大相撲夏場所千秋楽
先場所新入幕で優勝した尊富士関と、三役に復帰した朝乃山関の休場は残念でしたが、1横綱4大関全員が出場してきました。しかし、初日に1横綱4大関全員が敗れる大波乱となり、あまりにも相撲内容の悪かった横綱の照ノ富士関は2日目から休場となりました。稀勢の里関の悪例があるので、横綱の休場にはできるだけ寛容であるべきと考えていますが、さすがに照ノ富士関は厳しくなってきた感があります。照ノ富士関は、来場所進退をかけることになるでしょうが、今場所初日の内容からは、もう立て直せないのではないか、と懸念されます。貴景勝関も2日目から休場となり、来場所は角番となりますが、先場所前半並の状態に戻せれば、角番を脱出できる可能性は高いと思います。
角番の霧島関は、相変わらず状態が悪いようで、先場所から首を痛めているそうですが、初日の相撲内容が悪かったので、今場所は休場して来場所10勝以上での大関復帰にかける方がよいのではないか、とさえ思いました。じっさい、霧島関は不調で6日目を終わった時点で1勝5敗と追い込まれ、7日目から休場となり、大関から陥落しました。先場所初日の時点では、霧島関が最も横綱に近いと思っていただけに、あっさりと大関から陥落するとはまったく考えていませんでした。霧島関は、貴景勝関と同じく首を痛めての不振だけに、横綱昇進はもちろん、大関復帰も難しいかもしれません。
7日目からは足の親指を痛めた若元春関も休場となり、これで三役以上の9人のうち7日目までに5人が休場となりました(若元春関は11日目から再出場しましたが)。これを上位陣の情けなさと考える相撲協会幹部や大衆媒体や相撲愛好者は多いかもしれませんが、以前より八百長がずっと減っているのだとしたら、力士の体格の大型化もあって、強い相手と対戦する上位陣ほど消耗が激しいことも否定できないでしょう。正直なところ、真剣勝負を前提とした場合、1場所15日間で年間6場所はあまりにも過酷な条件と言うべきで、せめて1場所15日間を隔日での1ヶ月ほどの開催として、年間3場所程度とし、巡業も今より減らさないと、大関昇進や、大関昇進後に相応しい成績を残すことはかなり難しく、横綱の場合はもちろん大関よりずっと難しいわけです。ただ、そうすると力士の待遇の低下は避けられず、少子化もあってさらに入門者が減りそうで、大相撲が崩壊するかもしれませんが。
上位陣の多数の休場に象徴されるように今場所は荒れましたが、白鵬関が衰えて以降、こうした波乱にはもう慣れてしまい、とくに驚かなくなったのは、大相撲の根幹とも言える番付が機能していないとも言えるわけで、相撲協会としては、この混乱も楽しんでいる私の如き一愛好者のように気楽にはいかないでしょう。今場所も、終盤まで平幕力士に優勝の可能性が残り、しかも4敗での優勝の可能性もありました。千秋楽を迎えた時点で優勝争いは、単独首位の3敗の大の里関に、4敗の大栄翔関と豊昇龍関と阿炎関と琴ノ若から改名した琴櫻関に絞られました。
千秋楽は、まず4敗の大栄翔関が琴勝峰関と対戦し、危ない場面もあったものの逆襲し、引き落としで勝って優勝決定戦進出の可能性を残しました。次に大の里関が阿炎関と対戦し、阿炎関を圧倒してあっさりと押し出して勝ち、初優勝を決めました。仕切りの時は緊張しているようにも見えましたが、落ち着いて相撲を取れたのでしょう。優勝は決まってしまいましたが、結びの一番の豊昇龍関と琴櫻関の取り組みは力の入ったもので、琴櫻関が小手投げで勝ちました。豊昇龍関と琴櫻関の対戦では、以前は豊昇龍関が圧倒していましたが、これで琴櫻関の5連勝となり、豊昇龍関にとって、琴櫻関はすっかり分の悪い相手となってしまいました。
霧島関が大関から陥落し、首を痛めているため、大関復帰が危うい状況で、横綱に最も近いのは豊昇龍関だと考えており、まだ幕内で13勝以上の経験はありませんが、この後2場所連続優勝して横綱に昇進しても不思議ではないと思います。ただ、豊昇龍関はその相撲内容から大怪我が懸念され、その意味では、琴櫻関の方が大怪我の可能性は低そうですから、先に横綱に昇進するかもしれません。もっとも、これといった型がなく、最近ずっと琴櫻関に負けている豊昇龍関と、勝負弱いところのある琴櫻関が、まだ横綱に物足りないところもあるのは否定できず、今後の「覚醒」が期待されます。
大の里関は入幕から3場所連続で終盤まで優勝争いに加わり、今場所ついに優勝したのは、幕下付け出しとはいえ、初土俵からまだ7場所目で、上位陣に休場が多い中で3敗したことを考えても、見事だと思います。大の里関は、その体格と馬力を活かした雄大な相撲が魅力的ですが、それ以上に、今場所前に醜聞が報道されたにも関わらず、終盤まで優勝争いに加わったわけですから、師匠の二所ノ関親方(元横綱の稀勢の里関)よりもずっと精神力が強そうなことも武器と言えそうで(今後、素行の悪さはぜひとも改めてもらいたいものですが)、来年前半までに一気に横綱に昇進することも期待されます。ただ、大の里関にはまだ詰めの甘さがありますし、今後はさらに研究されるでしょうから、もっと相撲が上手くならないと、横綱昇進は難しそうです。
角番の霧島関は、相変わらず状態が悪いようで、先場所から首を痛めているそうですが、初日の相撲内容が悪かったので、今場所は休場して来場所10勝以上での大関復帰にかける方がよいのではないか、とさえ思いました。じっさい、霧島関は不調で6日目を終わった時点で1勝5敗と追い込まれ、7日目から休場となり、大関から陥落しました。先場所初日の時点では、霧島関が最も横綱に近いと思っていただけに、あっさりと大関から陥落するとはまったく考えていませんでした。霧島関は、貴景勝関と同じく首を痛めての不振だけに、横綱昇進はもちろん、大関復帰も難しいかもしれません。
7日目からは足の親指を痛めた若元春関も休場となり、これで三役以上の9人のうち7日目までに5人が休場となりました(若元春関は11日目から再出場しましたが)。これを上位陣の情けなさと考える相撲協会幹部や大衆媒体や相撲愛好者は多いかもしれませんが、以前より八百長がずっと減っているのだとしたら、力士の体格の大型化もあって、強い相手と対戦する上位陣ほど消耗が激しいことも否定できないでしょう。正直なところ、真剣勝負を前提とした場合、1場所15日間で年間6場所はあまりにも過酷な条件と言うべきで、せめて1場所15日間を隔日での1ヶ月ほどの開催として、年間3場所程度とし、巡業も今より減らさないと、大関昇進や、大関昇進後に相応しい成績を残すことはかなり難しく、横綱の場合はもちろん大関よりずっと難しいわけです。ただ、そうすると力士の待遇の低下は避けられず、少子化もあってさらに入門者が減りそうで、大相撲が崩壊するかもしれませんが。
上位陣の多数の休場に象徴されるように今場所は荒れましたが、白鵬関が衰えて以降、こうした波乱にはもう慣れてしまい、とくに驚かなくなったのは、大相撲の根幹とも言える番付が機能していないとも言えるわけで、相撲協会としては、この混乱も楽しんでいる私の如き一愛好者のように気楽にはいかないでしょう。今場所も、終盤まで平幕力士に優勝の可能性が残り、しかも4敗での優勝の可能性もありました。千秋楽を迎えた時点で優勝争いは、単独首位の3敗の大の里関に、4敗の大栄翔関と豊昇龍関と阿炎関と琴ノ若から改名した琴櫻関に絞られました。
千秋楽は、まず4敗の大栄翔関が琴勝峰関と対戦し、危ない場面もあったものの逆襲し、引き落としで勝って優勝決定戦進出の可能性を残しました。次に大の里関が阿炎関と対戦し、阿炎関を圧倒してあっさりと押し出して勝ち、初優勝を決めました。仕切りの時は緊張しているようにも見えましたが、落ち着いて相撲を取れたのでしょう。優勝は決まってしまいましたが、結びの一番の豊昇龍関と琴櫻関の取り組みは力の入ったもので、琴櫻関が小手投げで勝ちました。豊昇龍関と琴櫻関の対戦では、以前は豊昇龍関が圧倒していましたが、これで琴櫻関の5連勝となり、豊昇龍関にとって、琴櫻関はすっかり分の悪い相手となってしまいました。
霧島関が大関から陥落し、首を痛めているため、大関復帰が危うい状況で、横綱に最も近いのは豊昇龍関だと考えており、まだ幕内で13勝以上の経験はありませんが、この後2場所連続優勝して横綱に昇進しても不思議ではないと思います。ただ、豊昇龍関はその相撲内容から大怪我が懸念され、その意味では、琴櫻関の方が大怪我の可能性は低そうですから、先に横綱に昇進するかもしれません。もっとも、これといった型がなく、最近ずっと琴櫻関に負けている豊昇龍関と、勝負弱いところのある琴櫻関が、まだ横綱に物足りないところもあるのは否定できず、今後の「覚醒」が期待されます。
大の里関は入幕から3場所連続で終盤まで優勝争いに加わり、今場所ついに優勝したのは、幕下付け出しとはいえ、初土俵からまだ7場所目で、上位陣に休場が多い中で3敗したことを考えても、見事だと思います。大の里関は、その体格と馬力を活かした雄大な相撲が魅力的ですが、それ以上に、今場所前に醜聞が報道されたにも関わらず、終盤まで優勝争いに加わったわけですから、師匠の二所ノ関親方(元横綱の稀勢の里関)よりもずっと精神力が強そうなことも武器と言えそうで(今後、素行の悪さはぜひとも改めてもらいたいものですが)、来年前半までに一気に横綱に昇進することも期待されます。ただ、大の里関にはまだ詰めの甘さがありますし、今後はさらに研究されるでしょうから、もっと相撲が上手くならないと、横綱昇進は難しそうです。
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