大河ドラマ『光る君へ』第46回「刀伊の入寇」
今回は、大宰府の話を中心に、刀伊の入寇(関連記事)が描かれました。主人公である紫式部(まひろ、藤式部)は、後に『源氏物語』と呼ばれる物語を書き終えて、生きがいがなくなり、藤原道長(三郎)との関係もどうすればよいのか分からなくなり、迷走した感があります。それが大宰府に赴いた要因でもあるのでしょうが、紫式部は大宰府で周明と再会し、親友の亡くなった地を訪ねようとして、刀伊の入寇に遭遇します。紫式部の大宰府行きを伝える記録はないでしょうし、おそらく紫式部が大宰府を訪れたことはないでしょうから、そこでそれなりに知られているだろう刀伊の入寇に紫式部が遭遇するのは、大河ドラマではありがちなご都合主義とも言えます。ただ、本作はこれまで、主人公を強引に歴史上の有名な出来事に遭遇させることは少なかったように思うので、今回はまあご愛嬌かな、とも考えています。
紫式部は周明と再会し、周明は大宰府で通詞をしつつ、薬師の修行をして、まだ結婚していないようです。周明の発言が事実だとしたら、紫式部と越前で不幸な別れ方をしたことも影響しているのでしょうか。刀伊の入寇に対処した実質的な最高責任者は大宰府に赴任していた藤原隆家で、今回は前線に赴いて指揮していました。じっさいに隆家が前線で兵を指揮したわけではなかったでしょうが、隆家にとって、本作では花山院に矢を射かけたことに続いて大きな見せ場となりました。刀伊の入寇では紫式部も襲われそうになり、周明とともに逃げようとしますが、周明は射られ、重症のようですから、次回で死ぬことになりそうです。
今回は、大宰府での描写が中心となり、都にいる道長の出番はほとんどありませんでした。前回出家し、すでに摂政は道長の息子の頼通が継承していますが、実質的な最高権力者が道長であることは変わらず、頼通も含めて公卿は頻繁に、道長へ重要案件を報告し、その意向を伺っていました。道長は官職を辞した後、法成寺の造営にあたって中級および下級貴族のみならず公卿にも負担を命じ、貴族たちはそれを受け入れており、法成寺の仏壇の造営にあたって、貴族や僧侶や「雑人雑女」が土を運び築き固めるなど、道長は仏への結縁を名目として僧侶・貴族を家来のごとく扱い、国家鎮護を祈る、天皇とは異なる新たな権力が出現し、それが国政上に制度化されたのが院政である、との見解もあります(関連記事)。
紫式部は周明と再会し、周明は大宰府で通詞をしつつ、薬師の修行をして、まだ結婚していないようです。周明の発言が事実だとしたら、紫式部と越前で不幸な別れ方をしたことも影響しているのでしょうか。刀伊の入寇に対処した実質的な最高責任者は大宰府に赴任していた藤原隆家で、今回は前線に赴いて指揮していました。じっさいに隆家が前線で兵を指揮したわけではなかったでしょうが、隆家にとって、本作では花山院に矢を射かけたことに続いて大きな見せ場となりました。刀伊の入寇では紫式部も襲われそうになり、周明とともに逃げようとしますが、周明は射られ、重症のようですから、次回で死ぬことになりそうです。
今回は、大宰府での描写が中心となり、都にいる道長の出番はほとんどありませんでした。前回出家し、すでに摂政は道長の息子の頼通が継承していますが、実質的な最高権力者が道長であることは変わらず、頼通も含めて公卿は頻繁に、道長へ重要案件を報告し、その意向を伺っていました。道長は官職を辞した後、法成寺の造営にあたって中級および下級貴族のみならず公卿にも負担を命じ、貴族たちはそれを受け入れており、法成寺の仏壇の造営にあたって、貴族や僧侶や「雑人雑女」が土を運び築き固めるなど、道長は仏への結縁を名目として僧侶・貴族を家来のごとく扱い、国家鎮護を祈る、天皇とは異なる新たな権力が出現し、それが国政上に制度化されたのが院政である、との見解もあります(関連記事)。
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