河北省で発見された中期更新世ホモ属遺骸
取り上げるのが遅れてしまいましたが、中華人民共和国河北省張家口市陽原県の許家窯(Xujiayao、略してXJY)遺跡で発見された中期更新世のホモ属遺骸の形態学的分析結果を報告した研究(Zhang et al., 2024)が公表されました。許家窯遺跡は許家窰(Houjiayao)遺跡とも呼ばれています。本論文は主成分分析(principal component analysis、略してPCA)を用いて、許家窯遺跡のホモ属化石(XJY6)を現生人類(Homo sapiens)やネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)やホモ・エレクトス(Homo erectus)などのホモ属と比較し、種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)に分類され、さらにはネアンデルタール人とデニソワ人との間で遺伝子流動が起きた可能性を指摘しています。中国で発見された種区分について議論のある中期~後期更新世ホモ属遺骸の少なくとも一部がデニソワ人に分類できる可能性は、デニソワ人の存在が確認された当初から指摘されており(関連記事)、本論文は、分子生物学的データが得られているわけではないので決定的ではないとしても、デニソワ人が華北地域にまで拡散していた有力な証拠を提示した、と言えそうです。
●研究史
1976年、中国北部の泥河湾盆地(The Nihewan Basin)の許家窯(XJY)遺跡の74093地点で、最初のホモ属化石が発見されました。その後の発掘で合計21点の頭蓋断片が得られ、13点の頭頂骨、2点の後頭骨、1点の左側側頭骨、1点の部分的な左側上顎、1点の部分的な下顎、3点の遊離した歯が含まれます。最近の研究では、頭蓋前方部であるXJY6が断片のうち3点で再構築され、それは、1点の右側頭頂骨(元々はPA1490)、1点の後頭骨(PA1486)、左側側頭骨(PA1498)です。一連の年代測定手法が許家窯遺跡の資料に適用されてさまざまな年代が得られ、ウラン系列法では125000~104000年前頃、光刺激ルミネッセンス発光(Optically Stimulated Luminescence、略してOSL)では20万~16万年前頃、電子スピン共鳴法(electron spin resonance、略してESR)では37万~27万年前頃です。OSL年代は許家窯遺跡の寒冷適応動物相と一致するので、許家窯遺跡のホモ属の年代を表している可能性が高そうです。
XJY化石群の調査は、派生的(ネアンデルタール人および現生人類的)特徴と(前期~中期更新世のホモ属標本に見られるような)古代型の特徴両方を示す、寄せ集めの形態学的パターンを明らかにしました。XJYホモ属いくつかの解剖学的特徴は、ネアンデルタール人形態を示す、と示唆されています。XJY1の上顎は2層の鼻底、広くて狂い鼻縁、強くシャベル型になっている上顎の中切歯および犬歯を示します。XJY14の下顎は、広い下顎枝、非対称的な下顎切痕、拡大した上内側翼状結節、おそらくは後臼歯空間を特徴とします。XJY6(元々はXJY15と命名されました)の側頭骨は、高い矢状迷路指数(つまり、後半規管が側方規管の平面と比較して低い位置にあります)と比較的大きな横側三半規管を示します。しかし、XJY遺骸群は、ネアンデルタール人で通常観察される範囲から外れる特徴も示します。第一大臼歯の歯冠は、頬側の半長方形の輪郭、顕著な帯状の発達、周辺に位置する咬頭を示します(Xing et al., 2015)。XJY14の下顎には、下顎外反と開いた下顎孔があります。XJY6の側頭骨の外部形態はネアンデルタール人とほとんど類似しておらず、高くて丸い鱗状骨部を示します。さらに、頬骨弓は耳道の上で後方に伸びており、頭頂切痕で終わる乳突稜を形成します。注目すべきことに、外耳道の長軸は水平ではなく垂直に向いています。
古代DNAから得られた証拠では、ネアンデルタール人とデニソワ人は765000~55万年前頃か(Meyer et al., 2016)、歯の形態に基づくと100万~80万年前頃に分岐した(Gómez-Robles., 2019)、と示唆されています。古代DNA(Meyer et al., 2014、Meyer et al., 2016)と形態学(Arsuaga et al., 2014)両方のデータから、スペイン北部の通称「骨の穴(Sima de los Huesos、略して)洞窟」遺跡の人類はネアンデルタール人系統の最古級の構成員である可能性が高い、と示唆されています。しかし、遺伝的データの欠如と、アジア東部の中期~後期更新世の化石記録で観察された明らかな形態学的変異性のため、XJYや陝西省の大茘(Dali)遺跡や河南省許昌(Xuchang)市の霊井(Lingjing)遺跡や遼寧省の金牛山(Jinniushan)遺跡など、ほとんどの化石とデニソワ人およびネアンデルタール人との系統発生的関係は不明なままで、この問題は現在激しい議論となっています(Bae et al., 2023)。
デニソワ人はネアンデルタール人の姉妹集団で、現生人口集団の遺伝学的分析に基づいて、デニソワ人はアジアに居住しておれ、そこで現代人の祖先と遭遇して交雑した、と示唆されてきました(Meyer et al., 2012、Huerta-Sánchez et al., 2014)。DNAメチル化地図に基づく分析でも、デニソワ人は形態学的に現生人類と異なっていたに違いないものの、ネアンデルタール人と多数の類似性を示す、と示唆されました(Gokhman et al., 2019)。XJY標本群の形態は初期現生人類と顕著に異なっており、ネアンデルタール人といくらかの類似性を示し、それが以前に、XJY標本群はデニソワ人を表しているかもしれない、との提案につながりました(Demeter et al.,2022)。以前の測定研究はXJY6の骨迷路におけるネアンデルタール人的特徴を明らかにしましたが(図1)、本論文は幾何学的形態計測手法を用いて、この重要な形態学的特徴へのより詳細な洞察を提供します。したがって、本論文の目的は、XJY6の骨迷路の三次元形態を、前期更新世ホモ属やネアンデルタール人や現生人類と比較し、XJYが比較対象集団の一つの範囲内に収まるのかどうか、および/もしくはネアンデルタール人あるいはデニソワ人を表しているかもしれないのかどうか、評価することです。以下は本論文の図1です。
●資料と手法
ホモ属化石とXJYと他のヒト集団の間の分類学的関係を解明するため、本論文はアフリカの前期更新世ホモ属、アジア南東部の140万もしくは90万年前頃(Matsu’ura et al., 2020)およびアジア東部の163万年前頃(Zhu et al., 2015)となる狭義のホモ・エレクトス(つまり、アジアのホモ・エレクトス)、ジブラルタル(Wood et al., 2013)などのネアンデルタール人、後期更新世(Curnoe et al., 2012)および最近の現生人類で構成される比較標本に依拠しました(表1)。標準の集団間(between group、略して)PCA(bgPCA)と交差検証(cross-validated、略してCV)集団間PCA(CV-bgPCA)で、これらのホモ属が比較されました。また、骨迷路全体と三半規管のみでの分析も行なわれました。
●分析結果
bgPCAの結果は、現生人類および前期更新世ホモ属とのネアンデルタール人の違いを明らかにします(図2)。現生人類とアフリカの前期更新世ホモ属および狭義のホモ・エレクトスの両方は、大きな前方規管および後半規管の位置、小さく低い位置の側方規管、垂直方向で内側に位置する蝸牛、広い第一蝸牛回転および密に渦巻いている第二および第三蝸牛回転のため、同様の負のbgPC1得点となります。ネアンデルタール人はbgPC1に沿って他の集団と充分に分離しており、(側方規管と後半規管の両方が鋭角を形成する回転の結果として)より上方に位置する側方規管、垂直に傾斜した前膨大部、ひじょうに短く頑丈な総脚、やや小さい前方規管および後半規管、密な第一蝸牛回転があります。前期更新世ホモ属(とくに、狭義のホモ・エレクトス)は、より前方に位置する前方三半規管、より少ない回転のより短い蝸牛のため、bgPC2に沿ってネアンデルタール人と現生人類から分離します。bgPC1およびbgPC2の両方で、XJY6はネアンデルタール人とクラスタ化し(まとまり)、類似の形態を示します。この結果は、XJY6で得られた典型性確率によってさらに確証され、XJY6がネアンデルタール人の集団分布と適合する、と示されます。以下は本論文の図2です。
三半規管の分析(図3)は、全形状で得られた結果(図2)と一致します。最初の2bgPCで把握されたパターンは完全な骨迷路で得られたパターンを反映していますが、現生人類とネアンデルタール人との間の違いは減少しており、前期更新世ホモ属はbgPC2に沿って現生人類から分離しています。また、XJY6はネアンデルタール人の凸多面体の外側に位置し、ネアンデルタール人と現生人類の中間となります。これは二つの要因によって起きています。第一に、全形状と比較すると、現生人類は三半規管においてより広い形態の差異を示し、それは第一bgPCにおけるネアンデルタール人との微妙な違いの特定を妨げます。第二に、XJY6における規管と比較しての蝸牛の形態とその位置は、ネアンデルタール人との類似性の良好な指標です。それにも関わらず、典型性確率ではXJY6はネアンデルタール人に帰属するものの、現生人類との類似性は回復します。以下は本論文の図3です。
●考察とまとめ
本論文で観察された前期更新世ホモ属と現生人類からネアンデルタール人を区別する独特な迷路形態は以前の形態計測分析と一致し、ネアンデルタール人は側部三半規管の位置がより高く、側部三半規管がより大きく、前方規管がより狭く、後方規管がより短く、前膨大部線がより垂直に傾斜している、と示されます。しかし、形態計測によって、追加の特徴がこれらの集団を区別する、と確証できました。とくに、側方三半規管の位置の上昇は、側方規管と後半規管の両方によって影響を受ける複合的特徴です。これら2ヶ所の規管は、ネアンデルタール人と比較して前期更新世ホモ属および現生人類においてより多くのねじれも示します。本論文の分析では、三半規管の側面と後面との間の角度および蝸牛の基底回転の向きも、ネアンデルタール人と他の集団との間で異なる、と示されます。
骨迷路の形態に埋め込まれた強い系統発生的兆候およびヒトにおける分散距離の評価でのその重要性を考えると、内耳形態に基づく本論文の結果は、XJY6とネアンデルタール人との間の、ひいては、おそらくXJY6とデニソワ人との間の密接な関係を示唆しています。観察された歯および頭蓋の特徴の数と一致して、骨迷路の形態はXJY標本群をデニソワ人と結びつける指標を提供します。古遺伝学的分析によって示されるように、ネアンデルタール人とデニソワ人は姉妹集団で(Meyer et al., 2012、Slon et al., 2018)、多くの形態学的特徴を共有している可能性が高そうですが(Demeter et al.,2022)、おそらくはいくつかの頭蓋形質では異なります(Gokhman et al., 2019)。
XJY頭蓋遺骸は、ネアンデルタール人の平均期を超える大きな頭蓋容量とともに、一部の前期および中期更新世ホモ属で見られるようなネアンデルタール人的形質とより祖先的な形態の寄せ集めを示しています。デニソワ洞窟のデニソワ人の頭頂骨の形態は、XJY化石群と類似している、と示唆されました。XJY14の下顎形態はネアンデルタール人的特徴(非対称的な下顎切痕、拡大した上内側翼状結節)や、平面三角骨における異常な凹みを示します。歯の形態も、XJY化石群をデニソワ洞窟の化石群と一致させます。XJYの第二大臼歯PA1480(Xing et al., 2015)は、大きさ咬合形態の点でデニソワ4号(Sawyer et al., 2015)とほぼ同じです。
下顎大臼歯PA1500(Xing et al., 2015)のEDJ(enamel-dentine junction、エナメル質と象牙質の接合部)も、中華人民共和国甘粛省甘南チベット族自治州夏河(Xiahe)県のチベット高原北東端の海抜3280mに位置する白石崖溶洞(Baishiya Karst Cave)で発見された下顎骨(Chen et al., 2019)の第二大臼歯、およびラオスのフアパン(Huà Pan)県に位置するタム・グ・ハオ2(Tam Ngu Hao 2、略してTNH2)で発見された遊離した大臼歯(TNH2-1)と強く類似しており、両者はデニソワ人標本と考えられています。まとめると、XJYヒト遺骸とネアンデルタール人との間の頭蓋形態における相違、数点の瑠依核にデニソワ人と特定された遺骸とのXJY化石群の形態学的類似性、アジア東部におけるネアンデルタール人の不在【ネアンデルタール人と明確に特定された人類化石がまだ確認されていないこと】から、XJY個体群はデニソワ人を表している可能性が高い、と示唆されます。
XJYのヒトのデニソワ人への帰属は、ヒトの骨迷路の進化に関する理解に重要となります。骨迷路におけるほとんどのネアンデルタール人の特徴は、SH人類や他の中期更新世標本群によって浮き彫りになったように、初期ネアンデルタール人には見られないので、デニソワ人におけるそうした特徴の存在から、クレード(単系統群)の祖先的状態の保持を表しているのではなく、ネアンデルタール人からの分岐後、つまり50万年前頃以後(Meyer et al., 2016)に獲得されたに違いない、と示唆されるでしょう。
一つの仮説は、ネアンデルタール人的な後半規管の形態は【ネアンデルタール人とデニソワ人の】最終共通祖先に存在していたものの、おそらくは50万~40万年前頃に起きたボトルネック(瓶首効果)と関連する遺伝的浮動の結果として(Rogers et al., 2017)、SH人類では失われた、というものです。40万年前頃となるポルトガルのアロエイラ洞窟(Gruta de Aroeira)で発見された別のイベリア半島の1個体によって提供される証拠からは、この個体がSH人類との明確な類似性のない人口集団に属していたものの、典型的なネアンデルタール人的規管形態もなかった、と示唆されます。
ネアンデルタール人系統のこれら最初期の既知の厚生委の状態は、ネアンデルタール人とデニソワ人のクレードにおけるこの特徴の固定の年代地理的時期について疑問を提起します。XJY人類がデニソワ人と仮定するならば、内耳の顕著にネアンデルタール人的な形態はこれらの集団の最終共通祖先から継承されたかもしれません。この特徴が、ネアンデルタール人とデニソワ人の両方で独立して進化したか、これらのアジアのホモ属集団とネアンデルタール人との間の20万年前頃以後、つまり、骨迷路におけるネアンデルタール人の特徴の完全な一式の出現後に起きた交雑から生じた可能性もあります【頭蓋形態の比較に基づいて過去50万年間のホモ属の進化を検証した最近の研究(Neves et al., 2024)でも、その可能性が指摘されていました】。
利用可能なデータに基づくと、前者の仮説【ネアンデルタール人とデニソワ人の両系統での独立した進化】を無視できませんが、後者の仮説【20万年前頃以後のデニソワ人系統とネアンデルタール人系統との交雑】は、アジアの後期更新世ネアンデルタール人とデニソワ人の間の頻繁な混合を示唆する分子分析結果(Prüfer et al., 2014、Slon et al., 2018)とほぼ一致します。アジア東部の中期更新世のヒトの顕著な形態学的変異性(Ni et al., 2021、Roksandic et al., 2022、Bae et al., 2023)を考えると、XJY化石群をデニソワ人に帰属させ、中期~後期更新世ホモ属との系統発生的関係を確証するには、追加の頭蓋歯列の特徴および分子解析に基づくさらなる研究が必要でしょう。
参考文献:
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https://doi.org/10.1126/science.1253958
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Bae CJ. et al.(2023): “Dragon man” prompts rethinking of Middle Pleistocene hominin systematics in Asia. The Innovation, 4, 6, 100527.
https://doi.org/10.1016/j.xinn.2023.100527
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Chen F. et al.(2019): A late Middle Pleistocene Denisovan mandible from the Tibetan Plateau. Nature, 569, 7756, 409–412.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1139-x
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Curnoe D, Xueping J, Herries AIR, Kanning B, Taçon PSC, et al. (2012) Human Remains from the Pleistocene-Holocene Transition of Southwest China Suggest a Complex Evolutionary History for East Asians. PLoS ONE 7(3): e31918.
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Demeter F. et al.(2022): A Middle Pleistocene Denisovan molar from the Annamite Chain of northern Laos. Nature Communications, 13, 2557.
https://doi.org/10.1038/s41467-022-29923-z
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Gokhman GS. et al.(2019): Reconstructing Denisovan Anatomy Using DNA Methylation Maps. Cell, 179, 4, 180–192.E10.
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Gómez-Robles A.(2019): Dental evolutionary rates and its implications for the Neanderthal–modern human divergence. Science Advances, 5, 5, eaaw1268.
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Huerta-Sánchez E. et al.(2014): Altitude adaptation in Tibetans caused by introgression of Denisovan-like DNA. Nature, 512, 7513, 194–197.
https://doi.org/10.1038/nature13408
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Matsu’ura S. et al.(2020): Age control of the first appearance datum for Javanese Homo erectus in the Sangiran area. Science, 367, 6474, 210–214.
https://doi.org/10.1126/science.aau8556
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https://doi.org/10.1126/science.1224344
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Meyer M. et al.(2016): Nuclear DNA sequences from the Middle Pleistocene Sima de los Huesos hominins. Nature, 531, 7595, 504–507.
https://doi.org/10.1038/nature17405
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Neves W. et al.(2024): The latest steps of human evolution: What the hard evidence has to say about it? Quaternary Environments and Humans, 2, 2, 100005.
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Ni X. et al.(2021): Massive cranium from Harbin in northeastern China establishes a new Middle Pleistocene human lineage. The Innovation, 2, 3, 100130.
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Prüfer K. et al.(2014): The complete genome sequence of a Neanderthal from the Altai Mountains. Nature, 505, 7481, 43–49.
https://doi.org/10.1038/nature12886
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Roksandic M. et al.(2022): Resolving the “muddle in the middle”: The case for Homo. Evolutionary Anthropology, 31, 1, 20–29.
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Rogers AR. et al.(2017): Early history of Neanderthals and Denisovans. PNAS, 114, 37, 9859–9863.
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Sawyer S. et al.(2015): Nuclear and mitochondrial DNA sequences from two Denisovan individuals. PNAS, 112, 51, 15696–15700.
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Wood RE. et al.(2013): Radiocarbon dating casts doubt on the late chronology of the Middle to Upper Palaeolithic transition in southern Iberia. PNAS, 110, 8, 2781-2786.
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Xing S. et al.(2015): Hominin teeth from the early Late Pleistocene site of Xujiayao, Northern China. American Journal of Physical Anthropology, 156, 2, 224–240.
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Zhang Y. et al.(2024): Three-dimensional geometric morphometric analysis of the bony labyrinth of Xujiayao 6. Journal of Human Evolution, 189, 103514.
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Zhu MD. et al.(2015): New dating of the Homo erectus cranium from Lantian (Gongwangling), China. Journal of Human Evolution, 78, 144–157.
https://doi.org/10.1016/j.jhevol.2014.10.001
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●研究史
1976年、中国北部の泥河湾盆地(The Nihewan Basin)の許家窯(XJY)遺跡の74093地点で、最初のホモ属化石が発見されました。その後の発掘で合計21点の頭蓋断片が得られ、13点の頭頂骨、2点の後頭骨、1点の左側側頭骨、1点の部分的な左側上顎、1点の部分的な下顎、3点の遊離した歯が含まれます。最近の研究では、頭蓋前方部であるXJY6が断片のうち3点で再構築され、それは、1点の右側頭頂骨(元々はPA1490)、1点の後頭骨(PA1486)、左側側頭骨(PA1498)です。一連の年代測定手法が許家窯遺跡の資料に適用されてさまざまな年代が得られ、ウラン系列法では125000~104000年前頃、光刺激ルミネッセンス発光(Optically Stimulated Luminescence、略してOSL)では20万~16万年前頃、電子スピン共鳴法(electron spin resonance、略してESR)では37万~27万年前頃です。OSL年代は許家窯遺跡の寒冷適応動物相と一致するので、許家窯遺跡のホモ属の年代を表している可能性が高そうです。
XJY化石群の調査は、派生的(ネアンデルタール人および現生人類的)特徴と(前期~中期更新世のホモ属標本に見られるような)古代型の特徴両方を示す、寄せ集めの形態学的パターンを明らかにしました。XJYホモ属いくつかの解剖学的特徴は、ネアンデルタール人形態を示す、と示唆されています。XJY1の上顎は2層の鼻底、広くて狂い鼻縁、強くシャベル型になっている上顎の中切歯および犬歯を示します。XJY14の下顎は、広い下顎枝、非対称的な下顎切痕、拡大した上内側翼状結節、おそらくは後臼歯空間を特徴とします。XJY6(元々はXJY15と命名されました)の側頭骨は、高い矢状迷路指数(つまり、後半規管が側方規管の平面と比較して低い位置にあります)と比較的大きな横側三半規管を示します。しかし、XJY遺骸群は、ネアンデルタール人で通常観察される範囲から外れる特徴も示します。第一大臼歯の歯冠は、頬側の半長方形の輪郭、顕著な帯状の発達、周辺に位置する咬頭を示します(Xing et al., 2015)。XJY14の下顎には、下顎外反と開いた下顎孔があります。XJY6の側頭骨の外部形態はネアンデルタール人とほとんど類似しておらず、高くて丸い鱗状骨部を示します。さらに、頬骨弓は耳道の上で後方に伸びており、頭頂切痕で終わる乳突稜を形成します。注目すべきことに、外耳道の長軸は水平ではなく垂直に向いています。
古代DNAから得られた証拠では、ネアンデルタール人とデニソワ人は765000~55万年前頃か(Meyer et al., 2016)、歯の形態に基づくと100万~80万年前頃に分岐した(Gómez-Robles., 2019)、と示唆されています。古代DNA(Meyer et al., 2014、Meyer et al., 2016)と形態学(Arsuaga et al., 2014)両方のデータから、スペイン北部の通称「骨の穴(Sima de los Huesos、略して)洞窟」遺跡の人類はネアンデルタール人系統の最古級の構成員である可能性が高い、と示唆されています。しかし、遺伝的データの欠如と、アジア東部の中期~後期更新世の化石記録で観察された明らかな形態学的変異性のため、XJYや陝西省の大茘(Dali)遺跡や河南省許昌(Xuchang)市の霊井(Lingjing)遺跡や遼寧省の金牛山(Jinniushan)遺跡など、ほとんどの化石とデニソワ人およびネアンデルタール人との系統発生的関係は不明なままで、この問題は現在激しい議論となっています(Bae et al., 2023)。
デニソワ人はネアンデルタール人の姉妹集団で、現生人口集団の遺伝学的分析に基づいて、デニソワ人はアジアに居住しておれ、そこで現代人の祖先と遭遇して交雑した、と示唆されてきました(Meyer et al., 2012、Huerta-Sánchez et al., 2014)。DNAメチル化地図に基づく分析でも、デニソワ人は形態学的に現生人類と異なっていたに違いないものの、ネアンデルタール人と多数の類似性を示す、と示唆されました(Gokhman et al., 2019)。XJY標本群の形態は初期現生人類と顕著に異なっており、ネアンデルタール人といくらかの類似性を示し、それが以前に、XJY標本群はデニソワ人を表しているかもしれない、との提案につながりました(Demeter et al.,2022)。以前の測定研究はXJY6の骨迷路におけるネアンデルタール人的特徴を明らかにしましたが(図1)、本論文は幾何学的形態計測手法を用いて、この重要な形態学的特徴へのより詳細な洞察を提供します。したがって、本論文の目的は、XJY6の骨迷路の三次元形態を、前期更新世ホモ属やネアンデルタール人や現生人類と比較し、XJYが比較対象集団の一つの範囲内に収まるのかどうか、および/もしくはネアンデルタール人あるいはデニソワ人を表しているかもしれないのかどうか、評価することです。以下は本論文の図1です。
●資料と手法
ホモ属化石とXJYと他のヒト集団の間の分類学的関係を解明するため、本論文はアフリカの前期更新世ホモ属、アジア南東部の140万もしくは90万年前頃(Matsu’ura et al., 2020)およびアジア東部の163万年前頃(Zhu et al., 2015)となる狭義のホモ・エレクトス(つまり、アジアのホモ・エレクトス)、ジブラルタル(Wood et al., 2013)などのネアンデルタール人、後期更新世(Curnoe et al., 2012)および最近の現生人類で構成される比較標本に依拠しました(表1)。標準の集団間(between group、略して)PCA(bgPCA)と交差検証(cross-validated、略してCV)集団間PCA(CV-bgPCA)で、これらのホモ属が比較されました。また、骨迷路全体と三半規管のみでの分析も行なわれました。
●分析結果
bgPCAの結果は、現生人類および前期更新世ホモ属とのネアンデルタール人の違いを明らかにします(図2)。現生人類とアフリカの前期更新世ホモ属および狭義のホモ・エレクトスの両方は、大きな前方規管および後半規管の位置、小さく低い位置の側方規管、垂直方向で内側に位置する蝸牛、広い第一蝸牛回転および密に渦巻いている第二および第三蝸牛回転のため、同様の負のbgPC1得点となります。ネアンデルタール人はbgPC1に沿って他の集団と充分に分離しており、(側方規管と後半規管の両方が鋭角を形成する回転の結果として)より上方に位置する側方規管、垂直に傾斜した前膨大部、ひじょうに短く頑丈な総脚、やや小さい前方規管および後半規管、密な第一蝸牛回転があります。前期更新世ホモ属(とくに、狭義のホモ・エレクトス)は、より前方に位置する前方三半規管、より少ない回転のより短い蝸牛のため、bgPC2に沿ってネアンデルタール人と現生人類から分離します。bgPC1およびbgPC2の両方で、XJY6はネアンデルタール人とクラスタ化し(まとまり)、類似の形態を示します。この結果は、XJY6で得られた典型性確率によってさらに確証され、XJY6がネアンデルタール人の集団分布と適合する、と示されます。以下は本論文の図2です。
三半規管の分析(図3)は、全形状で得られた結果(図2)と一致します。最初の2bgPCで把握されたパターンは完全な骨迷路で得られたパターンを反映していますが、現生人類とネアンデルタール人との間の違いは減少しており、前期更新世ホモ属はbgPC2に沿って現生人類から分離しています。また、XJY6はネアンデルタール人の凸多面体の外側に位置し、ネアンデルタール人と現生人類の中間となります。これは二つの要因によって起きています。第一に、全形状と比較すると、現生人類は三半規管においてより広い形態の差異を示し、それは第一bgPCにおけるネアンデルタール人との微妙な違いの特定を妨げます。第二に、XJY6における規管と比較しての蝸牛の形態とその位置は、ネアンデルタール人との類似性の良好な指標です。それにも関わらず、典型性確率ではXJY6はネアンデルタール人に帰属するものの、現生人類との類似性は回復します。以下は本論文の図3です。
●考察とまとめ
本論文で観察された前期更新世ホモ属と現生人類からネアンデルタール人を区別する独特な迷路形態は以前の形態計測分析と一致し、ネアンデルタール人は側部三半規管の位置がより高く、側部三半規管がより大きく、前方規管がより狭く、後方規管がより短く、前膨大部線がより垂直に傾斜している、と示されます。しかし、形態計測によって、追加の特徴がこれらの集団を区別する、と確証できました。とくに、側方三半規管の位置の上昇は、側方規管と後半規管の両方によって影響を受ける複合的特徴です。これら2ヶ所の規管は、ネアンデルタール人と比較して前期更新世ホモ属および現生人類においてより多くのねじれも示します。本論文の分析では、三半規管の側面と後面との間の角度および蝸牛の基底回転の向きも、ネアンデルタール人と他の集団との間で異なる、と示されます。
骨迷路の形態に埋め込まれた強い系統発生的兆候およびヒトにおける分散距離の評価でのその重要性を考えると、内耳形態に基づく本論文の結果は、XJY6とネアンデルタール人との間の、ひいては、おそらくXJY6とデニソワ人との間の密接な関係を示唆しています。観察された歯および頭蓋の特徴の数と一致して、骨迷路の形態はXJY標本群をデニソワ人と結びつける指標を提供します。古遺伝学的分析によって示されるように、ネアンデルタール人とデニソワ人は姉妹集団で(Meyer et al., 2012、Slon et al., 2018)、多くの形態学的特徴を共有している可能性が高そうですが(Demeter et al.,2022)、おそらくはいくつかの頭蓋形質では異なります(Gokhman et al., 2019)。
XJY頭蓋遺骸は、ネアンデルタール人の平均期を超える大きな頭蓋容量とともに、一部の前期および中期更新世ホモ属で見られるようなネアンデルタール人的形質とより祖先的な形態の寄せ集めを示しています。デニソワ洞窟のデニソワ人の頭頂骨の形態は、XJY化石群と類似している、と示唆されました。XJY14の下顎形態はネアンデルタール人的特徴(非対称的な下顎切痕、拡大した上内側翼状結節)や、平面三角骨における異常な凹みを示します。歯の形態も、XJY化石群をデニソワ洞窟の化石群と一致させます。XJYの第二大臼歯PA1480(Xing et al., 2015)は、大きさ咬合形態の点でデニソワ4号(Sawyer et al., 2015)とほぼ同じです。
下顎大臼歯PA1500(Xing et al., 2015)のEDJ(enamel-dentine junction、エナメル質と象牙質の接合部)も、中華人民共和国甘粛省甘南チベット族自治州夏河(Xiahe)県のチベット高原北東端の海抜3280mに位置する白石崖溶洞(Baishiya Karst Cave)で発見された下顎骨(Chen et al., 2019)の第二大臼歯、およびラオスのフアパン(Huà Pan)県に位置するタム・グ・ハオ2(Tam Ngu Hao 2、略してTNH2)で発見された遊離した大臼歯(TNH2-1)と強く類似しており、両者はデニソワ人標本と考えられています。まとめると、XJYヒト遺骸とネアンデルタール人との間の頭蓋形態における相違、数点の瑠依核にデニソワ人と特定された遺骸とのXJY化石群の形態学的類似性、アジア東部におけるネアンデルタール人の不在【ネアンデルタール人と明確に特定された人類化石がまだ確認されていないこと】から、XJY個体群はデニソワ人を表している可能性が高い、と示唆されます。
XJYのヒトのデニソワ人への帰属は、ヒトの骨迷路の進化に関する理解に重要となります。骨迷路におけるほとんどのネアンデルタール人の特徴は、SH人類や他の中期更新世標本群によって浮き彫りになったように、初期ネアンデルタール人には見られないので、デニソワ人におけるそうした特徴の存在から、クレード(単系統群)の祖先的状態の保持を表しているのではなく、ネアンデルタール人からの分岐後、つまり50万年前頃以後(Meyer et al., 2016)に獲得されたに違いない、と示唆されるでしょう。
一つの仮説は、ネアンデルタール人的な後半規管の形態は【ネアンデルタール人とデニソワ人の】最終共通祖先に存在していたものの、おそらくは50万~40万年前頃に起きたボトルネック(瓶首効果)と関連する遺伝的浮動の結果として(Rogers et al., 2017)、SH人類では失われた、というものです。40万年前頃となるポルトガルのアロエイラ洞窟(Gruta de Aroeira)で発見された別のイベリア半島の1個体によって提供される証拠からは、この個体がSH人類との明確な類似性のない人口集団に属していたものの、典型的なネアンデルタール人的規管形態もなかった、と示唆されます。
ネアンデルタール人系統のこれら最初期の既知の厚生委の状態は、ネアンデルタール人とデニソワ人のクレードにおけるこの特徴の固定の年代地理的時期について疑問を提起します。XJY人類がデニソワ人と仮定するならば、内耳の顕著にネアンデルタール人的な形態はこれらの集団の最終共通祖先から継承されたかもしれません。この特徴が、ネアンデルタール人とデニソワ人の両方で独立して進化したか、これらのアジアのホモ属集団とネアンデルタール人との間の20万年前頃以後、つまり、骨迷路におけるネアンデルタール人の特徴の完全な一式の出現後に起きた交雑から生じた可能性もあります【頭蓋形態の比較に基づいて過去50万年間のホモ属の進化を検証した最近の研究(Neves et al., 2024)でも、その可能性が指摘されていました】。
利用可能なデータに基づくと、前者の仮説【ネアンデルタール人とデニソワ人の両系統での独立した進化】を無視できませんが、後者の仮説【20万年前頃以後のデニソワ人系統とネアンデルタール人系統との交雑】は、アジアの後期更新世ネアンデルタール人とデニソワ人の間の頻繁な混合を示唆する分子分析結果(Prüfer et al., 2014、Slon et al., 2018)とほぼ一致します。アジア東部の中期更新世のヒトの顕著な形態学的変異性(Ni et al., 2021、Roksandic et al., 2022、Bae et al., 2023)を考えると、XJY化石群をデニソワ人に帰属させ、中期~後期更新世ホモ属との系統発生的関係を確証するには、追加の頭蓋歯列の特徴および分子解析に基づくさらなる研究が必要でしょう。
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