ゲノムデータから推測される南琉球諸島の人口史

 古代人および現代人のゲノムデータから南琉球諸島の人口史を推測した研究(Cooke et al., 2023)が公表されました。本論文は、おもに2021年の研究(Cooke et al., 2021)で提示された、日本列島「本土(日本列島のうち本州・四国・九州とそのごく近隣の島々を中心とする地域)」のアイヌ集団以外の現代人集団の3層の遺伝的構造に基づいて、南琉球諸島の人口史を推測しています。本論文の見解は、最近提示された沖縄諸島と宮古諸島の現代人の遺伝的起源を解明した研究(Koganebuchi et al., 2023)と整合的だと思います。ただ、2021年の研究(Cooke et al., 2021)は、弥生時代の人類集団を長崎県佐世保市の下本山岩陰遺跡の2個体に代表させていることや、古墳時代の人類集団を一部の個体に代表させていることが問題で(関連記事)、今後は時空間的にずっと広範囲の弥生時代以降の人類のゲノムデータを考慮しつつ、日本列島の人類集団の遺伝的歴史を解明していく必要があるでしょう。


●要約

 日本人集団の遺伝的起源の3構造では、現在の人口集団は主要な3祖先の子孫である、と述べられています。それは、(1)在来の縄文時代狩猟採集民、(2)農耕の弥生時代に到来したアジア北東部構成要素、(3)ヤマト王権の古墳時代におけるアジア東部祖先系統(祖先系譜、祖先成分、祖先構成、ancestry)の主要な流入です。しかし、日本列島のさまざまな地域で観察された遺伝的異質性は、このモデルの適用性と適合性の評価の必要を浮き彫りにします。本論文は、日本の他地域と比較して独特な文化と歴史的背景を有する、南琉球諸島の歴史時代のゲノムを解析します。本論文の分析は、この地域において3構造が最適と裏づけ、「本土」日本人よりも顕著に高い推定割合の縄文祖先系統が見られます。それぞれの大陸由来祖先が直接的に大陸からの移民によりもたらされた日本列島「本土」とは異なり、すでに3系統の祖先を有する人々が、グスク時代の出現と一致する11世紀頃に南琉球諸島に移住し、先史時代の人々と混合しました。これらの結果は、日本列島の最南端における3構造モデルを再確認し、その構造が多様な地理的地域において出現した多様性を示します。


●研究史

 古代ゲノム配列データは、世界中の現在の人口集団の起源に関する理解を強化し、頻繁に変えてきました(Liu et al., 2021)。そうした地域の一つは日本列島で、先史時代および原史時代のゲノム解析が、現在の人口集団の起源について三者モデルを裏づけました(Cooke et al., 2021)。この枠組みでは、現在の日本人の祖先系統は主要な3供給源に由来します。それは、(1)日本列島外とはほとんど接触せず、数千年間日本列島全域に暮らしていた、在来の狩猟採集民である縄文時代の人口集団、(2)弥生時代(3000年前頃以降)に水田稲作農耕とともに日本列島に到来した、中国北部【北東部】のアムール川流域の古代の個体群で観察されたアジア北東部構成要素、(3)初期ヤマト王権の形成と関連している、古墳時代(1700年前頃以降)に到来した現在のアジア東部の人口集団(漢人など)と類似した祖先系統の大きな流入です。

 日本人集団の起源についてさまざまなモデルが、遺伝学と考古学と言語学の証拠に基づいて以前に提案されてきましたが、元々は頭蓋顔面データに基づいて体系化された「二重構造」仮説が最も広く知られており、続いています。この二重構造モデルでは、全ての日本人集団は祖先系統の主要な2供給源の漸進的な混合の子孫で、それは、当初の縄文時代の人々と、弥生時代におけるアジア北東部からのその後の移民です。二重構造モデルでは、北海道のアイヌ集団と日本列島最南端の琉球諸島の人々との間の形態学的類似性は縄文時代の人々に起因しており、その後の大陸部の供給源人口集団からの祖先系統は殆ど若しくは全くなかった、と述べられています。遺伝的異質性は、日本「本土」とこれら地理的に異なる地域の人口集団間でも観察されます。さらに、縄文時代の個体群は現在の琉球諸島住民や北海道のアイヌ集団の方と、日本列島の他地域の住民とよりも高い遺伝的類似性を有しています(Gakuhari et al., 2020、Kanzawa-Kiriyama et al., 2019)。それでも、これらの観察は、大陸部祖先系統の起源ではなく、日本全域の縄文祖先系統の差異を説明できるだけです。

 古代ゲノムデータに基づいて提案された三者モデルは、二重構造モデルと比較すると、サイモンズゲノム多様性計画(Simons Genome Diversity Project、略してSGDP)に含まれる現在の日本人弧隊の遺伝的祖先系統に有意により適合する、と示されました(Cooke et al., 2021)。しかし、日本列島「本土」を越えて遺伝的に異なる人口集団におけるこの枠組みの適用性はまだ検証されておらず、それは、現代人の参照データセットが現時点では、日本列島の真の異質性を反映してない、「本土」日本人の小さな部分集合に限定されているからです(GenomeAsia100K Consortium., 2019、Mallick et al., 2016)。この3方向混合モデルが日本列島の多様な地域でどのように変わるのか評価することは、日本列島の人口集団の起源における違いと日本列島内の最近の歴史を示唆できるかもしれません。

 沖縄県宮古島市にある長墓遺跡の150年前頃となる歴史時代の4個体の配列データの最近の刊行(Robbeets et al., 2021)は、南琉球諸島に暮らす最近の人口集団の祖先の特性の調査を可能としました。南琉球諸島は、先行研究により強調されているように、例外的な島嶼の地理と歴史と文化で認識されています。南琉球諸島には、日本列島「本土」、さらには琉球諸島北部とさえ異なる独特な特徴があります。注目すべき一つの側面は長期間の先史時代で、それはグスクとして知られている独特な地域文化が出現する11世紀まで続きました。この長期の島嶼的および文化的孤立は、日本列島の大半に広がっていた弥生文化や古墳文化や他の歴史時代の文化の欠如に起因するかもしれません。結果として、南琉球諸島のゲノムデータは、日本人の起源の文脈における三者モデルおよびその形成過程の適用性と変動性調査の貴重な機会を提示します。本論文では、琉球諸島の歴史時代の人口集団のデータを用いて三者構造が再調査され、その祖先特性が「本土」日本人集団と比較されます。


●分析結果

 沖縄県の宮古諸島の宮古島の北半島にある長墓貝塚および岩陰遺跡(図1)で発掘された骨格遺骸から、最近の歴史時代(historic、略してH)の4個体(NAG007、NAG035、NAG036、NAG039)が標本抽出されました(Robbeets et al., 2021)。まず、対での外群f₃分析が実行され、他の古代および現在の日本人標本との遺伝的類似性が確認されました。この分析は、縄文時代と弥生時代と他の時代(古墳時代や歴史時代や現在など)の日本列島の標本のクラスタを明確に定義します。つまり、第三のクラスタ内では、歴史時代の個体群はさらに他の標本と分離意され、それは、古墳時代および現代の人口集団よりも縄文時代の個体群の方と高い遺伝的類似性に起因します。その後、これらの個体はまとめて「長墓_H(歴史時代)」という単一の人口集団にまとめられ、qpAdmを用いて、古代もしくは現在の日本列島の人口集団のどれも、祖先系統の単一の供給源としてモデル化に成功できない、とさらに論証され、これら長墓遺跡の歴史時代の住民は縄文時代集団の直接的祖先だった、との提案された見解は除外されました。これらの結果は、長墓遺跡の個体間の祖先組成における日本列島「本土」住民との違いを示唆しています。以下は本論文の図1です。
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 長墓_Hの三者構造の適合性を評価するため、3つの異なる祖先構成要素による遺伝的構成がモデル化されました。それは、縄文時代の12個体(Cooke et al., 2021、Gakuhari et al., 2020、Kanzawa-Kiriyama et al., 2019、McColl et al., 2018)、アジア北東部(Northeast Asian、略してNEA)祖先系統を表す、北方のアムール川地域の高水準の祖先系統を有する中国で発見された古代人2個体(Ning et al., 2020)、つまり西遼河(West Liao River、略してWLR)の青銅器時代(Bronze Age、略してBA)の外れ値(outlier、略してo)個体(WLR_BA_o)および、ハミンマンガ(Haminmangha、略してHMMH)遺跡の中期新石器時代(Middle Neolithic、略してMN)個体(HMMH_MN)と、アジア東部祖先系統を表すSGDPパネルから得られた現在の漢人です(Mallick et al., 2016)。三者モデルは長墓_Hにうまく適合し(裾確率は0.591)、その内訳は、縄文祖先系統26.7±4.9%、NEA祖先系統30.5±10.3%、アジア東部祖先系統42.8±7.5%です(図1)。興味深いことに、長墓_Hにおいて縄文祖先系統の割合は古墳時代(13.1±3.5%)もしくは現代日本人(15.0±3.8%)と比較して約2倍です(Cooke et al., 2021)。

 長墓_H人口集団での三者構造のモデル化の成功は、二重構造仮説可能性を除外しません。長墓_Hにおける3方向混合モデルの適合性を包括的に評価するため、三者構造内の2方向混合(つまり、縄文とNEA、縄文とアジア東部、アジア東部とNEA)の仮定的状況の可能性の適合も検証されました。これらのモデルのうち2つ(縄文とNEA、NEAとアジア東部)は完全に却下されましたが(p<0.05)、縄文とアジア東部の二重構造では充分と分かりました(p=0.061)。どのモデルが最適なのか結論づけるため、検証された三者モデルと各2方向モデルとの間のそれぞれの比較について、入れ子になったモデルでp値が計算されました(表1)。その結果、三者モデルが入れ子になったモデルの全てよりも有意にデータと適合する、と分かりました。これは、三者構造が歴史時代の琉球諸島人口集団の起源を説明するのに最適なモデルという明確な証拠です。

 南琉球諸島の独特な歴史的および文化的背景を考えると、この地域における三者構造の形成過程は日本列島「本土」とは異なっていたかもしれません。古代ゲノム解析は以前に、この地域の先史時代個体群が遺伝的には縄文時代個体群だった、という証拠を提供しました(Robbeets et al., 2021)。したがって、大陸部祖先系統は、2つの追加の非縄文構成要素をすでに有していた人々によりもたらされた可能性が高そうです。この仮説を検証するため、縄文時代の個体群と古墳時代もしくは現代日本人の個体群との間の2方向混合モデルにより、長墓_Hがモデル化されました(表2)。以下は本論文の表2です。
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 検証された全モデルは長墓_Hの遺伝的祖先系統に適合し、この混合モデルは古墳時代もしくは現代の日本人集団どちらかの単一の祖先系統モデルよりも有意でした。これらの結果から、図1で示されるように、長墓_Hの遺伝的構成の説明には追加の縄文祖先系統が必要になる、と示唆されます。DATESを用いて、この混合は975年前頃(もしくは11世紀)に起きた、とさらに推定され、この年代は先史時代(つまり無土器時代)末およびグスク時代の開始と一致します。本論文の分析は、三者構造の形成においてさまざまな地域がさまざまな歴史を有しており(図2)、それが日本列島全域のゲノム差異に寄与したかもしれない、という見解を裏づけます。以下は本論文の図2です。
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●考察

 琉球諸島で暮らす人口集団は繰り返し、日本列島の他地域に暮らす集団とは遺伝的な異なる、と示されてきました。それにも関わらず、広範な混合モデル化を通じて、日本人集団の起源について三者構造が南方地域の歴史時代の個体群の人口においてうまく維持されている、と論証されます。日本列島「本土」の人口集団の代表で以前に観察されたように(Cooke et al., 2021)、このモデルは、琉球諸島人口集団が縄文時代個体群の直接的な子孫と仮定する、長年の「二重構造」の枠組みよりも有意に適合します。この結果から、縄文時代後の移民による主要な遺伝的寄与、つまり最初は弥生時代におけるアジア北東部祖先系統、その後の古墳時代におけるアジア東部祖先系統は、日本列島「本土」に限定されず、遠く日本列島の最南端に到達した、と示唆されます。しかし、これら大陸部祖先系統は以前には、異なる人口集団から別段階で日本列島「本土」に到達した、と示されましたが(Cooke et al., 2021)、南琉球諸島にはそのずっと後の段階で、すでに三者構造を有しており、南琉球諸島の先史時代集団と混合した単一の祖先人口集団によりもたらされたようです(図2)。

 外群f₃分析では、長墓_H人口集団は古墳時代もしくは現代の日本列島「本土」個体群よりも、縄文時代個体群と高水準の遺伝的浮動を共有している、と示されました。長墓_H人口集団はその後、26.7±4.9%の縄文祖先系統を有している、と示され(図1)、これは古墳時代(13.1±3.5%)もしくは現代(15.0±3.8%)の日本列島の個体群で観察された縄文祖先系統(Cooke et al., 2021)の約2倍です。追加の縄文組成を組み込んだこの人口集団のモデルは同様に、古墳時代もしくは現代の日本人祖先系統のみに基づくモデルよりも適合する、と分かりました。これらの結果は、縄文時代個体群と琉球諸島現代人との間の高い遺伝的類似性に関する以前の調査結果(Gakuhari et al., 2020、Kanzawa-Kiriyama et al., 2019)と一致します。本論文は、南琉球諸島における縄文祖先系統の過剰をもたらした混合過程のより詳細な全体像を提供します。

 考古学的記録は、宮古諸島を含めて琉球諸島の南部が、日本列島「本土」もしくはさらに北琉球諸島と比較して、独特な変化を経てきた、という見解を裏づけます。先史時代の北琉球諸島と縄文文化との間で示唆される文化的かながりはありますが、これらのつながりは南琉球諸島では、その独自の物質文化の発展のためさほど明らかではありません。しかし、長墓遺跡の先史時代(3600~2600年前頃)個体群の遺伝学的分析(Robbeets et al., 2021)は、この地域における縄文祖先系統の存在を確証しました。

 日本列島「本土」の生活様式は、3000年前頃以降に急激な変化を遂げ始め、まず採食から稲作農耕へ、その後で1700年前頃以降に国家形成へと至りました。対照的に南琉球諸島では、無土器文化として知られている完全に異なる文化が2500年前頃に出現し、これはこの地域の先史時代の最終段階を示しました。この文化は貝殻の手斧と土器の製作もしくは利用の欠如により特徴づけられ、約1700年間存続しました。その結果、縄文時代以降の日本列島「本土」で起きた文化的変容は11世紀まで南琉球諸島に影響を及ぼさず、11世紀にグスク文化が始まり、多数の人々が北琉球諸島から南琉球諸島へと移住しました。無土器文化がどこから到来したのか、縄文時代個体群的な先史時代の人々が無土器文化期に南琉球諸島に居住し続けたのかどうか、まだ不明ですが、縄文祖先系統と日本列島「本土」祖先系統との間の混合が起きた年代の本論文の推定値は、この人口移動の時期【11世紀】と一致します。この結果から、日本列島全域の三者構造の形成過程には地域的差異があった、と示唆されます。以下は本論文の要約図です。
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 この研究は、南琉球諸島の宮古島の4個体から構成される人口集団に限定されていますが、琉球諸島が遺伝的に均質な地域ではなく、宮古諸島自体も均質ではない、と注意することは重要です。時空間的により密な標本抽出が、琉球諸島全域の遺伝的特性に関して移住の真の影響を理解するのに必要です。そうしたデータが利用可能になった時には、この人口集団と、日本列島全域の他の歴史時代および現在の人口集団との間の三者分類において、どのような類似性もしくは違いが存在するかもしれないのか、評価するのはとくに興味深いことでしょう。この研究は、さまざまな地域における人口集団の起源の理解を変える、古代ゲノムの力を改めて示しています。この研究は、確立された結論と関連する新たなデータが利用可能になった時に、古代ゲノムに基づいてなされた調査結果と提案された見解の再調査の利点も示します。


参考文献:
Cooke NP. et al.(2021): Ancient genomics reveals tripartite origins of Japanese populations. Science Advances, 7, 38, eabh2419.
https://doi.org/10.1126/sciadv.abh2419
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Cooke NP. et al.(2023): Genomic insights into a tripartite ancestry in the Southern Ryukyu Islands. Evolutionary Human Sciences, 5, e23.
https://doi.org/10.1017/ehs.2023.18

Gakuhari T. et al.(2020): Ancient Jomon genome sequence analysis sheds light on migration patterns of early East Asian populations. Communications Biology, 3, 437.
https://doi.org/10.1038/s42003-020-01162-2
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GenomeAsia100K Consortium.(2019): The GenomeAsia 100K Project enables genetic discoveries across Asia. Nature, 576, 7785, 106–111.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1793-z
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Kanzawa-Kiriyama H. et al.(2019): Late Jomon male and female genome sequences from the Funadomari site in Hokkaido, Japan. Anthropological Science, 127, 2, 83–108.
https://doi.org/10.1537/ase.190415
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Koganebuchi K. et al.(2023): Demographic history of Ryukyu islanders at the southern part of the Japanese Archipelago inferred from whole-genome resequencing data. Journal of Human Genetics, 68, 11, 759–767.
https://doi.org/10.1038/s10038-023-01180-y
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Liu Y. et al.(2021): Insights into human history from the first decade of ancient human genomics. Science, 373, 6562, 1479–1484.
https://doi.org/10.1126/science.abi8202
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Mallick S. et al.(2016): The Simons Genome Diversity Project: 300 genomes from 142 diverse populations.
https://doi.org/10.1038/nature18964
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Ning C. et al.(2020): Ancient genomes from northern China suggest links between subsistence changes and human migration. Nature Communications, 11, 2700.
https://doi.org/10.1038/s41467-020-16557-2
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Robbeets M. et al.(2021): Triangulation supports agricultural spread of the Transeurasian languages. Nature, 599, 7886, 616–621.
https://doi.org/10.1038/s41586-021-04108-8
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