大河ドラマ『光る君へ』第22回「越前の出会い」
今回から本格的に越前編となります。主人公の紫式部(まひろ)の越前での見聞が主題となり、一方で藤原道長(三郎)が準主人公というべき重要人物であるため、都での様子も描くことができます。大河ドラマでは、2008年放送の『篤姫』などで採用されてきた構成で、上手くいけば無理なく複数の局面を描けますが、本作では今のところ、『篤姫』と同じくこの構成が効果的に機能しているように思いますし、作品の全体的な面白さでは『篤姫』よりずっと上だと評価しています。今後も、この面白さを維持してもらいたいものです。
紫式部が越前で出会った宋人とされる周明は本作において重要な役割を担うようですが、日本語を流暢に話せることが今回明かされたなど、出自に謎めいたところがあり、紫式部が越前から都に戻っても、出番があるのでしょうか。長く登場して本作の庶民視点を代表させる役割と予想していた直秀があっさりと退場しただけに、気になるところです。越前では、宋人との出会いにより紫式部は新たな知見を得ていくのでしょうが、地方の様相も描かれるのではないか、と期待していましたが、紫式部の父親で新たに越前守に任命された藤原為時と越前介である源光雅とのやり取りや、民からの陳情などにより、当時の地方の状況の一端が垣間見えたように思います。これまでのところ、本作のこうした多面的描写は成功しているように思います。
都の状況は道長を中心に描かれていますが、通詞である三国若麻呂の殺害を契機に、紫式部と道長を再びつなげるところは、なかなか上手く構成されているように思います。道長など公卿の政務が描かれているところも本作の魅力で、平安時代の貴族は和歌と恋に明け暮れており、政務を怠っていた、との一昔前の(今でも?)通俗的な歴史認識を改めるような描写が多い点も、本作の功績になっている、と評価しています。今後数回あるいはそれ以上、越前と都の二元的な物語が展開しそうですが、両者がどう結びつけられていくのかも楽しみです。
紫式部が越前で出会った宋人とされる周明は本作において重要な役割を担うようですが、日本語を流暢に話せることが今回明かされたなど、出自に謎めいたところがあり、紫式部が越前から都に戻っても、出番があるのでしょうか。長く登場して本作の庶民視点を代表させる役割と予想していた直秀があっさりと退場しただけに、気になるところです。越前では、宋人との出会いにより紫式部は新たな知見を得ていくのでしょうが、地方の様相も描かれるのではないか、と期待していましたが、紫式部の父親で新たに越前守に任命された藤原為時と越前介である源光雅とのやり取りや、民からの陳情などにより、当時の地方の状況の一端が垣間見えたように思います。これまでのところ、本作のこうした多面的描写は成功しているように思います。
都の状況は道長を中心に描かれていますが、通詞である三国若麻呂の殺害を契機に、紫式部と道長を再びつなげるところは、なかなか上手く構成されているように思います。道長など公卿の政務が描かれているところも本作の魅力で、平安時代の貴族は和歌と恋に明け暮れており、政務を怠っていた、との一昔前の(今でも?)通俗的な歴史認識を改めるような描写が多い点も、本作の功績になっている、と評価しています。今後数回あるいはそれ以上、越前と都の二元的な物語が展開しそうですが、両者がどう結びつけられていくのかも楽しみです。
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