかし、歯が生えていたり長い尾があったりと、鳥類よりも恐竜との類似点の方が多い。鳥類の進化の初期段階において、短い尾は進化上の革新の顕著な特徴であり、体重の分布や飛行メカニズムなど生物学のさまざまな側面に影響を与えた可能性がある。
Min Wangらは、ジュラ紀後期(約1億4,990万–1億5,020万年前)に相当する中国福建省の政和(Zhenghe)動物群から、新種の化石鳥類を発見したと報告している。新種は、Baminornis zhenghensis(「Bamin」は福建省の古代名に由来する)と名付けられた。Baminornisは、現代の鳥類に見られるような極めて短い尾が特徴的であり、始祖鳥の長い尾とは対照的である。この特徴により、Barminornisは現時点で報告されているジュラ紀の短尾鳥(したがって最古の短尾鳥)であり、この派生した鳥の特徴の出現時期を2,000万年近くも遡らせることになる。Barminornisの発見は、ジュラ紀後期の鳥類の多様性を強調し、鳥類進化の重要な段階をより明らかにするものである。
古生物学:中国の後期ジュラ紀層で発見された最初期の短尾鳥類
古生物学:尾の短い鳥類はジュラ紀に出現していた
今回、中国で後期ジュラ紀の新しい鳥類の化石が発見された。この鳥類は、年代が始祖鳥と同時期だが、短い尾の特徴である尾端骨(鶏肉の「ぼんじり」部位の骨)を有しており、これによって鳥類のこの派生的な特徴の出現時期が2000万年近くさかのぼることになった。
参考文献:
Chen R. et al.(2025): Earliest short-tailed bird from the Late Jurassic of China. Nature, 638, 8050, 441–448.
https://doi.org/10.1038/s41586-024-08410-z
本論文は、最近になって中華人民共和国福建省の後期ジュラ紀の政和動物相からで発見された、最古の短尾鳥群となる新属新種バミノルニス・チェンゲンシス(Baminornis zhenghensis)を報告します。「Bamin」は福建省の古代名に由来します。この種は、最初期に分岐した鳥群の化石記録に存在した時空間的に大きな空白を埋めます。バミノルニス・チェンゲンシスには、派生的な鳥胸類様の肩帯および腰帯と、祖先的な非鳥群マニラプトル類の手という独特な組み合わせが認められ、これはステム群鳥群系統におけるモザイク進化を示している。
同じ産地から出土した鳥群の叉骨は、本論文の形態計測学的解析および系統発生解析に基づくと、真鳥形類に属する、と考えられます。新たに発見されたこれら一連の化石は、鳥類の高度に派生的な特徴がこれまでの推定より約2000万年早く出現していたことを明らかにしており、同じ産地のアンキオルニス類の化石とともに、鳥類の起源がこれまでの想定より古く、ジュラ紀に初期鳥類の放散があったことを示唆しています。バミノルニス・チェンゲンシスの発見は、ジュラ紀後期の鳥類の多様性を強調し、鳥類進化の重要な段階をより明らかにします。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用(引用1および引用2)です。
古生物学:初期の尾の短い鳥
中国で発見された最古の短尾の鳥を報告する論文が、今週のNature に掲載される。新しく発見されたこの種はジュラ紀後期のもので、長い尾羽を持つ始祖鳥(Archaeopteryx)の時代とほぼ同時期のものである。この発見により、現代の鳥類の象徴である長い尾羽の喪失時期が2,000万年近くも遡ることとなった。
ジュラ紀の鳥類の化石記録はまれであり、この時代(約1億5,000万年前)の原始的な鳥類として広く受け入れられているのは始祖鳥だけである。そのため、始祖鳥は、鳥類がどのように恐竜から進化したかについての洞察を提供している。しかし、歯が生えていたり長い尾があったりと、鳥類よりも恐竜との類似点の方が多い。鳥類の進化の初期段階において、短い尾は進化上の革新の顕著な特徴であり、体重の分布や飛行メカニズムなど生物学のさまざまな側面に影響を与えた可能性がある。
Min Wangらは、ジュラ紀後期(約1億4,990万–1億5,020万年前)に相当する中国福建省の政和(Zhenghe)動物群から、新種の化石鳥類を発見したと報告している。新種は、Baminornis zhenghensis(「Bamin」は福建省の古代名に由来する)と名付けられた。Baminornisは、現代の鳥類に見られるような極めて短い尾が特徴的であり、始祖鳥の長い尾とは対照的である。この特徴により、Barminornisは現時点で報告されているジュラ紀の短尾鳥(したがって最古の短尾鳥)であり、この派生した鳥の特徴の出現時期を2,000万年近くも遡らせることになる。Barminornisの発見は、ジュラ紀後期の鳥類の多様性を強調し、鳥類進化の重要な段階をより明らかにするものである。
古生物学:中国の後期ジュラ紀層で発見された最初期の短尾鳥類
古生物学:尾の短い鳥類はジュラ紀に出現していた
今回、中国で後期ジュラ紀の新しい鳥類の化石が発見された。この鳥類は、年代が始祖鳥と同時期だが、短い尾の特徴である尾端骨(鶏肉の「ぼんじり」部位の骨)を有しており、これによって鳥類のこの派生的な特徴の出現時期が2000万年近くさかのぼることになった。
参考文献:
Chen R. et al.(2025): Earliest short-tailed bird from the Late Jurassic of China. Nature, 638, 8050, 441–448.
https://doi.org/10.1038/s41586-024-08410-z
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