ホモ・フロレシエンシスとコモドオオトカゲによるステゴドンの消費

 インドネシア領フローレス島のホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)とコモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)によるステゴドンの消費について、先月(2024年3月)20日~23日にかけてアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市で開催された第93回アメリカ生物学会(旧称はアメリカ自然人類学会)総会で報告されました(Veatch et al., 2024)。この報告の要約はPDFファイルで読めます(P186)。

 インドネシア領フローレス島のリアン・ブア(Liang Bua)洞窟は、ホモ・フロレシエンシスの模式産地としてよく知られています。ホモ・フロレシエンシスの起源については、議論が続いています(関連記事)。リアン・ブア遺跡の動物相遺骸の島嶼の研究と記載から、ホモ・フロレシエンシスは、石器と関連して発見されたステゴドンの遺骸やこれらの骨の解体痕の存在に基づいて、食料のため長鼻類の小型ステゴドン(Stegodon florensis insularis)を狩り、屠殺し、おそらくは調理した、と示唆されました。

 ホモ・フロレシエンシスに関するこれら初期および有力な解釈を検証するため、より詳細な動物考古学的および化石生成論的分析目的でリアン・ブア洞窟の3155点のステゴドンの要素が標本抽出され、そうした要素には、骨格の部分的特性、破損と断片化のパターン、堆積後の過程、骨表面の変化が含まれます。捕食を示唆する痕跡は、三次元非接触側面計を用いてモデル化されて検査され、由来が分かっている痕跡の収集と比較されました。

 その結果、ステゴドンの要素への、それぞれオオトカゲ科の刃型と人類の道具両方の存在に基づいて、コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)とホモ・フロレシエンシスの両者がリアン・ブア洞窟においてステゴドンを利用し、ほぼ確実に消費していた、と示唆されます。ステゴドンの肋骨1点のみが火に曝された痕跡を示しましたが、ずっと新しい堆積物と不整合に重なっている堆積物で発見されたので、その燃焼がホモ・フロレシエンシスの行動に起因する可能性は低そうでした。

 ステゴドンの年齢特性は、亜成体の個体群の多さを視察しますが、成体と亜成体両方の要素が、堆積後の断片化の高率を示しており、それは、ホモ・フロレシエンシスとコモドオオトカゲのどちらがこれらのステゴドンの遺骸をおもに利用したのか、判断を困難とします。したがって、ホモ・フロレシエンシスがフローレス島のステゴドンを狩っていたのかどうかは、未解決です。ホモ・フロレシエンシスがある程度以上大型の動物を狩っていたのかどうかは、ホモ・フロレシエンシスの認知能力の評価とも関わってきそうなので、今後の研究の進展が期待されます。


参考文献:
Veatch EG. et al.(2024): Homo floresiensis and Komodo Dragons consumed Stegodon at Liang Bua. The 93th Annual Meeting of the AAPA.

この記事へのコメント

aki
2024年04月13日 02:54
この様な書込大変失礼致します。日本も当事国となる台湾有事を前に 日本の国防を妨げる国内の反日の危険性が共有される事を願い書込ませて頂きます。

今や報道は無法国の代弁者となり、日本の国益は悪に印象操作、反日帰化の多い野党や中韓の悪事は報じない自由で日本人の知る権利を阻む異常な状態です。

世論誘導が生んだ民主党政権、中韓を利す為の超円高誘導で日本企業や経済は衰退する中、技術を韓国に渡さぬJAXAを恫喝し予算削減、3万もの機密漏洩など数知れぬ韓国への利益誘導の為に働きました。

当時の売国法に未だ後遺症を残し、今も内から中韓勢力の侵略が進む中、再びメディアに踊らされ国を失わぬ為に、各党の傾向を見極め、改憲始め国の強化成長が不可欠です。
しかし必要なのは、日本人として誇りを取り戻し 掛替えない自国を守る意識だと多くの方に伝わる事を願います。