大河ドラマ『光る君へ』第4回「五節の舞姫」

 今回は、紫式部(まひろ)と藤原道長(三郎)との再会から話が始まります。紫式部はまず自分の出自を道長に明かしましたが、道長が紫式部に自分の出自を明かそうとしたところで、藤原宣孝が現れ、道長は紫式部に真相を打ち明けられないままでした。すれ違いは陳腐な設定とも言えるだけに、主人公の紫式部と準主人公の道長という本作の重要人物二人の関係に、このすれ違いがどのような意味を持ってくるのか、期待はしているものの、やや不安もあります。今回最後にやっと、紫式部は道長が右大臣の藤原兼家の息子だと気づくわけですが、道長が母親の仇である藤原兼道の弟と知って、紫式部と道長の関係がどう変わってくるのか、注目されます。

 本作は、紫式部と道長以外の人物の個性を上手く出しているように思います。まだ第4回なので、それなりの人数が登場しているものの、各人の出番はさほど多くありません。そうした限られた登場場面の中でも、人物造形はしっかりしており、藤原氏が多い中で、視聴者が混乱しないよう、配慮されていると思います。紫式部と道長の親族が目立っているのは当然ですが、出番が少ないながらも、花山天皇は際立った個性を示し、花山天皇と比較すると「常識的」な円融天皇(今回退位して上皇となりました)も、今回は藤原詮子を相手に見せ場がありました。出番は少なそうですが、花山天皇の即位により外戚として権勢を振るった藤原義懐も、強く印象に残りました。花山天皇の退位と出家は、序盤の見どころの一つになるのではないか、と期待しています。

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