大河ドラマ『光る君へ』第43回「輝きののちに」
今回も宮中の人間模様、とくに藤原道長(三郎)と三条帝の駆け引きを中心に話が展開しました。三条帝と道長の間では政治の主導権をめぐって駆け引きが続いており、ついには道長が三条帝に譲位を要求し、ますます関係が悪化していき、道長は三条帝の目と耳の状態が悪いことに気づいて、三条帝を譲位に追い込もうと画策します。道長と源倫子との間の娘である妍子は三条帝との間の子供を産みましたが、皇子ではなく皇女(禎子内親王)だったので、道長はたいそう不機嫌だったそうです。今回、道長は禎子内親王の誕生に対してとくに不機嫌な様子を見せておらず、本作の人物造形とは整合的な描写でしたが、道長が三条帝の譲位を強引に進めたのは、これも一因なのでしょうか。
道長の息子の頼通は、妻に迎えた隆姫女王との間に子供が生まれないことを気に病んでおり、両親から新たな妻を迎えるよう勧められたさいに強く反発していましたが、そのため頼通はなかなか子を儲けることができず、それが摂関政治から院政への移行の一因ともなっています。これは、禎子内親王がすでに登場している一条帝と彰子との間に生まれた敦良親王(後朱雀帝)の皇后となり、尊仁親王(後三条帝)を産み、後三条帝の即位が摂関政治にとって大打撃となったことともに、さすがに本作では言及されないでしょうか。紫式部(まひろ、藤式部)の娘である賢子(大弐三位)は、親しくしていた双寿丸が大宰府に赴く知り、ともに行くことを決意しますが、双寿丸に断られます。今回、藤原隆家が大宰府に赴任することになったので、刀伊の入寇は描かれそうです。賢子との別れの描写から、双寿丸は刀伊の入寇で落命するのではないか、と予想していますが、どうなるのでしょうか。
三条帝に頼りにされている藤原実資は今回、道長への諫言など見せ場がありました。実資は道長より年長で、まだ公卿ではなかった序盤の時点で道長の父である兼家に高く評価されているなど、存在感を示してきました。ただ、実資が道長を諭すような描写になったため、準主人公とも言うべき道長の未熟さが印象づけられた感は否めません。道長がまだ公卿に昇進した頃ならともかく、大臣に昇進し臣下として最高位となってすでに約20年間経過しているわけですから、道長の未熟さを際立たせることには疑問もあります。ただ、本作の道長は完全無欠の大政治家として描かれてきたわけではなく、紫式部への想いを断ち切れず、若き日の紫式部との約束に拘泥する青臭い側面も強調されてきたので、この描写はこれまでの積み重ねの延長線上にあるとも言えます。次回は有名な「望月の歌」が描かれるようで、実資がどのような反応を見せるのか、楽しみです。
道長の息子の頼通は、妻に迎えた隆姫女王との間に子供が生まれないことを気に病んでおり、両親から新たな妻を迎えるよう勧められたさいに強く反発していましたが、そのため頼通はなかなか子を儲けることができず、それが摂関政治から院政への移行の一因ともなっています。これは、禎子内親王がすでに登場している一条帝と彰子との間に生まれた敦良親王(後朱雀帝)の皇后となり、尊仁親王(後三条帝)を産み、後三条帝の即位が摂関政治にとって大打撃となったことともに、さすがに本作では言及されないでしょうか。紫式部(まひろ、藤式部)の娘である賢子(大弐三位)は、親しくしていた双寿丸が大宰府に赴く知り、ともに行くことを決意しますが、双寿丸に断られます。今回、藤原隆家が大宰府に赴任することになったので、刀伊の入寇は描かれそうです。賢子との別れの描写から、双寿丸は刀伊の入寇で落命するのではないか、と予想していますが、どうなるのでしょうか。
三条帝に頼りにされている藤原実資は今回、道長への諫言など見せ場がありました。実資は道長より年長で、まだ公卿ではなかった序盤の時点で道長の父である兼家に高く評価されているなど、存在感を示してきました。ただ、実資が道長を諭すような描写になったため、準主人公とも言うべき道長の未熟さが印象づけられた感は否めません。道長がまだ公卿に昇進した頃ならともかく、大臣に昇進し臣下として最高位となってすでに約20年間経過しているわけですから、道長の未熟さを際立たせることには疑問もあります。ただ、本作の道長は完全無欠の大政治家として描かれてきたわけではなく、紫式部への想いを断ち切れず、若き日の紫式部との約束に拘泥する青臭い側面も強調されてきたので、この描写はこれまでの積み重ねの延長線上にあるとも言えます。次回は有名な「望月の歌」が描かれるようで、実資がどのような反応を見せるのか、楽しみです。
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