大河ドラマ『光る君へ』第7回「おかしきことこそ」

 985年(以下、西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)、花山天皇に寵愛されていた藤原忯子が死亡し、花山天皇は悲嘆に暮れ、これが花山天皇の出家と退位という政変へとつながっていくわけですが、今回はそこまで進みませんでした。本作の花山天皇は皇太子時代から目立っていましたし、本作の準主人公とも言うべき藤原道長(三郎)にとっても、父の兼家が摂政に就任し、出世する契機になったという意味で重要でしょうから、花山天皇の出家と退位は序盤の山場になるのではないか、と期待しています。陣定の様子が描かれていたのもなかなか興味深く、こうしたところは時代考証担当の意見を取り入れているのでしょうか。

 道長が母親を殺した道兼の同母弟と知り、紫式部(まひろ)は道長とどう距離を取るのか、悩むわけですが、紫式部と道長の関係はなかなか進展せず、それだけ丁寧に描こうとしているのでしょう。両者の関係は本作の軸で、今はまだ青いところのある道長が、今後父の兼家のような権力の亡者へと「成長」というか変貌していくのだとしたら、両者の関係も変わってくるでしょうから、そこも本作の見どころになりそうです。紫式部が周囲の人々との関わり合いの中で物語の才を伸ばしていったり、安倍晴明と道長とが親しげに話したり、紫式部の父親である藤原為時の世渡り下手(花山天皇の退位後は長きにわたって官職に恵まれませんでした)が描かれたり、藤原実資と妻との会話で妻が実資の日記に言及したりと、今後の展開の伏線も丁寧に描かれているようなので、今のところ本作はかなり楽しめています。

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