大河ドラマ『光る君へ』第6回「二人の才女」

 前回、母を藤原道長(三郎)の同母兄である道兼に殺された、と紫式部(まひろ)が道長に打ち明けられたことで、本作の主人公である紫式部と準主人公とも言うべき道長との関係が、これまでのように気楽なものからどのように変わっていくのか、注目していましたが、この点では今回大きく話が動いたわけではなく、二人の関係は本作において最重要とも言えるでしょうから、丁寧に描いていく制作方針なのでしょうか。二人の周囲の人物の思惑とやり取りも描かれ、宮廷の人間模様がなかなか興味深く描かれているように思います。ここまでは、登場人物の個性がなかなか魅力的に描かれており、今後の話も楽しみです。

 今回最大の注目は、清少納言(ききょう)の登場で、紫式部が彰子に仕えていた時期と、清少納言が定子に仕えていた時期とは重ならず、両者には面識がなかっただろう、と一般的に言われているようですが、本作では、両者が若い頃(本作での清少納言の現時点での年齢は不明ですが)に藤原道隆主催の漢詩の会で出会っていた、という設定になりました。清少納言は才気煥発の陽気な人物といった感じで、陽の清少納言と陰の紫式部といった一般的と思われる印象に沿った人物造形になっているように思います。そのために、紫式部の母が道兼に殺され、身分の隔絶からそれを告発することもできない、という設定になったのでしょうか。今後も両者の接触はありそうで、今回はまだ紫式部が清少納言に対して決定的に悪印象を抱いたようではなさそうですが、今後、両者の関係がどのように描かれるのか、楽しみです。清少納言は道隆の妻で定子の母親である高階貴子に気に入られたようで、これが清少納言の定子への出仕につながるのでしょうか。

この記事へのコメント