大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第4回「『雛形若菜』の甘い罠」
今回も、吉原を中心とした蔦屋重三郎の話を中心にしつつ、江戸幕府中枢の政治劇との二元構成となっていました。この構成は、最終回まで基本的には変わらないのでしょう。現時点では、初回に重三郎と田沼意次が会った以外には、重三郎の話と幕府中枢の政治劇が別々に展開していますが、現時点では平賀源内を通じて重三郎と田沼意次が間接的につながっています。今後、とくに松平定信(田安賢丸)が老中に就任してからは、重三郎と幕府中枢が直接的に関わってくる、とも言えるわけで、そのためにまだ成人役ではない田安賢丸の出番が多いのだろう、と思います。
重三郎は遊女の錦絵の刊行に乗り出しますが、資金調達に苦戦したり、下絵が濡れてしまったりと、順調ではないところも描かれるのは、若者の成功譚として面白くなっています。下絵の修復過程で唐丸の画才を示しているのはなかなか上手い構成で、唐丸が喜多川歌麿であることは、作中ではまだ明示されていないように思いますが、やはり唐丸が喜多川歌麿なのでしょう。重三郎は錦絵の刊行にまでたどり着きますが、重三郎は版元の権利を有していないため、もう関与できなくなります。これは西村屋与八と鱗形屋孫兵衛の陰謀で、版元との関わりもいよいよ本格的に描かれてきましたが、主人公の重三郎の挫折も描いているところは、長期にわたる若者の物語として上手く構成されているように思います。主人公の才覚と行動力で能動的に話が動いていくところは本作の魅力で、これは終盤まで変わらないでしょうから、今後の展開にも大いに期待できそうです。西村屋与八と鶴屋喜右衛門は今回が初登場となり、ともに狡猾なところがありそうで、重三郎との関係が今後どう描かれていくのか、楽しみです。
田安賢丸(松平定信)は白河松平家の養子と決まりましたが、賢丸の兄の田安治察が後継者を残さず没した場合には、賢丸が田安家に戻る約束になっていました。賢丸は松平武元を通じて、田安家に戻るよう、将軍の家治に依頼し、田沼意次は、それでも賢丸を白河松平家の養子とすることに執着し、それは、御三家があるのに御三卿まで養うのは浪費なので、田安家を潰しても構わない、との意図からでした。意次は源内に徳川吉宗の文書を改竄させ、吉宗を尊敬する賢丸は、田安家に戻ることを断念するよう、追い込まれます。これは創作だと思いますが、上手い構成になっています。その結果、賢丸は田沼意次を強く恨むようになり、後半に描かれるだろう田沼意次と松平定信の確執も注目されます。本作で松平定信の扱いはかなり大きそうなので、白河松平家時代もある程度は描かれるのではないか、と予想しています。本筋は当然主人公の重三郎を中心に展開するわけですが、政治劇では田沼意次と松平定信が重要となり、本筋と政治劇をつなぐ重要人物として平賀源内がおり、巧みな構成となっていることも、ここまで本作を楽しめている要因になっていて、今後の展開にも大いに期待しています。
重三郎は遊女の錦絵の刊行に乗り出しますが、資金調達に苦戦したり、下絵が濡れてしまったりと、順調ではないところも描かれるのは、若者の成功譚として面白くなっています。下絵の修復過程で唐丸の画才を示しているのはなかなか上手い構成で、唐丸が喜多川歌麿であることは、作中ではまだ明示されていないように思いますが、やはり唐丸が喜多川歌麿なのでしょう。重三郎は錦絵の刊行にまでたどり着きますが、重三郎は版元の権利を有していないため、もう関与できなくなります。これは西村屋与八と鱗形屋孫兵衛の陰謀で、版元との関わりもいよいよ本格的に描かれてきましたが、主人公の重三郎の挫折も描いているところは、長期にわたる若者の物語として上手く構成されているように思います。主人公の才覚と行動力で能動的に話が動いていくところは本作の魅力で、これは終盤まで変わらないでしょうから、今後の展開にも大いに期待できそうです。西村屋与八と鶴屋喜右衛門は今回が初登場となり、ともに狡猾なところがありそうで、重三郎との関係が今後どう描かれていくのか、楽しみです。
田安賢丸(松平定信)は白河松平家の養子と決まりましたが、賢丸の兄の田安治察が後継者を残さず没した場合には、賢丸が田安家に戻る約束になっていました。賢丸は松平武元を通じて、田安家に戻るよう、将軍の家治に依頼し、田沼意次は、それでも賢丸を白河松平家の養子とすることに執着し、それは、御三家があるのに御三卿まで養うのは浪費なので、田安家を潰しても構わない、との意図からでした。意次は源内に徳川吉宗の文書を改竄させ、吉宗を尊敬する賢丸は、田安家に戻ることを断念するよう、追い込まれます。これは創作だと思いますが、上手い構成になっています。その結果、賢丸は田沼意次を強く恨むようになり、後半に描かれるだろう田沼意次と松平定信の確執も注目されます。本作で松平定信の扱いはかなり大きそうなので、白河松平家時代もある程度は描かれるのではないか、と予想しています。本筋は当然主人公の重三郎を中心に展開するわけですが、政治劇では田沼意次と松平定信が重要となり、本筋と政治劇をつなぐ重要人物として平賀源内がおり、巧みな構成となっていることも、ここまで本作を楽しめている要因になっていて、今後の展開にも大いに期待しています。
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