大河ドラマ『どうする家康』第43回「関ヶ原の戦い」

 今回はついに関ヶ原合戦が描かれました。本作の関ヶ原合戦は徳川家康と石田三成の対決として描かれており、実際の関ヶ原合戦というかより広く関ヶ原戦役は様相が異なっているのかもしれませんが、創作ドラマとしてはこれでよいのではないか、と思います。関ヶ原合戦の戦闘場面は、戦国時代後期~江戸時代初期を題材とした今後の大河ドラマでも使いまわせるよう、大規模な撮影になっているかもしれない、と注目していましたが、本作の過去の合戦場面と比較して図抜けた規模とまでは言えなかったように思います。

 三成を扇動したり家康に三成の挙兵は不本意と伝えたりと、茶々は怪しい動きを見せていましたが、家康を追い落としたいのは本音だったようで、息子の羽柴秀頼の出陣を決断しない毛利輝元に、勝機を逸するのではないか、と苛立ち、家康を頼るよう進言した阿茶局には激昂しますが、これは、すでに家康に三成の挙兵は勝手にしたこと、と保険をかけているので、家康が勝っても自分と秀頼は安泰と考えているからでしょうか。秀頼はまだ子供で、これといって優秀なところや威厳はまだ見せていませんが、今後どのような人物として描かれるのでしょうか。関ヶ原合戦の後には大野治長も大坂城に復帰し、茶々と秀頼と治長がどのように家康とどう対峙していくのかが、今後の見どころとなりそうです。

 気になるのは、同じく徳川家康を主人公とする1983年放送の大河ドラマ『徳川家康』では、関ヶ原合戦後に10回あり、最終回は90分延長放送で実質11回あったのに対して、本作も最終回は延長放送になるだろうとはいえ、残りが5回しかないことです。次回(第44回)で家康の征夷大将軍就任、第45回で家康と秀頼との二条城での会見が描かれるとなると、大坂の陣が描かれるのは3回ほどとなりそうです。1983年放送の大河ドラマ『徳川家康』では、最終回は大坂の陣の後が描かれましたが、本作では大坂夏の陣が最終回となりそうで、大坂の陣の後はほとんど描かれないのでしょうか。1983年放送の大河ドラマ『徳川家康』では、原作に比較的忠実に伊達政宗が重要人物として描かれ、その関係で松平忠輝や大久保長安も重要人物として登場しましたが、本作ではこの3人は登場しない可能性もあり、本作では茶々が終盤の最重要人物となりそうですから、それでもよいのかな、とは思います。

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