岩明均『ヒストリエ』第12巻発売(講談社)
待望の第12巻が刊行されました。実に4年11ヶ月振りの新刊となります。もうかなり前に本作の完結は諦めましたが、正直なところ、第12巻の刊行も厳しいかな、と思っていただけに、嬉しいものです。第11巻は、オリュンピアスが夫のフィリッポス2世から故郷のモロッシアで休むよう勧告され、その道中でフィリッポス2世が派遣した暗殺部隊に襲撃され、オリュンピアスの護衛であるネオプトレモスと、フィリッポス2世が差し向けた襲撃者である、顔立ちがオリュンピアスの息子のアレクサンドロスにそっくりのパウサニアスが互角の戦いを続け、オリュンピアスがそれを見守っているところで終了しました。
第12巻は、その場面の続きから始まります。ネオプトレモスに勝ったパウサニアスに、オリュンピアスはパウサニアスの役割を教えよう、と提案します。すると、パウサニアスはオリュンピアスに従い、自分も含めてマケドニアの新たな征服地の出身者がオリュンピアスを襲えば、失敗しても叛乱として扱い、新たな征服地の新参貴族をけん制する効果がある、というわけです。パウサニアスは、オリュンピアスの話が理路整然としていることは理解したものの、自分の聞きたかった話ではないことから、当初の依頼通りにオリュンピアスを殺そうとします。そこで、オリュンピアスはパウサニアスに「仕事」を依頼し、どちらの「仕事」を優先するかは任せると言って、パウサニアスは承諾します。オリュンピアスは、その対価として自分の身体をパウサニアスに差し出します。
この後、紀元前337年秋、フィリッポス2世とエウリュディケとの婚儀での、エウリュディケの叔父であるアッタロスの「失言」にアレクサンドロスが激昂した、という逸話が紹介されていますが、史実としては、こま婚儀でアレクサンドロスおよびその母親であるオリュンピアスが対立して国外に出奔したか追放され、オリュンピアスは弟のエペイロスに身を寄せ、アレクサンドロスは父親であるフィリッポス2世と和解してマケドニアに帰還したことだ、との説明があります。アレクサンドロスは父親が母親を殺そうとした噂を信じず、両親は深いところで理解し合い、愛し合っている、と信じていました(そう信じたかった、とも解釈できそうですが)。
フィリッポス2世とエウリュディケとの婚儀の翌年の紀元前336年、エウメネスはマケドニアの旧都であるアイガイで、アリストテレスの立ち合いで、フィリッポス2世からエウリュディケとの間の男女の双子のうち男子のフィリッポスを見守るよう、つまりエウリュディケの見方でいるよう、依頼されます。その頃、アジア側のペルシア軍の駐留都市では、バルシネがレスボス島の生物研究所で会った気持ち悪い男性の顔を思い出していました。その男性の名はアルケノルで、アリストテレスの前に現れますが、アリストテレスは気味悪そうに見て、呼んでいないのになぜ来たのか、不審に思っています。アルケノルはせいぜい40代後半くらいにしか見えませんが、アリストテレスによると70歳を超えているそうです。
紀元前336年初夏、アイガイで、隣国エペイロスの王とマケドニア王家の娘との結婚を祝うとの名目で式典が開催され、国内外から名士が招待されましたが、実質的にはフィリッポス2世のための祭典でした。そこへパウサニアスが現れ、フィリッポス2世の顔面に斬りつけ、オリュンピアスの陰謀と直ちに見抜きますが、その心臓付近を刺し、フィリッポス2世は倒れます。オリュンピアスのパウサニアスへの依頼は、「顔面への初太刀」でした。観衆が唖然とし、兵士がパウサニアスを討ち取ろうとする中で、エウメネスは生け捕りを命じます。そこへアレクサンドロスが憤怒の表情でパウサニアスに近づき、パウサニアスを一刀両断します。パウサニアスは意識が薄れていく中で、自分の役割は1人の王を新たに生み出すことだった、と得心し、アレクサンドロスが自分と似ているはずはない、と悟って死亡します。我に返ったアレクサンドロスは瀕死の状態の父に近づき、涙を浮かべます。フィリッポス2世は、お前に、と語りかけますが、もうその先の言葉を発する力は残っていませんでした。フィリッポス2世は薄れゆく意識の中でアレクサンドロスに、お前の実父が誰かは知らないが、お前ごときに、と語りかけようとして、意識を失います。エウメネスもアレクサンドロスもフィリッポス2世の死を受け入れる中で、アリストテレスは短いながらフィリッポス2世に蘇生を施していたようですが、やがてフィリッポス2世は運ばれていきます。
マケドニアの元老であるアンティパトロスは、フィリッポス2世がパウサニアスに刺されたさいに、蘇生らしきものを試みていたアリストテレスに、よほど上手くいっても元通りではないかもしれないとして、フィリッポス2世を再生できるかもしれない、と説明を受けていました。そのアンティパトロスはアイガイを脱し、フィリッポス2世とアリストテレスのいる場所へと急いでいましたが、アリストテレスの不気味な説明に、フィリッポス2世もアリストテレスも葬り去るべきできはないか、と考えていました。アンティパトロスが到着すると、アリストテレスだけではなくアルケノルもいました。アンティパトロスはフィリッポス2世を葬るべきではないか、と改めて考えますが、その手が動くのを見て馬車へと戻ります。
マケドニアの首都ペラの王宮では、オリュンピアスがエウリュディケを呼び出し、その双子の子供のうちどちらか一方を選ぶよう、迫ります。エウリュディケはオリュンピアスに懇願しますが、オリュンピアスは容赦せず、エウリュディケは思わず男児を選びます。オリュンピアスは、これを「新王」、つまりアレクサンドロスの敵の証拠と断じ、エウリュディケの命を助けるので、息子を置いてマケドニアから去るよう命じます。するとエウリュディケは、エウメネスの開発した「マケドニア式将棋」が得意だから、少し先の方まで読もう、と言います。エウリュディケは、オリュンピアスがかなり長生きし、息子、つまりアレクサンドロスが先に死ぬので、そのさいには今日の酷い仕打ちを少しは思い出してほしい、とオリュンピアスに語り掛けます。オリュンピアスはその無礼な「預言」にもとくに腹を立てませんが、エウリュディケはさらに、オリュンピアスにも死が訪れ、怒号と罵声と嘲笑の中で、生きたまま切り裂かれ、蛇のごとくのたうち回りながら死に、その時まだ自分の息子は元気で、その様子を少し離れた場所から見ているだろう、とオリュンピアスに告げます。エウリュディケは、わざと手首をネオプトレモスに切り落とさせ、その隙に息子を抱いたまま脱出します。オリュンピアスは兵士に、エウリュディケを追うよう命じるとともに、残されたエウリュディケの娘を細かく刻んで川に流すよう指示します。
アイガイにいるエウメネスはエウリュディケを気にかけ、急ぎペラに戻ろうとし、アンティパトロスはその様子を見てエウメネスの意図を察したのか、ペラに行くことを許可し、ネアルコスに対してエウメネスに同行するよう、命じます。エウリュディケはすぐに兵隊に追いつかれ、槍で突き刺されます。兵士がエウリュディケの息子を殺そうとしたところへエウメネスが馬で駆けつけ、兵士の首を次々と刎ねていきます。エウメネスはエウリュディケに駆け寄り、息子がいずれ王になる、とエウリュディケはエウメネスに語って落命し、エウメネスは涙を流します。エウメネスは1人残った兵士を見逃し、ネアルコスはエウメネスの詰めの甘さに呆れます。エウメネスがエウリュディケの遺骸を抱いて歩きだしたところで、第12巻は終了です。
第12巻では話が大きく動き、ついにフィリッポス2世が襲撃され、公的にはこのまま死亡したことになりそうで、アレクサンドロスが新王となるのでしょう。ただ、フィリッポス2世はまだ生きており、私も含めて多くの読者が予想していたでしょうが、フィリッポス2世はアンティゴノス1世として再登場するのではないか、と思われます。フィリッポス2世はアレクサンドロスが自分の実子ではないことに気づいていたようで、その才能を認めつつ、本心ではアレクサンドロスを憎んでいたようにも思われます。この親子関係も含めて今後の展開がますます楽しみになりましたが、正直なところ、第13巻が刊行される可能性はかなり低そうで、仮に刊行されるとして、何年先になるのか予想もつきません。今回、第4巻以来の登場となった謎に満ちているアルケノルの正体も気になるところですが、アリストテレスによるフィリッポス2世の「蘇生」に貢献する技能や知識を有しているのでしょうか。
エウリュディケの「先読み」というか「予言」はかなりのところ的中することになりそうですが、「マケドニア式将棋」でエウメネスを圧倒するくらいですから、エウリュディケの洞察力と予測能力が際立って高いのか、それともアレクサンドロスのような先を読む特殊能力があるのか、気になるところです。エウリュディケの最期は、予想していたものの、魅力的な人物造形だっただけに、何とも悲しくなりました。アレクサンドロスに殺されたらしいエウリュディケの息子の運命も気になるところで、あるいは本作では生き延びるのでしょうか。
そうした点も含めて、本作は完結までぜひ見届けたいものですが、この後には、アレクサンドロスによるハカーマニシュ朝ペルシアの征服、アレクサンドロスの死とその後のディアドコイ戦争でのエウメネスの死まで描かれるとなると、完結はとても現実的とは言えないでしょう。作画を他の漫画家に任せれば完結するかもしれませんが、それではもう別作品になってしまいそうです。本作の完結を見届けることはきわめて難しそうですが、ここまで構成の優れた作品を読ませてもらったことに感謝すべきなのかな、とも思います。近いうちに、時間を作って第1巻から再読することも考えています。
なお、第3巻までの内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200707article_28.html
第4巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200708article_18.html
第5巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200904article_10.html
第6巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201005article_25.html
第7巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201111article_29.html
第8巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201308article_26.html
第9巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201505article_34.html
第10巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201704article_2.html
第11巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201907article_52.html
フィリッポス2世の今後についての予想は
https://sicambre.seesaa.net/article/201112article_2.html
フィリッポス2世の墓については
https://sicambre.seesaa.net/article/201507article_29.html
にて述べています。
第12巻は、その場面の続きから始まります。ネオプトレモスに勝ったパウサニアスに、オリュンピアスはパウサニアスの役割を教えよう、と提案します。すると、パウサニアスはオリュンピアスに従い、自分も含めてマケドニアの新たな征服地の出身者がオリュンピアスを襲えば、失敗しても叛乱として扱い、新たな征服地の新参貴族をけん制する効果がある、というわけです。パウサニアスは、オリュンピアスの話が理路整然としていることは理解したものの、自分の聞きたかった話ではないことから、当初の依頼通りにオリュンピアスを殺そうとします。そこで、オリュンピアスはパウサニアスに「仕事」を依頼し、どちらの「仕事」を優先するかは任せると言って、パウサニアスは承諾します。オリュンピアスは、その対価として自分の身体をパウサニアスに差し出します。
この後、紀元前337年秋、フィリッポス2世とエウリュディケとの婚儀での、エウリュディケの叔父であるアッタロスの「失言」にアレクサンドロスが激昂した、という逸話が紹介されていますが、史実としては、こま婚儀でアレクサンドロスおよびその母親であるオリュンピアスが対立して国外に出奔したか追放され、オリュンピアスは弟のエペイロスに身を寄せ、アレクサンドロスは父親であるフィリッポス2世と和解してマケドニアに帰還したことだ、との説明があります。アレクサンドロスは父親が母親を殺そうとした噂を信じず、両親は深いところで理解し合い、愛し合っている、と信じていました(そう信じたかった、とも解釈できそうですが)。
フィリッポス2世とエウリュディケとの婚儀の翌年の紀元前336年、エウメネスはマケドニアの旧都であるアイガイで、アリストテレスの立ち合いで、フィリッポス2世からエウリュディケとの間の男女の双子のうち男子のフィリッポスを見守るよう、つまりエウリュディケの見方でいるよう、依頼されます。その頃、アジア側のペルシア軍の駐留都市では、バルシネがレスボス島の生物研究所で会った気持ち悪い男性の顔を思い出していました。その男性の名はアルケノルで、アリストテレスの前に現れますが、アリストテレスは気味悪そうに見て、呼んでいないのになぜ来たのか、不審に思っています。アルケノルはせいぜい40代後半くらいにしか見えませんが、アリストテレスによると70歳を超えているそうです。
紀元前336年初夏、アイガイで、隣国エペイロスの王とマケドニア王家の娘との結婚を祝うとの名目で式典が開催され、国内外から名士が招待されましたが、実質的にはフィリッポス2世のための祭典でした。そこへパウサニアスが現れ、フィリッポス2世の顔面に斬りつけ、オリュンピアスの陰謀と直ちに見抜きますが、その心臓付近を刺し、フィリッポス2世は倒れます。オリュンピアスのパウサニアスへの依頼は、「顔面への初太刀」でした。観衆が唖然とし、兵士がパウサニアスを討ち取ろうとする中で、エウメネスは生け捕りを命じます。そこへアレクサンドロスが憤怒の表情でパウサニアスに近づき、パウサニアスを一刀両断します。パウサニアスは意識が薄れていく中で、自分の役割は1人の王を新たに生み出すことだった、と得心し、アレクサンドロスが自分と似ているはずはない、と悟って死亡します。我に返ったアレクサンドロスは瀕死の状態の父に近づき、涙を浮かべます。フィリッポス2世は、お前に、と語りかけますが、もうその先の言葉を発する力は残っていませんでした。フィリッポス2世は薄れゆく意識の中でアレクサンドロスに、お前の実父が誰かは知らないが、お前ごときに、と語りかけようとして、意識を失います。エウメネスもアレクサンドロスもフィリッポス2世の死を受け入れる中で、アリストテレスは短いながらフィリッポス2世に蘇生を施していたようですが、やがてフィリッポス2世は運ばれていきます。
マケドニアの元老であるアンティパトロスは、フィリッポス2世がパウサニアスに刺されたさいに、蘇生らしきものを試みていたアリストテレスに、よほど上手くいっても元通りではないかもしれないとして、フィリッポス2世を再生できるかもしれない、と説明を受けていました。そのアンティパトロスはアイガイを脱し、フィリッポス2世とアリストテレスのいる場所へと急いでいましたが、アリストテレスの不気味な説明に、フィリッポス2世もアリストテレスも葬り去るべきできはないか、と考えていました。アンティパトロスが到着すると、アリストテレスだけではなくアルケノルもいました。アンティパトロスはフィリッポス2世を葬るべきではないか、と改めて考えますが、その手が動くのを見て馬車へと戻ります。
マケドニアの首都ペラの王宮では、オリュンピアスがエウリュディケを呼び出し、その双子の子供のうちどちらか一方を選ぶよう、迫ります。エウリュディケはオリュンピアスに懇願しますが、オリュンピアスは容赦せず、エウリュディケは思わず男児を選びます。オリュンピアスは、これを「新王」、つまりアレクサンドロスの敵の証拠と断じ、エウリュディケの命を助けるので、息子を置いてマケドニアから去るよう命じます。するとエウリュディケは、エウメネスの開発した「マケドニア式将棋」が得意だから、少し先の方まで読もう、と言います。エウリュディケは、オリュンピアスがかなり長生きし、息子、つまりアレクサンドロスが先に死ぬので、そのさいには今日の酷い仕打ちを少しは思い出してほしい、とオリュンピアスに語り掛けます。オリュンピアスはその無礼な「預言」にもとくに腹を立てませんが、エウリュディケはさらに、オリュンピアスにも死が訪れ、怒号と罵声と嘲笑の中で、生きたまま切り裂かれ、蛇のごとくのたうち回りながら死に、その時まだ自分の息子は元気で、その様子を少し離れた場所から見ているだろう、とオリュンピアスに告げます。エウリュディケは、わざと手首をネオプトレモスに切り落とさせ、その隙に息子を抱いたまま脱出します。オリュンピアスは兵士に、エウリュディケを追うよう命じるとともに、残されたエウリュディケの娘を細かく刻んで川に流すよう指示します。
アイガイにいるエウメネスはエウリュディケを気にかけ、急ぎペラに戻ろうとし、アンティパトロスはその様子を見てエウメネスの意図を察したのか、ペラに行くことを許可し、ネアルコスに対してエウメネスに同行するよう、命じます。エウリュディケはすぐに兵隊に追いつかれ、槍で突き刺されます。兵士がエウリュディケの息子を殺そうとしたところへエウメネスが馬で駆けつけ、兵士の首を次々と刎ねていきます。エウメネスはエウリュディケに駆け寄り、息子がいずれ王になる、とエウリュディケはエウメネスに語って落命し、エウメネスは涙を流します。エウメネスは1人残った兵士を見逃し、ネアルコスはエウメネスの詰めの甘さに呆れます。エウメネスがエウリュディケの遺骸を抱いて歩きだしたところで、第12巻は終了です。
第12巻では話が大きく動き、ついにフィリッポス2世が襲撃され、公的にはこのまま死亡したことになりそうで、アレクサンドロスが新王となるのでしょう。ただ、フィリッポス2世はまだ生きており、私も含めて多くの読者が予想していたでしょうが、フィリッポス2世はアンティゴノス1世として再登場するのではないか、と思われます。フィリッポス2世はアレクサンドロスが自分の実子ではないことに気づいていたようで、その才能を認めつつ、本心ではアレクサンドロスを憎んでいたようにも思われます。この親子関係も含めて今後の展開がますます楽しみになりましたが、正直なところ、第13巻が刊行される可能性はかなり低そうで、仮に刊行されるとして、何年先になるのか予想もつきません。今回、第4巻以来の登場となった謎に満ちているアルケノルの正体も気になるところですが、アリストテレスによるフィリッポス2世の「蘇生」に貢献する技能や知識を有しているのでしょうか。
エウリュディケの「先読み」というか「予言」はかなりのところ的中することになりそうですが、「マケドニア式将棋」でエウメネスを圧倒するくらいですから、エウリュディケの洞察力と予測能力が際立って高いのか、それともアレクサンドロスのような先を読む特殊能力があるのか、気になるところです。エウリュディケの最期は、予想していたものの、魅力的な人物造形だっただけに、何とも悲しくなりました。アレクサンドロスに殺されたらしいエウリュディケの息子の運命も気になるところで、あるいは本作では生き延びるのでしょうか。
そうした点も含めて、本作は完結までぜひ見届けたいものですが、この後には、アレクサンドロスによるハカーマニシュ朝ペルシアの征服、アレクサンドロスの死とその後のディアドコイ戦争でのエウメネスの死まで描かれるとなると、完結はとても現実的とは言えないでしょう。作画を他の漫画家に任せれば完結するかもしれませんが、それではもう別作品になってしまいそうです。本作の完結を見届けることはきわめて難しそうですが、ここまで構成の優れた作品を読ませてもらったことに感謝すべきなのかな、とも思います。近いうちに、時間を作って第1巻から再読することも考えています。
なお、第3巻までの内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200707article_28.html
第4巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200708article_18.html
第5巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/200904article_10.html
第6巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201005article_25.html
第7巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201111article_29.html
第8巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201308article_26.html
第9巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201505article_34.html
第10巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201704article_2.html
第11巻の内容は
https://sicambre.seesaa.net/article/201907article_52.html
フィリッポス2世の今後についての予想は
https://sicambre.seesaa.net/article/201112article_2.html
フィリッポス2世の墓については
https://sicambre.seesaa.net/article/201507article_29.html
にて述べています。
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