再来年(2026年)の大河ドラマは豊臣秀長を主人公とする『豊臣兄弟!』

 再来年(2026年)の大河ドラマは、豊臣秀長を主人公とする『豊臣兄弟!』に決定した、と公表されました。脚本は八津弘幸氏、主演は仲野太賀氏です。八津弘幸氏のことは失念していましたが、朝ドラ『おちょやん』の脚本も八津氏とのことで、『おちょやん』は話が重いこともあってか視聴率は低下傾向にあったと記憶していますが、話自体はなかなか楽しめました。まあ、主演の杉咲花氏への好演も含めての高評価になっている側面も多分にあるかもしれませんが。ともかく、脚本について大きな不安はありません。主演の仲野太賀氏は、2011年放送の大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』で秀長の甥である豊臣秀頼を演じていましたが、それ以来ずっと高く評価してきたので、演技面ではかなり期待しています。

 大河ドラマの舞台は、今年が平安時代半ば、来年が江戸時代半ばなので、再来年は定番の戦国時代が舞台となるだろう、と予想していましたが、豊臣秀長が主人公とはまったく予想していませんでした。豊臣秀長を主人公とするからには、兄の秀吉が準主人公的な役割を担うのでしょうが、近年における秀吉の人気低下(関連記事)を反映してか、21世紀の大河ドラマでは、残酷さや小物感が強調されるなど、秀吉の描き方がよくないように思えたので、もう秀吉や秀吉側の視点での大河ドラマはないのかな、と考えていたことも、秀長が大河ドラマの主人公とまったく予想できなかった一因です。

 秀長は、秀吉もしくは豊臣視点の大河ドラマでは、1965年放送の『太閤記』はさすがに生まれる前のことでもあり分かりませんが、1981年放送の『おんな太閤記』と1996年放送の『秀吉』ではかなり扱いが大きく、昨年放送された『どうする家康』でも割と目立っていただけに、一般的な知名度はなかなか高いように思います。何よりも、兄の秀吉はもちろん、織田信長も徳川家康も明智光秀も重要人物として描かれるでしょうから、視聴率の点では好素材と言えるでしょう。紫式部を主人公とする今年と、蔦屋重三郎を主人公とする来年は視聴率で苦戦しそうというか、じっさい今年は視聴率の点で苦戦しているわけで、NHKとしても再来年は高視聴率を見込んでいると思われます。

 上述のように近年の大河ドラマで秀吉の描かれ方はよくないように思われるので、秀吉がどう描かれるのかは気になるところですが、制作発表の粗筋を読むと、英雄の秀吉と秀吉を補佐する弟の秀長という王道的な英雄出世物語になりそうです。もちろん、秀吉の残酷さも時に見せ、主人公の秀長がその歯止め役になっていた、という話になるのかもしれません。大河ドラマでは何度も描かれてきた舞台ですが、陳腐ではない物語になるのではないか、と期待しています。また、『おちょやん』の出演者が少なからず本作に出演することも予想され、とくに杉咲花氏については、秀長か秀吉の妻としての出演を期待しています。

この記事へのコメント