大河ドラマ『光る君へ』第30回「つながる言の葉」

 今回も、紫式部(まひろ)の周囲の話と、藤原道長(三郎)の視点を中心とする宮中の話が描かれました。紫式部の視点では夫の藤原宣孝が急死したように思えたでしょうし、父親は官職を得られず、今後の生活への不安が強いだろう中で、紫式部は女房たちに和歌を教えて、物語を披露するなどして、生計を立てているようです。この和歌の会に和泉式部が現れ、かなり奔放な人物のようです。和泉式部は今回が初登場となり、本作での名前は「あかね」と設定されています。紫式部と同じく和泉式部も彰子に仕えるので、今後出番が増え、紫式部との関係がどのように描かれるのか、注目されます。

 日照りが続き、公卿も対策に苦心する中で、道長はすでに役を退いていた安倍晴明に祈祷を依頼し、渋る晴明は道長にも代償を求めて、祈祷の結果雨が降ったわけですが、老いた身の晴明は祈祷の後で精魂が尽きたかのように倒れ、それだけの代償を払った、ということでしょうか。この祈祷で道長は代償として自分の寿命を10年差し出しており、これが今後の展開とどう関わってくるのか、気になるところです。晴明は、日照りや彰子が一条天皇に愛されないことなど、苦悩する道長に、心に浮かんだ人に会い、助力を得るよう助言しますが、これが道長と紫式部とを再び結びつけることになり、次回は大きく話が動くようで楽しみです。初回冒頭に登場した晴明は、ずっと胡散臭さ全開でしたが、今回で退場でしょうか。紫式部の娘(賢子)の様子も描かれましたが、紫式部は娘に厳しく接しており、賢子はむしろ母方祖父の藤原為時を慕っているようで、この紫式部と賢子の親子関係も後半の見どころとなりそうです。

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